【自己分析】内定に繋がる自己分析シートの書き方とは?活用方法や目的も紹介します!

自己分析は就活を成功させるうえで、とても大切なプロセスです。そのためマイナビなどの就活メディアや本で、自己分析シートの作り方を紹介しているものがたくさんあります。そこで今回は、簡単な自己分析シートの作り方やテンプレートなどについて解説します。就活前の大学生は参考にしてください。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

自己分析をする目的と注意点

大学の就職ガイダンスなどでも、自己分析の重要性について説明されることが多いです。それは、業界や職種、応募企業を選ぶうえで、自分を知ることが指針となるからです。

そして自己分析とは、過去の経験を通して培われた、現在の自分を形成している価値観や長所・短所・思考を理解し、自分が目指す将来像を明確にする作業です。

自己分析シートのご紹介の前に、自己分析が重要な理由について説明します。

目次

自己分析をする目的

自己分析を行う目的は、大きく3つに分かれます。ここでは、それらを具体的に紹介します。

①自分の適性を理解するため

自己分析は、希望している業界や職種が自分に適しているかどうかを理解するために行います。それは、好きなことに必ずしも適性があるとは限らないからです。

人間は案外、自分のことを知りません。過去を振り返りながら自分がどんな人間かを考える過程で、同じような成功や失敗をくり返していることに気が付くと、自分の適性が見えてきます。

②自分の得意・不得意を把握するため

達成感を味わいながら前向きに仕事をするためには、苦手あるいは不得手なことをするよりも、得意分野で活躍する方が早道なのはいうまでもありません。

気持ちよく人生を生きておきたいなら、強みを生かせる仕事に就く方がよいのです。その判断基準となる、自分の得意・不得意なことを把握するのは大きな意味があります。

③自分のやりたいことをはっきりさせるため

自己分析では、過去の体験とその時にどんな気持ちを感じたかをふり返っていきます。その中で、自分が達成感やを感じたのがどんな場面を考えることは、やりたいことを明確化するのに有効です。

やりたい仕事に就ければ、人はモチベーション高く働くことができます。そうした職種や職場を探すための指標となります。

自己分析をする際の注意点

自己分析は、シートを作れば終わりというものではありません。真剣に考えれば考えるほど、時間がかかります。さらに自己分析で強み・弱みを把握したら、それを就活に生かせるよう判断する必要があります。

ここでは、自己分析をする際の注意点について詳述します。

①企業視点を持つ

自己分析は、自分を知るための作業です。しかし就活においては、入社後のミスマッチを避けることが重要です。自分の強みが応募企業に適しているのか、求めている人物像にマッチしているといえるのか、冷静に見極めることが大切です。

②自己分析の目的を明確にする

就活における自己分析には、明確なゴールがあります。それを忘れると、就活にマイナスになる可能性があるので注意が必要です。

就活には進行スケジュールがあります。そのスケジュールに間に合うよう、自己分析をするのが原則です。しかし中には自己分析にハマって、エントリーシート提出に間に合わない就活生も出てきます。前述した目的に立ち返るよう意識しましょう。

自己分析をする時期・方法

自己分析の目的をおさえたところで、次のそれをはじめる時期や方法について紹介していきます。

自己分析を始める時期

自己分析を始める時期を考えるうえで、就活スケジュールを理解しておくことが重要です。就職協定は撤廃されたものの、大手企業の多くは慣例として、以下のような採用スケジュールをたてています。

  • インターンシップ/大学2年から3年の2月
  • エントリー受付開始/3月1日
  • 企業説明会/大学3年の3月から大学4年の4月
  • 採用選考/大学4年の5~9月
  • 内々定/大学4年の6月から9月
  • 内定式/大学4年の10月1日以降

