「ハローワークと転職サイト(またはエージェント)、どちらがおすすめ?」と悩む転職者も多いでしょう。どちらも併用するのは貴重な時間をムダにしてしまうため、自分に最適な方に集中することが大切です。それが転職を成功させるコツとなります。今回は、それぞれに向く人・向かない人を解説していきます。
弊社bizualでは、就活で業界選び、面接対策、ES対策などにお悩みの方向けに無料サポートを実施しております。
無料登録後、下記就活サポートが完全無料で受けられるようになっているため、就活生の方はぜひご活用ください。
bizualのサポートに無料登録しておくと・・・
- 就活生専門のコミュニティに無料参加できる!
- 面談後参加できるコミュニティで近年の就活業界の傾向などの情報を受け取れる!
- ES免除・1次面接無しの選考ルートも選べる!
- 選考対策(ES添削・模擬面接)を無料サポート!
- 面接官からの合否フィードバックを共有!
この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
ハローワークと転職サイトの違い
転職活動を始める場合、皆さんはどのように転職支援サービスを選んでいますか。おそらく、次のような2つの選択肢から選んでいる方が多いのではないでしょうか。
- ハローワーク
- 転職サイト
上記はどちらも「企業の求人情報を掲載する」という転職サポートを行っています。ただ、その特徴や仕組み、サービス内容を見ると、それぞれまったく異なる性質を持っていることが分かります。
ここでは、ハローワークと転職サイト、それぞれの特徴をお伝えしていきましょう。
ハローワーク
正式名称は公共職業安定所です。求職者が早期に就職できるよう、相談サービスや求人の紹介などを行っております。
最近では、ハローワークに直接足を運ばなくても、ハローワークの公式サイトから求人を検索できます。こちらは転職サイトと同じように細かい条件を指定して検索することが可能です。
雇用主目線で転職サイトと異なる点は、無料で求人を出せることです。また、転職サイトほど厳しい審査は行われません。
求職者目線では、地域に密着した求人が多く転勤などのリスクが低いことが特徴と言えます。
転職サイト
転職サイトもハローワークと同じように様々な求人情報が掲載されています。代表的なサイトだと、エン転職やマイナビ、リクナビNEXTなどがあります。
雇用者目線でハローワークと異なる点は、求人を出そうと思えば掲載料が必要なことです。また、転職者が自分で求人を探すため、魅力的な情報を発信しなければ埋もれてしまいます。
求職者目線では、掲載企業に人気企業が多く地域にとらわれず全国展開しているような優良企業にアクセスすることができます。
ハローワークを利用するメリットとデメリット
ハローワークと転職サイト、一体どちらを利用すれば良いのか。その答えは、「人による」ということです。ハローワークと転職サイト、どちらにも一長一短があるため、向き・不向きで選ぶべきでしょう。
ここでは、まずハローワークのメリットとデメリットをお伝えしていきます。メリット・デメリットを知ることで、転職サービスを選ぶときの基準となるはずです。
メリット
ハローワークを利用するメリットは次の2つです。
- 地元企業の求人が充実
- 無料で職業訓練が受けられる
上記はどちらも転職サイトにはない特徴なので、ハローワークを利用するメリットになりえます。それぞれのメリットは以下で詳しくお伝えしていきます。
地元企業の求人が充実
ハローワークには地元企業の求人情報が充実しています。それには、無料で求人が出せることと、ハローワークの拠点が全国各地に点在していることが大きいでしょう。
特に、地方に拠点を構える中小企業が多く集まります。中小企業といっても決して馬鹿にはできません。事実、国内企業の99%は中小企業となっており、規模が小さい企業ほど、無料で求人を掲載できるサービスは有難いはずです。
無料で職業訓練が受けられる
無料で職業訓練が受けられることも、ハローワークのメリットの一つです。
ハローワークでは、転職者や就活生に向けて、即戦力になるための実践的な講座を開いています。たとえば、語学講習やプログラミング、パソコン技術、マナー講座といったものが代表的です。
ただ、講座によっては教科書代が取られる点にだけ注意してください。
デメリット
ハローワークにはデメリットも存在するため、次の2点をよく覚えておきましょう。
- 質の低い求人も存在する
- 転職エージェントと比べて職員の対応は悪い
上記2つは、後ほど紹介する転職サイトのデメリットとは大きく異なります。そのため、メリットよりもデメリットが気になるという方は、転職サイトを選ぶべきでしょう。
それぞれのデメリットは以下でお伝えしていきます。
質の低い求人も存在する
ハローワークのなかには質の低い求人も存在します。それに関連するツイートを紹介しましょう。
昔から有名ですね、小田原デリバリーセンター。首都圏の武蔵小杉や市川に比べても劣悪な環境。ハローワークの求人でも、勤務の半分以上を夜勤が占める過酷な労働環境。下手すると夜勤+日勤迄起こる状況と言われていますね…。
