優秀な人、優しい人、辞めてほしくない人ほど辞めていくという現実があります。会社にとって現場の中心的な存在である中堅社員にその傾向があります。このような現実に会社はどのように対応し、また残された我々はどのように考えればよいのでしょうか。今回は「辞めてほしくない人が辞める」を中心にご紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
辞めて欲しくない人が辞めるのは100%企業に非がある
誰しも辞めて欲しくないと考える人が辞めてしまうのは、ほぼ100%会社側に原因があると考えて差し支えありません。人が会社を辞めるということは大きな決断です。それまでに何らかのサインがあるはずで、それを見抜き対応しなかった会社は責められても仕方ありません。
辞めてしまう方の先輩もめっちゃ引き継ぎ丁寧にしてくれて、自分が引き継大変だったから自分が辞める時はしっかり引き継いでいくって言ってくれて、今は有給消化とかでいないけどほんとにいい人だから辞めて欲しくないよ〜(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
— すみか (@honnmusi) September 12, 2019
いざその人が辞めて本当にいなくなると実感できて、その人の存在のありがたさが初めてわかるということがあります。日頃から大事な人が止めなくても済むような環境を整えることが重要です。
「どうにも人間関係に耐えられないから辞めます。管理者も仕事しないし」
えー。
働き者だから助かってたのに。「タガメさんだけは好きでした」
ありがとー。最近よく好かれるな。
でも辞めちゃうのか。そかー。
辞めて欲しくない人が辞めるなあ。辞めて欲しい人はゲホンゲホン。
— タガメ@沼の底から (@tagamekamo) March 28, 2019
「石の上にも3年」とかのことわざが通用した時代はとっくに過ぎ去りました。人間関係が最悪だったり、管理職がまともでない会社では辞めてほしくない人が辞めてしまうことが往々にしてあります。そのような会社に我慢して居座り続けてもよいことはありません。
辞めて欲しくない人の条件
辞めて欲しくないのに辞めてしまう人とはどのような人なのでしょうか。以下にある人たちは誰しも辞めて欲しくないと考えるはずです。このような人達が辞めなくても済むような職場の環境作りこそ、本来は管理職の大きな仕事のはずです。
条件①|仕事ができる人
「仕事ができる人」には幾つかの特徴がありますが、それらの人に共通しているのは「結果を出す」ということです。
仕事とは組織からその人に与えられたミッションのことです。この「ミッションに対して求められている以上の成果を上げる」ということが「仕事ができる」ということです。
頑張ったか頑張らなかったかは関係ありません。会社はその成果に対して適切な評価を下すべきです。ミッションの難易度と達成度のかけ算で評価しないと、「仕事ができる人」が離れていってしまいます。
条件②|真面目な人・優しい人
「真面目な人・優しい人」には誰しも好感を持ちます。このような人が職場やサークルにいると周りの人は居心地がいいのです。
でも全く自然体で「真面目な人・優しい人」でいる人は希と考えるべきです。仏様のような人はいないのです。「真面目な人・優しい人」は「真面目な人・優しい人」と見られるよう必至で頑張っていることが多いことに気づくべきです。
彼・彼女らにも一定の沸点があって、その線を越えてしまうと溜め込んだものが多い分、いともあっさり去って行ったりします。
条件③|中堅社員
20代後半から30代前半のいわゆる組織の中では中堅と呼ばれる社員がいます。現場の仕事はこの中堅社員を中心に回っていることが多いものです。
中堅社員にはそれまでの実績の上に築き上げた周囲の信頼があります。どうしても頼りにされ、仕事を頼まれやすかったりします。
会社はこのような中堅社員の存在に敬意と注意を払うべきです。彼・彼女らは自分の将来のキャリアを真剣に考えています。転職するタイミングは今しかないと考えているかもしれません。
辞めて欲しくない人が辞める6つの原因
辞めてほしくない人が辞めるのは必ず理由があります。そしてその理由・原因は辞めていく人にではなく、そのように仕向ける会社側にあるといわざるを得ません。少し長くなりますが、なぜ大事な人が辞めていくのかその原因を探ってみましょう。
任される仕事が多すぎる
管理職は部下に仕事を与える際、その人のキャパシティと与える仕事の質・量を適切に量らなくてはいけません。当然ですが人は個人個人キャパシティが違うのです。間違っても自分がそうだったキャパシティで部下を量ってはいけません。
