自分史とは今までの自分の人生を歴史年表のようにまとめたものです。自分史は就職活動時に必要な自己分析をするにあたってなくてはならないものです。自分に合った企業・職種に就くために、自分史作りと自己分析を徹底しましょう。ここではその方法について解説していきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
自分史とは
自分史とは、今までの人生のなかであった出来事を振り返って、その出来事を歴史年表のようにまとめたものです。
就職活動において、自分を知るための「自己分析」の一環として、多くの就活生が作成しています。自分史作成を通じて、自身の強みや弱み、性格や特徴などが具体的な経験を踏まえて理解できるようになります。
自分史を書く目的
就職面接では経験や特技だけではなく、あなたの人となりも見られます。これは企業が「社風に馴染めるか?」「同僚や上司と協力して仕事ができるか?」という部分を見極め、ミスマッチのない採用を行いたいからです。
そのため、企業は「あなたはどういう人間か?」と質問してきます。そしてその問いに答えるためには自己分析が必要になってきます。また、答えの論拠としての具体例をあげるために、自分史を作っておくことが重要です。
目的①|自己分析で過去を見つめ直す
自己分析で自分の過去を振り返り、自分史にまとめることで、自分の行動の傾向や価値観を具体的な言葉で表すことができます。これは後述する就活の軸を探すうえで大切になる作業です。
目的②|自己分析で現在を見つめ直す
自分の過去をまとめると、自分がどのような考え方を重要視してきたかが見えてきます。その中でも昔から変わらず持ち続けているポリシーがあるはずです。
ここから自分の性格に志望企業の社風が合うかを見極められます。
自分史を書くメリット
面接では、自己PRや長所短所、特技などを訊かれます。このとき、答える上で必ず経験に基づく根拠を添える必要があります。過去を振り返って自分史を作ることにより、根拠となる具体的な出来事を見つけられます。
①メリット①|経験した出来事の具体的事例を洗い出せる
これまでの出来事を俯瞰的に眺めると、意外な繋がりや、転機となったポイントが具体性をもって見えてきます。
また、年表としてまとまった出来事を客観的に見ると、その時々で感じたことや選択した理由など、今まで気がつかなかった自分の傾向がはっきりとつかめてきます。これが面接で自己PRや意見主張の際に大きく役立ちます。
メリット②|今までの思考や意思決定の傾向を見いだせる
自分の強み、弱み、価値観などは、全て過去から形成されています。特に、幼少期・中学・高校・大学での育った環境や、出来事、抱いた感情には、現在の意思決定に通ずるポイントが数多くあるはずです。
自分史を通して過去の自分が選択してきたことを再認識すれば、自己分析に必要なことを知ることができます。
自分の歴史にこそ、自分の本当にやりたいこと、将来進みたい方向性が隠されているのです。ただ過去を振り返るのではなく、自分の未来を見つけることも自分史作成からできるかもしれません。
自分史は就活で役に立つ
ここまで見たように、自分史は自己分析においてとても役立ちます。自分史を作成することで、自分でも気がつかなかった自身の考え方・思考の傾向と向き合うことができるようになります。次章からは自己分析を行うメリットについて説明をしていきます。
自己分析とは
自己分析とは、自分の過去から現在までを振り返るものです。今の自分がどのように形成されてきたのか、将来にむけて自分が何を成し遂げたいのか、どんな人間になりたいのかを把握することができます。
自己分析の目的
では自己分析の目的はなんでしょうか。それは「過去を振り返りPRポイントを知るため」「志望動機を強固なものにするため」の2つです。
目的①|過去を振り返りPRポイントを知るため
自分が今まで経験してきたことを丁寧に振り返ることで、自分のPRポイントが何なのかが見えてきます。そしてそれは、面接の際、自分の良さを伝える強い根拠になります。
アピールの根拠となるものがあるだけで結果は大きく変わってきます。
目的②|志望動機を強固なものにするため
志望動機を企業のべた褒めに終始してしまうことはよくやってしまう間違いです。
