「ビルメン」と聞いて思い浮かぶものは何でしょうか。きつい、底辺の仕事などネガティブなイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、実際何をしているのかを理解している方は少ないのではないでしょうか。今回はそんな謎の多いビルメンの仕事内容や年収、おすすめの資格などについて徹底解説していきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
ビルメンとは
ビルメンとはビルメンテナンスの略で、その建物を快適に利用するための維持管理を行う仕事です。
業務を行う場所は、オフィスビルや大型商業施設、病院など規模の大きな施設である場合が多いようです。
というのも、一定規模のビルは「ビル管理法」という法律に基づいて管理や点検をする義務があり、専門的な知識や技術が必要になります。
そこで、ビルの経営者はビルメンテナンス業務を行う会社に専門作業を依頼するのです。
表立って活躍する仕事ではありませんが、利用者の安全や快適さを支える、縁の下の力持ちのような仕事であると言えるでしょう。
ビルメンの仕事内容
ビルメンの仕事はビルの管理であると前項でご説明しましたが、本項ではさらに具体的な仕事内容についてお話していきます。
インターネットなどでは「ビルメンの仕事は楽」などとも言われますが、実際はどうなのでしょうか。
ビルメンの仕事は、以下のようにどちらかというと地味な業務が多いものの、利用者たちが安心して使用できるビルにはなくてはならない存在です。
ビルメンテナンス業界への就職、転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
仕事①|清掃・衛生管理
ビルメンの業務のひとつは清掃および衛生管理です。
ビルメンと聞いて、ビル内の清掃や窓拭きを思い浮かべた方が多いように、これらは普段私たちが目にすることが多い業務のひとつです。
ビルメンテナンス会社が清掃を行うビルは、オフィスや商業施設、ホテルなどですが、どの施設も清潔感が重要視される場所です。
こうした施設の快適さは、ビルメンテナンス業に従事する方が維持しているのです。
「清掃」というと誰でもできるような印象を受けるかもしれませんが、広い施設を限られた時間内で全て清掃するには技術が必要です。
ビルメンはそうした技術を身に着けたプロフェッショナルなのです。
仕事②|各設備の点検
オフィスビルや商業施設には多くの設備があります。空調設備、給排水設備、電気設備など、快適な利用には欠かせないものばかりですが、それらの点検をするのもビルメンの仕事です。
良い設備が導入されていても、使いたいときに機能しなければ利用者が困ってしまいますし、消防設備が作動しないなどということがあれば、利用者の生命を脅かすことにもなりかねません。
利用者が安全に、いつでも施設を使えるよう環境を整えておくのもビルメンの役割なのです。
その施設に異常がなければ、ビルメンテナンス業を行う方は表に出てきませんが、利用者が問題なく各設備を利用できているときこそ、その裏ではビルメンが活躍しているのです。
仕事③|設備のトラブル対応
点検や巡回などで設備に何らかの異常があった場合、ビルメンはそれらの解決にあたります。
まずは問題の原因を究明し、場合によっては専門の業者を呼ぶなどして修繕を行います。
ビルメンテナンス会社によっては、それらの対応を24時間体制で行っているところもあり、その場合は深夜や早朝の対応をすることもあります。
しかしながら、休憩や仮眠の時間はしっかりと確保されていますので、肉体的に大きな負担にならないための配慮は十分されているといえます。
その他の仕事
上記以外のビルメンの仕事には以下のようなものがあります。
- 次の勤務者への引継ぎ
- 工事会社とのやり取り
- クレーム対応
- 警備
順番に説明していきます。
まず、引継ぎに関してですが、ビルメンはシフト制での勤務になる場合がほとんどですので、次の勤務者に業務の引継ぎをして、ビルの管理や点検が滞りなく行われるよう配慮をする必要があります。
また、商業施設などのビルメンテナンス業に従事する場合、空きテナントの工事や既存のテナントの改装をする業者との打ち合わせも業務のひとつです。
さらに、利用者からのクレームがあれば、ビルメンがその解決に当たる場合もあります。