「やりがい」と「不満」は紙一重です。自分の能力を高く評価して多くの仕事を与えられるのは一種の「やりがい」につながりますが、度が過ぎるとそれはあっという間に「不満」に変化してしまいます。
人は「不満」を溜ながらその組織に居続けることは難しいと考えましょう。
給料が低く、昇進も望めない
「給料が低い」「昇進できない」とこぼす人は欲張りなのでしょうか。もちろんもっと労働の対価が欲しいということはあるでしょう。でもそれより重要なのは「自分は適切に評価されていない」と考えてしまうことです。
その人の仕事での評価が給料や昇進という具体的な形に表れるのです。
会社はこのことをしっかり認識すべきです。直近の財政的には少し厳しくとも、成果を上げた社員には無理をしてでも給料や昇進という具体的な形で応えることを考えるべきです。その人が去ってしまったら元も子もないのですから。
自身の成長・キャリアアップが望めない
仕事ができ組織になくてはならない人ほど自分のキャリア形成を真剣に考えています。使い捨てのようにされることには到底我慢ができません。
仕事を通じて自分が人間としてもビジネスマンとしても成長していける確固たる自覚を持ちたいのです。それは決して贅沢なことではなく、ビジネスマンとしてはむしろ当然と考えるべきです。
このような思いに応えてくれない、少なくても応えようと努力しない会社には見切りをつける必要があるかもしれません。
企業としての将来性を感じられない
社員は会社という船に乗っています。社員はその船が何処に向かい、どのような素晴らしい所に到達するのか考えます。
ひょっとしたらその船には今海水が流れ込んでいて沈没間近かもしれません。そのような船に乗り続ける社員はいないと考えるべきです。
今は力をためるときで苦しくとも、その会社の未来が明るいものだと自覚できれば、人はある程度我慢して頑張り続けられるものです。逆に直近の待遇がよくても将来性が見込めない船からはネズミも逃げ出すのです。
人間関係が良くない
会社という具体的な実態はありません。会社は社員の集合なのです。社員が関係会社や顧客、さらには社内の中でコミュニケーションを取りながら日々過ごしているが会社なのです。
したがって組織の中の人間関係がよくないのは最悪です。コミュニケーションが取れないからです。当然仕事の成果も上がりにくく、やりがいも持てるはずがありません。
そのようなとき普通の人は転職を考えます。今よりはましだろうと考えてしまうのです。
寿退社
政府は「働き方改革」の旗を一生懸命振っていますが、残念ながら素晴らしい戦力だった女性が結婚を契機に会社を去るという現実を止めることは難しいようです。
かつては「寿退社」は本人にとっても会社にとっても、ひいては社会全体にとってもよいことだと考えられた時代もありました。女性にとって会社は結婚までの腰掛けで、会社は若い女性を飾りのように考えていたのです。
そんな時代は過ぎ去りつつあります。人口減少社会に突入した今、有能な女性達が結婚によって会社という戦場から去らなくてもよい、あるいは一度去ってもまた自然に復帰できるような環境整備が待たれます。
辞めて欲しくない人が辞めるデメリット
辞めて欲しくない人が辞めてしまうことは会社にとって非常に大きな損失です。その人一人が辞めるという損失だけではなく、残った社員にも大きな影響が出る可能性があるのです。会社側のディメリットを一つずつ見ていきましょう。
業務が円滑に進まなくなる
会社にとってどうでもよい人が辞めることもありますが、一般的に辞めざるを得なくなった人はそれなりに会社で存在感があった人が多いものです。
普段は気づかれないところで重要な役割を演じていたということも希ではありません。例えばコンピューターシステムの地味なメンテナンスを人知れずしていたということもあり、その人がいなくなると急にシステムがトラブルということも起こりえます。
いつも普通にあった資料がなかったり、経理の伝票処理がスムーズに行かなくなったりするこもあります。
社内の士気が下がる
プロジェクトの中核だった中堅社員が辞めるとチーム全体の士気が低下するのをとめることはできません。幾ら有能な後継者が来ても直ぐにチーム力が回復するということはないからです。
「あいつが辞めたのはきっと○○があったからだ。」といった妙な憶測が組織の中に生まれるかもしれません。辞めた人はものを言いませんので、憶測だけが一人歩きしてしまう可能性があるのです。
確かに何の理由もなく社員が辞めるということはないので、その人が辞めることによって組織的な問題点が表面化し、全体の士気が低下することは起こりえます。
退職ラッシュが起こる
士気の低下と関係しますが、退職の連鎖反応が起こるかもしれません。
その人が辞めるには何らかの不満や不都合が組織の中で蓄積されていた可能性があり、それが一気に吹き出ることによって退職者が連続するのです。
