フレキシブルタイムとは、労働者が出勤時間・退勤時間を自由に選ぶことが出来る制度です。社会的な背景から多くの企業が認めるようになっています。この記事ではそんなフレキシブルタイムに関する基本的な知識・間違いやすいこと・利用する上での注意点について紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
フレキシブルタイムとは
企業の募集要項で福利厚生の欄を見ると「フレックスタイム制」という言葉はよく見ますが、よく似た言葉に「フレキシブルタイム」というものもあります。
どちらも従業員が働く時間を自由に設定できる制度に関する言葉なのですが、間違いやすい言葉でもあります。働き方改革が進んでいる今は社会人の常識としてこの2つの言葉の違いを理解し、正しく使い分けられるようになる必要があります。
いつでも出退社してよい時間帯
厚生労働省の「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引」によると、「フレキシブルタイム」とは「労働者が自らの選択によって労働時間を決定することができる時間帯」と定義されています。
つまり、従業員が自分のプライベートの予定と照らし合わせて、自分の裁量で出勤・退勤する時間を決められる時間帯ということです。この時間が設けられることで、共働きや特殊な家庭の事情がある従業員も働きやすくなります。
フレックスタイム制で設定される
フレキシブルタイムとよく似た言葉に「フレックスタイム制」がありますが、この両者の関係は以下の通りです。
- フレックスタイム制=フレキシブルタイム+休憩+コアタイム
つまり、「フレキシブルタイム」とは、「フレックスタイム制」という働き方の制度の中で設けられた「自由に勤務時間を決められる時間帯」のことです。「フレキシブルタイム」は「フレックスタイム制」の構成要素だと覚えておきましょう。
フレックスタイム制とは
厚生労働省の「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引」では、フレックスタイム制とは「一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度」と定義されています。
ここではフレックスタイム制のより詳しい仕組みや、なぜこのような制度が設けられるようになったのかについて詳しく見てみましょう。
フレキシブルタイムとコアタイム
フレックスタイム制には「フレキシブルタイム」と「コアタイム」がありますが、その違いは以下の通りです。
違いは上記の通りですが、必ず設定しなければならないものではありません。フレキシブルタイムを設定しないことで従来のように出勤・退勤時間を固定したままでも良いですし、コアタイムを設定せずに勤務時間を完全に自由にすることも出来ます。
フレキシブルタイムとコアタイムの設置例
フレキシブルタイム・コアタイムを両方とも設定している企業の場合、1日のスケジュールは下記のようになります。
参考:フレックスタイム制の適切な導入のために「基本モデル」(東京労働局労働基準部・労働基準監督署)
上記のスケジュールは1つの例です。企業ごとに最適なコアタイムの時間は異なりますし、設定されるコアタイムに応じてフレキシブルタイムの時間も異なります。
フレックスタイム制の社会的背景
厚生労働省の「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引」でも紹介されていますが、導入された背景には働き方改革があり、その影響でフレックスタイム制が作られたのには根本的に以下の社会的背景があります。
- 少子高齢化による生産年齢人口の減少
- 労働者のニーズの多様化
上記の様な労働者側の事情の変化がある中で、企業が生産性を向上して売上・利益を上げ続けるためには、より効率的に仕事に取り組める環境を提供する必要があります。
その中で以前に比べて比較的自由に労働時間を設定できる様になるフレックスタイム制が導入されました。
フレックスタイム制に必要な要件
先述の「厚生労働省の手引」の4ページでは、フレックスタイム制を導入したい企業は下記の要件を設ける必要があるとされています。
- 就業規則等への規定
- 労使協定で制度の基本的枠組みを規定
「就業規則等への規定」については、各社の就業規定に関する書類で「始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨」を定めておきます。そして、「労使協定で制度の基本的枠組みを規定」については下記の項目を設定しておきます。
- 対象となる労働者の範囲
- 清算期間
- 清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
- 標準となる1日の労働時間
- コアタイム(※任意)
- フレキシブルタイム(※任意)
つまり、労使協定ではフレックスタイム制の対象となる従業員や運用における各種規定を設ける必要があるということです。詳細は厚労省の手引書でも紹介されていますので、そちらもご確認下さい。
フレキシブルタイムに関する注意点
最後にフレックス制が導入されている企業で働く上で、労働者が注意すべきポイントを2つ紹介します。
フレックス制自体は労働者がより自由に働くことが出来るようになる「権利」ではありますが、その権利を濫用して企業の生産性を落としてしまえば、勤務している企業でフレキシブルタイムが利用できなくなる可能性もあるので注意が必要です。
コアタイムは基本的に変更・指定できない
1つ目の注意点はコアタイムは基本的には変更・指定できないことです。
コアタイムは従業員の労働環境の自由度を上げつつ、企業としての生産性を落とさないために設定した必ず勤務すべき時間です。そのため基本的には労働者側がコアタイムを変更することは出来ません。
ただし、就労規定や労使協定で規定されている会社であれば、生産性の高い従業員に限ってコアタイムを変更することも可能です。つまり、従業員としての責務をこなしていれば権利を主張できるようになる可能性もあるということです。
早朝の会議は直ちに免除されるわけではない
2つ目の注意点は、フレックス制を利用している従業員が、多くの企業で行われている早朝の会議への出席が免除されるわけではないということです。
フレックス制を利用して早朝から仕事をしている場合、他の従業員と出勤時間が異なるため早朝の会議や朝礼を免除されると考える方もいますが、こちらについても「義務と権利」や企業の取り決めによって変わります。
求められる成果が上がっていれば会議や朝礼が免除される可能性がありますが、そうでなければ出席する必要があります。会議や朝礼の免除を求める場合は上司と相談してみましょう。
【参考】フレックスタイム制以外の様々な働き方
また、上記までではフレキシブルタイムやフレックスタイム制について紹介してきましたが、それ以外にも様々な働き方があります。
例えば時差出勤や勤務間インターバル制などです。最近ではテレワーク・リモートワークなども盛んです。時代に合わせて働き方も柔軟になってきていますので、それらの制度について改めて確認しておくと良いでしょう。
以下の記事では時差出勤やフレックスタイム制の違いや、導入する企業側。労働者双方のメリット・デメリット、注意点などを紹介しています。興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
まとめ
この記事ではフレキシブルタイムやフレックスタイム制について紹介しました。
社会的な背景からより自由に勤務時間を選べる制度として、多くの企業で導入されている制度ではあるものの、あくまでもフレックスタイム制は労働者の「権利」であるということを覚えておきましょう。
あまりにも生産性が低かったり制度を乱用するようであれば、制度を利用することが禁止されてもおかしくありません。やるべきことをやってから権利を主張するということを忘れないようにしましょう。