日本の生産技術の高さは世界にも認められており、開発された新技術を安定した製品にする役割を担っています。しかしそれゆえに、生産技術に関わる仕事は激務であるという噂が流れているようです。そこで今回は生産技術が激務であるか否か、激務と感じた際の対策などについて説明します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
生産技術とは
「生産技術」とは、製品をつくるにあたり生産ラインの設計・管理を行う仕事です。決められた材料を使って製品化するにあたり、品質を担保しながら無駄なく製造できるよう工程を組むのはもちろん、設備の監視・管理も行います。
つまり生産技術とは、モノづくりの司令塔を担う仕事です。
生産技術が激務と言われる理由
日本のモノづくりには生産技術の仕事が欠かせませんが、激務であると言われることが多いです。その理由は複数あります。
ここでは生産技術が激務だと言われる理由を、6つ紹介します。
理由①|残業・休日出勤が多い
生産技術が技術系職種の中でも残業が多いと言われるのは、製造ラインでトラブルが発生すると、勤務時間に関係なく対応を迫られるからです。1日・1週間・1ヶ月の単位で製造ノルマが設けられており、達成しなければなりません。
さらに製品には納品日があらかじめ設定されているため、何があってもそれを守る必要があります。そのため、おのずと残業や休日出勤が多くなる傾向にあります。
理由②|危険な作業も多い
勤務する工場にもよりますが、生産技術には「溶接」「プレス」「せん断」といった危険な作業が含まれます。前述した通り、生産技術は残業や休日出勤が多いことから、寝不足や疲労により事故が起こることもあります。
危険な作業を行っている際に事故が起こると、大けがをする可能性が高いのは事実です。
理由③|ノルマ・納期を守るのが大変
生産技術の仕事は、製造工程にどんなトラブルがあったとしても、納期を守らなければなりません。納品にあたっては数だけでなく、品質を担保しなければならないため、ノルマが過酷になりがちです。
ノルマや納期が達成できないことで会社だけでなく、その製品を使うクライアントにも損害を与える可能性が高くなります。そのため、他部署からのプレッシャーも大きくなりがちです。
理由④|常に板挟みの状態
生産技術の仕事は、自分だけで完結しません。効率のいい生産ラインの設計や設備の組み立て、稼働テストでできた製品の品質チェックなど、様々な立場の人と協働する必要があります。またエンジニアは職人気質の人が多数です。
そのため生産技術の担当者は、製品設計者と製造ラインで働くスタッフとの間で板挟みになることが多いのです。それが大きなストレスになるケースが見られます。
理由⑤|僻地への出張が多い
製造業で利益を生むためには、製造コストを下げる必要があります。そのため、国内であれば土地の安い地方に工場を建てることが多いものです。
製品によって製造ラインを変える必要があるため、視察や稼働テストなどを行うために、僻地に出張することが少なくありません。地方への日帰り出張が多くなると、心身に負担がかかりがちです。
理由⑥|工場内の仕事環境が悪い
生産技術の仕事は、工場内で行います。製造している製品にもよりますが、工場内は仕事環境が良い場所とは言えません。
機械の部品などを製造している工場には油の匂いが充満していますし、夏でも冷房がききにくく汗臭さが漂うこともあります。このような仕事環境をきついと感じる人も、少なくありません。
生産技術でも特に激務で忙しい時期
生産技術の仕事が特に忙しいのは「新工場を立ち上げる」「設備トラブルが発生する」時です。
工場の立ち上げの際、製造ラインの設計に合わせて設備を組み立てますが、テスト稼働がうまくいかず調整に時間がかかることがあります。
また稼働した製造ラインで設備トラブルが発生した場合、修理しなければならず、ノルマを圧迫します。
生産技術は激務な一方、いいところもある
生産技術が激務といわれる理由がいくつもあることがわかり、生産管理として働くことを躊躇する人もいるかもしれません。他の技術職と比べると激務に感じるかもしれませんが、生産技術ならではのメリットもあるのです。
ここでは生産技術の良いところについて、紹介します。
海外に行くチャンスも多い
海外でも事業展開している企業の場合、国外に製造工場を建設することがよくあります。
海外での新工場を立ち上げでは製造ラインをつくるだけでなく、外国人労働者の指導も担うため、長期滞在できる可能性が高いと言えます。