もし辞めた人が社内で精神的な支柱だったりしたら事情はより深刻になります。容易に代わりの人を充てることが難しいからです。
人材定着のためにできる2つのこと
ここまで読み進めば会社側が取るべき対応がある程度見えてくるはずです。人材定着のために対応策をとらない会社に未来はありません。優秀な社員がいてこその会社だからです。もはや会社は社員を選ぶのではなく、社員に選ばれる存在だということを理解すべきです。
昇給・昇進を通じて正当な評価をする
繰り返しになりますが、人は正当な評価が得られなければ急速にモチベーションが低下します。「やってらんない。」ということになるのです。
評価は幾ら口で褒め称えても、人には響かないものです。具体的な形にすることが重要で、昇級・昇進は最もわかりやすい評価の証になります。
組織の財政上は少し苦しくともそのときに与えた昇給という支出が将来大きな効果となって帰ってくることも考えましょう。有能な人に辞められたら元も子もありません。
密なコミュニケーションをとる
「コミュニケーション」は人間関係の基本であり、チーム力の源泉です。「仲良しこよし」がコミュニケーションではないことを理解しましょう。時には主張のぶつかり合いがあってもいいのです。「言える関係・聞いてくれる関係」こそがコミュニケーションのスタートです。
コミュニケーションが確保できていれば、不満の原因を突き止めることができます。そして解明した不満の原因をもとに、人事異動や待遇改善など不満の原因を解消するアクションを取ることが可能になるのです。
密なコミュニケーションはそれほど簡単なことではありません。職場全体の雰囲気が非常に重要で、それは信頼関係の中の地道な努力から生まれます。
企業・組織に関する質問例
辞めることを考えている社員は何らかのサインを発しているはずです。そのサインは日常の観察と面談から発見するしかありません。面と向かって社員から会社への不満が出て、辞めたい意向が示されたときは既に遅いのです。
面談や日常的な会話の中で「君はうちの会社がどうなって欲しいと思ってる?」と聞いてみましょう。
仕事や会社に対する意識がどの程度なのかわかります。答えの内容は余り意味がありません。仕事や会社に対して真剣に考えているかどうかが尺度になるのです。
仕事・業務に関する質問例
現場において今現に取り組んでいる仕事や業務に関して、「この仕事が一段落したら次は何に取り組んでみたい?」と聞いてみましょう。そして次に「どうしてそう思うの?」と聞きましょう。
現在取り組んでいる仕事に対して何らかの問題意識があれば、それをベースに次の仕事に活かしたいと考えます。そこから現在の仕事に対する不満や問題意識が透けて見えるはずです。
「今の仕事に何か不満はある?」などと直接的に聞いても満足な答えは期待できないことを理解しましょう。
辞めて欲しくない人が辞める企業に残り続けるべきか
自分が慕う優秀な先輩や同僚が辞めてしまったとき、自分の身の振り方を考える人は多いでしょう。怒りや失望感の矛先が会社や管理職に向かうことも十分考えられます。
確かに会社の対応を見極めて自分の身の振り方を考えることは重要ですが、衝動的な対応だけは避けてほしいものです。
辞める人を快く送り出さない場合
本来残って欲しいと思う大事な人材が辞めてしまったときの会社の対応で、会社の懐の深さがわかります。
不満たらたら送り出しても会社にとっていいことは何もありません。その人はもう帰ってこないのですから。もちろん会社にとって残念な気持ちは理解できますが、懐の深い会社であれば未来を考えるはずです。残った社員達に思いを馳せるはずです。
辞めていく人にエールを送れないような会社であれば、自分の将来を考えて別の道を考えてみることも必要かもしれません。ただ衝動的な判断は絶対に避けましょう。
企業に改善努力が見られない場合
ある人が辞めてしまう場合、必ず何らかの理由があるはずです。それを見送る多くの社員は口に出さずとも恐らくその理由を勘ぐっているはずです。
もし会社側が問題意識を共有し改善に取り組めば問題ありませんが、十分な対応が取られない場合は「明日は我が身」と考え、別の道を模索する必要があるかもしれません。
ましてや、会社が何事もなかったようにその人が辞めた原因にすら思いを致さないようであれば論外です。
まとめ
優秀な人、辞めて欲しくない人ほど辞めてしまうものです。なぜ辞めて欲しくない人が辞めてしまうのか、その後会社には何が起こるのか、大事な人を辞めさせないためにはどうすればよいのかなどについて解説しました。
会社を辞めた結果は自分で被るしかありません。最後は「人は人、自分は自分」という意識を持っておかないと後で後悔するもしれないのです。