警察官には、国家公務員と地方公務員の2種類があり、年収も異なります。日本の治安を守るという大切な役割を担う、警察官の給料は高いのか安いのか、気になる方も多いことでしょう。そこで今回は警察官の年収を、初任給やボーナスについても触れながら解説します。ぜひ参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
警察官とは
警察官とは、警察庁や都道府県警察で働く公務員であり、治安維持のための職務を遂行します。警察内の階級は、以下の通りです。
- 巡査
- 巡査部長
- 警部補
- 警部
- 警視
- 警視正
- 警視長
- 警視監
- 警視総監
- 警察庁長官
ここでは警察官全般の仕事について、説明します。
警察官の仕事内容
警察官の仕事内容は、多岐にわたります。ここでは警察官の仕事を3つに大別して、説明します。
①市民の安全を守る
1つめは、地域に密着して市民の安全を守ることです。交番や駐在所にいる、お巡りさんをイメージするとよいでしょう。具体的な仕事内容は、以下の通りです。
- 110番の対応
- パトロール
- 道案内
- 不審者への職務質問
- 不審者への任意同行
これ以外にも、担当地域で凶悪事件が起こった時に、刑事課の依頼を受けて張り込みや犯人追跡を行うこともあります。
②犯罪を取り締まる
2つめは、犯罪を取り締まることです。刑事に昇格した警察官が、担当部署別に対応するのが一般的です。具体的な仕事内容は、以下の通りです。
- 少年犯罪やストーカー、悪徳商法など、市民に身近な犯罪を取り締まる
- 殺人、暴行、傷害、窃盗、詐欺、違法薬物といった犯罪を取り締まる
- 速度違反や駐車禁止など交通関係の犯罪を取り締まる
犯人を逮捕した後、起訴するために取り調べなどを担当するのも、刑事の役割の一つです。
③要人を警護する
3つめは、要人を警護することです。SPと呼ばれる警察官が、この任務にあたっています。具体的な仕事内容は、以下の通りです。
- 国会や官庁、駅、空港に配置され、要人を警護する
- 大人数が集まるイベントを警護する
- 災害時に救助活動を行う
- 地域をパトロールする
SPは要人の警護だけでなく、緊迫した社会情勢の中でもテロやゲリラ活動が起こらないよう、未然に防ぐ役割も担っていることは、あまり知られていないようです。
警察官に向いている人の特徴
警察官は公務員の一種ではありますが、誰でもなれるわけではありません。性格的な適性があります。ここでは警察官に向いている人の特徴を3つ、説明します。
①正義感が強い
1つめは、正義感が強いことです。警察官は、地域住民を守ることが仕事です。市民のために危険な任務に就くことも、事件解決のために長時間労働を強いられることもあります。それを支えてくれるのが、強い正義感だからです。
社会の秩序を守るという規範意識や、犯罪のない世の中をつくりたいという志がないと、ハードな業務を遂行するのは難しいと考えられます。
②協調性が高い
2つめは、協調性が高いことです。警察は階級社会なうえ、担当業務が明確です。そのため、様々な部署や専門スキルを持った仲間とチームで協働することが求められます。どんなに地味な仕事でも、自分の持ち場を守って働き、それをチームの成果につなげる協調性が不可欠なのです。
また、警察学校に入学すると、訓練だけでなく食事や入浴まで、徹底した集団行動をしなければなりません。それに順応するうえでも、協調性が必要です。
③モラリストである
3つめは、モラリストであることです。悪や犯罪を許さないという高いモラルがなければ、社会秩序を維持することはできません。
近年は警察官の汚職が大々的に報じれらることも増えていますが、だからこそ倫理観のある人材が求められています。悪いことは悪い、悪いことはしないという、強い意志を持つ警察官が、私たちの安全を守ってくれるのです。
警察官の平均年収は約604万円
警察官の平均年収は約604万円です。これは総務省が発表した「平成30年地方公務員給与実態調査結果等の概要」と人事院による「平成30年国家公務員給与等実態調査の結果」に基づいて算出しています。ここでは、各項目別に内容を詳述します。
警察官の初任給
警察官の初任給は、採用先によって異なります。ここでは、大学卒採用の場合の初任給を記載します。
- 国家公務員(警察庁)/月額200,800円
- 地方公務員(警視庁Ⅲ類採用者)/月額213,900円(20%勤務地域の地域手当を含む)
- 皇宮護衛官(皇宮警察本部)/月額205,200円
一見地方公務員が高く見えますが、警視庁の採用情報サイトでは総額の記載しかなかったため、基本給はもっと低いと考えられます。また、地方自治体によって初任給は異なります。応募を検討する地域で調べるのがセオリーです。
警察官の平均年収比較
警察官は国家公務員と地方公務員に大別され、給与額も異なります。ここでは「採用区分別」「年齢別」「男女別」など項目別に、平均年収を比較してみましょう。
採用区分別|警察官の平均年収
警察官の採用区分は国家公務員である「警察庁」、地方公務員である「都道府県警察」、業務が特化される「皇宮護衛艦」の3つに大別されます。それぞれの平均年収を以下にまとめました。
推定される年収の賞与は、平均月額の4.5ヶ月として試算しています。同じ警察職でも、地方公務員より国家公務員の方が年収が高いことがわかります。また人事院の採用となる皇宮護衛官も、地方公務員より平均年収が高くなっています。
年齢別|警察官の平均年収
