営業は比較的専門要素が少なく、なり手が多い業種でありますが、過酷・厳しい等マイナスなイメージを持っている人が多いと思います。営業職とはどのようなものか、本当に激務なのか、ブラックなりやすい回避するべき業界、実は狙い目でホワイトな営業などを紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
営業職がブラックで過酷・辞めたい・地獄と感じる人は多い
ブラックな営業はブラック企業から生まれるケースが多いと考えられます。Twitterでも嘆きのつぶやきがたくさんあります。
【もう辞めたからどうでもいいこと】
僕「事務職募集と聞いて応募しました」
社長「そうかそうか!!」
入社日
社長「おめでとう!今日から君は営業職だ!!俺がビシバシ鍛えてやるからな!」
僕「(この人、魔法使いに格闘技教えようとするタイプかな?)」
この日から地獄が始まった。
— 16ビートはやお(ZOOZ / Emu sickS) (@Ssssuuummi) February 5, 2018
事務職で募集をかけ、集まった人材を当たり前のように営業させるうそのようで本当にあるブラック企業が実際に存在します。
今日履かせていただいてるこのパンプス!!!とてもかわいいのだけど指が痛い!!!営業職には地獄!!!!!!同僚には女優みたいな格好だねと言われた!!褒められたのか!?!?というテンションで本日もお送りしております(1人) pic.twitter.com/yVUUjEKD6E
— せな (@Youchaaa_Har) October 17, 2018
人と会うのが仕事ですので身なりも機能よりも見た目が重要視されるのもきつい要因となります。
営業職は大きく3種類に分類できる
一言で営業マンと言っても様々なスタイルがあります。営業職を営業方法別に3つに分類してみます。
スタイル①|外回り・訪問営業・電話営業
外回り営業では大まかに2つ、いきなり訪問する飛び込み営業や、訪問前にまず電話をしアポイントを取って訪問するテレアポ営業があります。
商品を売るため、決まられたマニュアルに沿ってひたすら電話のみで営業をかける電話営業があります。話し方やクロージングの仕方などかなりのテクニックを要します。
注文を受けた商品を納品しつつ新たに注文を貰うために回るルート営業もあります。
さらに顧客に合わせた商品作り紹介するプロダクト営業と、顧客が抱えている問題を聞きだし解決するソリューション営業とに分けられます。
スタイル②|店頭営業
商品を求めて来店されたお客様に対して、店頭で商品・サービスの説明や要望に応えます。カウンターセールスとも言います。
外回りのように能動的に商品を売るのとは違い、商品・サービスに興味を持ったお客様に対しますので受動的な営業形態となります。
スタイル③|契約を履行する営業
メーカーに多いですが、商品を売る際、納期が発生します。受注した営業は決められた期間で決められた商品を作りを指示し、瑕疵なく納品するまでが一連の仕事となります。
そのためにスケジュールを立て、工場や外注先に指示を出すのですが、工場や外注先は当然他の案件も抱えておりますからなかなか折り合わず、お客様との板ばさみになります。
このタイプの営業はお客様だけでなく、工場や外注先など発注先にもきっちり手回しをしておかないといけません。広告代理店などもこれに当たります。
ブラックな営業職の8つの特徴
営業職では自分の売りたい物を売る、自分で提案した企画が採用された、社会に貢献できている等、会社の最前線で、会社の存続の一翼を担っていることを実感できる立場です。
しかし、ノルマが達成できていないと職務を全うしていることにはなりません。さらに下記のようなブラック環境に巻き込まれると心的ストレスで大変なことになります。
①過度なノルマの未達を詰められる
一般的な企業では、一度ノルマの数字を達成すると、その数字を維持するだけでは許されません。業種にもよりますが、ほとんどの企業で年度末に達成した数字にプラス2~3割上乗せで次年度の予算が組まれます。
特に厳しいと言われる建設(住宅)系の営業となるとノルマが月毎に上げられ、達成できないと叱責はもちろん休日を潰して走り回るなんてことは当たり前になります。
②宗教的な朝礼で喝をいれられる
ブラック企業によくあることです。マインドコントロールされているような気持ちになります。「会社は人生修行の場!」「助け”愛”の精神を!」などを唱和させられます。電通の「鬼十則」も有名です。
さらに、唱和の後に昨日に契約を取れなかった社員を1人1人名指しして叱責したり、今日の契約数目標を宣言させられたりします。
③提案資料作成での残業は当たり前
営業は始業時間には出掛け、就業時間まで帰ってきては駄目という暗黙の了解を強いる企業があります。そうなると提案営業は深夜までの残業、始業前の何時間も前に出勤するのが当たり前になります。
社内業務は提案資料の作成はもちろん、見積書の作成、完成した製品のチェック等、外回り以外に営業のすることはたくさんあります。
