採用面接では、「失敗から学んだこと」について質問されることが多いです。この質問が定番になっている理由がわかれば、中学校や高校の部活の記憶をさかのぼりながら、自分なりの回答を探せるはずです。そこで今回は、失敗から学んだことについて質問する意図や回答のポイントについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
面接で失敗から学んだことを聞かれることは多い
新卒採用の面接にはいくつか定番の質問がありますが、「失敗から学んだことを教えてください」もその一つです。これは「挫折した経験とそこから学んだことがあれば教えてください」と、言い換えられることもあります。
企業の採用担当者はこの質問により、就活生の志向性や人となりを知ろうとしています。この質問により、就活生が過去に挑戦や努力をした経験を持っているかを知るだけでなく、そこで何を感じたかで人間性を見ることができるからです。
そのため面接にあたって、失敗から学んだことに対する自分なりの回答を用意しておくことをおすすめします。
就活生の失敗から学んだことで人事が見ているポイント
企業の採用担当者は失敗から学んだことという質問を通して、就活生の志向性や人となりを知ろうとしていると前述しました。そう聞くと、具体的に何を知ろうとしているのかが、気になる就活生も多いはずです。
ここでは、就活生の失敗から学んだことで人事が見ているポイントを3つ、紹介します。
学ぶ姿勢があるか
仕事を進めるうえで、何らかの課題や障害、トラブルが起こることは珍しくありません。同じ過ちをくり返さないためには、起こった出来事から真摯に学ぶ姿勢が必要です。
失敗から学ぶということは、その問題点を見つけ、自分で考えて自発的に行動した表れでもあるからです。それが望ましい結果につながらなかったという経験を通して何に気づき、その後の考えや行動にどう生かしているかを語ることで、ピンチをチャンスに変えるべく、学ぶ姿勢があると判断されるはずです。
分析力があるか
仕事が思うように進まない時には、自分の業務効率や関係者との関わり方を、冷静にふり返ることが求められます。そのために不可欠なのが分析力です。
失敗した時に、原因が見つかるまで分析することは大事なことです。原因がわかれば、対策をたてるなどの対処ができるからです。しかし、自分の失敗を冷静にふり返るのは簡単なことではありません。客観的に分析ができる就活生は、失敗を他人のせいにせず、自分で責任をとろうとする人材だと受け止めてもらえるはずです。
メンタルが強いか
長い社会人生活の中で、一度も挫折を経験したことがない人などいません。時にはクライアントや上司から叱責されたり、大きな仕事を失うこともありえます。そうした状況から立ち直り、マイナスをプラスに変えるためには、メンタルが強くなければなりません。
失敗を経験した時に、原因を探る過程では自分に厳しい目を向ける姿勢が必要です。また、失敗を認めて反省する、それを教訓にその後の言動を変えようと努力する姿勢を通して、企業の採用担当者は就活生のメンタルの強さを感じてくれるはずです。
失敗から学んだことを回答する際のポイント
失敗から学んだことという質問の中で、人事が見ているポイントを理解したら、回答でそれが伝わるように話ができるよう工夫が必要です。ここでは、失敗から学んだことを回答する際のポイントについて説明します。
流れを意識する
失敗から学んだことという質問に限らず、就活の面接では、同じ内容を語っていても、話し方で企業の採用担当者の印象が変わります。そのため、以下の流れを意識することが大事です。
- 失敗した具体的なエピソード
- 失敗の原因をどのように自己分析したか
- どれをどう克服したか
- その経験から学んだことは何か
まず、自分の過去の失敗について簡潔に述べます。次にその経験を分析した結果、自分のどこに問題があったと考えたのかを伝えます。そして、原因も含めて失敗経験をどう受け止め克服したのか、そこから何が学べたのかを説明します。この流れを守れば、成長意欲がある就活生という印象を与えられるはずです。
取り返しのつかない失敗は避ける
過去の失敗の中には、取り返しのつかない失敗もあることでしょう。サークル内でのもめ事を大きくし退部しなければならなくなった、アルバイト先で大きな損害を出してクビになったなどの経験は、就活生自身の教訓にはなっても、企業の採用担当者にはよい印象を与えません。
失敗から学んだことについて聞かれた時には、それを挽回できたエピソードについて語るのがベストです。取り返しのつかない失敗は自己評価を下げると、肝に銘じておきましょう。
