大学院生にとって、就職活動は卒業論文と同様に大変であり就活失敗は不安の一つです。就活スケジュールが大学3年生と同じであるにもかかわらず、負担は大学院生の方が遥かに大きいと言えます。そこで、今回は大学院生が就活で失敗しない方法と、仮に就活を失敗した場合の理由と対策をお伝えします。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
大学院生が就活で失敗することは少ない
一般的に、大学院生が就職活動を失敗することは少ないと言われています。その理由として、以下が挙げられます。企業側にとって、大学院生は理想の人財です。
- 専門性が高く、そもそも人材として希少である
- 論理的思考力がある
- 考えを整理するのが得意で、GDや面接でも相手が納得する話ができる
- 勉強を頑張った努力や忍耐力が、仕事にも転用可能
大学院生の就活には難しさもある
大学院生は、大学生と比べて就活に難しさがあります。能力や人柄としては、大学生よりも2年ほど経験を積んでいるため優れていると言えます。しかし、大学院生にとって就活は失敗の可能性が高いのです。
以下では、大学院生にとって就活が難しい理由を2つ紹介します。後に後悔をすることが無いよう対策を立てると良いでしょう。
就活の情報が少ない
大学院生にとって、就活が難しい理由の1つ目は「就活の情報が少ない」からです。中央教育審議会のまとめた大学院に関する調査によると、修士課程に進む学生は学士課程の学生のおよそ10%ほどです。
もともと、分母数としての大学院生が大学生よりも少ないことがわかります。そのため、大学院生同士で共有可能な情報や、大学院生を対象とした就活の情報が学士課程よりも少ないという問題があります。
就活に割ける時間が限られる
大学院生にとって、就活が難しい理由の2つ目は「就活に割ける時間が限られる」からです。そもそも、大学院生は日常の時間を勉学に費やします。レポートや講義に向けた準備で1日の大半を過ごします。
考察や論点が不十分であれば、単位をとることができず卒業ができません。そのため、大学生のように就活が始まっても割ける時間が限られます。勉学と就活を両立せざるを得ないという状況なのです。
大学院生の就活スケジュールは大学3年とほぼ同じ
大学院生は、大学3年生とほぼ同じ就活スケジュールです。例えば、新年度の6月から正式に就職活動が解禁されるため、経団連に所属する企業への就職活動が可能となります。
そのため、エントリーシート、Webテストや面接の準備などはスケジュールを逆算して行わなければなりません。
大学院生が就活に失敗する理由と対策
大学院生が、就活に失敗する理由はいくつかあります。失敗する理由を予め知ることで対策を立てることが可能です。自分は就活に失敗しないと安易に考えず、万全の対策をとると良いでしょう。
そこで、以下では大学院生が就活に失敗する理由とその対策をそれぞれ4つご紹介します。自分が当てはまらないか、確認をして下さい。
理由①|大学院に進学した理由が曖昧
大学院生が就活に失敗する1つ目の理由は、進学の理由が曖昧だからです。本来、大学院への進学は明確な問題意識や学術的研究意欲によるべきです。
しかしその理由が明確でないと企業側は不安になります。特に研究内容と応募先企業での職務は繋がっていなければ、なぜ志望したかが伝わりにくいためです。特に志望動機には企業への貢献性が求められます。
以下の記事では、大学生時代に就活に失敗し、逃げるようにして大学院に進学するケースについて解説しています。このような学生の場合、進学理由は曖昧です。周囲と協力しながら理由を考えるだけでなく、まずは大学院での研究に注力し、その成果を話せるように努力することも大切です。
対策①|納得できる回答を用意する
就活に失敗しないための対策として、採用担当者が納得ができる回答を用意しましょう。面接では、主張に対する根拠など論理性が特に重要な評価項目となります。
また、研究内容についても聞かれるため、なぜ大学院へ進学をしたのか説得力のある回答ができるということも重要です。問題意識や到達目標をもとに考えると、納得できる回答にできます。
