【徹底解説】研修レポート(研修報告書)の書き方|感想の書き方や提出方法もご紹介

社会人では、新人研修や管理職研修などで研修報告書を書く機会がありますが、研修レポートの書き方に悩む方も多いと考えられます。また、海外研修や昇格研修もあるので研修レポートの書き方を学ぶことは不可欠です。本記事では、まず研修レポートのステップと構成についてご説明し、パターン別の書き方もお伝えします。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

研修レポート(研修報告書)とは

就活中の学生の皆さんにとって研修レポート(研修報告書)は馴染みが薄く、内容をイメージしにくいと考えられます。

本見出しでは研修レポート(研修報告書)とは何かをお伝えするため、2つのポイントをご紹介します。

目次

研修レポートを書く目的

研修レポートは、研修後に取り組むレポートです。そのため以下のような目的が考えられます。

  • 研修内容を文字にして書くことで振り返る
  • 研修で学んだことを上司に報告し、業務完了を伝える
  • 業務完了に対して、必要なフィードバックを受ける

研修レポートとは単に学んだことをまとめて報告するという目的のみならず、それを元に次の仕事を進めたり成長を促す目的もあります。

研修レポートは全ての企業で必須ではない

研修レポートは全ての企業で必須ではありません。研修レポートが課されない企業としては、以下が想定されます。

  • そもそも研修が行われていない企業
  • 研修があっても、終わり次第すぐに仕事をしなければならない企業

研修レポートとは何らかの研修が開催される企業のみで課されますが、中小企業などでは上記に該当するため研修レポートがいらないこともあります。

研修レポート(研修報告書)を書くステップ

前述の見出しでは、研修レポート(研修報告書)の概略に関してご紹介しましたが、作成の手順でお悩みの方も多いのではないでしょうか。

以下では、研修レポート(研修報告書)を書くステップを3つご説明するとともに、提出時の注意点もお伝えします。

ステップ①|研修の目的や内容を事前に確認する

1つ目のステップは、研修の目的や内容を事前に確認することです。

  • 目的: 研修を通して何を達成すべきか・学ぶべきか
  • 内容: どのような研修が、何時間で行われるのか

事前に研修の目的・内容を把握しておくことで、実際に研修を受ける際に注意すべきポイントが明確になり、より効率的な研修が可能となります。

ステップ②|レポートを意識して研修(セミナー)に参加する

2つ目のステップは、レポートを意識して研修(セミナー)に参加することです。レポートに研修を通して学んだこと・得たことをアウトプットします。

  • 研修を通して自分がどのように成長したのか
  • 研修を受けたことで、自分の価値はどう上がったのか

レポートを意識することで成果・成長を考えながら受講でき、効果的な時間が過ごせると期待されます。

ステップ③|レポートを仕上げて提出する

3つ目のステップは、レポートを仕上げて提出することです。レポートを書いたら、そのまま提出するのではなく2、3回ほど推敲を重ねましょう。

  • レポートを通して学んだことや伝えたいことが明確に書かれているか
  • 誤字・脱字が含まれていないか
  • レポートに添付するデータや図表の参照元は適切か

上記の点を中心に確認をするとより精度の高いレポートが作成できます。大変でも妥協することなく、推敲や確認に時間をかけると良いでしょう。

研修レポートを提出する際の注意点

研修レポートを提出する際の注意点として、以下の2つが挙げられます。

  • メールの場合:議事録形式で書くか、Word等で記載し添付する
  • A4レポート(紙)の場合:A4一枚にまとめる

研修レポートは、メールとレポート用紙によって大きく異なります。あらかじめ提出形式の指定があるかないかを確認しておき、それに応じて準備を進めましょう。

研修レポート(研修報告書)の構成

研修レポート(研修報告書)の構成についても把握しておきあしょう。

研修レポート(研修報告書)の構成は、大きく分けて5つです。レポート作成前に何をどこに書くかを再確認しましょう。

パターン別|研修レポート(研修報告書)の書き方

研修レポート(研修報告書)と一言で言っても、その書き方は研修内容によって異なるため一括りにすることはできません。

そこで本見出しでは、研修レポート(研修報告書)を4つにグループ分けてそれぞれの目的、書き方のコツや例文をご紹介します。

新人研修のレポート

1つ目は、新人研修のレポートです。新人研修とは、毎年4月入社の大卒・大学院卒社会人が、就職と同時に受ける基礎研修です。

  • 営業マナー
  • ロジカルシンキング
  • ファシリテーション

上記のような研修が新人に課されることとなりますが、いずれも半日から数日程度の研修です。多くの場合研修終了後に研修レポート(研修報告書)の提出が必須となります。

目的|社会人としての基礎力を身に付ける

新人研修の目的は、社会人としての基礎力を身に付けることです。会社での正社員・計社員業務は、学生時代のアルバイトよりも責任と成果が伴います。

そのため、新人研修によって社会人として活躍するための基礎を学び、日々の業務であらゆることを学ぶための土台を作らなければなりません。

書き方のコツ

新人研修における書き方のコツに、以下が挙げられます。

  • 研修を受けるにあたっての課題・目的を明確にする
  • 研修を通してどのように取り組んだのかプロセスを可視化する
  • 研修を終えて、今後どう仕事をすべきか次の目標設定をする