最後に、所属している企業によって異なりますが、ビルの管理に加えて警備も行うビルメンテナンス会社の場合、業務内容のひとつに入ってきます。
ビルメンにオススメの資格4選
ビルメンとして働くために必ず必要な資格はありません。無資格であっても、ビルメンとして働くことはできます。
しかし、以下の資格を持っている場合、業務の幅が増え、より待遇の良い会社で働くことができたり、高収入を得ることができます。
また、未経験でビルメンテナンス業界へ転職をする場合は、資格を持っていた方が有利になります。
このように、ビルメンテナンス業界は資格で評価される業界であり、昇進や昇給の条件になっているケースもあるので、ビルメンとして就職することを検討している方は取得を検討してみてください。
資格①|第二種電気工事士
まずは文系の方にもおすすめできる資格からご紹介していきます。
ビルメンの仕事内容は各種設備の点検やトラブル対応といったものを含むので、理系の仕事であるという印象を抱いた方もいるかもしれませんが、文系の方でもビルメンになることは可能です。
文系の方が有利に就職活動を進めようと思った場合、第二種電気工事士がおすすめです。
第二種電気工事士の資格を持っている場合、600ボルト以下で受電する場所の配線作業や電気工事を行うことができ、実務にも使える資格となっています。
文系でも勉強をすれば取得が可能ですので、ぜひ取得を目指してみてください。
資格②|危険物取扱者乙種第4類(危険物乙4)
この資格はビルメンとして働く上で、いわば入門的なもののひとつです。
ビルの管理になぜ危険物取扱者の資格が必要なのかと疑問に思われた方もいるかと思います。
しかし、ビルなどの建物に設置されているボイラーや非常用発電機の燃料は「重油」や「軽油」である場合が多いため、その取り扱いをするにはこの資格が必要なのです。
特に非常用発電機は一定の規模の建物には設置義務があるため、持っているだけで業務の幅を広げることができます。
危険物乙4の資格は誰でも受験することができ、また合格率も30〜40%と低い数字ではないので、業界未経験者や初心者の方にもおすすめの資格です。
また、危険物取扱者の中で最も人気のある資格ですので、参考書の数が多いことも、取得をおすすめする理由です。
資格③|2級ボイラー技士
2級ボイラー技士は、ボイラーの取り扱いに必要な資格です。
合格すると伝熱面積の合計が25平方メートル未満のボイラー取扱作業責任者として業務を行うことができます。
冷暖房や給湯用のボイラーは多くの建物に設置されていますが、それらを取り扱うためにはこの資格が必須です。
また、以前にご紹介した「危険物取扱者乙種第4類」、「第二種電気工事士」、それから「第三種冷凍機械責任者」に本資格を加えた4つを総称して、「ビルメン4点セット」と呼んだりします。
資格④|第三種電気主任技術者
最後にご紹介するのは難関資格である第三種電気主任技術者です。
受験資格はなく、誰でも受験できる資格ではあるものの、年に1度しか開催されない試験である上、毎年の合格率も10%以下。
しかし、その分社会的ニーズのある資格です。
ビルメンテナンス業界においては、一定規模のビルや施設を管理する上で、第三種電気主任技術者が必ず必要になるため、企業にとっては本資格の保有者は、魅力のある人材であると言えます。
就職および転職で有利に働く資格ですので、自身の市場価値を高めたい方は取得を目指すのも良いでしょう。
参考:電気技術者試験センター公式ホームページ
ビルメンの年収は287万円
求人・転職サイト「はたらいく」が公開しているデータによると、ビルメンテナンスの平均年収は287万円、平均月収は20万円ほどのようです。
多くはないと感じる年収ですが、前述のように、ビルメンテナンスは資格の有無が給与に大きく関わってくる仕事ですので、自分の頑張り次第で年収を上げることができます。
逆に資格がなければ年収も上がらないので、サラリーマンのように年齢と共に給与が上がるような給与形態にはなっていないことが多いので、注意が必要です。
ビルメンに向いている人・向いていない人
ビルメンの業務内容について理解していただいたあとは、どのような人がビルメンに向いているのか、あるいは向いていないのかについて解説していきます。
