公務員は、民間企業とは異なる法規制があり休職となるケースが異なっています。公務員が求職するのは、懲戒救済と撤職休職などいくつかの状況が挙げられますが、病気休職や休職期間の給与はどうなるのでしょうか。本記事では、公務員の休職に関する概要、病気休職のポイントや休職期間の給与についてご説明致します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
公務員の休職とは
公務員は、国家公務員と地方公務員に分かれており、それぞれ人事院と地方自治体によって休職規定が定められていることが特徴です。
- 公務員が病気休職する際には何を申請するのか
- 公務員の休職時における給与は支払われるのか
- 公務員は休職をしても懲戒とならないのか
本記事では、これらのように公務員の休職とはどのような実態なのかが気になる方へ、ポイントを解説して参ります。
民間企業と比較した場合、公務員は優遇されているのか知りたい方もぜひご覧ください。
公務員の病気休暇のポイント
公務員は、配属部署によっては平日と休日の出勤が不規則にあり、精神的に疲弊して休職する人が多いのが実態です。
例えば、文部科学省のデータによると病気休職をした教職員の割合は、過去10年でおよそ3倍に増加していると発表しています。
本見出しでは、公務員の病気休職の実態として2つのポイントをご説明致します。
ポイント①|病気休職の承認
1つ目のポイントは、公務員が病気休暇をする際の承認に関してです。
- 肉体的な負傷に加えて、精神的な疾病や心身の摩耗状態も含まれる
- 地方公務員法第28条第2項1号により、職員の病気休職を認めている
- 医師2名の診断を病気承認のための客観的判断根拠としている
このように、業務期間中に何らかの事故に巻き込まれて負傷したケースだけでなく、精神的なストレスで働くことが適切でないと判断された公務員は病気休職を取ることができます。
しかし、公務員は国民の税金によって給与が支払われているため、病気休職を認める際の根拠事由として医師2名の公的な診断結果が必要となっています。
ポイント②|病気休職の期間
2つ目のポイントは、公務員が取得できる病気休職の期間に関してです。
- 3年を超えない範囲において、休養を要する程度に応じて判断される
- メンタルヘルス不調の公務員は、病気休職により治療対象者として扱われる
- 治療に3年以上の期間を要する場合、公務能率を考慮した判断がなされる
公務員は、病気休職が認められると3年を上限とした休養期間中に治療を受けて、職場復帰を目指すこととなりますが、3年以上かかる場合には休職扱いとならないこともあります。
仮に、病気休職の期間を認めずに精神的な疾患を抱えた公務員を都度解雇してしまうと、公務機能が果たせなくなりますが、休職期間が無制限でも公務能率の悪化に繋がるからです。
公務員の休職期間の給与
上述の見出しにて、承認を受けて病気休職となった公務員は、3年間という期間での治療が求めらるとわかりましたが、休職期間中の給与は満額支払われるのでしょうか。
こちらの見出しでは、公務員の休職期間の給与に関して国家公務員と地方公務員に分けて解説し、さらに休職期間中の給与に関する注意点のポイントを合計3つご説明致します。
国家公務員の場合
1つ目のポイントとして国家公務員が病気休職をする場合、人事院規則第11-4で定められている職員の身分保障に沿って判断がなされます。
- 災害による身元不明や、病気により業務が行えない場合に休職となる
- 休職期間中も、3年以内を上限としてそれまでの官職を保持したままとなる
- 具体的な休職の日数は、各国家機関の任命者が決定する
このように、国家公務員の休職は人事院が規定しておりますが、要約すると3年を休職期間として、キャリアに影響することなく休職することが可能です。
国家公務員は、働き方改革が進む現在においても、深夜までの長時間労働や翌日明け方までの勤務が必要なケースも多々あり、休職者に対する保証がなされていると考えられます。
地方公務員の場合
2つ目のポイントとして地方公務員が病気休職をする場合、管轄をしている各地方自治体の地方条例で決まっているため、詳細は異なっています。
- 地方公務員法第28条第2項1号に従い、病気休職か分限休職処分を判断する
- 病気休職の場合は、90日間を超えない範囲で療養が課せられる
