世界的なビジネスの場面では、有能な怠け者が注目されています。有能な怠け者とは、仕事の場面において部下を上手に配置することができる優秀な怠け者のことです。日本でも最近有能な怠け者が注目されつつあります。一般的にどのような人のことを有能な怠け者というのか、具体的な例を挙げて解説していきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
有能な怠け者とは
有能な怠け者とは、ドイツの軍人ハンス・フォン・ゼークトの言葉です。彼は人の本質を見抜く達人でした。そんな彼が組織力を高める為に編み出した軍事組織論は、「ゼークトの組織論」と呼ばれるようになりました。
有能な怠け者は、この「ゼークト組織論」で説明されている4つのタイプの一つです。特に最近、日本では有能な怠け者が注目されていますので、焦点を当てて説明していきます。
ゼークトの組織論
ハンス・フォン・ゼークトはゼークトの組織論の中で、人間には有能な怠け者、有能な働き者、無能な怠け者、無能な働き者の4つのタイプがあるとしています。組織に属する人たちは、必ずこの4つのタイプのいずれかに属しています。
具体的にどのような人がそれぞれのタイプに当てはまるのかについて、具体的な例も挙げて説明していきます。
有能な怠け者
有能な怠け者は、いかに部下の能力を引き出し、自分や部下を含めたすべての人たちが楽に効率を上げることができるか、ということを知っている人とされています。
具体的にどのような人のことが有能な怠け者になるのかについては、次の見出しで具体的な例を挙げて説明します。
有能な働き者
有能な働き者は、頭が良くて勤勉な人です。また、指示を出すだけではなく、自分も動くタイプでもあります。口と手が同時に動く人ですから、部下からも厚い信頼があります。
例えば、会社で多くの人たちから「ぜひお手本にしたい」と言われる人がいます。それは言葉と行動が常に合致しているので、尊敬されているのです。有能な働き者とはまさにこのようなタイプの人です。
無能な怠け者
無能な怠け者は、自分で考えて動かないタイプの人です。ただし、言われたことはきちんとします。その場の状況を見て自分で判断する、ということが苦手なのです。
ニートがこのタイプに当てはまります。ニートは、今まで自分で考えて行動するという環境に遭遇したことがない為、突然そのような環境に放り出され、途方に暮れてしまっているのです。言われたことは正確にこなすこという一面があります。
また、ルーチンワークが得意な人も無能な怠け者です。ずっと同じ仕事を続けていても平気なのは、自分で考えて行動する必要がないことが楽だと感じているからです。
無能な働き者
無能な働き者は、ミスに気付かずにそのまま突き進んでしまい、仕事を増やす人です。日本人は無能な働き者が多いと言われています。これは、結果よりも過程が重視されるからです。
わかりやすい例は、長時間労働です。本当は効率を上げて短時間で片付けた方が、会社にとっても良いはずです。ですが、実際には長時間労働している人が会社に最も貢献しているとされます。
このような考え方をした人がまだまだ多いので、日本人には無能な働き者が多いと言われているのです。
有能な怠け者の特徴
日本では無能な働き者が多いとされていますが、少しずつ有能な怠け者も注目され始めています。会社という組織にとっては、有能な怠け者がいた方が良いと気づいた人が増えてきたのです。
そこで、有能な怠け者の具体的な特徴について説明していきます。
特徴①|ピンチの時に本領発揮
有能な怠け者は、自分の能力を浪費することがありません。普段は力や能力を温存していて、ここぞという時に本領を発揮します。
わかりやすい例が、「銀河英雄伝説」に登場するヤン・ウェンリーです。ヤンは「無駄飯食い」や「怠け者」と言われていました。ですが、ヤンが指揮を執った戦いでは才能や能力を活かし、必ず勝利へ導くという偉業を成し遂げます。
このように、ピンチになった時には自分の能力を最大限発揮して、多くの人たちを導くことができるのです。
特徴②|無能なふりをする
有能な怠け者は、無能なふりをします。頼りない人物を演じて、部下のハングリー精神を引き出しているのです。
「上司が頼りないと、部下が恐ろしく成長する」という言葉があります。この例えに登場する「上司」こそが、まさに有能な怠け者です。
「上司が頼りないから、自分が頑張らないと」と思わせることで、部下の新たなる才能や能力も同時に引き出します。
特徴③|駆け引きが上手
有能な怠け者は、駆け引きや取引が大変上手です。駆け引きや取引と言っても、自分だけが特になるようなことではありません。
例えば、自分が苦手な仕事を任されそうになったとします。すると、「こっちの仕事をを引き受けるから、代わりにこれを引き受けて欲しい」と申し出て、苦手な仕事を他の人に任せます。
有能な怠け者は、得意ではない仕事には労力や時間を浪費しません。ですが、嫌だと言って丸投げするようなことはせず、必ず交換条件を示します。そうして、お互いがウィンウィンの関係になるような駆け引きや取引をするのです。
有能な怠け者であることのメリット
最近、日本でも有能な怠け者が注目されているのは、メリットが多いからです。
そのメリットについて説明します。
メリット①|仕事の効率化が図れる
有能な怠け者は、自分の得意な仕事を率先して引き受けます。仕事を選んでいると思うかもしれませんが、そのような悪い意味ではありません。
得意な仕事は、手順や段取りがある程度わかっているので、すぐ仕事に取り組むことができます。また、「楽しい」と思いながら取り組むことができるので、自然と処理スピードが上がります。
すぐ仕事に取り組むことができる点も、楽しんで仕事をする点も、仕事のスピードアップに欠かせない要素なので、仕事の効率化が図れるのです。
メリット②|大きな失敗がない
有能な怠け者は、常に全体像を見ています。一つの仕事に積極的に関わろうとしないのは怠けているからではなく、視野を広くして全体像を見ているからです。
常に仕事や組織の全体像を把握している為、失敗やトラブルにいち早く気づくことができます。誰よりも早く失敗やトラブルに気づくことで、被害を最小限に抑えることができるのです。
有能な怠け者が得意な仕事
有能な怠け者は、どんな仕事でも得意というわけではありません。適材適所という言葉があるように、有能な怠け者にも得意な仕事があります。
有能な怠け者の得意な仕事について説明していきます。
仕事①|リーダーシップを発揮する仕事
有能な怠け者は、常に効率を重視しています。無駄を省いて高い結果を出すことを考えているのです。効率を上げる為ならば、人を使うこともためらいがありません。
人を使って効率を上げる為には、それだけの観察力が必要です。有能な怠け者はこの観察力にも大変優れています。一見、怠けているように見えるかもしれませんが、実は全体像を観察しているのです。
鋭い観察力で上手に部下を配置し、仕事の効率を上げることができるので、リーダーシップを発揮する仕事が得意なのです。
仕事②|自由が利く仕事
有能な怠け者は、得意な仕事では全力を尽くして才能を発揮します。反対に、苦手な仕事ではその能力が活かされず、やる気をなくしてしまうこともあります。
苦手な仕事でも任されたら絶対に断ることはできないという環境では、有能な怠け者は窮屈に感じてしまい、モチベーションが下がってしまいます。
自分で仕事を選び、自分の判断で動くことができる環境でこそ、有能な怠け者の才能は発揮される為、自由が利く仕事が得意なのです。
まとめ
ビジネスの場では、有能な怠け者が重要視されることがあります。それは会社という組織では、まとめて導く人が必要だからです。全体像を把握し、上手に人を動かして導くことができる有能な怠け者は、優秀なリーダーシップとして注目を集めています。