志望動機は自身の経験に基づき、いかに企業に合うか、そして熱意があるかを伝える必要があります。これらを伝えるために自己分析が欠かせないのです。
自己分析のメリット
自己分析のメリットは「企業選びの軸を作れる」「自分の強みと弱みを見つけられる」の2つあります。
メリット①|企業選びの軸を作れる
自己分析は企業を選ぶ「軸」を定めるのに役立ちます。
就活で、知名度や固定観念など、自分の過去に紐づかない浅い理由で会社選びをしてしまう人は少なくありません。自分がやりたいこととズレるリスクがあり、結果として入社後のミスマッチに繋がります。
自己分析に取り組めば、自分がどんな企業で働きたいのかを自覚することができます。
メリット②|自分の強みと弱みを見つけられる
自己分析では、過去の経験を深く掘り下げ、当時の思考や行動を振り返ります。これによって、今までの経験で培った強みや、課題と言える弱みを知ることができるはずです。
過去のエピソードを踏まえて強みや弱みを伝えられるようになるので、説明に深みが出るでしょう。
就活の自分史の書き方
自分史をつくることのメリットについて学んだところで、実際に自分史を書いてみましょう。
以下の通り、「フォーマットを作成する」「過去の出来事を洗い出す」「過去の出来事を分類・分析する」「他人に添削してもらう」「修正する」という5つの手順で作成します。
書き方①|フォーマットを作成する
まずは、ノートでもエクセルでもなんでもよいので、「年やそれぞれの時代」と「出来事などの項目」を書ける簡単な表を作りましょう。下記の表を参考にしてみてください。
小学校から大学まで、自分のことをよく思いだしながら書きます。思い出せない場合は、家族に聞いてみると良いかもしれません。自分では忘れていても家族が覚えていることもあります。
書き方②|過去の出来事を洗い出す
過去の出来事の洗い出しは自分史で最も重要なポイントです。この段階では、分類等はせずに箇条書きで簡単に書き出すだけで十分です。
思いつくだけたくさん書いていくことが重要ですが、この時点で無理に全てを書き出そうとする必要はありません。
ふとした時に思い出すこともあるでしょうから、「とりあえず思いつくところだけ書き出してみる」ということに集中しましょう。
書き方③|過去の出来事を分類・分析する
現時点で思い出せるだけの出来事を書き出すことができたら、今度はその出来事を分析する必要があります。
書きだした出来事を上記のような表に振り分けてみたり、プラスの出来事やマイナスの出来事などに分けてみたり、自分が見やすいように整理をしましょう。
過去の出来事を分類・分析をすることで、自分の行動思考の傾向を客観的に見ることができるようになります。
書き方④|他人に添削してもらう
ここまでまとめたら、ある程度形になってきているでしょう。自分の過去の出来事について、自分自身で整理ができたと感じたら、次は他人に内容を確認してもらうことをお勧めします。
自分史を添削してもらうことには恥ずかしさや照れを感じるかもしれません。ですが、添削の中で新しい発見があることが多々あります。
恥ずかしくても、最低でも一度は友人や家族などに見てもらい、評価してもらいましょう。
書き方⑤|修正する
添削をしてもらったことで、自分では忘れていたこと・見逃していたことなどについても、振り返りができたはずです。再度見直しをすることで、あなたが作成した自分史は完成していきます。
自分史は一度作って終わりではありません。自分史をベースに自己分析を行っていくことになります。定期的に見直しを行い、その都度修正をして、最新の状態に更新してください。
過去の出来事の洗い出し方
次に過去の出来事の洗い出し方を説明します。用意した年表に幼少期から大学生までのそれぞれの時期に経験した出来事を質問に沿って書きだします。
質問の答えを書き出す
以下に時期別で質問を用意したので早速ノートに書き出してみましょう。
幼少期にあった出来事の質問8個
- 幼少期に一番嫌だった出来事
- 幼少期に一番良かった出来事
- どんな家庭に生まれ育ったか
- 親からどのような教育を受けたか
- 家族が大切にしていることは何か
- 幼稚園の時に好きだった遊びは何か
- どんな友達と関わることが多かったか
- 特異な経験をしたことはあるか
幼少期はその場の感情に対し、素直に行動する傾向があります。そのため、幼少期の出来事や気持ちの振り返ることは、自分が本当はどんな思考の持ち主なのかを確認する上で、とても大切です。