- 分限休職処分の場合は、職を保有させたまま職務に当たらせない
以上が、地方公務員が休職をする際の一般概要となりますが、状況に応じて病気休職か分限休職処分のいずれかに該当することと定められています。
前述の通り、公務員は税金を給与として受け取る代わりに公務にあたっており、公務能率と回復までの期間を考慮して判断がなされていることが特徴です。
公務員の休職期間の給与の注意点
3つ目のポイントとして、公務員の休職期間の給与の注意点について2つ解説致します。
理由は様々だと想定されますが、公務員は民間企業に勤める社員と同様に休職が必要なケースが数多くあり、公務機関を維持するために各期間ごとに有給保証がなされています。
国家公務員や地方公務員を問わず、その休職期間としては3カ月90日と規定されていますが、保証されている給与額は休職日数によって異なっています。
注意点①|休職後90日間は全額保証
1つ目の注意点は、休職後90日間は民間企業における有給休暇と同じ扱いで全額保証となっていることです。
公務員は、休職をしている期間も90日間以内であれば給与が全額支払われますが、各種手当、通勤手当や管理職手当などは保証の対象外となっています。
また、ボーナスは過去半年間の実績をもとに判断されるため、半年以上の休職をしていれば支払われない規則となっています。
注意点②|休職後91日からは半額保証
2つ目の注意点は、休職後91日からは給与が半額保証となっていることです。
例えば、病気休職をしてから90日間で療養が完了せず職場復帰が難しい場合、病気休職の延長をすることができますが、その場合には保証される給料が半額となります。
しかし、一般的な民間企業であれば休職期間中も手厚く給料が保証されているわけではないため、公務員だけ給料の保証が手厚すぎるという懸念があります。
公務員の休職に関する疑問
ここまで、公務員の病気休職や休職期間中における給料に関して解説をして参りましたが、これら以外にも疑問点をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
本見出しでは、この記事の締めくくりとして公務員の休職に関する3つの疑問と、それらに対する回答をご説明致しますのでご覧ください。
疑問①|休職から産休への移行は可能なのか
1つ目は、休職から産休への移行は可能なのかという疑問であり、回答としては「制度上の異なる申請は必要だが、継続的な以降は可能である」と考えられます。
例えば、国家公務員の規則を管理している人事院のHPによると、妊娠した場合の選択肢として産休にあたる育児休業が定められていますが、申請が必要となります。
休職は、あくまでも病気やけがを理由としたものであり、産休はこれとは異なる休暇制度となっているため、取得する際には別途申請が求められると想定されます。
疑問②|休職しても懲戒とならずに働けるのか
2つ目は、休職しても懲戒とならずに働けるのかという疑問であり、回答としては「原則として療養による復帰が求められており、懲戒とはならない」と考えられます。
既にご説明した通り、国家公務員や地方公務員を問わず休職となった公務員は、3カ月90日間をチェックポイントとして、療養による復帰を目指すこととなります。
また、91日以上の休職であっても給料が保証されており、長期間の休職が懲戒事由にあたるとは考えられないため、継続して働けると言えます。
疑問③|休職後の勤務時間によって懲戒となりうるのか
3つ目は、休職後の勤務時間によって懲戒となり得るのかという疑問であり、回答としては「休職からの復帰観察中は勤務時間が調整されており懲戒にならない」と考えられます。
公務員は、公務機関を支える大切な人員であり公務効率とのバランスを取る必要性があるものの、働くことができる状態であれば無理のない範囲で公務に就くこととなります。
そのため、各国家機関や地方自治体の判断によって勤務時間が調整されることはあっても、休職後の公務員が懲戒処分にされることは無いと考えられます。
まとめ
本記事では、まず公務員休職とは何かをお伝えし、病気休職のポイントを2つご説明致しました。
また、公務員の休職期間の給与については国家公務員と地方公務員に分類して解説し、2つの注意点をお伝えしました。
公務員休職に関する疑問も解説致しましたので、休職をお考えの方はこちらの情報をご参照頂ければ幸いです。