レベルの低い失敗は避ける
失敗から学んだことという質問で企業の採用担当者は、失敗から学んだことを仕事に生かせるかどうかをチェックしています。そのため、レベルが低い失敗を取り上げるのは得策ではありません。
「サークルで参加を決めていたイベントの申し込みを忘れた」「アルバイトをダブルブッキングしてしまった」という失敗は、いい年をしてそんなミスをする方がおかしいと判断される可能性が高いです。必ず、自分の成長につながった失敗を取り上げるようにしましょう。
失敗から学んだことがない方へ
失敗体験の受け止め方には、個人差があります。そのため、失敗を出来事として受け止め、ふり返りや反省をしない人がいるのも事実です。しかしそれでは、 失敗から学んだこという質問に答えることはできません。
ここでは失敗から学んだことがない就活生に、その回答を探す方法について説明します。
自己分析をする
自分に失敗から学んだ経験がないと考えている就活生は、もう一度自己分析をやり直しましょう。就活で自己分析を行うのは、自分のアピールポイントと応募企業への志望動機を探すのが目的です。しかし、失敗から学んだことにつながらない就活生もいます。
特に志望する業界や職種、企業が明確な就活生は、そこで望まれる人物像に合わせた自己分析をしがちです。しかしそれでは、自分なりのエピソードが語れません。フラットな気持ちで、もう一度自己分析に取り組んでみてください。
過去の経験を書き出してみる
失敗体験を探すためにも、子ども時代までさかのぼり、思いつく体験をすべて書き出してみましょう。自分が挫折したという大きな出来事だけでなく、友だちや先生、家族との間で起こった小さな失敗体験まで書き出しているうちに、その後に自分が変わったと感じられる出来事が見つかる可能性があります。
失敗した体験を探すのが難しければ、自分が成長できたと思える出来事について考えるという方法もあります。成長できるきっかけに、何らかの失敗が隠れていることが多いからです。特に1人で自己分析をしていた人は、第三者の協力を求めることをおすすめします。
誰かにインタビューしてもらう
自分が失敗から学んだ経験がないと思っているなら、誰かにインタビューしてもらうのもよい方法です。自分の経験を客観的に見つめるのは難しい作業ですから、友人や家族に質問してもらいながら、考えを深めていくのです。
- これまで自分が成長できたと思える経験はあるか
- なぜ成長できたと思えるのか
- その体験はどんな経験をした時に起こったものか
- その経験は自分にとって成功だったか、失敗だったか
このように、失敗したことからではなく、自分の成長につながった体験の中に失敗がなかったのかを、インタビューを通して探るのです。1人で考えるより、効率よく進む可能性が高いです。
経験別|失敗から学んだことの例文
失敗から学んだことを聞かれた時に、どんな要素を盛り込んで回答すればよいかが理解できても、それを言葉で説明するのは難しいものです。
ここでは、失敗から学んだことの例文を就活生の経験別に紹介します。
サークル
ここでは、サークル活動での失敗体験から学んだことの回答例を紹介します。
例文
私にとっての大きな失敗は、教育ボランティアサークルの部長を務めていた時に、夏休みに児童会館で複数回開催を予定していた、無料学習指導イベントを何度か休まなければならない事態を引き起こしたことです。
原因としては、サークルメンバーの夏休みの予定を確認する前に、児童会館の希望に合わせて開催日を決定してしまい、誰も担当できない日ができたことです。
この経験から私は、たくさんの人が関わることだからこそ、事前のヒアリングが重要であることを学びました。
児童会館の方にご迷惑をおかけし、サークルメンバーにも不快な思いをさせてしまいましたが、その反省を糧に、冬休みは無事に開催することができ、自分の成長にもつながったと思います。
ポイント
この回答例のポイントは、以下の通りです。
- 自分のどこに原因があるかを的確にとらえている
- その経験から何を学んだかを簡潔に述べている
- その反省をその後の成果につなげている
失敗しても挫折せず、再度やり直すというメンタルの強さも、同時にアピールできていると考えられます。
部活
ここでは、部活での失敗体験から学んだことの回答例を紹介します。
例文
私の大きな失敗は、部活動に全力で取り組まなかったことです。
私はバドミントン部に所属していますが、高校が強豪校だったため、1年生の時からレギュラーでした。
