大学受験や就職活動の際、学部の偏差値をチェックする人が多いことでしょう。偏差値を見ると文系より理系の方が低めに感じますが、実際には2つを単純に比較することはできません。そこで今回は偏差値とは何か、なぜ理系の方が低めになるのか、比較する場合の方法などについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
理系の方が文系より偏差値が低い
Benesseマナビジョンで公開されている「2019年度入試対応 私立大学・学部の偏差値一覧」によると、文系のトップは慶應義塾大学法学部で偏差値は82でした。一方の理系を見てみると、慶應義塾大学医学部で偏差値は75となっています。
この例に代表されるように理系の方が文系より偏差値が低くなる傾向があります。
偏差値が示すのは「平均からどれだけ離れているか」
「偏差値」とは、ある集団の中における自分の位置が統計的にどのくらいにあるかを表しています。そのため、母体となる集団の数によって、相対的な評価が変わります。
偏差値が示すのは、自分が母集団の中で平均からどのくらい離れているかなので、母集団の数が異なる理系と文系を単純比較することができないのです。
理系の方が文系より偏差値が低いのは「平均点が高いから」
文系と理系の人の試験結果を比べた場合、平均点は理系の方が高くなります。偏差値はあくまでも、平均との差が重要です。同じく100点をとっても、平均点が50点の文系と平均点が80点の理系では、偏差値が異なります。
ここでは理系の偏差値が文系より低くなる理由を説明します。
①勉強が苦手な学生は文系を選択する
高校時代の苦手科目として、数学と英語をあげる人が多いことでしょう。英語は理系・文系共に受験に必要な科目ですが、数学はそうではありません。
そのため理数系科目が苦手、あるいは勉強が得意ではない高校生が文系を選択する傾向が強いのです。そのため、普通高校の多くは理系より文系のクラスが多くなっています。
②理系は上位層が多い
理系の進学先には医学部や薬学部、獣医学部といった医療系学部が分類されています。医療系学部を目指す高校生の学力レベルは、全国的に見ても著しく高いです。
つまり、試験の平均点が大きく押し上げられることになります。理系には上位層が多く、偏差値はあくまで50を平均として計算する仕組みになっていることから、文系より低い数値になってしまうのです。
比較したい場合は理系の学部に補正をかける
それでも、理系と文系の偏差値を比較したいと考えているなら、おすすめの方法があります。それは、文系の偏差値に補正をかけることです。
具体的には文系学部の偏差値から3~5を引くことで、理系と比較できるようになります。前述した慶応義塾大学法学部を例にあげると、偏差値は77まで下がります。
文系より理系の方が頭が良いのか
偏差値は文系の方が高いものの、理系の方が優秀だという印象を受けた人もいることでしょう。それは個人を指すのではなく、集団として考えた場合に理系の方が優れているケースが多いという意味です。
なぜそうした差が生まれるのかを、具体的に説明します。
①理系に進むと「考え方」が身につく
理系学部では、卒業研究が課されているところがほとんどです。そして実験を伴う研究を行うことになります。
理系の研究では「仮説を立てる」「実験を行う」「データを検証する」という、プロセスをくり返すことになります。その過程で論理的思考力が養われます。
企業は社会人基礎力が高い学生を採用する傾向が強いので、論理的思考力を身につけることは就活でプラスに作用します。
②上位学部同士の比較は無意味
就活では理系・文系が一堂に会して、選考を受けることになります。エントリーの段階では、偏差値の高い大学・学部が有利であることは事実です。
しかし実際の採用試験では、理系・文系の上位学部を比較することは無意味です。事務職や営業職であれば理系・文系どちらでも応募が可能ですが、技術職の場合は専攻に紐づく採用をすることが多いからです。
日本の製造業はグローバルな事業展開を行っているので、理系学生は大学で学んだことを生かして技術職を目指すことをおすすめします。
まとめ
受験を経験した皆さんにとって、偏差値はなじみ深いものでしょう。しかし大学偏差値の場合、理系と文系を比較しても意味がないことは明白です。それでも比較したいと思った時には、偏差値の補正や模試で理系・文系に共通している科目の平均点を比較することで、目安を知ることはできます。就活においてはさほど意味を持たないので、知識として覚えておくとよいかもしれません。