読売新聞、東急電鉄、東芝など名だたる大企業を親会社とするハウスエージェンシーはその安定性と給与水準の高さから広告業界の中でも人気を博しています。今回はハウスエージェンシーの特徴や入社する方法について紹介します。内定競争倍率が高い業界なので、新卒での入社や転職を考えている方は是非参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
ハウスエージェンシーとは
特定の企業を広告主とし、その広告主の専属として広告事業を行っている会社をハウスエージェンシーと呼びます。
ハウスエージェンシーは大企業の中の部門の一部である広告宣伝部が独立分社化されているケースが多いです。
メーカーや鉄道がハウスエージェシーを持つ傾向にあります。商品・サービスが長く世の中で利用されることも関係しているかもしれません。
以下は日本を代表する大手企業のハウスエージェンシーです。
- 株式会社デルフィス(トヨタ自動車)
- 株式会社アイプラネット(三菱電機)
- 株式会社フロンテッジ(ソニー)
これらの会社はそれぞれの広告主と専属契約の形でその会社の広告事業ののみを引き受けますが、中には専属企業以外の案件も受けて、総合広告代理店の役割を果たすハウスエージェンシーも存在します。
ハウスエージェンシーと総合広告代理店
ハウスエージェンシーと総合広告代理店は同じ広告事業を営んでおりますが、大きな違いが存在します。ここではハウスエージェンシーと総合広告代理店のそれぞれの特徴と違いを紹介していきます。
ハウスエージェンシーの特徴
ハウスエージェンシーは専属で特定の事業会社の広告事業を独占的に請け負うので、クライアントは基本的に専属契約しているクライアントのみになります。
専属であるがゆえにその業界を隅々まで、親会社の製品・サービス、ビジョンを熟知することができます。そのために親会社も広告事業を頼みやすく、かつ他の広告代理店に頼むよりも手数料が安く上がることがほとんどです。
一方でハウスエージェンシーの場合はコンペティションを行うことなく、案件を受注することができるため、試行錯誤や革新性を求められる機会が少ないです。
安定的に案件が回ってきますが、裏を返すとこれまでにない斬新的な企画が採用されることは少ないと言えます。
総合広告代理店の特徴
総合広告代理店はクライアントと専属契約を結ばずに様々な業界、業種のクライラントの広告事業を引き受けています。
あらゆるメディア媒体を総合広告代理店は取り扱っているので、クライアントのニーズに対して様々な角度での広告戦略の提案をすることができます。
総合広告代理店はプロモーション案件を受注するには基本的に競合他社とのコンペティションに勝つ必要があるので、常に他社にはないアイディアや企画を試行錯誤して生み出す必要があります。その分大変ではあるものの、やりがいを感じることができるでしょう。
ハウスエージェンシーと総合広告代理店の違い
以下の点がハウスエージェンシーと総合広告代理店の違いとして挙げられます。
上記で紹介したそれぞれの特徴を表にまとめました。ハウスエージェンシーにも総合広告代理店にもそれぞれ強み・弱みがあるので、選考を受ける前に把握しておきましょう。
ハウスエージェンシーを取り巻く風潮
ハウスエージェンシーは親会社から継続的に受注をもらえる点がメリットだと述べましたが、昨今の不況によってそうも言っていられなくなりました。
不況の厳しい中で、親会社たちはよりシビアに広告にも結果を求めるようになったからです。「ただ身内で仕事を回すくらいなら、他の広告代理店に発注して質の高いプロモーションを行いたい」という風潮が高まりました。
そのため、ハウスエージェンシーは親会社がついていると安心していられず、競争力を高めなければならなくなったのです。
また、電子化への移行をチャンスにしたのもハウスエージェンシーです。近年、駅構内でデジタルサイネージ(電子ディスプレイ)が見られるようになりました。東急エージェンシーは東急電鉄のデジタルサイネージへの広告受注窓口となることで新たな収入源の確保に成功しています。
ハウスエージェンシーの企業
続いては、新卒採用を実施しているハウスエージェンシーを紹介します。
- JR東日本企画
- 東急エージェンシー
- 読売IS
- デルフィス
- クオラス
- NTTアド
- フロンテッジ
- アイプラネット
- 朝日広告社
それぞれのハウスエージェンシーの特徴や親会社について、以下で説明します。
JR東日本企画
以下の表はJR東日本企画の公式HPを参考に作成したものです。
JR東日本企画はJR東日本を親会社とするハウスエージェンシーです。
JR東日本が専属クライアントでありながら、一般企業にも提案をしており、主にJRの駅構内のデジタルサイネージや駅ポスターの広告枠の取り扱いをメインに行っています。
東急エージェンシー
以下の表は東急エージェンシーの公式HPを参考に作成したものです。
東急エージェンシーは東急電鉄を親会社とするハウスエージェンシーです。
東急電鉄の管轄する東京・神奈川では存在感を示していますが、JRに比べるとその存在感は霞んでいるのも事実です。そのため、早い段階から一般企業に対しての提案活動を進めています。
業界での売上順位も高く、プロモーションの質にも定評があります。そのため、就活でも人気が集中しやすい企業です。
読売IS
以下の表は読売ISの公式HPを参考に作成したものです。
読売ISは読売新聞東京本社を親会社とするハウスエージェンシーで、折り込み広告のリーディングカンパニーとして広告業界で確固たる地位を築いています。