このスケジュールを考えると、どんなに遅くても企業にエントリーを始める、大学3年の2月までに終えておくのがセオリーです。

自己分析をする方法

自己分析をするための方法は様々で、どれが適しているかは個人によって異なります。主な方法には、以下のものがあります。

  • アプリ
  • 自分史作成
  • 自己分析テスト
  • 能力診断
  • 適職診断
  • 自己分析シート

こうしたツールを使用することで、客観的に自己分析が行えるというメリットがあります。本記事の後半では実際に自己分析シートの作成方法を紹介します。

自己分析シートは主観的な分析方法の一つ

自己分析シートは、主観的な分析方法の一つです。しかし明確な目標があります。

  • 自分が描く将来像を明確化する
  • 実体験を掘り下げる中で、自分の長所と短所を見つける
  • 自分の適性を把握する

さらに自己分析シートには、特定のフォーマットがあるわけではありません。ここでは、自己分析シートの作成方法について説明します。

自分で紙に書きだす方法が一般的

一般的な自己分析シートの作成方法は、自分の過去の体験を紙に書き出し、自分の強みや弱みが何かを探るというものです。

まず自分の印象に残っている過去の体験を列記して、その右側にそこから導き出される長所と短所を書き出すというのがセオリーでしょう。

自己分析シートのテンプレを配布しているサイトもある

就活メディアの中には、自己分析シートのテンプレートを無料でpdfダウンロードできる、コンテンツを用意しているところがあります。中でも、マイナビの「かんたん企業研究&自己分析シート」や、Microsoftの「自己PRシート」が好評のようです。

こうした無料テンプレートを活用すると、簡単に自己分析が進められるのでおすすめです。

自己分析シートを用いるメリット

自己分析シートのやり方についてご紹介する前に、まずはそのメリットを概観しましょう。

メリット①|自分1人でいつでもできる

就活では自己分析以外にもやるべきタスクが膨大にあり、企業が関係するものについては、企業の都合でスケジュールが規定されてしまいます。

一方、自己分析シートは場所や時間を選びません。やり方さえわかればいつでも誰でもできるのが自己分析シートになります。

その性質上、つい後回しにしてしまいがちですが大学3年次のインターンが本格化する前から早めに着手することをおすすめします。

メリット②|シート1枚に情報を網羅できる

自己分析シートはPDFデータもあれば、紙で行うこともできますが特徴はそれがカバーする情報の網羅性です。

自身の幼少期からの出来事やそこから抽出できるもの、またそれを踏まえての長所/短所ややりたいことを見出す。それらが1枚のシートにまとまっており大変貴重です。

就活はやることが多いため、自身の就活ノートやwordファイル、メモアプリなど情報が分散しがちです。一箇所に情報がまとまっている自己分析シートを活用することで効率よく就活に取り組むことができます。

メリット③|就活以外にも活用できる

自己分析は就活を契機に初めて行うのが一般的ですが、その後何十年も人生を歩む中で自分自身を知っておくことで有意義な人生を送れる可能性は高まるでしょう。

また、自分自身の考え方や価値観は変わっていくものです。社会人になってから転職を検討する方も、就活時の自己分析シートと比較して変化を実感してみるのも面白いかもしれません。

自己分析シートの書き方は7つのステップに分かれる

自己分析は、段階を踏んで進めていく必要があります。そして、自己分析シートの書き方は7つのステップに分かれます。ここでは自己分析シートを作成する7つのステップについて、具体的に紹介します。

ステップ1|過去の経験を思い出し箇条書きにする

自己分析は、印象に残っている経験をすべて思い出し、箇条書きにすることから始まります。ここでのポイントは、小学校・中学校・高校・大学の4つの時期に分けたうえで、項目別に経験を書きだしていくことです。具体的な項目には、以下のものがあります。

項目例①|頑張って努力した経験

まず小学校・中学校・高校・大学の4つの時期ごとに、頑張って努力した経験を書き出します。

  • 小学校/クラスのみんなと災害の募金を集めた
  • 中学校/在校中に英検2級に合格した
  • 高校/吹奏楽部の部長を務め、全国大会に出場した
  • 大学/TOEICスコア®で800点をクリアした

小学校時代は自分1人で努力したことを探すのが難しいので、他者と協働で頑張ったことから探してみましょう。

項目例②|嬉しかった経験

次に小学校・中学校・高校・大学の4つの時期ごとに、嬉しかった努力した経験を書き出します。

  • 小学校/学習発表会で主役に抜擢された
  • 中学校/クラス全員で頑張って、合唱コンクールで優勝した
  • 高校/学校祭で新企画を提案し大成功した
  • 大学/災害ボランティアに出かけた際に、避難している方に感謝された

個人で嬉しかったことだけでなく、みんなで協働した喜びがないかも念頭に置き、エピソードを探しましょう。

項目例③|悔しかった経験

そして小学校・中学校・高校・大学の4つの時期ごとに、悔しかった経験を書き出します。

  • 小学校/児童会の選挙に落ちてしまった
  • 中学校/部活でレギュラーになることができなかった
  • 高校/志望大学の学内推薦枠に入れなかった
  • 大学/留学先で自分の考えをきちんと伝えることができなかった

