採用において提示される給与は、税込み年収であるのが一般的です。そのため、実際に受け取る手取り額とは違います。また、自営業者や学生にとっての税込み年収と会社員とでは違いがあります。そこで今回は税込み年収とは何か、その調べ方、手取り額との違いなどについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
税込み年収とは
就活生の中には、税込み年収がどういう意味なのか、きちんと説明できない人も多いことでしょう。ここでは税込み年収とは何かについて、詳しく説明します。
税込み年収の計算には給与収入とボーナスが含まれる
税込み年収とは、会社から支給された総額のことです。税込み年収には、毎月の給与や残業などの手当、ボーナスが含まれています。会社員の場合は、給与から以下のものが天引きされています。
- 健康保険料
- 介護保険料(満40歳以降)
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税
- 住民税(入社2年目以降が原則)
税込み年収は、上記の天引き額も含まれた金額を意味します。源泉徴収票では、総支給額の欄に記載されているのが税込み年収です。
世間一般で使われる「年収」は税込み年収を指す
就活メディアや転職サイトなどで「年収」という言葉をよく見聞きしますが、これは「税込み年収」を指すのが一般的です。クレジットカードの申し込みや転職時に採用担当者に質問された時には、税込み年収を伝えるべきです。
なぜ手取り額ではないかというと、総支給額には通勤交通費が含まれていますが会社によって規定が違います。また、違う市町村から転職してくる場合は地域によって税率が異なることから、自社の給与基準と比較しにくいからです。
税込み年収の調べ方
会社員の場合は、年末調整後に源泉徴収票が渡されます。源泉徴収票の「種別:給料」の右側には、以下のような記載があります。
- 支払金額
- 給与所得控除後の金額
- 所得控除の額の合計額
- 源泉徴収税額
このうちの「支払金額」が、税込み年収にあたります。
税込み年収と手取り年収の違い
税込み年収と手取り額の一番の違いは、社会保険料や税金が引かれる前と後の金額であることです。社会保険料や税金は、居住する地域によって料率が異なります。東京都の社会保険料率は、以下の通りです。
- 健康保険料(介護保険料がない場合)の保険料率:9.87%(ただし会社が半額負担)
- 健康保険料(介護保険料がある場合)の保険料率:11.66%(ただし会社が半額負担)
- 厚生年金保険料の保険料率:18.3%(ただし会社が半額負担)
- 雇用保険料の保険料率:9/1,000(ただし会社が6/1,000を負担)
所得税は収入に応じて、住民税は居住地域ごとに税率が変わります。総支給額から、社会保険料の個人負担分と税金を引かれたものが手取り額となります。
税込み年収と手取り年収のかんたんな計算方法
ローン審査などで、税込年収や手取り年収をすぐに調べたい場合には以下の計算方法があります。大まかな数字にはなりますが、手元に給料明細や源泉徴収票がなくても年収を割り出せるので、覚えておくと良いかもしれません。
- 【税込年収の計算方法】
月の額面金額×12+ボーナス額(各種天引き前の金額)+残業代=おおよその税込年収 - 【手取り年収の計算方法】
年収額面×0.75=おおよその手取り年収(残業考慮せず)
- 【月給の手取り額から求める手取り年収の計算方法】
月の手取り金額×12+ボーナス額(各種天引き後の金額)+残業代=おおよその手取り年収 - 【月給の額面から求める手取り年収の計算方法】
(月の額面+毎月の平均残業代)×12×0.75=おおよその手取り年収
上記の式にある「0.75」とは、先に解説した天引きされるもののおおよその割合です。税金等が占める割合は、全体金額の0.75~0.85の範囲であることが通常であるため、0.75を掛けて求めています。
新卒の方や年収の見方・計算方法がいまいちわからない、という方は上記の簡単な計算式を覚えておくと何かと便利です。
税込年収が意味するところ
勤務先から給与をもらっている会社員は、源泉徴収票を見ることで簡単に税込み年収がわかります。しかし、自営業者や勤労学生の場合はそういうわけにはいきません。ここでは、税込み年収が意味するところについて説明します。
自営業にとっての税込み年収
自営業者にとっての税込み年収は、確定申告書の「所得金額」の合計を意味します。自営業者は国民健康保険料や国民年金保険料を自分で支払っている他、事業にかかる経費もかかります。
そのため確定申告において、社会保険料をはじめとする生命保険料・扶養・基礎などの様々な控除を受け、事業における経費などを勘案して税金の計算を行います。
学生にとっての税込み年収
近年は、学生がアルバイトで収入を得るのは普通のことです。そして、学生であっても年間のアルバイトでの収入が103万円を超えれば所得税が発生します。また、年収が100万円を超えた時点で住民税もかかります。
所得税や住民税を支払っている場合は、その金額も含めた総収入が税込み年収となります。しかし、確定申告をして勤労学生控除を受ければ130万円までは税金はかかりません。この場合は、税込み年収が130万円になるということです。
まとめ
今回は税込み年収とは何か、その調べ方、手取り額との違いなどについて解説しました。
会社員は源泉徴収票を見れば一目瞭然ですが、自営業者や学生は確定申告をきちんと行わないと、正確な税込み年収がわからないケースが多いようです。手取り額との違いも理解して、年収を聞かれた時に正しく伝えられるようにしておくことをおすすめします。