新人研修のレポート(研修報告書)では、社会人として取り立てて大きな成果を求められていません。むしろ学生から社会人になる際の課題・目標を自主的に設定できるかとなります。

例文

『論理的思考の新人研修に関する報告書』

  • 日時: 2020年4月5日・6日
  • 提出者:◯◯
  • 項目: ①研修の概略、②研修でのグループワーク、③研修を通して学んだこと

先週の月曜日と火曜日に参加した新人研修では論理的思考について学んだので、本レポートではその振り返りと考察をまとめた。

研修では、コンサルティング業界出身者の講師の方から、まず初めに論理的思考(ロジカルシンキング)とは何かをご説明頂き、都度グループごとのワークに取り組んだ。

座学研修とグループワークのまとめとして2日目にはコンペ式のグループ課題に取り組み、実践的なケーススタディを解いてプレゼンも行った。

この研修を通して根拠となる事象を網羅的に集めてそこから論理的な主張を組み立てたり、スライドにまとめて伝える難しさを学んだので、日々の業務で実践していきたい。

リーダー・管理職研修のレポート

2つ目は、リーダー・管理職研修のレポートです。リーダー・管理職研修とは、5年から10年ほどの業務経験を積んだ担当者が、マネージャーに昇格する際に受けるものです。

また、既にリーダーや管理職が継続的に能力を磨く際にも、この研修を受ける機会があります。

目的|リーダーシップの能力開発

リーダー・管理職研修の目的は、リーダーシップの能力開発です。リーダー・管理職研修は、部下の指導のみならずグループ全体の業務マネジメントも行います。

  • 若手社員の育成・業務成果向上に向けた指導
  • チーム全体の成果管理と方針決定

リーダー・管理職は、上記のような役割を組織で担っています。研修を通して基礎力を身に付けるだけでなく、定期的に実習を積むことが求められるのです。

書き方のコツ

リーダー・管理職研修における書き方のコツに、以下が挙げられます。

  • 関連する書籍・プレゼン等の背景知識を盛り込む
  • 研修を通して特に意識して取り組んだ課題・目標をを明確にする
  • 自己成長の目標と現状のギャップを次の目標に再設定する

リーダー・管理職研修はレベルが高い内容であり、上記のようなポイントを網羅することが最低限必要です。

例文

『チームマネジメントの実践研修』

  • 日時:2020年6月7日~11日
  • 提出者: ◯◯
  • 項目:①チームマネジメントとは何か、②ロールプレイ研修、③実践に向けての座談会

先週本社で開催されたチームマネジメント研修では、メンバーの指導とグループの成果を最大化するためのノウハウを中心に学んだ。

研修に先立ちドラッカーの関連書を2冊以上読むことが求められた。上司と部下の役割を交代で行い業務演習をするロールプレイでは、実行する難しさを再認識することとなった。

単に成果を求めた指導をすると部下のモチベーションを継続させられず、反対に部下の心理面ばかりを考慮すると成果が上がりにくいという課題を痛感した。

来月から部下を持つ立場としてこの研修を通してあるべきマネージャーの姿が垣間見えたので、日々批判的に考えながらより良い上司でありたいと思った。

海外研修のレポート

3つ目は、海外研修のレポートです。海外研修とは、大きく分けて以下のような研修だと想定されます。いずれにおいても業務パフォーマンスを高める位置づけのものです。

  • 英語や中国語などの外国語を海外で実践的に研修する
  • 海外の研修センターにおいて職種ごとの業務研修をする
  • 海外オフィスにおいて特定の職位以上がチームビルディングのために研修をする

海外研修では出張費用がかかるので、より大きな成果を出すことが求められます。

目的|短期間で集中して能力を高める

海外研修の目的としては、限られた時間内で集中して能力を高めることだと考えられます。研修以外を遮断して取り組むという意図があります。

  • 環境: 異国の地で客観的にパフォーマンスを見つめる
  • 人々:特定の能力や条件に合った人のみが集まる

海外研修では、少なからずストレスがかかる状況下で大きく成長できるか否かという点も重要視されています。

書き方のコツ

海外研修における書き方のコツに、以下が挙げられます。

  • 研修(語学や業務など)を受けることを決めた背景を明確にする
  • 海外研修でしか得られない経験を含める
  • 海外研修を終えて継続的な成果に繋がる活動計画を提示する