総務省が発表した「 平成30年地方公務員給与実態調査結果の状況」の「第3表の2 団体区分別、男女別、職種別、学歴別、年齢別職員及び平均給料月額」に基づいて平均年収を推測し、以下にまとめました。
推定される年収の賞与は、平均月額の4.5ヶ月として試算しています。地方の警察職の場合、30歳前後まではそれほど年収が高くないことがわかります。しかし、32歳以降はずっと日本の平均年収を上回る収入が得られます。
男女別|警察官の平均年収
前章で使用した資料に基づき、男女別・年代別の平均年収を推測し、以下にまとめました。
警察官は男性が多い職業のイメージがありますが、当然ながら女性警察官もいます。女性警察官を志望される方もぜひ以下の年収表を参考にしてみてください。
推定される年収の賞与は、平均月額の4.5ヶ月として試算しています。この表をみる限り、警察職においては年代別の平均年収の男女差はそれほど大きくありません。女性警察官の管理職が増えていることも、影響していると考えられます。
階級別|警察官の平均年収
次に警察官の階級別の推定平均年収について以下表にまとめます。
警察官になるとまずは巡査として勤務をはじめることになります。そこからの成果をもとに上図のようなキャリアパスを描いていくこととなります。
警視総監は警視庁でたった1人しかなれないポジションであり、責任の重さから年収も警視から一気に上がることがわかります。
警察官のボーナス
警察官のボーナスは、基本的に6月30日と12月10日の年2回支給されます。ボーナスの算出方法は、以下の通りです。
- (月給+地域手当+扶養手当)×支給月数
国家公務員の支給月数は、毎年8月の人事院勧告で決定するのですが、これを地方自治体も踏襲します。人事院は支給月数を決めるにあたり、社員50名以上の企業を抜粋してボーナスの支給月数を調査し、それに合わせているとされています。
ただし、警察職を含めた公務員のボーナスは「期末手当」と「勤勉手当」に分かれています。期末手当は産休や育休、傷病休暇などを取得すると、勤勉手当は成績の上位・下位によって調整されることがあるので注意が必要です。
警察官の年収が高い理由
警察官は他の公務員と比べると、平均年収が高いです。その理由は2つあります。ここでは、警察官が他の公務員より平均年収が高くなる理由を詳述します。
①他の公務員より手当が多い
1つめは、他の公務員より手当が多いことです。他の公務員より手当が厚いものは、以下の通りです。
- 残業手当
- 夜勤手当
- 特殊勤務手当(爆弾処理や災害被災者救助など)
警察官は夜勤があるうえ、仕事柄残業も多いです。また、事件発生によって夜間に招集されることも珍しくありません。そのため、残業手当や夜勤手当が他の公務員より多くなりがちです。また、危険な任務には特殊勤務手当が加算されます。
危険な仕事を担っている分、他の公務員より平均年収が高くなるのは、当然のことといえるでしょう。
②他の公務員より平均年齢が若い
2つめは、他の公務員より平均年齢が若いことです。一般的な行政公務員の平均年齢は42歳といわれていますが、警察官は38歳です。
警察官であっても管理職は月給が上がる分、手当はカットされますが、働き盛りが多い警察官の場合は多い時で月給の他に10万円もの手当がつきます。また、給与が下がる60歳以降の職員が少ないことも、平均年収アップに繋がっていると考えられます。
また、警察官の年収は大卒か高卒かであまり差がないというのも特徴です。昇進すればするほど、年収も比例して上がっていきます。
警察官になる方法
警察官になるためには、公務員試験に合格しなければなりません。そして、学力以外に求められる能力があります。ここでは、警察官になるために必要な能力や方法について説明します。
警察官に必要な能力・資格
まず、以下の能力が必要とされます。
- 体力/24時間の当番勤務や交番前の立ち番など、体力を求められる業務が多い
- 武術(剣道や柔道など)/いざという時に犯人を抑え込めるスキルが必要
- PCスキル/調書や報告書の作成が多いうえ、近年はスマホを使っての情報共有も増えている
さらに、警察官に採用された後で必要となる、あるいはあると便利な資格もあります。
- 普通運転免許
- 自動二輪免許
- 英検
- TOEIC®スコア
- 簿記検定
- 情報処理関連の資格
これは、外国人犯罪や贈収賄などの経済犯罪、IT犯罪が増えていることに密接に関係しています。警察官採用後も資格取得を奨励されるので、時間のある学生のうちに取得しておくことをおすすめします。
警察官になるための流れ
警察官になるためには、公務員試験をパスしなければなりません。ここでは、都道府県警察において大卒者が対象の第Ⅰ類の採用までの流れを紹介します。
- 1次試験/筆記(教養・論文・国語)、資格経歴等の評定、身体検査(身長・体重)、適性検査(マークシート)
- 2次試験/面接、身体検査(視力・聴力・レントゲン・血液検査など)、適性検査(記述式)、体力検査
- 警察大学校/6ヶ月間にわたり、座学や武術、文化クラブ活動などの訓練を行う
このプロセスを経て、警察署で研修を行い、ようやく警察官としてスタートを切ることになります。
まとめ
今回は警察官の年収を、初任給やボーナスについても触れながら解説しました。
警察官は他の公務員と違い、身体条件も課されます。また、向き・不向きが明確であり、高い志がなければ定年まで続けていくのが難しい職業でもあります。しかし世の中にはなくてはならない仕事であり、高い平均年収を上回るやりがいもあります。興味がある人は、ぜひ公務員試験にチャレンジしてみましょう。