「休学」をする学生は年々増えているそうです。しかし何らかの理由で休学をしたい、と思っても「就職に不利になるのでは」と考えると不安になります。今回は「休学と就職」についての解説です。休学は本当に不利になるのか、休学のメリット・デメリットなどについても触れていますので、迷っている方は参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
休学すると就職活動は不利になるか
休学という選択をしたときに、もっとも気になるのは「就活に不利なのではないか」ということです。他の人が普通に卒業して就活することに比べると、どうしても自分が遅れをとってしまうような気がするかもしれません。
しかし、結論を言えば休学をしても就活に不利になることはありません。企業は休学をしたかどうかよりも「なぜ休学をしたのか」「休学して何を得たのか」ということに興味を持ちます。
就活で不利になりそうな気がするけど休学するか
どうせ俺がつける職業はないし— 山芋 (@pyonpan_man) June 23, 2019
これは休学をしたいと思っているけれど、就活に不利になるのではないか、と心配している人のツイートです。周囲に休学しても就活が上手く行ったという例がない場合は、特に不安になるでしょう。
就活、自分は休学したから結果的に2回やったんだけど、
就活2回目だからといって不利にされた感ぜんぜんなかったから、
みんな「最悪2回目あるし」くらいの気楽な気持ちで就活してほしい
思い詰めるのが一番よくない— しみすけ (@usk43z) March 1, 2019
これは実際に休学をして、2回の就活を行った人のツイートです。ツイートにあるように、この人は休学によって就活が不利になったとは感じておらず、上手く行かなければ休学をして、就活を2回すれば良いと言っています。
休学には2種類ある
「休学」と言っても、その理由は主に2種類に分かれます。ポジティブな理由と、ネガティブな理由です。
ポジティブな理由の代表は「特定の経験を積みたい系」、ネガティブな理由の代表は「体調不良」「人間関係に対する疲れ」などでしょう。
特定の経験を積みたい系の休学は、休学明けに経験や知識を得ていることが多く、その後の就活や人生に大きなメリットをもたらします。
一方、体調不良や人間関係に関する休学は、文字通り「休む」ということに集中する期間となるので、休学明けからまた何かを得るという気持ちや努力が必要です。
休学する理由に関しては以下の記事で詳しく紹介しています。休学にも成功する理由と失敗する理由があります。興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
休学して就職活動をするメリットとデメリット
先ほどの見出しで「休学をしても、就活に不利となることはない」とお伝えしました。ここからは、もう少し掘り下げて「休学をして就活をするメリットとデメリット」について見てみましょう。
メリット
まず、休学をして就活をするメリットは主に2つあります。どちらも就活を効率良く行うために必要な要素ですが、普通の就活生にはなかなか難しいポイントとして知られています。
①就活の軸を明確にできる
1つ目のメリットは「就活の軸を明確にできる」というものです。就活をするにあたって、OBや先輩などが度々口にするのが「就活の軸」という言葉ではないでしょうか。
就活の軸は、自分が本当にしたいことというだけでは足りず、自分はなぜそれがしたいのか、そう考えたきっかけは何だったのか、それをするために必要なことや、自分に欠けていることは何か、などまで掘り下げる必要があります。しかしこれらの理由が明確になるまでには時間がかかります。
休学をすることで得られる時間を、自分の「就活の軸探し」に当てられるというのは、大変大きなメリットです。
②休学中の活動をエピソードとして話せる
2つ目のメリットは「休学中の活動を面接でのエピソードにできる」ということです。面接での自己PRや志望動機などでは、相手の印象に残るエピソードが欠かせません。
逆に言えば、面接で印象的でポジティブなエピソードが話せれば、横並びの就活生から頭ひとつ抜けることもできるということです。
休学中の時間を使って、今しかできないこと、今の自分にしかできないことなどを経験することができれば、休学は不利どころか大きなアピールポイントの元となります。
デメリット
次に、休学して就活をするデメリットです。デメリットも2つあります。しかし、以下でご紹介するデメリットは、どちらも本人の心構え次第では回避することも可能です。
①面接でのパフォーマンス次第では落ちる
1つ目は「面接のパフォーマンス次第では休学に関係なく落ちる」ということです。
よくある勘違いは「休学中の海外留学で海外経験を積んだから、採用されるだろう」という考え方です。しかしこれだけでは休学も海外経験も意味がありません。
休学をして海外経験を積んだことでこんなことができるようになった、こんな考え方ができるようになった、と面接で話せることが何よりも重要です。
面接は経歴だけで受かるものではありません。経歴だけで良いなら面接自体不要です。面接でいかに有効なパフォーマンスができるか、ということに焦点を絞って休学中の行動を考えてみてください。
②2回目の就活まで意外と時間がない
2つ目は「2回目の就活までは意外と時間がない」ということです。
就活に失敗をして休学する場合の多くは、休学の意思を6月~7月に固めることになります。そうすると、すぐに翌年のサマーインターンが始まりますので参加したいと思ったらすぐに行動しなくてはなりません。また、夏は楽しみなイベントも多く何かと時間が取られます。
さらには、留学をしようと思っている場合はサマーインターン自体に参加することができず、その時点でいったん遅れをとることにもなるのです。その遅れをどのようにリカバリーしていくのか、という作戦も必要です。