理由②|就活を軽視して研究を優先する
大学院生が就活に失敗する2つ目の理由は、就活を軽視して研究を優先しているからです。上述の通り、大学院生は就職活動と研究をどちらも疎かにせず両立させなければなりません。
仮に、研究が楽しいあまり企業研究や面接対策をしない場合、就活に失敗する可能性があります。なぜなら、対策を立てずにして就職活動を突破することは極めて難しいからです。
対策②|周囲と協力して選考対策をする
就活に失敗しないための対策として、周囲と協力して選考対策をしましょう。周囲と協力をして選考対策をするとは、選考過程ごとに担当者を決めて互いの準備をすることです。
例えば、Webテストにおいても大きく分けてSPIと玉手箱に分かれています。どちらも1から勉強するより、2人で分担してそれぞれのコツを教え合う方が効率的であると言えます。
理由③|専門分野に固執する
大学院生が就活に失敗する3つ目の理由は、専門分野に固執するからです。大学院生の中には、研究する分野ならば誰よりも自分が詳しいはずだと過信する人がいます。
しかし、就職活動において必ずしもその分野に該当する職種があるわけではありません。工場のエンジニアリングであれば広くメーカー全般を受けることができますが、酵素などを研究していた場合は食品メーカーに絞られてしまいます。1つの分野に固執すればするほど、就職はより困難となってしますのです。
対策③|インターンで幅広い業界・職種を見る
就活に失敗しないための対策として、インターンで幅広い業界・職種を見ましょう。これは、端的に言うと自分のポテンシャルがどの業界や職種なら発揮できるかを探すということです。
仮に最初は興味が全くない業界や職種でも、インターンを経験することで実情を把握できます。これにより、志望順位が当初と入れ替わるということもありうるのです。
理由④|コミュニケーションに改善の余地あり
大学院生が就活に失敗する4つ目の理由は、コミュニケーションに改善の余地があるからです。就活では、一方的に研究結果を説明し続けるのではなく、面接官との会話をする形となります。
そのため、1つの質問に対して聞かれたこと以外の答えをずっと話してしまうと採用から遠のくことがあります。1問1答として、面接官が聞きたい内容に対してのみ、適切な回答をしなければなりません。
対策④|OB訪問で大人と話す機会を作る
就活に失敗しないための対策として、OB訪問で大人と話す機会を作りましょう。ここでいう大人とは、既に社会に出て働き始めている先輩であり、会話のノウハウを学べる相手です。
ゼミや研究室の先輩であれば、過去に同じような就活の悩みに直面したはずです。面接で注意すべきポイントは何か、なぜ面接で落とされるのかや改善方法を積極的に聞いて学ぶと良いでしょう。
その際、事前に聞きたいことをリスト化するなどしておきましょう。準備している学生として好印象を与えられるだけではなく、より深く回答してくれる可能性もあります。
理系の大学院生が就活をする際のポイント
本見出しでは、理系の大学院生特有の就活術を4つ、紹介します。就活では油断せずに地に足をつけて対策をすることが、何よりの近道です。熟読して、志望先から内定を取れるように努力しましょう。
学校推薦を活用する
理系の大学院生の場合、学校推薦を有効活用すべきです。学校推薦の場合、大学や教授から”お墨付き”があると捉えられるため、内定を取りやすいメリットがあります。
学校推薦には申請が必要です。修士1年の1~3月ごろから説明会や選抜が行われますが、大学によっても実施時期や内容は異なるので、まずは学生部に問い合わせてみましょう。
ただ、全ての企業に推薦しているわけではない、必ず内定できるわけではない、といった注意点は忘れないようにしましょう。
インターンに積極的に参加する
インターンに参加すると、リクルーターがつく可能性が高いです。大学のOBがリクルーターになることも多く、学生に対して、元から好意的な印象を持ってくれています。