新聞媒体が持つ地域に密着したプロモーション活動においては長年の実績から他の広告代理店の1歩先をゆく提案活動を行っています。
デルフィス
以下の表はデルフィスの公式HPを参考に作成したものです。
デルフィスは日本が世界に誇る自動車メーカーであるトヨタ自動車を親会社とするハウスエージェンシーです。
トヨタグループ全体の広告事業を一手に引き受けているので、自動車業界の広告事業では圧倒的な存在感があります。
トヨタ自動車の規模は大きすぎるので、デルフィスだけでは請けきれない分を他の広告代理店に発注することもよくあります。
クオラス
以下の表はクオラスの公式HPを参考に作成したものです。
クオラスはフジサンケイグループを親会社とするハウスエージェンシーです。
映画・音楽・アニメ・ゲームなどのエンタメ業界に特化しており、グループ内の様々なメディア媒体を使うことができるのが特徴です。
NTTアド
以下の表はNTTアドの公式HPを参考に作成したものです。
NTTアドはNTT(日本電信電話株式会社)を親会社とするハウスエージェンシーです。
NTTグループの全ての広告事業を手掛けていますが、その他に一般企業や観光庁などNTTグループ以外の広告を手掛けることが増えています。
フロンテッジ
以下の表はフロンテッジの公式HPを参考に作成したものです。
フロンテッジはソニーと電通の合同出資により設立されたハウスエージェンシーです。広告を出す立場のメーカーと広告を生み出す側の広告代理店の2つが合わさり誕生した企業です。
アイプラネット
以下の表はアイプラネットの公式HPを参考に作成したものです。
アイプラネットは三菱電機を親会社とするハウスエージェンシーです。三菱電気グループの全ての広告事業を引き受けていますが、一般企業の広告やプロモーションにも営業活動を広げています。
広告宣伝から、セミナー・展示会などの販促領域まで一貫して請け負うワンストップのソリューションを提案しています。
朝日広告社
以下の表は朝日広告社の公式HPを参考に作成したものです。
朝日広告社は朝日新聞社を親会社であり「朝日新聞」のメディア媒体を有しているため、朝日広告社は優先的に影響力のある新聞媒体を利用できるため特定媒体社系の広告代理店に区分されます。
朝日広告社も例年就活生から人気ですが、新聞の売上低下とともに今後どう舵を切っていくのかに注目が集まっています。
ハウスエージェンシーに就職する為の知識
これまで、ハウスエージェンシーと広告代理店の違いと具体的な会社をいくつか紹介してきました。
ここでは具体的にどうすればハウスエージェンシーに入社できるのか、ハウスエージェンシーの年収と労働時間も合わせてご紹介していきます。
ハウスエージェンシーに入社する方法
ハウスエージェンシーに入社する方法は通常の新卒採用とポートフォリオや過去の自身の実績を基とする転職の2つの方法が存在します。
ハウスエージェンシーの新卒採用
ハウスエージェンシーは他の企業と同様に新卒採用を行っていますが、華やかなイメージのある広告業界に位置します。
大手企業との専属契約という安定基盤を有することから倍率の高さが1000倍以上になるほどの人気業界です。
広告業界特有の理不尽な採用基準やコネ入社の文化も根強く残っており、新卒採用で内定を勝ち取るには自身の能力の他に学歴や人脈などが必要な要素となっています。
採用方法も実戦形式のテストや課題に対してキャッチコピーを考えるなど他の業界とは異なる形式を取り入れています。
ハウスエージェンシーへの転職
ハウスエージェンシーに未経験者が転職をするのは極めて難しいと言えるでしょう。なぜならハウスエージェンシーは即戦力を求めており、未経験者を採用するメリットが存在しないからです。
そのため、ハウスエージェンシーへの転職には自分のスキルを示すポートフォリオや過去の実績と経験が必要不可欠です。
クリエイター職であれば、自らが生み出した企画やアイディアをポートフォリオとして準備しましょう。
営業職などであれば、どんな広告を扱っていてどんな媒体に強く、どんなクライアントを有していたかを伝えることができれば、あなたの経験に対して採用する価値を見出してもらうことができます。
ハウスエージェンシーの年収
ハウスエージェンシーは親会社との専属契約である点に加え親会社から出向社員も多いことから、年収は親会社の年収水準と同等であることもめずらしくないようです。
ハウスエージェンシーの親会社は日本を代表する大手企業であり、これらの大手企業の年収水準と同等であることからハウスエージェンシーの年収は高めであると言えるでしょう。
ハウスエージェンシーへの就職や転職を考えている場合は希望する会社の親会社の年収にも目を通しておくのがお勧めです。
ハウスエージェンシーの労働時間
ハウスエージェンシーは広告業界に位置することから労働時間は基本的に長いです。
クライアントの時間に合わせる必要があるため、深夜でもクライアントから連絡が入ると対応せざるを得ず、特に納品前は作品が完成するまで残業をする必要があるため必然的に労働時間は長くなります。
ただし、電通や博報堂などの独立系総合代理店に比べると、クライアントが専属であり、コンペティションが少ないことから業務時間は短いです。
まとめ
この記事ではハウスエージェンシーの特徴と入社する方法を紹介しました。
親会社の安定基盤と年収の高さから華やかなイメージを持っていますが同時に内定競争倍率が高く、入社後の労働時間の長いなどの側面も持ち合わせています。
ハウスエージェンシーへの就職を考えている方は事前にその会社の特徴を把握するだけでなく親会社の動向をしっかりと情報収集しておくことが肝心です。