④内勤日は怒涛のテレアポを要求される
飛び込み営業ではなかなか契約は取れないものです。少しでも成約の確度をあげるためには前もって電話でアポイントを取るのも大事な営業活動の一つです。
外回りより楽な感じがしますが、怒涛のテレアポ業務は予想以上に精神が疲弊します。セールストークもままならないタイミングで電話を切られ、落胆してまたすぐ電話をかけ続ける精神のタフさが必要です。
⑤結果が出ないとロールプレイング(ロープレ)
営業で結果が出ないと叱責されたり詰め寄られます。それだけでも十分ブラック体質ですが、さらに辛いのが上司をお客様に見立てたロープレです、そしてそれがさらに営業マンの精神を疲弊させます。
周りに見られながら、上司に対して言葉使いを始め目線や姿勢、身振りや手振りまでもチェックされ修正されます。一日営業で外回りしてからのロープレは堪えるものです。
ネットなどでは「営業はロールプレイングでのびる!」などのコンテンツが散見されますが、これが得意な人は営業でも結果が出せる人だと思われます。
⑥顧客にいらないものを売りつける罪悪感がある
営業の世界で、必要の無いものまで売ってくるのができる営業マンだ!なんて豪語する人もいます。しかし、そういった精神論ではなく、本当に商材に自信が持てず売れるごとに罪悪感に苛まれることがあります。
詐欺まがいの商品だと認識していながらも、ノルマを達成しないといけない、自分も生活していかなければならないという強迫観念に駆られながらの営業活動は苦しさは筆舌に尽くし難いものがあります。
⑦客先や上司との飲み会に付き合わされる
法人営業で必要とされる営業方法の1つが接待です。最近は大企業では接待業務は減ってはきているようですが、まだまだ多い辛い業務です。通常の営業業務に加え、お店の予約などの段取りを立てるのは大変です。
接待の飲み会は愛想笑いや会話、マナーにも気を使いますのでとにかく大変です。さらに上司からの飲み会にまで付き合わされるとどんどん自分の時間が削られていきます。
⑧休日にも必ず得意様から携帯電話に掛かって来る
これは私の体験談になりますが、こちらは土日祝が休日ですが、土日祝が営業日の企業がお客様となると必ずといっていいほど会社の携帯電話に電話がかかってきます。
そのため、会社の携帯電話は休みの日でも持っておかなければならず、かかってきたら出ないといけません。休日を満喫できず、常に緊張状態での休日となります。
一番堪えたのが、自分の親が急逝し、急遽休みをいただいたのですが、葬儀の最中につい癖で持っていた会社の携帯電話が鳴り、出てしまい、それがクレーム電話だった時はさすがに辛かった思い出があります。
営業職のブラック度合いは業界によって大きく異なる
営業職でもブラックになりがちな業種があります。俗に言う高額商品でハイリスク・ハイリターンな営業職です。
営業職がブラックになりがちな業界とその理由
- 証券業界
証券営業は今でも給与がかなり高く、人気就職先ランキングでも上位に入ってきます。しかし、先物取引同様、お客様より多額の財産を株や価格が変動する商品に投資し還元するハイリスクな業種になります。
図らずも投資が失敗してお客様に大きな損失を負わせてしまうと大変なクレームを受けてしまいます。大切な財産を台無しにすることになっても仕方が無いと割り切れる精神力が必要です。
- 保険業界
もう一つは保険営業です。生命保険や損害保険など入っていればいざという時に経済的に補填してくれる生きていく上に必要なものです。しかしそれを販売する営業はかなり厳しいと言われています。
保険の営業(生保レディー)でよく言われているのが、「大量採用・使い捨て」です。営業本人の親・兄弟・親戚・友人などの近い人たちに出来るだけ加入させ、それが尽きれば退職せざるを得なくなります。
- 不動産業界
不動産でも対法人となると既存顧客のルート営業になりますが、対個人で住居を持ちたい方に販売する営業はライバルが多いのに加え、人生で一番大きい買い物です。やすやすと契約が取れるものではありません。
もう一つ、地主に対し税金対策と称して賃貸住宅を建設し管理する形態の企業の営業もかなり過酷です。どちらもインセンティブか高く売れば売るほど給料は天井知らずにあがりますので、頑張り甲斐はあります。
- 広告業界
広告業界はなんとなく聞こえがよくて華やかなイメージがあるようですが決して楽しい業界ではありません。仕事を取るためにプレゼンでコンペ、印刷物や制作物のコンペ、価格のコンペ等決めるまでで大変です。
そして案件を受注しても顧客が満足するまで修正し続けなければならず、納期は絶対ですから夜も休みも潰すことが多くなります。スケジュール管理も大変で、とにかくプレッシャーが掛かり続けます。
ブラックになりがちな業界で金融商材を扱う営業マンの厳しさを下部の記事にてより詳しく紹介しておりますので参考にしてください。
飛び込み営業・無形商材など、ブラック業界に共通する特徴