大学の部活には初心者の部員も多く、練習も高校時代ほど厳しいものではなかったので、練習よりアルバイトを優先することも珍しくありませんでした。
しかしその結果、2年生で副部長を務めていた時に、私が試合で負けたことでリーグが1つ下がることになったのです。
初心者入部ながら練習を頑張っていた後輩に、「副部長のせいで負けた」と非難され、私はそれを否定できませんでした。
それ以後は誰よりも熱心に練習するように心がけ、3年生の時にリーグ昇格に貢献しました。
この経験から、何事にも全力で取り組めば後悔しないで済むことを学びました。
今後もその学びを生かして、何事にも実直に取り組んでいきたいと考えています。
ポイント
この回答例のポイントは、以下の通りです。
- 他者に指摘されて自分の失敗を知った事実を隠していない
- 自分の至らなさを素直に認めている
- 反省を行動にうつした経験を語っている
さらに、失敗からの学びを仕事にも生かせることを、自己アピールにつなげています。
アルバイト
ここでは、アルバイトでの失敗体験から学んだことの回答例を紹介します。
例文
私の失敗体験は、飲食店でアルバイトをしていた時に、常連のお客さまを怒らせてしまったことです。
居酒屋でアルバイトをしていた時、単身赴任中の会社員の方が、毎晩のように夕食がてら来店されていて、忙しい時には「僕の注文は後でいいよ」と声をかけてくださっていました。
ある時、予約なしで団体のお客さまが来店し、常連の方が席についてから20分、誰もオーバーをとりに行かなかったところ、バイトリーダーだった私が呼ばれたのです。
そして、「忙しいのはわかるが、誰1人『お待たせしてすみません』と声をかけないのは失礼だ」と、お叱りを受けたのです。
その経験を通して、気心が知れているからといって、お客様に甘えるのは間違っていたと気づくことができました。
その日は誠心誠意謝罪し、その後も来店いただくことはできましたが、「親しき仲にも礼儀あり」という言葉が身にしみました。
それ以後、友人や家族と接する時にも、自分が甘えすぎないよう心がけています。
ポイント
この回答例のポイントは、以下の通りです。
- アルバイトにも関わらず、自分の至らなさを指摘してくれる人がいた
- それを素直に受け入れて、反省している様子が伝わる
- その気づきを今も、日々の中で生かしている様子がわかる
この経験の中で「なぜ自分だけが」と思うのではなく、指摘を受け入れて、その後に改善しようとする素直さは、好感をもたれるはずです。
留学
ここでは、留学体験での失敗体験から学んだことの回答例を紹介します。
例文
私は大学2年生の春季休業を利用して約2ヶ月、カナダに短期留学した時に、積極的に現地学生と関わろうとしなかったことを、大きな失敗だったと考えています。
留学中は語学研修が主だったので、講義は他国からの留学生と受けていました。
英語が母国語ではない留学生であれば、ジャスチャーを交えて何とか意思疎通がはかれたのですが、時折現地学生と交流する機会がある時には、自分のスピーキング力に自信がなくて、話しかけられれば答えるので精一杯でした。
しかし、他国からの留学生は単語だけでも会話をつないでおり、きちんとコミュニケーションできていたのです。
間違えたら恥ずかしいという思いが先に立ち、現地でしかできない交流に積極的に参加できなかったのは、つまらないプライドのせいだと反省しました。
その反省から学び、今は海外からの観光客向けのガイドのボランティアを行っています。
どんなにつたなくても、思いがあれば対話はできることを実感したので、これを職場でも生かしていきたいです。
ポイント
この回答例のポイントは、以下の通りです。
- チャンスを生かせなかった過去を認めている
- 自分の何が悪かったのかを理解している
- その経験を糧に、新たに行動を起こしている
最後の一文の中に、言語が違っても伝わるなら、同じ母国語の職場の人たちともコミュニケーションがはかれるはずだという思いがあふれています。これは、自己アピールとして効果があるはずです。
まとめ
今回は、失敗から学んだことについて質問する意図や回答のポイントについて解説しました。
就活生の人間性を見極めるうえで、企業の採用担当者はこの質問を重視する傾向が強いです。また、自分にしかないエピソードと共に回答しなければならないので、自己分析がきちんとできていることが前提です。
回答がきちんと自己アピールにつながっているかを意識しながら、自分にしかできない回答を作成してみてください。