海外に行くチャンスが豊富なのが魅力です。ただし、工場は僻地に建てられることが多いということも覚えておく必要があります。
厳しいからこそ得られる能力もある
生産技術の中でも「生産管理」の仕事では材料の在庫管理や製品の品質管理など、企業の利益に直結する業務を担います。そのため製造部門だけでなく、設計や開発とも密接に関わりながら仕事を進めなければなりません。
さあにノルマを達成できるよう現場の要望を先回りして伝えることが求められるなど、コミュニケーションスキルが磨かれます。業務を通して得られる能力や経験は、その後のマネジメントに役立ちます。
生産技術が激務でしんどい時の対策
生産技術は激務に感じることはあっても、やりがいがある仕事でもあります。そのため、生産技術の仕事を続けるためにも、しんどいと感じた時の対処法を身につけておきたいところです。
ここでは生産技術がしんどいと感じた時の対処法を3つ、紹介します。
スキルを上げて適応する
生産技術は、経験の差が仕事に表れやすいものです。同じ作業をしていても、かかる時間や品質の差が出るのは、個人のスキルに違いがあるからです。
そこで技術者としてのスキルアップし、時間短縮や質の向上を実現するのがおすすめです。仕事に関連する本を読んだり、先輩の話を聞きスキルアップをはかりましょう。
適性のある部署への異動を希望する
生産技術の仕事が合わないと感じたら、他部署への異動を申し出るのも選択肢の一つです。しかし一度生産技術に配属された社員が、設計や開発に異動できる確率はかなり低いと言われています。
そこで生産技術での知識と経験を生かして、営業職に異動することをおすすめします。製造工程や品質に対する自信を理論的に語れるのが、営業職として役立つことが多いからです。
転職する
生産技術の仕事に適性が感じられず、異動願いも受理されない場合は、転職を考えた方がよいかもしれません。合わない仕事を無理に続けてうつ病を発症してしまうと、その後の社会復帰に長い時間がかかるからです。
しかし生産技術の仕事をしながら転職活動を行うのは難しいので、エージェントの活用などを検討しましょう。
生産技術以外の理系職との比較
生産技術の平均年収は、490万円と言われています。残業や休日出勤は多いものの、「品質管理」や「品質保証」「生産管理」「研究開発」といった部署へ異動できる可能性があります。
ここでは生産技術以外の理系職である、「研究職」「開発・設計職」「生産管理職」を取り上げて比較してみます。
研究職
研究職とは製品や技術を開発するため、材料・設備・システム・プロセスなどについて研究する仕事です。
- 研究職の平均年収は572万円
- 研究職は納期があるわけではないので、それほど忙しくない
- 研究職は研究を続けるだけでなく、管理職や営業職としてキャリアを積むことが可能
研究職は勤務という意味では激務ではありませんが、成果をあげることが求められます。成果があがらなければ、異動させられることも考えられます。
開発・設計職
機械の開発・設計職とは、製造ラインで使う設備のメカニズムを考え、設計をする仕事です。
- 開発・設計職の平均年収は491万円
- 開発・設計職は社内で締切を設けられた時は激務になる
- 開発・設計職は実務を続けるだけでなく、管理職や企画職としてキャリアを積むことが可能
開発・設計職は現場である生産技術部門も含めて、協働しながら仕事を進める必要があります。工場の立ち上げなど、納期が設けられる中で調整する仕事も多く、マネジメントスキルが磨かれます。
生産管理職
生産管理職とは製品の販売計画から生産・出荷までの体制を整え、それぞれの部門を管理する仕事です。
- 生産管理職の平均年収は450万円
- 生産管理職はそれほど残業や休日出勤がないため、激務とはいえなし
- 生産管理職は管理職にキャリアアップするのが一般的
生産管理職は幅広い知識が求められるため、スキルアップのための勉強が欠かせません。しかし、関係部署との調整が多い仕事なので、自然にマネジメントスキルが身につくことはメリットです。
まとめ
生産技術の仕事は製品をつくるうえで重要な役割りを担っているにも関わらず、年収が高いとは言えません。しかし製品づくりの司令塔として、関連部署と調整しながら仕事を進めた経験によって、危機管理能力やマネジメントスキルが養われるというメリットもあります。自分を成長させたいと考えているなら、生産技術の仕事に就くのもおすすめです。