企業によって、休日のあり方が異なります。完全週休2日制が一般的と思われがちですが、隔週休2日制もよく見られます。しかし隔週休2日制の年間休日を考えると、合法なのか疑問に思う人も少なくないようです。そこで今回は、隔週休2日制とは何か、そのメリットとデメリットなどについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
隔週休2日制はおかしいのか
勤務先の休日について、様々なコメントがTwitterにあふれています。中でも、隔週休2日制について、疑問に思うツイートがアップされていました。
隔週休2日の意味がわからない。
なんである週は6日労働で、またある週は5日労働なんですか??
めんどくさいから全部毎週5日労働にしましょう!!!!!— いーちゃん 転職垢 (@shatiku_heyyo) November 29, 2019
週休が2日でも1日でも確定していれば、1週間のリズムがつくりやすいものです。しかし隔週休2日制の場合は、1週間ごとに勤務日数が変わるので、予定を立てにくいと感じる気持ちが伝わってくるコメントです。
隔週休2日制
隔週休2日制とは、1週間に2日休みがある週と1週間に1日しか休みがない週が、交互にあるという勤務体系をさします。ただし、1週間に2日休みがある週でも、連休になるとは限りません。
そのため、求人に隔週休2日制と明記されていた場合は、事前に休みの取り方がどうなるのか、確かめておくことをおすすめします。
そして以下では、隔週休2日制以外にある休日のあり方について説明します。
完全週休2日制
完全週休2日制とは、1週間に2日休みがあるものです。一般企業の場合は、完全週休2日制といえば土日が休みとなります。
しかし業界や職種によっては、完全週休2日制であっても土日ではなく、平日が休みになることも珍しくありません。また、必ず連休になるとも限らないので、入社前にチェックが必要です。
週休2日制
週休2日制とは、1ヶ月の中で1週間に2日休める週が一度でもあるものです。つまり、毎週2日休めるという勤務体系ではありません。1週間に2日休める週が何回あるかは、企業によって異なります。
求人票で判断する場合は、年間休日が何日になっているかから、おおよその推測ができます。記載がない場合には、入社前にきちんと確認しておくことをおすすめします。
週休制
週休制とは、1週間に1日以上の休みがあるというものです。建前的には1週間に2日休みがあるものも含まれますが、その場合は「週休2日制」と記載されることが多いので、1週間に休みは1日と考えましょう。
つまり、完全週休2日制や週休2日制の会社と比べると、年間休日数が少なくなります。
隔週休2日制の年間休日の日数
雇用体系が何になるかで、年間休日数が大きく変わります。ここでは、隔週休2日制の年間休日の日数について考えてみましょう。
- 1年365日は約52週
- 52週のうち1日は休み
- 半分の26週にはもう1日休みがある
- 52日+26日=78日
つまり、隔週休2日制の年間休日は単純計算すると78日となります。実際には夏季休暇や年末年始休暇がある企業も多いので、もう少し年間休日が増えます。しかし同じ方法で、完全週休2日制の年間休日を算出すると104日になりますので、隔週休2日制の方が少ないことがわかります。
隔週休2日制のメリット・デメリット
年間休日数が少ないと聞くと、デメリットしかないように感じるかもしれません。しかし、隔週休2日制にはメリットもあります。ここでは、隔週休2日制のメリット・デメリットについて説明します。
メリット
ここではまず、隔週休2日制のメリットについて考えてみましょう。
①週5日勤務では終わらない仕事を進められる
隔週休2日制の場合、勤務日数が5日の週と6日の週が交互にきます。完全週休2日制の取引先が多い場合、週5日勤務ではその対応に追われ、自分の業務が後回しになるケースが少なくありません。
しかし週6日の勤務の時には、取引先が休みの1日を有効活用できます。そのため、週5日勤務では終わらない仕事を、自分のペースで進められるというメリットがあります。
近年は働き方改革が進み、残業や休日出勤に制限がかかる企業が増えているので、合法的に仕事ができる日が多いことがプラスに作用すると考えられます。
②休みが2日の週はプライベートな予定を立てやすい
隔週休2日制の場合、完全週休2日制とは違う時間の使い方ができます。週休1日の場合は、その週の疲れを癒したり、溜まった用事を片付けるだけで終わりがちです。
しかし休みが2日ある週には、趣味や友人・恋人との時間を楽しむなど、プライベートな予定を立てやすくなります。また、週休2日が連休であれば、小旅行などに出かけるのも可能です。
生活の中にメリハリをつくるという意味でも、隔週休2日制にはメリットがあります。
デメリット
隔週休2日制には、残念ながらデメリットもあります。デメリットにあげられるものに、以下の者があります。
