日本には「出る杭は打たれる」という諺がありますが、職場においても組織が大きくなればなるほど、優秀な人が潰される傾向があることが知られています。その背景には上司の部下に対する思いや、優秀な人に共通する特徴があるようです。そこで今回は、優秀な人が潰される理由やその後にどんなことが起こるのかについて考察します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
優秀な人が潰されることに不満を抱く人は多い
組織で働いていると、無能な上司に優秀な人が潰される状況に陥っているというケースが少なくありません。そして優秀な人が潰れる理由も、一言では語れないようです。
2019年8月15日にキャリコネニュースが公開した、 「無能な上司がいる会社の末路『優秀な人材が潰される』『仕事もしない人間がおいしい思いをして生き残っていく』」に寄せられていたコメントを引用しながら考えてみます。
上司や同僚によって「潰されてしまう」ケース
「必ずしも優秀な人間が可愛がられるとは限らない。能力が低い人間でも、直属の上司に気に入られてさえすれば全く問題はない。ただし、上司が変わった場合にその人間は非常に辛い思いをするだろう。無能な上司に嫌われて、行動評価を悪くつけられてしまうと、上司が変わっても挽回に時間がかかるだろう。それだけ人を見る目がある人材は少ない」(MR、30代前半、男性、 正社員、年収750万円)
このコメントは無能な上司に優秀な部下が嫌われた場合、行動評価を悪くつけられることで潰されてしまうケースがあることを示唆しています。自分の努力とは関係のないところで、上司や同僚に潰される可能性があるということです。
自分で抱えきれずに「潰れてしまう」ケース
上司に気に入られないと出世できない。昇格試験があり、そこでの筆記、面接の一発勝負で決まる。かなり不公平感があると思う。無能な上司が多い」(技術関連職、30代後半、男性、正社員、年収500万円)
このコメントは優秀な人は上司の指示の間違いに気づいていても、評価を下げたくないために黙っており、それが発覚して辛い思いをするケースです。自分ではなく上司の落ち度を抱えきれずに、潰れてしまう人も少なくないのでしょう。
優秀な人が潰される5つの理由
組織内で優秀な人が潰されるのには、いくつかの理由があるものです。ここでは優秀な人が潰れる代表的な理由を5つ紹介します。
①自分勝手な上司・経営者が多すぎる
社員に対する評価は、上司や経営者によってなされます。そのため評価する側が無能だと、優秀な人は不当な査定をされる可能性が高くなります。
仕事の質や成果よりも、自分が気に入る行動をとったかどうかで、社員を評価する上司や経営者も少なくありません。その自分勝手さに、優秀な人が振り回されてしまうのです。
②優秀な人ほど転職するので同僚の能力が低い
優秀な人は職場で正当に評価されていないと感じると、自分にプラスになる会社に転職していくケースが多いです。そうした職場には、能力が低い人だけが残ります。
協調性を重視する職場では、優秀な人が能力の低い同僚に合わせるよう求められます。それがストレスとなり、潰れるケースもあります。
③優秀な人に仕事が集中する
優秀な人の仕事は質が高いだけでなく、作業が早いことで評価されているケースが多いです。上司からすると、同じ作業時間でより多くの仕事ができる部下に任せたくなります。
そのため優秀な人ほど、仕事が集中しがちです。その結果、仕事が少ない能力が低い人よりも、優秀な人の方が勤務拘束時間が長くなることが珍しくありません。それにより、心身共に疲弊してしまうのです。
④能力ではなく従順さが評価される
仕事の成果より、上司に対する従順さが評価のポイントとなる職場は少なくありません。優秀な人の中には業務で失敗が予想される時、相手が上司であってもそれを指摘する人がいます。
しかし無能な上司は先読みができないため、指摘されプライドが傷つけられたことを根に持って、査定で報復することがあるようです。そうした不当な評価も、優秀な人が潰される理由といえます。
⑤協調性という名の相互監視機能がある
優秀な人が潰される理由は、無能な上司や経営者にだけあるわけではありません。同僚が優秀な人の足を引っ張ることも、優秀な人が潰される理由となります。
社員のレベルが低い場合、協調性という名の相互監視機能によって、優秀な人の仕事を邪魔するケースがあります。成長を妨げられることが、優秀な人のストレッサーになるといえるでしょう。
優秀な人が潰されるとどうなるのか
優秀な人を成長させようという意識がない組織、あるいは上司・経営者の下で働いていると、色々な弊害が出てくるものです。
ここでは優秀な人が潰される職場で起こりがちなケースを、いくつか紹介します。
①妬み・嫉妬で職場での居心地が悪くなる
自分の仕事を責任もって行う優秀な人が、知らず知らずのうちに職場で敵を作っていることがあります。無能な上司や同僚は、優秀な人に対して妬みや嫉妬を感じるようになるからです。
他人を妬むあるいは嫉妬する人の多くには、優秀な人に近づけるように自分が努力するという考えを持ちません。むしろ優秀な人の邪魔をする、職場で孤立させるなど、子供じみた振る舞いが増える方が多いようです。
