企業で働く人にとって昇給がいつ行われるかは関心の1つです。昇給月の決め方は企業により異なりますし、新入社員や中途社員であれば、いつ昇給があるか押さえることも重要です。ここでは昇給ルールや2019年厚労省のデータなどを参考に昇給について解説しています。昇給の疑問にも言及しているので参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
昇給には2種類ある
企業で働くひとにとって昇給に関する仕組みを知ることは非常に重要なことです。
昇給には2つのパターンが存在しています。1.定期昇給 2.ベースアップです。どちらも賃金が上昇することに違いはありませんが、上昇の仕方は異なりますので下記でご紹介します。
定期昇給
一般的な昇給といえば、「定期昇給」を示していることがほとんどですのでこの記事では昇給=定期昇給として扱っていきます。定期昇給とは社員の勤務数や社員の年齢に比例して、毎年定期的に基本給を上げる制度をいいます。
定期昇給であがる金額の幅はそれぞれの状況によって異なります。基本的に勤務年数が長い社員の昇給幅が高くなるいわば、「年功序列」的な考えに沿った昇給制度といえるでしょう。
毎年定期的に給与が上がっていくことはメリットといえますが、能力と給与のバランスが崩れてしまう点が定期昇給のデメリットです。
最近では定期昇給の中にも「定額昇給」と「評価昇給」を組み合わせて、優秀な人材が外部に流出しないように対策している企業も多く存在します。
ベースアップ
もう1つの賃金上昇パターンとして、「ベースアップ」という考え方があります。定期昇給は勤務年数等に応じて人により、上昇幅が異なります。
ベースアップの昇給の特徴は「従業員全体」が一律に一定金額または一定率、給与が上昇する昇給制度を指します。
一定金額であれば全員が同じ昇給幅、一定率であれば、給与の額によって異なります。
ベースアップを採用することに企業は慎重になる傾向にあります。なぜなら全員の基本給が上がるため、経営が苦しくなった際でも、一度上げた基本給は下げることが困難になる為です。
2019年の平均昇給額
2019年の平均昇給額を資料に基づいて解説していきます。
昇給する金額は企業の規模によっても異なり、全社共通のルールではありません。
下記で詳しく説明していきます。
中小企業
中小企業(300人未満)の2019年平均昇給額と上昇率は下記の通りになっています。
傾向としては従業員が100人未満で規模の小さい企業は「上昇金額」・「上昇率」ともに、一番低いことが分かります。
100人~300人未満の企業はそれ以下よりは、「上昇金額」も「上昇率」も若干高いですが、後述する大企業と比較すると、低い傾向は変わりません。
中小企業の昇給額が微増になる理由としては、1.利益上昇幅が少ない 2.経営者自身の考え方が直結しやすいことが挙げられます。
特に経営者の考え方に大きく左右されるのが中小企業の特徴といえます。
大企業
大企業(300人以上)の2019年平均昇給額は中小企業と比較すると若干大きいといえます。
大企業に関しても、従業員数が多い企業の上昇金額が高い傾向になっています。中小企業より上昇金額が高いのは明らかです。
なぜ大企業ほど賃金の上昇が高い傾向にあるのでしょうか。明確な理由が存在します。
1つとしては、企業の資金状況に比較的余裕がある為です。大企業であれば利益余剰金をストックしていますから、一定の賃金上昇に耐えうる体力が企業にあるといえます。
労働組合の影響度の強さも大きく影響しています。大企業になるほど労働組合の影響は高くなる傾向にありますから、労使交渉の効果が結果に反映されやすいのです。
以下の記事ではより詳しく昇給額の平均について解説しています。興味のある方はご一読ください。
一般的な昇給時期はいつか
昇給月は企業によって異なる部分もありますが、基本的な昇給月と給与に反映されるタイミングを一番ポピュラーなパターンでご紹介していきます。
あくまで通常ケースになりますので、きちんと把握したい場合は会社の給与規定などを確認しましょう。
4月に昇給する企業が多い
昇給は原則、毎年1回4月に実施されます。4月に設定されるのには理由があります。
1つは企業の新しい事業年度が4月からスタートするケースが多いこと。もう1つは新入社員の入社が4月にあることが挙げられます。
人事部門や総務部門からすると、変更点を4月から一括でスタートできるため、業務効率があがり管理しやすい為、昇給も4月に実施されるケースが多いのです。
給料に反映されるタイミング
昇給が実際に行われるのは4月ですが、給与に反映されるタイミングは5月からのケースがほとんどです。