— 尾辻 賢栄 (@ed761115) September 8, 2019
ハローワークに登録されている求人のなかには、上記のように想像を絶する条件を提示しているものもあるようです。
「これってブラックじゃないの」と思うような求人がある理由は、無料掲載が認可されており、ハローワーク側によって企業の選別が行われていないことが大きいでしょう。
転職エージェントと比べて職員の対応は悪い
転職エージェントでは、キャリアアドバイザーと面談を行うことで、自分の得意・不得意に合った企業を紹介してもらえます。転職サイトよりハローワークに近い形態といえます。
ただ、転職エージェントのキャリアアドバイザーと、ハローワークの職員を比べると、どうしても後者の質は悪くなりがちです。ハローワークは官営(行政機関)となるため、民間の企業サービスより対応が悪くなることもあります。
転職サイトを利用するメリットとデメリット
ハローワークと同じように転職サイトにもメリットとデメリットの両面があります。貴重な転職活動の時間をムダにしないよう、メリット・デメリット双方をしっかりと理解し、自分に合ったほうをお選びください。
メリット
転職サイトのメリットは次の4つです。
- 中堅企業も多く求人の質は高い
- スカウトメールが届く
- セミナーや動画で企業の魅力を理解できる
- エージェントサービスを展開する転職サイトもある
ハローワークに比べるとメリットの種類が多いことが特徴です。それぞれの詳しい内容については以下をご覧ください。
中堅企業も多く求人の質は高い
求人の質でいえば、圧倒的に転職サイトのほうが高いといえるでしょう。
転職サイトは、求人の掲載前に細かい審査が行われます。また、わざわざ有料サービスに登録するほどなので、潤沢な資本を持つ企業が集まりやすいのです。
もちろん、大企業に限らず、中堅から中小、ベンチャー企業まで幅広い求人が集まっています。ただ、転職サイトによって掲載数にバラツキがある点には注意すべきです。
スカウトメールが届く
転職サイトのなかには、企業から直接スカウトが届くサービスを提供していることもあります。転職者の詳細なプロフィールを登録しておけば、ヘッドハンティングされる可能性も高くなるのです。
つまり、転職サイトでは、自分から企業へアプローチする能動的な転職活動もできれば、同時にスカウトメールを受け取る受け身の活用方法も取り入れることができます。
両方を上手に活用すれば、転職が成功へとつながりやすいでしょう。
セミナーや動画で企業の魅力を理解できる
転職サイトでは、サービスの一つとして、セミナーや企業紹介動画を提供していることも珍しくありません。求人情報から読み取れる情報は限られるので、セミナーや動画によって企業をより詳しく知ることができます。
エージェントサービスを展開する転職サイトもある
転職サイトのなかには、dodaのようにエージェントサービスを併設していることもあります。先ほどお伝えした転職エージェントと同じで、キャリアアドバイザーと面談を行うことができます。
面談では、職務経歴書の書き方や面接対策など実践的な指導まで行ってくれるため、転職経験の薄い方ほどおすすめです。また、一般的な転職サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してくれる点も大きなメリットです。
転職エージェントは確かにオススメ、オススメなんだけど、担当者はぶっちゃけ信用しなくても良い。なぜなら入った後のことを考えてないから。
「ここの企業はメンター制度がしっかりしているから就職しても続きやすいよ」とかそういう事言ってくれる人がいたらその人は信じていいと思う。
— ニト@仕事辞めたい (@Nito_8meta1) September 15, 2019
ただ、上記ツイートのように、キャリアアドバイザーの質は人によりけりです。エージェントサービスは多いので、様々な担当者と話してみることをおすすめします。
デメリット
転職サイトのデメリットは次の3つです。
- 自分から行動を起こす必要がある
- 選考が厳しい
- 対応の悪いエージェントもいる
先ほどのハローワークのデメリットに比べると、転職サイトを使う場合には、「主体的に考える力」「行動力」が重要になってくることが分かります。以下でより詳しくお伝えしていきましょう。
自分から行動を起こす必要がある
転職サイトでは、自分から行動を起こすことが大切です。
ハローワークの場合、転職者の要望を担当者に伝えると、その条件に沿った求人を紹介してもらえます。一方、転職サイトでは求人を探すところから企業とのコンタクトまで、すべてのことを自分一人で行わなければなりません。
選考が厳しい
転職サイトは、ハローワークに比べて選考が厳しいデメリットがあります。書類や面接の通過が難しいということです。
その理由として次の2点が考えられます。
- 競争率の激しい企業が多い
- 優秀な社員を取らないと掲載料を支払う価値がなくなる
就職サイトの場合は、一度に大量の人材を採用するために選考が易しくなることも珍しくありません。ただ、転職サイトでは即戦力が求められます。もし不安というようであれば、転職エージェントを活用するのも方法の一つです。
