近年、大学の授業料無償化が議論されていますが、これに伴い奨学金制度への影響が考えられます。学生の皆さんにとって、大学の無償化はありがたい話ですが奨学金について気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、まず奨学金への影響を説明し、続いて大学の無償化についてもお伝えします。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
結論|大学無償化で一部の給付型奨学金が支給額が増える
奨学金とは、大学の授業料や生活費をまかなう制度であり、大学の無償化によって減額されてしまうと心配な方もいるのではないでしょうか。
しかし、大学の無償化が行われた場合、奨学金の中の給付型奨学金が増額することが見込まれています。以下では、給付型奨学金の支給額増加に関するポイントを3つお伝えします。
①「住民税非課税世帯」の学生のみ給付型奨学金が支給される
1つ目のポイントは、奨学金制度の中で「住民税非課税世帯」の学生のみ給付型奨学金が支給されることです。奨学金は、学生の成績やその家庭収入レベルによって分かれています。
今回、大学の無償化により増額となる給付型奨学金制度は、住民税非課税世帯の学生です。その他の学生の方は、給付型奨学金を受給できないことに注意して下さい。
②手続き方法に変化はない
2つ目のポイントは、給付型奨学金の手続き方法自体には変化がないことです。奨学金の手続きは、高校在学中に申請する方法や大学に入学してからなどいくつかあります。
しかしながら、大学の無償化が行われても奨学金の手続きに変化はありません。そのため、奨学金の申請を検討している方は、これまでと同様の方法で手続きを行うことができます。
③大学在学中でも申請できる
3つ目のポイントは、給付型奨学金は大学在学中でも申請ができることです。奨学金の申請は、大きく分けて高校3年次の春と秋に行うことができます。
ところが、何らかの事情で奨学金の申請を忘れてしまった場合、大学在学中でも奨学金の申請を行うことができます。
時期が過ぎてしまったと諦めるのではなく、奨学金の申請時期を正しく把握して活用すると良いでしょう。
大学無償化の根幹を成すのは2つの制度
大学の無償化は、主に2つの制度で行われます。
- 授業料、および入学金の減免制度の新設
- 給付型奨学金の”給付額”の拡充
1つ目は、大学の入学時に大きな金銭負担となる授業料と入学金を減額する制度です。また2つ目は、奨学金の対象範囲ではなく、給付額を拡充するものです。
大学無償化の対象世帯と支給金額
大学の無償化は、対象世帯と支給金額によって制限がされています。経済的な理由で大学への進学が難しい世帯の中から、一定水準の成績を超えている学生を支援するためです。
以下では、まず大学の無償化となる対象世帯についてご紹介し、続いて世帯毎の年収に応じた支給金額に関してご説明します。
対象世帯
大学の無償化は、大きく分けて2つの条件によりその対象世帯が決定されます。一定レベルの年収が無い世帯の中で、特に優れた学業を修めている学生が対象となります。
①所得・資産に関する条件
1つ目の条件は、所得・資産に関してです。大学の無償化は、経済的余裕がないために大学進学が難しい学生を支援する目的があります。
そのため、親の所得や資産が一定額を下回っている学生を、大学の無償化が適用される対象としています。
②学生の成績に関する条件
2つ目の条件は、学生の成績に関してです。経済的な余裕がない世帯でも成績が優れており、さらなる進学を必要としていることが条件となります。
大学の無償化を受けるには、高校の成績で良い結果を残しており、加えて大学で何らかの勉強を続けることが求められます。
支給金額
大学の無償化は、その支給金額が世帯毎に異なっています。各世帯に何人の子供がいるか、人数によって「住民税非課税世帯」の年収は変わります。
しかし、一般的には世帯収入が270万円に設定されており、それ以上の場合でも支給金額がそれぞれ設定されています。
以下では、年収ごとに3パターンの支給金額をご紹介します。
①年収270万未満
1つ目は、親の年収が270万円未満の世帯です。以下は、文部科学省のホームページを参照して作成した、支給金額と進学する大学の種類によるまとめ表です。
入学金減免額はおよそ30万円弱ですが、授業料と給付型奨学金では国立大と私立大でおよそ11万円から16万円の違いがあるとわかります。
②年収270万以上300万未満
2つ目は、親の年収が270万円以上300万円未満の世帯です。以下は、文部科学省のホームページを参照して作成した、支給金額と進学する大学の種類によるまとめ表です。
入学金減免額はおよそ20万円弱ですが、授業料と給付型奨学金では国立大と私立大でおよそ8万円から11万円の違いがあるとわかります。
③年収300万以上380万未満
3つ目は、親の年収が300万円以上380万円未満の世帯です。以下は、文部科学省のホームページを参照して作成した、支給金額と進学する大学の種類によるまとめ表です。
入学金減免額は同額ですが、授業料と給付型奨学金では国立大と私立大でおよそ3万円から5万円の違いがあるとわかります。
支援が停止する可能性もある
奨学金制度は、一度申請をすると無条件で支援を受けられるわけではなく、支援が停止となることもあります。例えば、以下の場合に奨学金が停止となります。
- 親の年収・所得が対象額を大きく上回った
- 基準とされている成績水準を下回っている
- 退学や卒業などによって、対象身分でなくなった
このような場合、奨学金の支援が止まることに気を付けましょう。
大学無償化に関する注意点
大学の無償化が行われるのに先立ち、いくつかの注意点を把握しておくことが推奨されます。以下では、大学の無償化に関する3つの注意点をご説明します。
奨学金の利用を検討されている方は、大学の無償化制度が大きな影響を及ぼすので以下を確認しておくと良いでしょう。
①施行は2020年4月
1つ目の注意点は、大学の無償化は2020年4月から施行されるということです。現在高校3年生の学生の方は、大学受験を無事に終えた場合大学無償化の対象となります。
②対象大学に制限がある
2つ目の注意点は、対象となる大学に制限があることです。各地方公共団体の大学無償化対象大学の確認ページ一覧によると、無償化となる大学を確認することができます。
全ての大学が、無条件に無償化されるわけではありません。そのため、志望する大学や既に進路が決まっている場合、無償化となる大学か否かを再確認しましょう。
③減免制度と給付型奨学金で申請場所が異なる
3つ目の注意点は、減免制度と給付型奨学金で申請場所が異なることです。
- 減免制度: 各大学へ入学後に申請
- 給付型奨学金: JASSOに対して、高校3年時の夏に申請
このように、減免制度か給付型奨学金のどちらを利用するかによって、申請場所や時期が異なります。
まとめ
大学の無償化は、進学に必要な費用の減額と奨学金の給付額増加によるとわかりました。また、無償化の対象となる世帯は決まっており支援の停止にも注意が必要です。
奨学金の利用を検討されている方は、無償化制度の施行について正しく理解し、奨学金支援を受けられるようにしましょう。