4月に上昇金額が決定したことを4月の給与に反映するには、業務上時間が足りない場合が多いからです。4月分は以前の給与で、5月に差額分が反映されます。
4月に反映されていないことを不安に思わないように、業務の流れを理解する必要があるでしょう。
5月に給与が振り込まれた際に、きちんと上昇分が反映されているか確認することをおすすめします。
属性別|昇給時期一覧
既存の社員の昇給は一定の時期に行われますが、属性によって多少の変動はあります。
新入社員・中途社員・パート・アルバイトなど属性によって違いがありますので、下記でご説明していきます。
新入社員|2年目が始まるタイミング
新入社員の昇給については、次年度の4月から昇給の対象になるケースがほとんどです。
昇給はあくまで、企業に貢献してきた人材に対して実施されるものですから、入社1年目の社員はまだ貢献度の観点から昇給の対象にならないといえます。
1年間きちんと業務を遂行して、次年度に定期昇給があれば、2年目がはじまるタイミングで昇給の対象になります。
中途で入社した社員にも同様のことがいえます。
中途社員|実績がより重視される
中途社員の昇給に関しても、新卒入社と同様に2年目が始まるタイミングで昇給の対象になるケースがほとんどです。
中には入社月に応じて対応している企業もありますが、個人単位の手続きは煩雑になりやすく、あまり採用している企業は少ないのが現状でしょう。
ただ、中途入社の社員は実績がより重視される傾向があり、実績によっては2年目の昇給は新卒入社に合わせるのではなく、個人のスキルに応じて決定されることが多いです。
中途社員が昇給額をあげるには、より貢献度や実績を意識して業務にあたる必要があります。
パート・バイト|状況次第
パート・アルバイトは社員のように定期的に昇給する制度の対象外になることが多いのが現状です。
パート・アルバイトの業務の特性上、仕事内容に変化があまりないことが多いため、会社の業績に積極的に貢献しているとは言い難いといえます。
逆にいうと、自分から仕事内容のレベルアップを提案したり、社員と同じような業務を遂行できるスキルを持っている人材は企業に評価され、昇給する可能性も十分に考えられます。
また、最低賃金の上昇など社会的要因によって昇給する可能性もあります。
昇給に関する3つの注意点
昇給は企業で働く人にとって、モチベーションになる大事な要素です。
入社後に「昇給する機会が全然ない」「掲載されていた昇給額と違う」などミスマッチを起こさないように、次の3点を注意点として理解する必要があります。
「昇給年1回」は実施ではなく機会
求人誌によく「昇給年1回」と記載されていますが、解釈の仕方に注意が必要です。
「昇給年1回」という本当の意味は「昇給する機会が年1回」という意味であり、必ず年1回の昇給を約束したものではありません。
また「昇給する機会が年1回」あるとしても、企業が必ず全員を昇給しなければいけない法律は存在していません。企業の業績や個人の業績に反映されるので、上がるどころか、下がるケースもあります。
「昇給年1回」を確実にするには、自身で結果をだし、会社に貢献していることを上司にアピールするなどの姿勢が必要になります。
企業の公表する実績を信じすぎない
企業側が公表している昇給実績を鵜呑みにすることも、リスクが高い行動といえます。
基本的に実績の公表は企業側の裁量自由になっているため、裏付けがないケースも散見します。
離職率が高く、一部の活躍している社員のみの昇給額かもしれません。数字のマジックに注意が必要です。
防止する為には、採用担当に質問する。口コミを読む。OBOG面談で実情を聞く。などの対策が重要になります。
昇給がない企業なら転職を検討すべき
厚生労働省の調査では、企業によっては定期昇給やベースアップが制度として確立してない企業もあるのが現状です。
各自のスキルや結果に基いた昇給のみに偏ると、他と比較して昇給のスピードが遅くなる原因にもなりますし、外部要因によっては必ずしも結果が出せるとは限りません。
昇給だけがすべてではありませんが、キャリアを積んでいくうえで定期的に昇給を望んでいる人は転職を視野にいれて動くことも必要になります。
昇給がなく、仕事のモチベーションが上がらないのであれば、売り手市場の今、転職を実行するのも現実的な対応策になります。
今すぐでなくても、転職エージェントや転職サイトに応募しておくこともおすすめの方法です。
まとめ
今回はビジネスマンであれば軽視することのできない、昇給についてご紹介してきました。定期昇給やベースアップの制度を採用している企業は長く働くうえで有利に働くことは間違いありません。定期昇給は必ずしも企業に義務付けられている制度ではありませんが、きちんと内容を理解することは重要です。ぜひ参考にしてみてください。