海外研修のレポート(研修報告書)では、これらのポイントを記載して海外研修にかかった費用に見合うだけの成果が得られたことを強調することが推奨されます。

ただ海外に行けて良かったというような結末にだけはならないようにしましょう。

例文

『シンガポールにおける英語・中国語研修』

  • 日時: 2020年7月1日~31日の1か月間
  • 名前: ◯◯
  • 項目: ①研修参加の背景、②研修の概要、③今後の取り組み計画

2週間の夏季休暇を加えて1か月間の語学研修をシンガポールで受けた。ネイティブレベルでのディスカッション力を磨く大変実りある日々となった。

営業職への移動にあたり英語・中国語の勉強をしていたが、国際取引で世界各国の方々と仕事をするには不便さや至らなさが多々あると感じていた。

そのため、この研修を通して毎日の講義のみならず私生活全ての時間をできる限り活用し、英語と中国語で会話をすることを心がけた。

わずか1カ月ではあるがネイティブの会話スピードにも慣れたため、これからも継続的に資格の勉強を続けるとともに、業務を通して語学力を磨き続けていきたい。

士業(保育士・介護士・看護師)のレポート

4つ目は、士業(保育士・介護士・看護師)のレポートです。士業とは、特定の業務を専門的に行うための資格を有した職業であり、業務実習となる研修が一般的となります。

目的|OJTベースでの実習経験を積む

士業(保育士・介護士・看護師)の研修では、専門学校や短大在籍中に実際の職場で実習経験を積むことが目的です。

  • 座学と実践との違いを知る
  • 目指している仕事の大変さや業務内容を深く理解する

士業の研修では、上記の目的をもって研修に参加することとなります。未経験から実践へ入るので毎日大きな成長をすることが期待されます。

書き方のコツ

士業研修における書き方のコツは以下です。

  • 日々の研修で誰から何を教わったのかを時系列で書く
  • 実習において失敗した内容とどうすべきだったかを比較して書く
  • 1日の振り返りとして翌日に何をすべきか目標を立てる

士業の研修では研修を継続的に受けながら学んだことを消化していかなければなりません。上記のポイントを書き留めておくことが重要だと考えられます。

例文

『大学病院における看護研修』

  • 日時: 2020年8月5日 (研修5日目)
  • 提出者: ◯◯
  • 項目: ①業務日報、②業務を通しての課題と反省、③明日の研修に向けて

大学病院における看護研修5日目を終えて、まだまだ日々の業務フローが身についておらず、1つ1つの業務で指導員からアドバイスを受けながら患者さんに接していると感じた。

毎朝の検診(体温測定・採決)においては、仕事に気が取られるあまり患者さんとの会話やお願い事をスムーズに行えておらず、見落としがあるので気を付けなければならないと思う。

また看護研修と並行して取り組んでいる看護資格の勉強も、疲労で十分に行えなかった1週間となってしまったので、休憩時間や研修の前後において取り組んで行きたい。

想像よりも大変な看護研修だが、看護師として働き始められることを目標に来週の研修も一生懸命学んでいきたい。

NGな研修レポート(研修報告書)の書き方

ここまで、より良い研修レポートを書くための手順や具体例をご紹介してきましたが、反対にNGな例も見ておきたいと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

以下では、NGな研修レポート(研修報告書)の書き方について2点をお伝えします。

①結論が曖昧・不明確

1つ目のNGポイントは、結論が曖昧・不明確であることです。結論とは、研修レポート全体を統括して最も伝えたい・伝えるべき要点をまとめた内容と言えます。

  • 研修内容がイマイチ伝わらない
  • 研修で何を学んだのかがわからない
  • 研修が次の仕事にどう役立つのか不明

こ研修レポートの結論が明確でないと上記のように捉えられかねないので、5W1Hや目標・課題を意識して結論を書くことが推奨されます。

②根拠となるデータ・事実がない

2つ目のNGポイントは、根拠となるデータ・事実がないことです。結論に説得力を持たせる場合、それを支える根拠をデータ・事実として提示することが求められます。

  • 感想や感情などの定性的な描写となっている
  • 根拠となるデータ・事実にモレがある

根拠となるデータ・事実がない場合研修レポートの結論も曖昧とみなされてしまいます。

まとめ

研修レポートとは、業務のまとめや次の仕事に繋げるものであり、書くステップや構成を学んでおくと良いでしょう。

また、パターン別に研修レポートの書き方とNGな研修レポート例もご紹介したので、書く機会がある方はこれらを参考に作成をされてみてはいかがでしょうか。

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