2019年2月25日に全国大学生活協同組合連合会が発表した「第58回学生生活実態調査」によると、奨学金の受給率は7年連続で減少しています。進学の際に奨学金は必要なものですが、結婚を考えた時に足かせになることもあるようです。そこで、奨学金の返済が結婚に与える影響について考察します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
奨学金の返済と結婚は両立できないか
知り合いで夫婦で
10万×12カ月×6年×2人=1440万奨学金借りてる人がいる。
月10万返済しているらしく、結婚相手には事前に奨学金の有無を確認すべきと言われてた。「奨学金」という名称は、誰でも手軽に借りれる印象を与えかねず、甘い罠だと思う。
奨学金でなく「学生借金」が相応しい名称だと思う。— 瀬戸麻希@商標も特許も意匠もやる弁理士 (@ensemble43530) January 4, 2020
私の夫は私の奨学金600万円近く返してくれた
「なんで他人の奨学金返すの?おかしくない?」って号泣しながら聞いたら
「結婚して夫婦になったからだよ。富めるときも貧しいときもって言ったじゃ~ん」って笑いながら私の涙拭いてくれた。神か。— きのこ (@kinokinokoco) March 10, 2019
経済格差が進む現代の日本において、奨学金を活用しなければ進学できない学生がいるのは事実です。そして結婚を考えるようになると、奨学金の返還をしている相手を受け入れられるか否か、人によって分かれる状況が生まれています。
以下より奨学金と結婚を巡る情報を紹介していきますので、ぜひご一読ください。
奨学金の返済があっても結婚はできる
日本学生支援機構の貸与型奨学金を利用して高等教育機関に進学した学生たちは、国家資格を取得したいなど目的を持っているものです。家庭の経済事情が悪いことを理由に諦めるのではなく、卒業後に返還することを知っての選択には意味があります。
私立大学や医学部・薬学部など6年制に進学した場合、人によっては貸与総額が1,000万円を超えます。その返還は、簡単なことではないでしょう。しかし返還期間は最長で20年もあり、金利も低く抑えられていることを考えると、奨学金の返済があることが結婚できない理由になるとは思えません。
奨学金の返済はつらい
2018年11月6日に日本学生支援機構が発表した「返還金の回収状況及び平成29年度業務実績の評価について」によると、2017年度の貸与型奨学金の回収率は87.74%でした。3ヶ月以上滞納している利用者は、3万9,775人にのぼります。
実際に、奨学金の返済がきついと感じている利用者は少なくありません。しかし、延納する前にできることはあります。奨学金の返済がきつくても頑張りたい人には、以下の記事が参考になるはずです。ぜひ一読してみてください。
奨学金の存在は結婚前に相手に伝えるべき
大学・短期大学・専門学校を卒業し、奨学金の返還を始めている人が結婚を考えているなら、相手にその事実を伝える必要があります。結婚生活において、お金の問題はとても重要だからです。
ここでは結婚を考えている相手に、自分が利用した奨学金について伝える方法を紹介します。
伝え方①|奨学金を返還していることをいち早く話す
結婚を考えている相手がいるなら、自分が奨学金を返還していることを1日も早く伝えることをおすすめします。男女のどちらか片方が奨学金を利用している場合は、返済しながら結婚生活を維持できるかどうかを検討し、受け入れられるかどうかの判断になります。
しかし男女共に奨学金を返還している場合、完済する前に女性が専業主婦になる、あるいは妊娠・出産・育児のために働けないと、生活が破たんするかもしれません。
結婚後も2人共フルタイム正社員として働くなら問題ありませんが、そうでない場合は事前の話し合いが必要です。
伝え方②|返還状況と今後の計画について説明する
相手に奨学金について話す時には、それまでの返還状況と今後の返済計画をどう考えているかを説明できるよう、準備しておくと良いでしょう。
日本学生支援機構の公式サイトにある「返還期間と割賦金」によると、貸与総額によって返済期間や金額は異なりますが、一般的には14~20年です。
ただし繰り上げ返済するなどの方法で、返還期間や月々の返済額を減らすことは可能です。結婚後は早期返還を目指すのか、そのまま支払いを続けるのかも含めて、自分の考えをまとめておきましょう。
結婚前に言わないで結婚後に発覚するリスク
結婚しても2人共フルタイム正社員として働くことが前提で、家計を別々に管理しているカップルの中には、結婚相手に対し奨学金を返還している事実を画している人もいるようです。しかし、結婚後に発覚したことで大きなトラブルに発展するケースが少なくありません。
ここでは、奨学金の返還が結婚後に発覚するリスクについて説明します。
①相手の親からも不信感を抱かれる
日本学生支援機構の貸与型奨学金がなければ、進学できなかった人もたくさんいます。浪費やギャンブルでつくった借金とはわけが違うと、利用した本人は思うかもしれません。
しかし、奨学金を利用したことがない結婚相手やその親に、借金として捉えられるケースも多くあるのが現実です。後で発覚した場合、借金を隠して結婚したと受け止められる可能性が高まります。
結婚相手が理解してくれたとしても、親にとっては隠し事をしたという禍根(かこん)が残り、不信感を抱かれることも珍しくありません。
②家計が厳しければ離婚もありうる
貸与型奨学金を利用して進学したからといって、十分な報酬をもらえる企業に就職できる保証はありません。正社員採用ではあるものの年収が低く、家計が厳しい社会人は数多くいます。