悔しかった経験を書く時には、それによって自分の考えや価値観が変わるほどの出来事かどうかを、合わせて考えると就活に役立ちます。

項目例④|何かにのめりこんだ経験

最後は小学校・中学校・高校・大学の4つの時期ごとに、何かにのめりこんだ経験を書き出します。

  • 小学校/ポケモンにハマって、キャラクターをすべて覚えた
  • 中学校/釣りに夢中になり、毎週のように川に通った
  • 高校/ファストフード店でアルバイトを始めて、接客の楽しさを知った
  • 大学/韓国のアイドルグループのファンになり、韓国語の勉強を始めた

何かにのめりこんだ経験がないという人は、趣味や娯楽の中で継続したものがないかをふり返ってみてください。

ステップ2|書きだした経験を5W1Hで分析する

過去の経験を書き出したら、それを5W1Hという観点で分析します。5W1Hとは「Who(誰が)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」をさします。

ここでは前章で上げた過去の経験を、この 5W1Hに基づいて分析した際に、頑張れた理由や悔しさを感じてどう行動したかを考え、具体例を紹介します。

例①|頑張って努力した経験を分析する場合

頑張って努力した経験を分析する場合の事例は、以下の通りです。

  • 小学校/困っている人を助けることができると思ったから
  • 中学校/英語の先生が合格できるようサポートしてくれたから
  • 高校/部活のメンバー全員で同じ目標を共有できていたから
  • 大学/第一志望の企業へのエントリー条件だったから

ここでは、頑張り続けるモチベーションになったことを書くとよいでしょう。

例②|嬉しかった経験を分析する場合

嬉しかった経験を分析する場合の事例は、以下の通りです。

  • 小学校/自分の演技力が評価されたから
  • 中学校/朝練やパート別の話し合いなど、みんなで頑張った成果が表れたから
  • 高校/新企画をやることに反対の人たちにも、「やってよかった」と言ってもらえたから
  • 大学/自分でも人の役に立てると実感できたから

この場合は、自分の感情の素直に表現するとよいでしょう。

例③|悔しかった経験を分析する場合

悔しかった経験を分析する場合の事例は、以下の通りです。す。

  • 小学校/立候補が2名だけだったので、選挙活動をきちんと行わなかった。結果を出すためには、事前準備が必要だと感じた
  • 中学校/レギュラーポジションについた仲間は、部活が無い時でも基礎トレーニングを欠かさなかった。自分はそうした努力を怠っていた結果だと、今は納得している
  • 高校/成績だけでなく学校生活でも、学内推薦に通るギリギリのラインだった。早く志望大学を決めていれば、きちんと準備できたと反省している
  • 大学/他国からの留学生は文法など気にせずに、自己主張していた。しかし自分は間違えずに英語を話そうと思うあまり、単語が見つからないなどの理由で黙ることが多かった

就活では、悔しかった経験をその後にどう生かしたかが重視されます。言い訳ではなく、反省点・改善点を記述するようにしましょう。

例④|何かにのめりこんだ経験を分析する場合

何かにのめりこんだ経験を分析する場合の事例は、以下の通りです。

  • 小学校/友だちも夢中になっていたので、話についていきたいと思ったから
  • 中学校/天気や気温によって釣果が変わるので、色々なやり方を試すのが楽しかったから
  • 高校/笑顔やちょっとした気遣いを心がけることで、常連客の方々との距離を縮めることができて嬉しかったから
  • 大学/YouTubeにアップされた動画ではメンバーが韓国語で話しているものが大半なので、自分でも理解できるようになりたかったから

何かにのめりこんだ理由が明確だと、自分の人となりを知ることができます。

ステップ3|分析結果から自分の長所・強みを見つける

印象に残った過去の経験とそこで感じた感情を掘り下げていくと、成功体験の中に共通する感情や動機が明確になります。それが、自分の長所であり強みなのです。

また、失敗した経験が教訓となって変化したことも長所や強みといえます。例えば無計画に行動して失敗した経験があった場合、それ以後は時間を無駄にしたいために計画を立てるようになれば、それは大きな強みといえます。