大まかにでも構いませんので、好きだったことや経験したことなどを出来る限り思い出してみましょう。
小学校時代にあった出来事の質問8個
- 小学生の頃に一番嫌だった出来事
- 小学生の頃に一番良かった出来事
- 好きな遊びは何だったか
- どんな友達と仲良しだったか
- 何か自分から率先して行動したことがあるか
- 習い事は何をしていたか
小学生になると、幼少期と比べて考え方や行動について、自分なりの理屈が生まれるようになります。
今の自分の基礎に繋がる部分ですので、それぞれの出来事について、自分がどう思ったのかなどを思い出してみましょう。
中学時代にあった出来事の質問8個
- 中学生の頃に一番嫌だった出来事
- 中学生の頃に一番良かった出来事
- 好きな遊びは何だったか
- どんな友達と仲良しだったか
- どんな係を経験したか
- 喧嘩したことがあったか
- 他人には言えない秘密はあったか
- 大切にしている信念のようななものがあったか
中学生は、小学生の時よりも自分がどうしたいのかを考える機会が増えます。高校受験という人生最初の分岐点を経験する時代でもあります。
「これだけは譲れない」という強い信念が生まれる方もいるかもしれません。何故今の進路を選んだのかを思い出してみてください。
高校時代にあった出来事の質問6個
- 高校生の頃に一番嫌だった出来事
- 高校生の頃に一番良かった出来事
- どんな教科に集中して取組んでいたか
- 休みの日はどんなことをすることが多かったか
- 趣味としてどんなことを行ったか
- 一大イベントのような経験はあったか
高校生は中学生と比べて、少し自由が広がる時代です。アルバイトを経験して、自分でお金を稼ぐようになり、新しい趣味を見つけた方もいるでしょう。
勉強やプライベートで、自分の思い通りにいかなくて悩むこともあったかもしれません。そういった時にどう乗り越えたのかを思い出してみることが大切です。
大学時代にあった出来事の質問12個
- 大学時代に一番嫌だった出来事
- 大学時代に一番良かった出来事
- 趣味としてどんなことを行ったか
- 友達とどんな遊びをしたか
- バイトでの印象深い出来事
- 何か人のためになったような出来事はあるか
- 一番好きな講義は何だったか
- 一人ではどんなことをして過ごしているか
- 大きく失敗したという出来事はあるか
- 何か自慢できる出来事はあったか
言うまでもなく、大学生の出来事は最も深掘りが必要な時代です。何故なら、今の自分を知るためはもちろん、面接でも一番質問される機会が多いからです。
どんなゼミ・サークルに所属していたのか、何か課外活動をしていたのか、ボランティアやアルバイトをしたのかなど、「何をしていたのか」だけを書き出しても不十分です。
「何故そうしたのか」「その結果どうなったのか」まで深掘りをしておくことをお勧めします。
他人にインタビューしてもらう
一人で考えているだけでは、ありのままの自分自身と向き合いきれないこともあります。そんな時は友人や家族にインタビューをお願いしてみましょう。
自力で考えるだけでは考えつかなかった意外な強みや弱みをエピソードとともに聞けるかもしれません。このように、会話を通じて洗い出すことで予想外のことまでわかることもあります。
就活の自分史の留意点
自分史を作るうえで注意点がいくつかあります。
留意点①|作ること自体が目的にならないようにする
最初の注意点が、そもそも「自分史の作成」が目的にならないことです。自分史は何のために作成するのかと言えば、自己分析を行うためです。
それを把握していない人は、とりあえず自分史を作れと言われて作るだけ。自分史を作って終わりでは、本当に無意味です。
自分史という過去の出来事の一覧を用意したら必ずそれをもとに自分の考えをアウトプットする。それができて初めて自分史を作成した価値が生まれるのです。
留意点②|他人の自分史を気にしない
他人はどのような自己分析を行っているか、気になることがあるかもしれません。そしていざ他人の自分史を覗いてみると、輝かしい経歴ばかりだったりすることもあるでしょう。
そして自分と比べてしまい、引け目を感じることもあるでしょう。しかし、他人は他人。どんな素晴らしい体験であっても、面接では具体的な経験はあくまでも根拠として使うにすぎません。