その結果として、優秀な人が職場で居心地の悪さを感じるようになります。成果を上げても認められないストレスが、積み重なるのです。
②上司に評価されないので給料が同僚と大差ない
仕事でどれだけ成果を上げても、上司に正当に評価されなければ昇給や昇格は望めません。そのためどれだけ結果を出しても、優秀な人と能力の低い同僚との給料が変わらないという事態が起こります。
むしろ能力が低くても上司に可愛がられていることで、自分より早く昇給や昇格を果たす同僚を見る人も少なくありません。そうした職場で長く働き続けると、心身が消耗してしまいます。
③誰にも相談できずにうつ病になる
優秀な人が正当に評価されない職場には、能力が低い人が集まる傾向が強いです。そのため事態を打開したくても、相談できる人がいないという状況に陥りやすいといえます。
むしろ職場の先輩や同僚にこぼした愚痴を無能な上司に耳打ちされ、事態が悪化するケースも多々見られます。その結果、優秀な人がうつ病を発症するのはよくある話です。
④振られる仕事を消化するために残業をして体調を崩す
優秀な人は、仕事に対する責任感が強いものです。そして、優秀な人にほど仕事が集中することは前述しました。
そのため優秀な人は振られた仕事を全うするために、早出・残業・休日出勤をするという事態に陥りがちです。それで期日までに仕事は終わりますが、休めないことで心身に披露が蓄積され、体調を崩すことも珍しくありません。
優秀な人が潰されると企業にとっても悪影響がある
自分より優秀な人が職場にいることは、能力の低い上司や同僚にとって不愉快なことかもしれません。しかし優秀な人が潰されて休職・転職すると、担当の仕事を残された人が担うこととなります。
その結果として仕事が回らない、業績が落ちてしまうのはよくあることです。そうした悪影響を予想できないのです。
優秀な人が潰されないためにできる7つのこと
就活でどれだけリサーチを重ねても、実際の働き心地は入社しなければわかりません。そう考えると、優秀な人も職場で潰されないための方法を身につけ、実践することが大切です。
ここでは優秀な人が潰されないためにできることを、7つ紹介します。
①面倒事はなるべく引き受けない
優秀な人は仕事の効率や周囲の状況を考慮して、自分で仕事を買って出るケースが少なくありません。しかし正当な評価を受けられない職場でどれだけ努力しても、自分にメリットはないのです。
そう考えると職場ではなるべく、面倒ごとを引き受けないことが大事です。本来やるべき人に、やるべきことをしてもらうと割り切りましょう。
②理解のある人に相談する
社員数が多い企業に勤めている場合は、自分の所属部署以外で働く、理解ある人に相談するという方法があります。相談相手が優秀な人なら、適切なアドバイスをくれるはずです。
直属の課長を飛び越えて部長に相談すると別な形で報復される可能性がありますが、他部署であればそうした被害を最小限にできます。
③仕事以外の場で能力を活かす
優秀な人の能力が発揮されるのは、職場だけではありません。近年は会社員の副業を推進する機運が高まっているので、自分の能力が発揮できる場を見つけるのも選択肢の一つです。
またボランティア活動や趣味の場で、活躍するのも良いでしょう。職場ではほどほどにがんばり、自分が正当に評価される場で能力を発揮しましょう。
④上司に気に入られるような社員を演じる
職場での評価は、大半が直属の上司が行います。もし上司が無能な場合は、仕事で成果を上げることより、気に入られることを重視することをおすすめします。
無能な上司でも可愛がられていれば、昇給や昇格ができる可能性が高まります。上司が求める社員を、演じてみましょう。
⑤仕事において完璧を求めすぎない
優秀な人は、仕事に完璧さを求める傾向が強いようです。そのため自分に対してだけでなく、他人にも厳しくなってしまうと、職場で軋轢を生んでしまいます。
そのため、優秀な人自身が仕事に完璧さを求めすぎないよう、配慮することも大切です。ほどほどの成果でも納得するよう、心掛けてください。
⑥自ら組織改革に着手する
勤務している会社や仕事から離れたくないと考えているなら、職場を敵に回す覚悟で、自ら組織改革に着手するのも選択肢の一つです。上司や同僚はもちろん、一時的には経営者との軋轢が発生する可能性が高いです。
しかし組織改革後の業績アップが望める場合、いずれ経営者は味方になってくれます。戦ってみましょう。
⑦健康・精神を崩す前に転職する
優秀な人が自分なりに努力を続けても、職場の雰囲気を変えられる保証はありません。その結果。自分の心身が不調になる人も少なくないのです。
自分が心身共に健康でいられない職場だと思うなら、体調を崩す前に転職することをおすすめします。それは決して、逃げることではありません。
まとめ
会社に無能な経営者や上司が多いのは、残念ながら事実です。そうした社風の会社を、優秀な人が1人で変えるのも難しいといえます。優秀な人は潰される前に、自分の処し方を考えるべきでしょう。その職場に適応するのか、自分を守る手段に打って出るのかを、この記事をきっかけに検討してみてください。