エンジニアとして働く時の選択肢として”派遣”という働き方があります。近年エンジニアの需要も増えていることから、興味のある人も多いのではないでしょうか。一方で注意したいポイントも多い為、慎重に検討する必要があります。このページでは派遣社員のメリットやデメリット、派遣会社を選ぶポイントなどを紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
技術者派遣とは
技術者派遣は派遣会社がエンジニアを自社の社員として雇い、企業に派遣する業態のことです。 大手メーカーやIT会社では、人件費を削減するため、実際に手を動かすエンジニアは、派遣会社に外注することが多いです。
技術者派遣の種類
一言に”人材派遣”といえど、その働き方は大きく”登録型派遣”と”常用型派遣”の2種類に分かれています。この仕組みは少し複雑で違いがわかりにくいため、”登録型派遣”と”常用型派遣”について詳しく解説しています。
登録型派遣
登録型派遣は、求職者が派遣会社にエントリーし、派遣会社からお仕事を案内され雇用契約を結ぶ形態です。派遣先での就業期間が終了したら雇用契約は終了となります。後で同じ派遣会社からまた別の派遣先へに派遣される場合は、改めて派遣会社と雇用契約を結ぶことになります。
常用型派遣
常用型派遣は、派遣会社が常時雇用する社員を企業に派遣する仕組みです。派遣先での就業期間が終了してからも派遣会社との雇用関係は続き、新たな企業に派遣されます。新たな派遣先が見つからない間も、派遣会社から給与が支払われます。
他の契約との違い
SES、派遣、請負は、似ている部分は多いですが、実際の定義は全く違います。具体的には、指示命令権は雇用先と就業先のどちらにあるか、報酬が何に対して払われるかなどの違いで、これによって働き方も大きく変わってきます。
技術者派遣とSES契約の違い
SESとは、システムやソフトウェアの開発・保守・運用における委託契約の一種で、社員を企業に派遣して技術提供することです。客先に常駐して仕事をすることは、派遣に近いような感じがしますが、厳密には違います。
SES企業はクライアントが求めるスキルを持つ人をアサインすることが義務となります。指示命令権はSES企業にあるため、休日出勤・残業などの命令はクライアントにはできません。現在、IT企業の多くがSESという契約を利用しています。
技術者派遣と請負契約の違い
請負契約は、成果物に対して代金を支払う契約形態のことを言います。そのため、成果物が不良品だったり、納期遅延があった場合には責任を取らなくてはなりません。
その為、指示命令権もクライアントではなく雇用先の企業にあり、請け負った仕事に対する人員管理やスケジュール管理はすべて請負元企業が決めます。派遣・SESは労働力に対する報酬と責任があるのに対し、請負は成果に対する報酬と責任があるということです。
技術者派遣で働くメリット・デメリット
正社員ではなく派遣会社で働くことを選ぶ際は不安に思うことも多くあるでしょう。派遣という働き方にはデメリットもありますが、メリットも多くあります。自分の理想の働き方やキャリアのイメージと照らし合わせて、プライオリティを付けることが大切です。
技術者派遣で働くメリット
派遣で働くことのメリットとして、正社員よりもより柔軟な働き方ができることが挙げられます。その為、プライベートを重視したい人には向いているといえます。また、技術者として、様々な環境でスキルを身に着けることができることも正社員にはないポイントでしょう。
メリット①|ライフスタイルに合わせて働くことができる
派遣先の企業にはよりますが、正社員よりも派遣の方が、プライベートの時間を優先したい人にとっては働きやすくなることが多いです。育児や介護などでたくさん働けない期間はスケジュールを調整するなどして無理なく働くこともできます。
例えば、システムエンジニアはPCさえあれば自宅でも仕事ができます。就業時間や就業場所などが比較的自由で、正社員よりも気軽に働ける派遣社員を選択をする人が、IT業界では特に増えてきています。
メリット②|様々な環境でスキルアップできる
技術者派遣は期間が終われば契約は切れてしまうため、複数の職場を転々とすることになります。そうすれば業務の内容も変わり、次々に新しい技術を習得することができます。同じ会社で会社で同じの人から指導を受けるのではなく、多くの人と関わり、価値観や技術を学ぶ機会となるでしょう。
また、正社員では昇給するにつれ仕事内容が実務と離れてしまいますが、派遣では技術のプロとしてキャリアアップすることができます。技術者としてスキルアップしたい人には向いているといえます。
技術派遣で働くデメリット
派遣で働くことのデメリットは給与だけではありません。正社員とは経験できる仕事が違う為、転職する際に評価されにくいこともあります。自分のキャリアプランと照らし合わせて慎重に考える必要があります。
デメリット①|雇用が不安定
正社員よりも比較的自由な働き方ができる派遣社員ですが、”非正規雇用”であるため雇用に不安を持つ人は多いでしょう。”派遣切り”という言葉があるように、派遣されているエンジニアは正社員よりもリストラになるリスクが高いといえます。
