就活で必ずと言ってよいほど聞かれるのがTOEICの点数です。「TOEICを受けていない」と正直に言うことがはばかられるかもしれません。就活をする上で、やはりTOEICは必須なのでしょうか。今回は就活におけるTOEICの意義や重要性について解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
就活におけるTOEIC
就活では必ずと言ってよいほど聞かれるTOEICの点数ですが、TOEICにどんな意義があるのでしょうか。
TOEICを受けておくと有利なのは事実です。まずは、就活におけるTOEICについて理解しておきましょう。
資格の1つとして英語力を示せる
TOEICは資格として扱われます。ESや履歴書に資格欄があれば、TOEICの点数を書くことができます。
TOEICの点数によって自分の英語力を面接官に的確に伝えることができます。一般的には600点代、英語を使う仕事なら700〜800点代が必要だと言われています。
必須ではないが加点はされる
TOEICの受験は必須ではありません。しかし、受けておくと加点してもらえることがあります。海外展開を視野に入れている企業が増えているので、英語ができる人材が重宝されます。
「低い点数のせいでマイナスの評価になるかもしれない」と気にする必要はありません。しかし点数が高ければそれだけプラスの評価として上乗せされるということを覚えておきましょう。
就活でTOEICが重要な理由
ではなぜこれほどTOEICが就活で重視されるのでしょうか。TOEICの点数を求められる理由を以下で2つ紹介します。
以下の2つの理由から、学生時代にTOEICを受けていなくても社会人になってからスコアの提出を求められることもあります。できるだけ、まとまった時間を確保しやすい学生の間に受けておくことをおすすめします。
海外進出が当たり前になっている
グローバル化が進み、大企業だけでなく中小企業も海外進出が当たり前になってきています。
海外事業所の立ち上げや海外との取引・交渉など実践的な英語力を求められる機会が急激に増えてきています。そのため、企業は英語ができる人材を求める傾向にあります。
認知度高い資格で英語力を定量的に示せる
多くの企業から英語力のある人材が求められていますが、英語力を客観的にはかるのは簡単ではありません。そこで、役に立つのがTOEICです。
TOEICは2018年度は約266万人が受験しています。認知度が高く、多くの人が受けているため英語力を定量的・客観的な指標として示すことができます。
就活でTOEICを受けてない人でも内定はとれる
TOEICを受けておくと就活で有利になることは事実ですが、決して「TOEICを受けていないから内定がもらえない」ということはありません。
TOEICを受けていなくても内定を獲得してきた人たちはたくさんいます。もし現状内定が出ていなくても、まずはTOEICの点数以外で原因を探すようにしましょう。
就活でTOEICを受けてない人が不利になる業界
ほとんどの業界ではTOEICの点数がプラス評価されますが、一方で一部の業界ではTOEICを受けていないと不利になってしまうことも考えられます。
- 外資系企業
- 商社
- 航空
上記3つの業界を目指すなら、TOEICを受験しておくことをおすすめします。点数が取れなくても、少なくとも「英語を頑張りたい」という姿勢を企業に見せることができるでしょう。
外資系企業
外資系企業では英語を求められることが多々あります。本社が海外なので、本社からの通達が英語できたり、英語でのメールや電話、書類作成などをしなければならないことも考えられます。
外資系企業では「外国の企業に所属している」という意識が求められます。そのためにも、TOEICの高得点を取っておくと効果的なアピールになるでしょう。
商社
商社は外国と物資の輸出入をするトレーディング業がメインです。英語で契約書を交わしたり、外国の法律を読み解いたりする高度な英語力が求められます。
また、海外駐在があるのも商社の特徴です。現地の従業員とのやりとりは基本的に英語です。TOEICの点数だけでなく、英会話力もあればさらにプラスの評価となるでしょう。
航空
航空業界は英語が必須だと言っても過言ではありません。中途採用ではTOEICの結果の提出を求める企業もあるほどで、TOEICを受けていないと選考に臨むこともできません。
外国との交渉や外国人旅客の案内、また英語でのアナウンスなど英語を日常的に使う仕事です。TOEICがないと「英語ができない」と見なされてしまい、選考で不利になってしまうことも考えられます。
就活でTOEICを受けてない人がやるべきこと
「TOEICを受けておけばよかった」と思っても、就活に間に合わないこともあるでしょう。そんな時にはどのように対処すればよいのでしょうか。
ここでは、TOEICを受けていない場合に面接で話すべき内容についてお伝えします。
英語には触れず学生時代の経験を話す
TOEICを受けていないなら、自分から英語力に関するエピソードには触れないようにしましょう。聞かれるまで、英語力について面接官に説明する必要はありません。
代わりに学生時代の経験を魅力的に話すことができれば、英語力について聞かれないこともあります。学生時代の経験をどれだけ効果的にアピールできるかを考えましょう。
別の資格でスキルをアピールする
TOEIC以外の資格を持っているなら、その資格でスキルをアピールしましょう。経済学部なら簿記を受けることもあるでしょうし、情報系の学部ならITパスポートの受験の経験があるかもしれません。
この場合も英語力に触れず、別の角度から戦力になるスキルを持っているということを強調するよう話してみてください。
就活でTOEICを受けてない場合でも時間があれば受験すべき
たとえ就活が始まっていても、TOEICを受けることができる時間があればぜひ受けておきましょう。筆記試験で英語を課す企業もあるので、筆記テスト対策にもなります。
TOEICの受験結果は1ヶ月後に送られてきます。勉強期間もあわせると1回の受験で結果を手にするまでに2〜3か月かかります。その間に就活が終わってしまうこともありますが、経験は無駄にはなりません。
社会人になってからも必ず役に立つ資格の1つなので、ぜひ時間がある時に受けておくことをおすすめします。
まとめ
TOEICを受けておくと、就活で有利になるのは事実です。また、一部業界ではTOEICの受験が当たり前であるということも覚えておきましょう。
TOEICを受けていないと内定が取れないというわけではありません。しかし、受験しておくと将来的にも役に立ちます。学生時代のうちにTOEICを受けておきましょう。