つまり、休学を決める時点で夏のスケジュールを綿密に立てておき、予定が狂うことのないように、常に気持ちを引き締めておく必要があります。
休学中の活動を面接で話す際のポイント
では、実際に面接で休学中の活動についてどう話せば良いのかを考えてみましょう。ポイントは次の3つです。
- 休学した目的を話す
- 休学中のエピソードを端的に話す
- 休学で得た経験と仕事の繋がりを具体的に話す
まず「休学した目的を話す」については、なぜ自分が休学をしようと思ったのかという動機を話します。できるだけポジティブな動機の方が印象は良くなりますが、事実と異なることを言ってしまうと、その後の整合性がとれなくなるので注意してください。
次は「休学中のエピソード」です。これはまず「端的に話す」という点を意識しましょう。長々と話さず「取り組んだこと→課題→解決策→得た学び」という構成で話すと、内容を把握しやすく、興味を持ってもらいやすくもなります。
最後は「経験と仕事の繋がり」です。たとえば海外留学で異文化を学んだと話しているのに、志望している仕事がまったく海外文化と繋がりのないことである、などは「なぜこの会社に入りたいのだろう」と疑問を持たれることになります。
消極的な理由で休学しても就職活動で挽回できる
休学はポジティブな理由でする人ばかりではありません。体調不良や人間関係の疲れ、その他の事情で仕方無く休学している場合もあるでしょう。
以下では、消極的な理由で休学をしても挽回できる方法について解説します。
①短期間でも活動にチャレンジする
1つ目は「短期間でも何らかの活動にチャレンジする」ということです。ネガティブな理由で休学をしたからと言って、投げやりになっていても何も解決しません。
具体的にどんな活動をすれば良いのか、ということについては次の見出しで詳しく解説します。
②休学理由は正直に話しすぎない
2つ目は「休学理由を正直に話しすぎない」ということです。休学理由がネガティブなものであっても、あまりに現実とかけ離れたことを話してしまうと、その後の話がかみ合わなくなります。
面接では正直すぎるほどに、本当のことばかりを話さなければならないわけではありません。会話の中で軌道修正ができる程度の範囲で、少し印象の良い理由にかえても良いでしょう。
③強調するのは休学後の成長
3つ目は「休学後の成長について強調する」ということです。休学したことに引け目を感じいていると、どうしても休学したことについて話をしようとしてしまいます。
しかし、企業は休学したことよりも、休学したことで得たものに興味を持っています。「休学をしたことで、こんなことができるようになった」「休学したが、こんな自分になれたので今考えてみたら良い選択だった」など、「今」に焦点を当てた話をしてください。
就職先に納得しない場合は休学も検討する
「就活はできたし、卒業もできる、でも就職先に納得がいっていない」こんな場合は、思いきって休学をするという道もあります。
この場合の休学では、休学期間の過ごし方が重要になります。個人でできる「世界一周」なども良いですが、それよりも「何かしらの組織に属して活動する」などの方が、就活には役立てられるでしょう。
これは企業が「コミュニケーション能力」を重視しているためです。休学中に組織の中でコミュニケーション力を磨いておけば、翌年の就活で役立てることができます。
以下では、コミュニケーション能力を磨ける3つの活動について解説します。
①海外留学
1つ目は「海外留学をする」というものです。ポジティブな休学の定番である海外留学は、グローバルな視点でのコミュニケーション能力を磨く良い機会となります。
休学をして海外留学をするのであれば、まずは自分がどの国に行きたいのか、準備できる費用がいくらか、その費用でどれくらい滞在したいか、という点を確認してみてください。
海外留学は自分の希望や費用を絞りこまなければ、何となく行って帰ってくるだけ、ということになります。
②長期インターン
2つ目は「長期インターンをする」というものです。翌年の就職を考えると、企業の中で一定期間仕事を経験できるインターンは、ぜひ経験しておきたいものです。
長期インターンをするのであれば、即インターン先を探してください。企業HPで募集がかかっていないか、大学の就職課へ求人が来てないか、ということを確認します。
希望する長期インターン先が見つからない場合は、一般の求人サイトから探すという方法もあります。
③海外での長期インターン
3つ目は「海外での長期インターン」というものです。海外留学と長期インターンの両方に、同時にチャレンジすることができます。
海外での長期インターンをする場合は、海外インターン専門のエージェントを利用すると良いでしょう。不慣れな海外でインターンをする場合は、素人の力だけでは足りない部分が多くあります。
ただし、海外での長期インターン自体が多くはないので、思い立ったらすぐにエージェントを探し、実際のインターン情報を提供してもらうようにしてください。
休学者は年々増加傾向にある
当事者にとっては大きな決断である「休学」ですが、実は年々増加傾向にあると言われています。
「文部科学省による学生の退休学に関する調査」によれば、経済的理由や留学、学業不振などさまざまな理由で休学する人が増えているようです。
もちろん、人数が多いから気軽に休学をしても良いというわけではありませんが、あまり思い詰めずに決断しても良いことではあるでしょう。
まとめ
「休学をする」と決めるのであれば、休学そのものよりもその後のことを良く考えて行動しましょう。ただ就職を1年先に延ばしただけ、ということにならないようにきちんと計画を立てて休学を検討するようにしてください。
その後のことを考えた、計画的で有益な休学ができれば、休学前よりも広い視野を持って就活に励めるかもしれません。