派遣の場合、雇用契約期間は1〜3年程度になることが多いです。あっていると思う仕事に出会えても、長くて3年で次の仕事を探さなければなりません。すぐに次の仕事が見つかる保証もないですし、環境がわかることでストレスを感じる人もいるでしょう。
デメリット②|責任のある業務を任されにくい
派遣社員は、クライアント企業の中では弱い立場にあることが多く、重要な業務を任されることが少ない傾向にあります。派遣先企業の若手の正社員が責任ある大きな仕事を任せられている中で、派遣社員の業務は彼ら支援が中心となります。
重要な業務をやり切ればキャリアにおいても大きな成果といえますが、その機会が極端に少ない派遣社員は収入も上がりにくいです。派遣社員で技術力を身に着け、そのスキルをもって正社員に転換・転職を狙うのも良いでしょう。
技術者派遣の単価
専門的なスキルを持つ技術者は企業からのニーズが高く、派遣の中でも”エンジニア”の平均単価は高くなっています。エンジニアの為に企業が派遣会社に支払う単価は、事務職のおよそ3倍と言われています。
中でもITエンジニアは高単価を更新し続けていて、正社員より稼ぐ派遣社員も珍しくありません。具体的には、プロジェクトマネージャーの参考時間単価は約7,000円、システムアーキテクチャ設計のスキルを持つエンジニアの参考時間単価は約5,600円と言われています。
技術者派遣会社を探す際の注意点
派遣会社で働く場合に気を付けたいポイントは、正社員の時と大きく違います。同じ就業先で同じ仕事をしていても、雇用されている派遣会社によって条件が違うことがあります。派遣会社を探す際には細かい条件や実際に働いている人をしっかり確認しておきましょう。
注意点①|就業条件が希望に合うか
派遣社員に限ったことではありませんが、就業条件は事前にしっかり確認しておきましょう。上で説明した、登録型なのか常用型なのかはもちろん、派遣なのか、請負なのかといった契約内容も理解しておくようにしましょう。
仕事内容や、給与、休みなど正社員とは異なる部分もある場合が多い為要注意です。特に給与は、交通費が出るかや賞与が出るかなども確認しましょう。基本給だけを見て判断しないことが大切です。
注意点②|きちんと担当コーディネーターとコミュニケーションが取れるか
派遣として働いていると、派遣先トラブルが起こることもあります。そんな時に担当のコーディネーターがしっかり話を聞いてくれるのか、真摯に対応してくれるのかどうかは重要なポイントです。
中には、派遣スタッフの就業先が決まるとその後は放ったらかしで、何のフォローもないといった担当コーディネータも多いです。些細なことでも気軽に相談できる人物かどうかは事前に確認しておきましょう。
技術者派遣会社三選
就業先以前に派遣会社選びが大切であると上で説明しましたが、具体的にどんな会社があるのでしょうか。次では、有名なエンジニア派遣事業を行う会社を3つ紹介しています。派遣会社選びの参考にしましょう。
メイテック
メイテックは”生涯エンジニア”にこだわり、正社員エンジニアとして60歳定年に到達する人々を毎年輩出しています。そのため、個々の技術力の向上に非常に力を入れていて、研修や教育、他エンジニアとの交流の機会が充実していることが特徴です。
機械設計や電気設計といった”設計業務”がメインの為、設計を経験したい理系出身者に特におすすめです。
WDBホールディングス株式会社
WDBホールディングス株式会社は登録者は12万人以上、約1600お取引先民間企業・大学・公的機関数を誇る、研究職に特化した人材派遣会社です。圧倒的な規模の為、自分に合う就業先も見つかりやすいでしょう。
業務量の増減に合わせ、必要なときに必要な人数の人員配置をする登録型派遣、正社員として採用した人材を長期間派遣する、正社員派遣、直接雇用を前提として人材を派遣する紹介予定派遣など、様々な仕組みで技術者を派遣しています。
株式会社アルプス技研
株式会社アルプス技研はクライアントのニーズに合わせて、エンジニアで構成されたチームで業務を行う仕組みを作っており、チームリーダーがメンバーの業務管理をします。化学分野の仕事はほとんどなく、95パーセント以上を機械・電気・ITが占めています。
創業50年を迎え、エンジニア派遣の会社にしては珍しく、古き良き雰囲気があることが特徴です。変化の多い環境よりも安定した雰囲気の中で働きたい人に向いているでしょう。
自分に合った技術者派遣会社を見つけることが重要
派遣会社選びはとても大切です。クライアントから見た場合、派遣会社によるイメージも定着していてそれなりの扱いを受ける可能性もあります。情報保護、キャリア形成等の観点から、優良と認定された派遣会社は”優良派遣事業者”の認定を受けられます。一つの目安にしてみるのも良いでしょう。
まとめ
エンジニアの需要は年々増加していて、それに伴って技術者派遣という働き方も一般的となってきています。正社員よりも柔軟な働き方ができる一方、中には正社員以上に稼ぐ人もいます。しかし、注意したいポイントも多い為、慎重に検討する必要があります。