社風や実際に働く現場によって左右されることも多いので、ご紹介するのはあくまでも目安にはなりますが、ビルメンテナンス業界への就職を検討している方はぜひ目を通してみてください。
ビルメンに向いている人の特徴
まずはビルメンに向いている人の特徴です。
ビルメンとして働く場合、以下の特徴を有している方は有利になるかもしれません。
特徴①|勉強が苦にならない
ビルメンの仕事は資格を取ることで業務の幅が広がり、昇給をすることができるものです。
そのため、ビルメンとして働くためには、自分自身で向上心を持って、積極的に資格の取得を進める必要があります。
また、業務に関しても専門知識がいるものばかりですので、学び続ける姿勢がない方には厳しいと言えるでしょう。
資格取得、あるいは専門知識の理解を深めるためなどのために努力を惜しまない方はビルメンに向いていると言えるのではないでしょうか。
特徴②|不規則なシフト制勤務に耐えられる
業務を行うビルや施設にもよりますが、ビルメンテナンス業務は24時間体制で行っていることがあります。
ときには業務時間が深夜あるいは早朝になる場合もあるので、もちろん休憩などはあるものの、そういった働き方を許容できない方は注意が必要です。
勤務が不規則であっても、コンスタントに業務を行うことができる能力がビルメンには求められるのです。
ビルメンに向いていない人の特徴
続いてはビルメンに向いていない人の特徴についてお話ししていきます。
特徴①|ルーティンワークが苦手
ノルマや目標が明確にある営業職などとは違い、ビルメンの仕事はどちらかというとルーティンワークであることが多いです。
資格取得を進めることで資格手当が付き、昇給をすることはできますが、それはあくまでも個人がそれぞれ行うことですので、全員で一丸となって目標達成に向けて業務を行うといったことはあまりありません。
そういったノルマや目標を達成することにやりがいを感じる方にとっては、ルーティンワークが中心のビルメンの仕事は向いていないかもしれません。
特徴②|人と接することが苦手
ここまでビルメンの仕事を紹介してきましたが、その業務内容から、点検や整備を黙々とひとりで行う仕事という印象を持った方も多いかもしれません。
しかし、それだけがビルメンの仕事ではなく、修理会社や工事会社と打ち合わせをするなど、意外に人との関わることが多い仕事です。
また、利用者の安心や安全のために業務を行うという点では、ビルメンはサービス業であるともいえます。
利用者に対するおもてなしの心を持って業務にあたることができなければ、ビルメンとして働いていくことは難しいでしょう。
ビルメンのやりがい
最後はビルメンの仕事のやりがいについてお話ししていきます。
普段、一般の方にはその業務の実態が見えにくいビルメンですが、一体どのようなやりがいがあるのでしょうか。
やりがい①|自分がビルの利用者の安全を守っているのだという使命感
ビルメンの業務は前述のように、決して派手な仕事ではありません。
そのため、トラブルが起きたときなどの緊急時を除いて、利用者の目に触れにくい仕事でもあります。
しかし、彼ら無くしてはビルの快適さや安全を維持することはできません。彼らが日々行なっている点検や巡回など、ひとつひとつの業務が利用者を陰で助けているのです。
そうした利用者を守っているという使命感はビルメンテナンスの仕事を通して感じるやりがいのひとつと言えます。
やりがい②|資格を取得することで出世や昇給がある
仕事を選ぶ上で、業務内容に興味が持てるかを指針としている方もいるかと思いますが、中には昇給をモチベーションにしている方もいるでしょう。
ビルメンテナンスの仕事は、そういった方でもやりがいを感じることができるものだといえます。
企業にもよりますが、ビルメンテナンス事業を行う会社では、業務に役立つ資格の取得が出世や昇給の条件になる場合があります。
そのため、頑張った分は給与に反映されて欲しいという方はビルメンにpとして働くことを検討するのも良いでしょう。
まとめ
普段、私たちが目にする機会が少ないビルメンの業務ですが、利用者が快適かつ安心して施設を使うためには、必要不可欠です。インターネット上ではネガティブなイメージが強いビルメンですが、頑張った分が給与に反映されるなどの魅力もある職種ですので、興味のある方は説明会などに足を運んでみてはいかがでしょうか。