そんなリクルーターと、他の学生の選考が始まる前に複数回会って話をすることで、企業に対する理解を深めたり、選考のアドバイスをもらうことができます。さらに、リクルーターの評価がよければそのまま最終面接に進んで内定、というパターンもあります。
リクルーター面談はフランクな雰囲気で行われるので、聞きたいことをまとめるほか、以下のような基本的な質問事項の対策を行うだけで、十分に対応できます。
- 志望動機
- キャリアビジョン
- 研究内容
- 学生時代に困難を乗り越えた経験
- 長所・短所
研究の合間にも対応しやすいので、リクルーターがつくインターンに参加するのは非常に有意義と言えます。以下の記事も併せて参考にしてください。
「研究」だけでなく「個人」の強みも考える
理系院生は研究内容によって業界が絞られたり、選考でもプレゼンがあったりと、文系職と比較しても選考における研究の重要度は圧倒的に高いです。
しかしながら、理系院生とはいえ研究だけができればいいわけではありません。理系職とはいえ、定員ギリギリの応募者しかいない企業はほとんどありません。ライバルはたくさんいます。
だからこそ、ビジョンを明確にして入社後にやりたいことをアピールしたり、自分だからこそできることを熱意を持って伝えなければ、内定をもらうことはできません。
文系職(総合職)を受ける場合、「理系なのになぜ文系か」答えられるようにする
理系の大学院生が文系職(総合職)を受ける場合、「なぜ今まで培った知識や経験を放棄してまで文系職として仕事がしたいのか」という質問に答えられるようにする必要があります。特に理系院生は、「大学卒業時は研究を選んだにも関わらず、なぜ今は文系職なのか(なぜ意見が変わったのか)」という疑問がつきまといます。
「新しい挑戦がしたい」では物足りません。自分の過去の経験や理系の研究に対する思い、さらには院生時代の転機なども織り交ぜながら話す必要があります。周囲の人にも話して、納得できるかどうかを確かめながら修正していきましょう。
就活に失敗した大学院生の選択肢
大学院生にとって、就活の失敗は大きな不安でありその場合の選択肢は重要です。大学生であれば、就活を失敗しても留学や大学院への進学という選択肢がありますが、大学院生はありません。
そこで、以下では就活に失敗してしまった大学院生が取りうる選択肢をご紹介します。万が一の場合は、ぜひ参考にしてください。
既卒として就活を続ける
就活に失敗した大学院生が取りうる選択肢の1つ目は、既卒として就活を続けるです。企業は、大学生・大学院生と指定して採用活動をしています。しかし、既卒の大学院生も応募が可能です。
もしも、就活に失敗してしまった場合は既卒でも応募可能な企業を探しましょう。諦めるのではなく、選択肢を探すことが大切です。
就職留年をする
就活に失敗してしまった大学院生が取りうる選択肢の2つ目は、就職留年をするです。学歴に重きを置いている大学院生にとって、この選択には勇気がいるかもしれません。
しかし、就職できないまま社会人となるよりはもう1年かける方が良いです。就活に失敗した場合は就職留年を検討してみましょう。
以下の記事では、留年の就活への影響を解説しています。大学生にフォーカスした内容ですが、基本的な考え方は同じです。就職留年を負い目に感じることで面接で自信がないように見えたら本末転倒ですが、前年度の経験を活かしてリラックスできるメリットもあります。就職留年を検討している学生は、ぜひご覧ください。
博士課程に進むのは危険
就活に失敗してしまった大学院生が取りうる選択肢の3つ目は、博士課程への進学を再検討するです。大学生と同様の考え方だと、修士課程で就活に失敗した場合博士課程に進学が可能です。
しかし、博士課程での就活はさらに厳しいです。また、卒業ができるか否かもより不明確です。そのため、安易に進学をしないことが大切です。
まとめ
大学院生は、優れた能力があるため就活での失敗が少ないです。しかし、仮に就活で失敗をしてしまった場合、取ることができる選択肢がいくつかあることがわかりました。
大学院での研究をしつつ、就活をすることは極めて大変に違いありません。ですが、その分良い結果にもつながることを信じて頑張ると良いです。