①一般的な企業より年間休日数が少ない
完全週休2日制の場合、年間休日数が104日なることは前述しました。大手企業になると、祝日も休みとするので年間休日数が125日というところも珍しくありません。完全週休2日制の年間休日数より、26日も休日が少ないのです。
夏季休業や年末年始休暇日数が同じだったとしても、年間休日数の差が埋まることはありません。その点を理解して、就業する必要があります。
②労働日数と給与のバランスがとれない可能性が高い
隔週休2日制で働く従業員の給与が、完全週休2日制で働く人より給与が良いケースはほとんど見られません。大手企業は完全週休2日制を採用していますが、中小企業でに隔週休2日制が多いのが現実だからです。
仮に社歴も給料も同じと想定したとしても、隔週休2日制の方が労働時間が長くなります。つまり、完全週休2日制で働く従業員の方が時間給が高くなるということです。このように、隔週休2日制は労働日数と給与のバランスがとれない可能性が高いといえます。
隔週休2日制は違法か
労働基準法では、従業員の労働時間や休日について定められています。労働基準法について知っている人の中には、隔週休2日制は違法ではないかと疑う人もいることでしょう。ここでは、隔週休2日制は違法かについて説明します。
隔週休2日制は違法
「労働基準法 第四章労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」によると、労働時間について第32条で以下のように定められています。
1 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない
2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない
これに基づいて、1年間の労働時間を算出すると、以下のようになります。
- 1年間の総労働時間/52週×40時間=2,080時間
- 1年間の総労働日数/2,080時間÷8時間=260日
- 1年間の休日数/365日-260日=105日
つまり労働基準法によれば、年間休日数が105日あるのが合法です。年間休日数が78日しかない隔週休2日制は、違法ということになります。
週40時間以上になると違法
前述したように、労働基準法として1週間に40時間以上の就労は違法です。一方で「労働基準法 第四章労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」の第32条2に、以下の記載もあります。
1 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内の一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをした場合においては、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる
2 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない
しかし、労使間で1ヶ月単位の変形労働時間制について取り決めを行い、労働基準監督署に届出をすれば、週40時間の就労も合法となります。
隔週休2日制の多くは変形労働時間制を採用
隔週休2日制を採用している企業の多くは医療業界やサービス業界のため、変形労働時間制を採用しています。変形労働時間制とは、従業員の労働時間を週ではなく、月あるいは年単位で調整できる勤務形態です。
法律で定められた労働時間を超過した分について手当を支給することで、勤務時間が増加しても時間外労働としては扱いません。この制度は、繁忙期と閑散期が明確な企業には有効な制度です。
しかし経営者の中には、変形労働時間制を採用すれば従業員を何時間働かせても問題ないと、勘違いしている人も少なくないようです。変形労働時間制が労働基準法に則って運用されているかどうか、しっかりチェックすることをおすすめします。
隔週休2日制はきついのか
労働基準法に則ると、年間休日は105日であると前述しました。隔週休2日制の年間休日は78日ですから、この時点で27日も少ないことがわかります。
休みが少ない分、1日の労働時間が7時間30分以下になっている場合はよいですが、8時間のままであれば労働時間が長い分、きついことは間違いありません。
希望の業界や職種が隔週休2日制が一般的の場合は、その点を理解して就職する必要があります。
まとめ
今回は、隔週休2日制とは何か、そのメリットとデメリットなどについて解説しました。
年間休日数が少ない分、働くのがきついのは事実です。しかし、医療業界やサービス業界などでは、隔週休2日制という勤務体系が一般的です。就きたい職種が明確な場合は、隔週休2日制であることも受け入れる必要がありますので、進路選択にあたってきちんと検討することをおすすめします。