また結婚後に妻が妊娠・出産したことで稼ぎ手が減り、世帯年収が下がる可能性も否定できません。家計が厳しくなるとケンカも増えがちで、奨学金の返還についての不満をぶつけられることもありえます。そうしたいさかいが絶えず、離婚してしまうケースも少なくありません。
婚約後でも破談はありうる
カップルの中には、プロポーズを受けて婚約した後に、結婚生活について具体的に話し合うケースもあるでしょう。また、相手のご両親に挨拶に行った時に、奨学金を返還していることを説明する人もいるはずです。
しかし、婚約したからといって、相手やその親にすべてを受け入れてもらえるとは限りません。奨学金を返還していることを話したことで、破談になった人もいるからです。
そうした事態に陥らないように、婚約前に相手としっかり話し合い、親に対してどう説明するかも考えておくのが賢明です。
奨学金の返済がある彼氏・彼女と結婚することのメリット・デメリット
結婚するからには、将来にわたる人生設計をするために、お金についてきちんと話し合っておくことが大事です。奨学金を返還していることが、問題になるケースもあるでしょう。しかし、奨学金を返済している人と結婚する時にあるのはデメリットだけではなく、メリットもあるのです。
ここではそのメリット・デメリットについて、説明します。
メリット|2人の絆を深めるきっかけになる
奨学金の返済は、家計を営むうえで負担になるかもしれません。しかし、富める時も貧しき時も、健やかな時も病める時も一緒と誓った相手の奨学金返済は、自分の義務でもあると感じてくれる人もたくさんいます。
また、1日でも早く奨学金を返還して安心して子供を持ちたいと考え、節約や貯蓄に励み、繰り上げ返済するカップルも少なくありません。夫婦で同じ目標を持って、それを達成するために努力することが、2人の絆を深めるきっかけになることもあります。
デメリット|経済的に我慢を強いられることがある
夫婦共に奨学金の返還をしている場合は、共働きであっても家計は楽ではないかもしれません。まして、夫婦どちらかが働けない状況になった場合は、生活を切り詰めるなど、経済的な我慢を強いられる可能性が高まります。
それが奨学金であっても、借金返済は人にストレスを与えるものです。また、夫婦どちらかの親が奨学金の返還がある相手との結婚を良しとしていない場合は、義実家との関係が悪化しがちです。
奨学金の返済がある彼氏・彼女と結婚しても返済義務はない
民法では、結婚後の利益は夫婦2人の財産になると定めています。そして奨学金に限らず、夫婦どちらかに借金がある場合は、その返済を念頭においた家計運営を行うことでしょう。
しかし奨学金の返還を行っている人と結婚しても、相手の返済義務を自分が負うことはありません。家計から返済する場合は返済の一端を担うことになるので、返還計画について事前に話し合うことが必要でしょう。
相手に「奨学金の返済が残っている」と言われた場合の対応
恋人にプロポーズした時に、奨学金を返還していることを告げられる人も少なくないようです。結婚生活は愛情だけで成り立つものではないので、突然の告白に動揺することもあるでしょう。しかし、対応を間違うと、相手を深く傷つけてしまいます。
ここでは、相手に「奨学金の返済が残っている」と言われた場合の対応を紹介します。
①まずは打ち明けてくれたことに感謝する
結婚を考えている相手に、「奨学金の返済が残っている」と言われた時は、まず打ち明けてくれたことへの感謝の気持ちを伝えましょう。言いにくいことを話してくれたのは、相手があなたに対して誠実だからに他なりません。
しかし、予想外のことで冷静でいられない場合は、その場で貸与総額や返還状況などを確認しない方が無難です。貸与型奨学金を利用しなければならなかった理由は、その場で確認しておきましょう。
②返還期限と返済額を確認する
日本学生支援機構に返還している貸与総額は、人によって異なります。国公立大学に自宅から通学していた場合は、貸与総額はそれほど高額ではないケースが大半です。
話を聞いた時点で残っている返済残高と、考えている返還期限を確認しましょう。残債や2人の貯蓄額によっては、結婚前に繰り上げ返済できる可能性があります。
③返済計画を一緒にたてる
結婚前に貸与残高を完済するのが難しい場合は、結婚後の返済計画を一緒に考えましょう。これは、結婚後も2人共フルタイム正社員として働くのか、子供をつくるタイミングなどに大きな影響を与えるからです。
奨学金の返済額が家計を圧迫すると予想された時には、結婚を延期して繰り上げ返済を行った方が良いケースもあります。2人で話し合い、生活を成り立たせる方法を考えてみましょう。
奨学金がある中で結婚したら変更手続きをする
奨学金の返還中に結婚し、氏名・住所・電話番号・勤務先の変更があった場合は、速やかに日本学生支援機構に届け出なければなりません。手続きは、インターネット(スカラシップ)で行います。
- スカラシップにログインする
- TOP画面にある各種届願・繰上げのタブをクリックする
- 各種届願・繰上返還用のワンタイムパスワードを発行してもらう
- 各種届願・繰上げ画面にワンタイムパスワードを入力し、ログインする
- 転居・改氏名・勤務先(変更)の届出の画面に進む
- 各種変更手続きを行う
日本学生支援機構の公式サイトにある「転居・改氏名・勤務先(変更)届」に手続き方法が掲載されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
今回は、奨学金がある男・女との結婚はイバラの道なのかについて解説しました。奨学金を返還しているからといって結婚を諦める必要はありませんが、うまくやっていくために心掛けることもあります。
まずは結婚相手に事実を率直に話し、生活や親への説明について2人で考えることをおすすめします。