自分にすでにあるリソースからいかに面接官への主張を補強できるか。勝負はそこにかかっています。 だからこそ、人目を気にせず我が道をどんどん進んでください。
留意点③|あまり悲観的になりすぎない
人によっては、過去にとてもつらい経験をした、ということもあるでしょう。もちろん、その事実を自分史には入れた方がよいでしょう。
ある程度の挫折経験は面接でよく質問される項目でもあります。ですが、そこで深入りしすぎて苦痛のフラッシュバックなどが起きては元も子もありません。
また、面接においてもあまりにマイナスすぎるの出来事をいうのは控えるべきなので、深刻な心境になるくらいならば深堀りする必要はありません。
短所の見極めも大事ですがあくまで自分の良いところを伝えるのが面接です。悲しい気持ちになってしまったら一度手を止めリラックスし、違う箇所の作成に移ってみましょう。
就活の自分史の作成に行き詰まった時の対処法
いくら振り返る歴史は自分のものとはいえ、何も材料がない状態では思い出せる出来事に限度があります。
そのため、頭の中で考えるだけでは、自分史の作成に行き詰まりを感じることもあるでしょう。そんなときは次の手段も試してみてください。
対処法①|自分のSNSを振り返る
あなたが普段からTwitterやFacebookを利用しているのであれば、まずはSNSの投稿をチェックしてみてください。
SNSの投稿は過去の自分そのものです。過去に投稿した写真やコメントの中にヒントが書かれている場合があります。
現在使っているSNSだけでなく、昔使っていたきり何年もログインしていないSNSも久しぶりに開いてみましょう。自分の投稿を見直すことで、昔の自分の思考を思い出せるかもしれません。
対処法②|過去の写真を振り返る
対処法①と内容がかぶる点がありますが、過去の写真を振り返ることも大切です。SNSに限らず、子供の頃の写真がまとめてあるフォトアルバムや、スマホの写真も見てみましょう。
過去に携帯電話の機種変更をしているのなら、昔使っていたガラケー等の電源を入れて、懐かしい写真を見直してみるのも良いです。
過去の写真にはあなたの様々な様子が記録されています。どこかへ出かけた写真やスポーツ、文化活動の写真から何か思い出せるかもしれません。
対処法③|友人・家族と思い出話をする
対処法①と②では、SNSの投稿や撮影した写真の振り返りについてお伝えしましたが、自分の中で思い出すにはどうしても限界があります。
そんなときは、友人や家族と写真などを見ながら、思い出話をしてみましょう。懐かしい思い出の中で得た経験が自己形成に作用しているかもしれません。
友人が同い年ならその友人も就職活動をしている可能性が高いでしょうから、その友人の就職活動の成功にも繋がります。
対処法④|他の自己分析の手段を試してみる
自分史以外にも自己分析を書く方法は様々です。もしかしたら自分史という書き方自体が相性が悪い可能性もありますので、行き詰った場合は他の方法をとってみるのも良いでしょう。
以下の記事では自己分析の書き方やモチベーショングラフの書き方など、様々な自己分析の方法を紹介しています。興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
自分史をESに書く時のポイント
最後に、自分史をESに落とし込むにあたっての注意点を説明します。
ポイント①|アピールしたい軸を押し出す
企業にアピールしたいポイントと自分史をする合わせて書くことが大切です。自分史をむやみやたらに開陳してもただの自慢話にか苦労話に終始するだけです。
たとえば社訓や社風に合う自分のエピソードを拾い上げて書く、などの工夫が内定に近づく一歩となります。
ポイント②|企業の求める人物像に合わせる
いくら輝かしい成績を残していようと、企業に合う人物像でなければ採用されません。
そのため、説明会や座談会、会社資料などから求める人物像を導き出し、そこへすり合わせた人物像を自分史からうまく抜粋することが必要になってきます。
まとめ
就職活動を成功させる秘訣は「自分の過去・思考を知り、客観的な目線で分析をする」ことです。
自分史を作り、自己分析を行うことで、自分がどんな業界・企業・職種に向いているかを把握することができるようになります。この記事をもとに自分を分析し、志望企業への内定を目指しましょう。