ステップ4|自分のやりたいこと・適性を見つける

就活の成功とは、自分の適性にマッチした企業あるいは職種に就くことです。そのためには、自分のやりたいこと、あるいは適性があるものを見つけて、それに合う就職先を探すのが得策です。

自分がモチベーション高く行えることは何かを、しっかり熟考しましょう。

やりたいことが分からなかった場合は自分の興味を探ってみる

自己分析シートを作成しても、自分がやりたいことが何かを見つけられない就活生もいます。そんな時には、自分が興味を持てるものが何かを探ってみましょう。

興味があることであれば、いまは知識やスキルがなくても、それを習得することが苦になりません。そうした観点で、自分の適性を考えてみてください。

ステップ5|分析結果から自分の短所・弱みを見つける

印象に残った過去の経験とそこで感じた感情を掘り下げていくうちに、自分の短所や弱みが浮かび上がってきます。また、一つの感情の中に長所と短所の両方が含まれていることもあるので、すべての項目を精査することをおすすめします。

短所は長所に言い換えられる場合もある

就活生の中には、自分の短所ばかりが目に付く人も少なくないですが、短所は長所の裏返しなので十分に参考となります。事前に計画を立てて行動するのが苦手という短所も、失敗してもそのフォローを徹底し仲間の信頼を得られていれば、それは長所にできます。

ステップ6|自分のやりたくないこと・不適正を見つける

憧れていた業界や職種に就いたとしても、適性がなければ成果を上げることはできません。仕事で評価されない状況に置かれると、人間はモチベーションがどんどん下がります。

そうした事態を避けるためにも、自分がやりたくないこと、向いていないことを自覚することは大事です。苦手あるいはやりたくないことが仕事になってしまうと、1日がとても長く感じるだけでなく、ストレスになります。

ステップ7|自己分析シートを活用する

就活においては、自己分析シートを作成することが目的ではありません。自己分析シートによって、自分の長所や短所、仕事に対する志向性を理解したうえで、自分に合う企業や職種を見つけることにつなげることに意味があります。

ここでは、自己分析シートの活用方法を紹介します。

活用法①|志望業界を探すのに活かす

自己分析シートを作成すると、自分の長所や適性が見えてきます。それまで自分が検討していなかった業界や職種の中にも、自分の長所や適性を生かせる仕事はあります。

自分が楽しみながら長く働き続けるためには、自分の適性に合った仕事に就くのが一番です。企業理念や社風も含めて、自分に合う業界はどこかを探す一助としましょう。

活用法②|自己PRに活かす

エントリーには、数多くの大学生が応募します。その中で書類選考を勝ち抜くためには、企業が求める人物像にいかにマッチしているか、きちんとアピールしなければなりません。

自己分析シートの作成を通じて自分の長所や強みを理解すれば、それを自己PRに生かすことができます。企業のニーズにどのようにマッチしているか、具体的なエピソードも盛り込みながら記述しましょう。

活用法③|面接に活かす

面接では、自己アピールするように求められることがあります。そこで自分の長所や強みを語る際には、その根拠となる経験も話す必要があります。そこで自己分析シートを作成したことが、役立つのです。

特に失敗を通して成長した経験や、その結果生まれた強みについては、しっかりアピールすることをおすすめします。

自己分析シート以外の就活に関する疑問

就活で質問されるのは、あなた自身の長所・短所だけではありません。志望動機や入社後のキャリアプランなど、定番といわれる質問も様々です。だからこそ、基本の想定質問については回答を用意しておく必要があります。

自己分析以外のその他の手段

以下の2つの記事では、採用面接の定番であるキャリアプランの回答例や、自分の価値観を知るのに役立つモチベーショングラフの活用方法を紹介しています。自分を知るうえで役立つ情報ですので、ぜひ一読してみてください。

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自己PRの書き方

自己分析した後は自己PRの記述や企業研究に入っていきますが、実際に自己PRをどうやって書いていけば良いのか悩む人も多いのではないでしょうか。

以下の記事では自己PRの書き方を詳しく紹介しています。興味のある方はこちらも併せてご覧ください。

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まとめ

今回は、簡単な自己分析シートの作り方やテンプレートなどについて解説しました。

ミスマッチのない就職を実現する意味でも、自己分析シートの作成は重要です。また、それをサポートしてくれるツールも豊富です。ビジネスマンになっても、転職にあたって自己分析シートを作成する人も少なくありません。効率よく進める方法を覚えて、就活に役立ててください。

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