対応の悪いエージェントもいる
転職エージェントを利用すれば、上記2つのデメリットを和らげることができます。自分に合った求人を紹介してくれますし、転職に有利となるアドバイスも受けられるからです。
ただ、対応の悪いエージェントもいることも忘れてはいけません。悪いエージェントに当たった場合、担当者は変更することもできますので、運営側に相談するか、別の転職エージェントに乗り換えることをおすすめします。
ハローワークと転職サイトで同じ求人なのに待遇・条件が違うこともある
ハローワークと転職サイトでは、同じ求人であっても条件が異なることがあります。その理由として、
- ①掲載企業の精査をする・しない
- ②掲載料金がかかる・かからない
が挙げられるでしょう。
転職サイトでは、企業が登録する前に運営側がリサーチや調査、審査を行います。そのため、基本的に求人情報にウソは書けません。
一方、ハローワークは無料で求人を掲載でき、なおかつ転職サイトほど徹底した審査は行われていないのです。悪い言い方をすれば、たとえ求人情報で待遇を悪く書いてもバレにくいということになります。
次に、掲載料金の有無により競争の原理が働くかどうかという観点もあります。
転職サイトでは掲載だけでも有料のサイトが多いため、競合他者に埋もれないようかけた費用以上のベネフィットを得ようと、待遇・条件をよくしたり伝え方を工夫するなど競争原理が働きやすくなっています。
一方、無料で掲載でき競争も激しくないハローワークでは競争原理が働きにくいことから、企業側が待遇をよくして行くインセンティブが少なく、待遇を多少悪くしても問題ないという判断です。
これが、同じ求人情報でも、ハローワークと転職サイトに差がある理由です。
ハローワークと転職サイトを併用すべきか
ハローワークと転職サイトでは、利用するユーザーの属性が大きく異なります。そのため、どちらも併用するより、一方を集中して利用するほうが効果も高くなるでしょう。
ただ、「できるだけ多くの求人に応募したい」という方は併用するのも悪くありません。「キャリアアップのため、職業訓練やエージェントの面談どちらも受けてみたい」という方も、両者の併用に向いています。
反対に、「ハローワークと転職サイトいずれかのメリットを最大限に生かしたい」という方は、どちらか一方を集中的に利用しましょう。
ハローワークと転職サイト、向いている人の違い
ハローワークと転職サイト、それぞれの違いやメリット・デメリットがわかったところで最後にそれぞれのサービスが向いている人を解説していきます。
ハローワークが向いている人
ハローワークが向いている人は次の2タイプとなります。
- 地元就職をしたい人
- 前職での経験が少ない人
どちらもハローワークのメリットを最大限に生かせる人といえるでしょう。詳しくは次の項目でお伝えしています。
地元就職をしたい人
ハローワークは地元企業の求人が多いというメリットから、地元で転職したい方に向いています。たとえば、いったん都会で働いた後に地元へ戻るUターン転職や、地元の都市から地方へ移住するIターン転職に最適です。
また、地域によっては転職サイトより求人数が多いこともあります。そのため、特定の地方で働きたい方におすすめです。
前職での経験が少ない人
ハローワークの場合、職業訓練等があったり、選考が転職サイトと比較すると緩いこともあるため、就業経験が薄い方にとってはオススメです。また、選考を突破する自信のない人にも向いているでしょう。
転職サイトが向いている人
転職サイトが向いている人は次の2タイプとなります。
- 第二新卒などの若手
- 一定規模の企業に就職したい人
こちらも転職サイトのメリットを生かした選び方となっています。詳しくは次の項目をご覧ください。
第二新卒などの若手
第二新卒とは、学校を卒業して就職したものの、1~3年以内に仕事を変える転職者のことです。転職者のなかでも一番の若手といえます。
企業が第二新卒を雇うメリットは、即戦力が期待できることと、伸びしろがあることです。そのため、転職サイトには第二新卒向けの求人がたくさん存在します。
年齢が若い方は、比較的求人の質が高い転職サイトを狙ってみましょう。
一定規模の企業に就職したい人
転職サイトには、資本力が豊かな企業や、質の高い求人情報が集まっています。そのため、一定規模以上の企業へ就職したい転職者に向いているといえるでしょう。
ただ、第二新卒のようにキャリアが少ないという方は、転職サイトとエージェントサービスを併用してみるのも方法の一つです。
まとめ
ハローワークと転職サイトは、どちらも企業の求人情報を扱っている点では同じです。ただ、その特徴や中身はまったく異なります。今回はその違いを詳しくお伝えしてきました。
もし、次のような転職者ならハローワークを検討してみてください。
- 地元就職をしたい人
- 前職での経験が少ない人
一方で、次のようなタイプの方は転職サイトが向いています。
- 第二新卒などの若手
- 一定規模の企業に就職したい人
もちろん、どちらも直接利用してみて決めるのも悪くありません。それぞれの違いをしっかりと理解して、ご自身に最適な転職サービスをご活用ください。