- 達成困難なノルマが課されている。
- 早朝出勤・サービス残業が当たり前にある。
- 離職率が高い。
- 体育会系体質で、大声での叱責が横行している。
- 法人相手ではなく個人相手の営業になる。
営業職がブラックになりにくい業界とその理由
反対にブラックになりにくい営業職もたくさんあります。新規参入できないものや大規模インフラ系などが挙げられます。
- 化学系メーカー
特許製品を独占的に扱えることが多く、とにかくライバルがいません。ですのでノルマも低く、必要なものを必要なだけ販売するので落ち着いた営業活動が出来ます。
- インフラ業界
インフラを扱う業界はあまり景気に左右されず、社会基盤を担っているので継続的に需要のある業種です。会社的にも元国営企業も多く、公務員のような勤務形態がまだまだ根強く残ってますので働きやすい環境です。
- 自動車メーカー業界
自動車販売系(カーディーラー)に車の直接販売は任せているので、自動車メーカーの営業は出来た車をどうやって売るか企画を考えたり、カーディーラーからあがってくる販売台数の管理をするのが主な業務です。
- 航空・海運業界
航空や海運のサービスを行うためには国の認可が必要です。このため一般的な企業の参入が難しい、大型飛行機や貨物運搬船が高価なことからも当然競合先が少なくなります。
新規参入されにくく競合が少ないホワイト業界に共通する特徴
- 過度なノルマを課されない。
- 残業が少なく、残業した場合には残業代が支払われる。
- 社員の定着率が高い。
- 社員1人1人にストレスが溜まっていない。
- 対法人営業なのがほとんどです。
下部のサイトには上記のような特徴を持っており、人気の企業ランキングが掲載されておりますので紹介しておきます。
営業職はブラックな一方、メリットもある
営業職はデメリットだけではありません。場数を踏めば踏むほど得られるスキルは無駄にはなりません。数字を達成した時の達成感はモチベーションが上がります。
そしてトップセールスにでもなれば出世もはやく、会社の看板を背負って立っているというステータスも手に入ります。
①成果次第で高給を得られる可能性がある
一般職に比べ、営業職は売り上げた成果として追加報酬が支払われることが多いです。高級商材を扱えば扱うほど成果報酬は高くなる傾向があります。
1000万プレーヤーも無理ではなく、短期間に高額収入を得るために期間を切って取り組むのも可能です。
②未経験でも活躍できる余地がある
基本的な社会人マナー、コミュニケーション能力、比較的に高い対人スキルがあれば未経験でも活躍しやすいのが営業です。若いならなおさらチャンスは広がります。
解らないことを知ったかぶりして話をしていても必ず経験不足が相手にはバレるものです。解らないことは解らないと言える愛嬌も武器になったりする場合もあります。
③コミュニケーションで人脈が広がる
様々な人と仕事が出来ますので、様々な情報が聞けるのが営業の醍醐味です。そして長く付き合いが出来ると新しい顧客を紹介してもらえます。
日常生活で役に立つことも多く、商品を安く買えたり、アドバイスをもらえたりも出来ます。
ブラックな営業職かどうかを見極める3つの方法
ブラック企業に入ってしまうと自分の人生が暗く辛いものとなってしまいます。それを何度も繰り返し、スキルが磨かれることもなく、壊れた心を抱えてしまう前に見極める目を養いましょう。
①入社前に求人情報から見抜く
やはり高収入・短時間労働・入社ハードルが低いことを謳っている求人情報はまず疑ってください。アットホームな職場です等、社員が仲が良いアピールや採用人数がやたら多いのも危険です。
下に記載している資料を参照し、注意して求人情報のカラクリに気づけるようになりましょう。
②ブラック企業の特徴から見抜く
まずは興味のある企業のホームページを開いてみましょう。古く、更新されていない、見た目だけはしっかり作られているが、全体的に見て具体的な企業のビジョンが見えないのは疑った方がいいでしょう。
いつ見ても正社員募集を出している、社長のプロフィール・顔写真・経営理念やポリシーが発表されているかどうかも重要な判断材料です。下に掲載されているブラック企業の見極め方も参考にしてください。
③転職エージェントの情報を参考にする
エージェントの情報は参考程度にしておいてください。仕事上、様々な案件を並列で取り扱っています。親身に相談に乗ってくれ、企業の調査もしっかりしているエージェントは少数だと思っておいてください。
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まとめ
今回は営業職はブラックになりがちということを様々な資料をもとに説明をしてきました。心が壊れてしまう前に離れるのが一番ですが、色々な可能性が人それぞれにあると思いますので、業界に興味があったり覚悟があれば入社も検討してみてください。貴重な経験や強靭なメンタルに加え高価な報酬が手に入るかもしれません。