年間休日100日は休日数としては多い方なのでしょうか。また、年間休日100日というのは有給込の日数なのか内訳も気になるところです。この記事では年間休日100日の内訳や実態、平均的な休日数との比較、違法になる場合などを解説します。年間休日100日の会社に就職する前にお読みください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
年間休日100日は違法なのか
年間休日100日は違法なのでしょうか。
ツイッターのつぶやきを見ると、年間休日100日というのは、ひとつのボーダーラインとして扱われているようです。
プレミアムフライデーとかシャイニングマンデーとかどうでもいいから、年間休日日数最低でも100日以上を義務化してほしいにゃん。消化できない分はお金でくれれば良いにゃん。払わなかったら経営者に最高に恥ずかしい罰をくれてやれ!外出て歩けなくなるレベルのやつをよ!!!!
— 淑女芸人むや (@muya091) July 30, 2018
こちらのツイートでは、年間休日は最低でも100日欲しいとつぶやいています。年間休日100日は多くはないですが、最低の休日数のラインと捉えられているようです。
3月就活が解禁しますけど、就活生に強く言いたいことは「年間休日」が年間100日以上あるかどうかと「完全週休二日」かどうかを絶対調べてほしいです。
働きやすい会社かどうかは休みがどれだけとれるからです。— イッテン@温水洋一推し (@it66085434) February 27, 2017
またこちらのツイートでは、就活生に「年間休日100日以上」と「完全週休二日制」は抑えておきたいポイントだと伝えています。年間休日100日は優良企業かどうかを見分けるボーダーラインであるようです。
⒈|年間休日100日の内訳と違法性を検証
それでは年間休日100日の会社に就職すると、どのように休日がもらえるのでしょうか。また年間休日100日は良い企業を見分けるボーダーラインとして使われていますが、違法性は全くないのでしょうか。
ここでは年間休日100日の内訳と違法性を検証します。
⒈-1|年間休日100日の内訳
年間休日100日の場合どんな風に休みがもらえるのか、ここではモデルケースを2つご紹介します。
年間休日の計算に有給は含まない
まず大前提をひとつお伝えしておきます。
年間休日100日には有給休暇は含まれていません。つまり年間休日100日に加えて、年次有給休暇がもらえます。
フルタイム労働者の場合、有給休暇は入社後6ヶ月働くと10日もらえます。フル消化は難しいかもしれませんが、2019年から有給義務化が始まったので年5日は必ず有給で休めます。
完全週休二日制(4週8休)でわずかに祝日あり
モデルケースの1つ目は「完全週休二日制(4週8休)」です。これは以下の条件で計算します。
- 全月を例外なく4週間と換算
- 1週間の休みを2日、1ヶ月間の休みを8日間に固定
- 会社が規定する祝日などの休日を追加
年間休日100日は「完全週休二日制(4週8休)」の場合、月間の基本的な休日日数が8日で、それに加えて年間4日の休日が与えられます。4日の休日は、正月休みや夏季休暇に使われることが多いです。
隔週週休二日制(4週6休)で祝日あり
モデルケースの2つ目は「隔週週休二日制(4週6休)」です。これは以下の条件で計算します。
- 全月を例外なく4週間と換算
- 1週間おきに休日が2日の週と1日の週がある
- 会社が規定する祝日などの休日を追加
年間休日100日は「隔週週休二日制(4週6休)」の場合、月間の基本的な休日数が6日で、休日が1日の週と2日の週が交互に繰り返されます。それに加えて年間28日の祝日などの休日が与えられます。
年間28日の休日は、国が定める祝日に加えて、盆暮れ正月に多めに休日がもらえるイメージです。
⒈-2|年間休日100日の違法性を検証
年間休日100日は、内訳を見る分には完全週休二日制で休日がもらえるなど、ホワイトな印象を受ける日数です。違法になる場合などあるのでしょうか。
労働基準法35条には反しない
労働基準法35条では、労働者に必要な休日数について規定しています。この規定をクリアしていれば、適法な休日数です。条文は以下の通りです。
労働基準法35条(休日) ・使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。 ・前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
つまり月4日以上、年間休日で考えると53日以上の休みがあれば問題ないということになります。年間休日100日は当然適法です。
労働基準法32条に違反する
ただし年間休日が100日あっても、労働基準法32条に違反している場合は違法になります。労働基準法32条は、労働時間について規定する条文です。以下、条文を引用します。
労働基準法32条(労働時間) ・使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。 ・使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
つまり、週40時間以上または1日8時間以上働かせた場合、労働基準法に違反していることになります。
実は、年間休日100日の企業で毎日8時間働くと32条に違反します。8時間労働の場合は、年間休日が最低105日は必要なのです。そのため、週40時間に収まるように労働時間を調整している会社が多いです。もし調整していなければ違法になります。
36協定で時間外労働を認められていれば違法ではない
例外として36協定が結ばれている場合は、32条で決められている以上に働かせても違法になりません。36協定について、労働基準法では以下のように決められています。
労働基準法36条(時間外および休日の労働) 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この条において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
36協定は「残業や休日出勤に同意する」という、会社と労働者の間の約束です。働いている本人が同意しているので、法律で決められた以上に働かせても会社は違法にはなりません。
労働者は毎日8時間労働と残業をすることが可能になります。
⒉|年間休日100日の実態と業界・職種
年間休日100日で働くと、どのような良い点・悪い点があるのでしょうか。また年間休日100日というのは、平均と比べて休日が多い方なのでしょうか。
ここでは年間休日100日の実態と、年間休日100日程度の業界・業種を紹介します。
⒉-1|年間休日100日は慣れない
年間休日100日切ってる会社に勤めてそろそろ1年やけどめっちゃしんどいわ
— 弱音吐き出すマン@派遣社員 (@z83uV666) November 5, 2018
年間休日100日をボーダーラインと考える人が多いですが、実際に働くと意外ときつくて「慣れない」と感じる人が多いようです。
そんな年間休日100日で働くメリット・デメリットをご紹介します。
年間休日100日で働くことのメリット
- 労働日数が多い分、1日の就業時間が少し短めなことが多い
- 時給制であれば、働く時間が増えるほどもらえる金額が増える
- 休日が少ないので、遊びに行く回数が減ってお金が貯まる
年間休日100日で働くことのデメリット
- 残業や休日出勤が加わると体力的にきつい
- 土日祝が全て休みにはならない。土曜日出勤や祝日出勤がある
- 休日日数が多い会社と年収が同じだったら、多く働いている分損した気分になる
⒉-2|年間休日100日の企業をデータで分析
ここからは日本の平均年間休日数をご紹介します。 他の企業と比較することで、年間休日100日がどのような位置づけにあるのかが見えてきます。
企業の年間休日数の平均は107.9日
厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査の概況」によると、企業全体の平均年間休日数は107.9日です。年間休日100日は平均より若干少ないことがわかります。
企業規模別の年間休日数
企業全体の平均は107.9日ですが、平均年間休日数は企業規模によって異なります。以下の表は「平成30年就労条件総合調査の概況」を元に作成した、企業規模別の平均年間休日数です。
1000人以上の大企業は年間休日114.9日で、そこから企業規模が小さくなるにつれて年間休日が少なくなっていきます。
やはり雇用が安定している大企業と比較して、マンパワーに頼っている中小企業では休日をどんどん与えるというわけにはいかないのでしょう。
業界別の年間休日数
また、業界によっても平均年間休日数は異なります。以下は「平成30年就労条件総合調査の概況」を元に、特に年間休日が少ない業界をランキングでご紹介します。
全体を見ると、サービス業・土木系・運輸系の年間休日が少ないことがわかります。特に1位の宿泊業・飲食サービス業は、平均年間休日数が100日を切っています。なかなかハードな業界といえるでしょう。
次の見出しでは、ランキングだけではわからない年間休日が少ない業界・業種を説明します。
⒉-3|年間休日100日の業界・職種はどこ?
ここでは年間休日100日の業界・職種を2つピックアップしてご紹介します。具体的にどんな仕事が年間休日100日かを知れば、イメージが湧きやすくなるはずです。
施工管理
年間休日100日の仕事1つ目は、施工管理です。
施工管理は、工事現場で工程管理をする仕事です。発注書通りの建物を納期までに納品できるように、現場のスケジュール管理をします。
施工管理は、新しい建物の建設に関われるやりがいのある仕事ですが、しばしば激務と言われる仕事でもあります。施工管理の仕事については、以下の記事で解説しています。
保育士
年間休日100日の仕事2つ目は、保育士です。
保育士は人材不足だとか激務だとか、ニュースで話題になることが多いので、休日数が少ないというのもなんとなくイメージが湧くかもしれません。
保育士は休日数が少ないという問題に加えて、1日の労働時間が長いという問題もあります。なぜ労働時間が長くなるのかなど、保育士の仕事内容は以下の記事で解説しています。
⒊|年間休日100日に耐えられない場合の対処法
年間休日100日の会社でも、残業や休日出勤が多くて耐えられないという場合があります。
やはり休日数だけではわからない会社の実態があるものです。そんな時、どう対処すればよいのでしょうか。
労働基準監督署に相談する
労働基準法に違反するような残業や休日出勤を迫られた場合や、パワハラ・セクハラにあった場合など、職場で困ったことがあれば労働基準監督署に相談しましょう。
労働基準監督署の「総合労働相談コーナー」に行けば、無料で相談にのってくれます。予約不要なので、休みが取れたときにすぐ行くことができます。
現地に行く時間がないという人には電話相談もあります。
「これは違法なのかな」と疑問に思った程度でも相談できるので、まずは相談してみましょう。
最後の手段、退職代行サービスを利用する
どうしても働き続けるのが嫌になったときは、辞めれば一応の解決になります。しかし「上司から引き止めにあって退職できない」「関係がこじれていて直接話すのがつらい」という場合もあるでしょう。
自分で退職の交渉をするのが難しい場合は、退職代行サービスがオススメです。退職代行サービスを使えば、弁護士や社労士が代わりに退職の手続きをしてくれます。
費用は3~5万円程度かかりますが、お金で問題が解決できるのであれば、支払う価値はあります。
⒋|他の年間休日の場合を詳しく知る
年間休日100日はなんとなく休みが多いようにも見えますが、働いてみると意外ときついと感じる日数です。
カレンダー通りの土日祝休みがほしいのなら年間休日120日、1日8時間労働で土日休みが良いなら年間休日105日が必要です。年間休日120日・105日の実態については、以下の記事で解説しています。
まとめ
この記事では、年間休日100日の実態や違法性を解説しました。
年間休日100日は適法ですが、残業や休日出勤が加わると体力的にきついと感じることがあります。休日日数自体は悪い条件ではありませんが、職場環境によっては注意が必要です。