【2020年版】広告代理店業界大手をランキング形式で紹介!

広告代理店を目指すなら大手に行きたいと考えるのは当然のことです。ランキングで上位の広告代理店である電通、博報堂から順番に受けていく就活生も多く、それぞれの違いを明確に把握しておくことが大切です。面接で聞かれる「なぜ他じゃなくてうちなのか」という問いに答えられるようになるためにも、広告代理店上位3社の特徴を理解しておきましょう。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

広告代理店業界の概況

まずは広告業界の概況を把握しておきましょう。

広告業界はインターネット広告の台頭もあり、めまぐるしく変化しています。まさに過渡期と言えるでしょう。

目次

現状と動向

電通が毎年発表している「日本の広告費」によると、2018年の日本の総広告費は6兆5,300億円であり、前年比102%の成長率でした。

特にインターネット広告の成長が著しく、1兆7,589億円で成長率が前年比116%です。地上波テレビ広告の規模が1兆7,848億円であり、インターネット広告費がマス広告費を抜くのも秒読みです。

広告代理店のランキングは「1位電通、2位博報堂、3位ADK」と並んでいるものの、インターネット広告代理店を含めるとサイバーエージェントがADKよりも上にランクインします。

以下のランキングからもわかるように広告代理店売上トップ10にインターネット広告代理店が4社も入っているように、今後インターネット広告がますます勢いを増すことが予想されます。

2018年度 広告代理店売上ランキング

引用:シンアド転職agent 《2019年4月最新版》広告代理店 売上ランキング

市場規模

広告業界の規模は他の業界と比べてそこまで大きくありません。前述したように、広告の市場規模は6兆5,300億円です。例えば、en転職によると「ポケモン」単体のビジネスだけでグローバル売上は6兆円規模にものぼります。

businessnetwork.jpによると、2018年の国内IoT市場は6兆3167億円です。IoTはまだまだ普及途中で世の中に浸透していません。そう考えると、広告業界の市場規模はそこまで大きくないことがわかります。

しかし、広告業は人件費などがほとんどであるため、利益率の高い業態となっています。

広告代理店大手3社

続いては、総合広告代理店主要3社である電通・博報堂・ADKについてそれぞれ紹介します。

それぞれの選考を受けると、必ず「なぜ他社ではないのか」「競合は受けていないのか」と聞かれます。その時に、「自分の中できちんと3社を差別化できている」と理解してもらえるように答えることが大切です。

そのためにも、以下の内容をぜひ参考にしてみてください。

①電通

広告代理店のトップにランキングするのが電通です。広告業界の雄と言われるほどの電通は体育会系の社風が有名で、営業力は文句のつけようがありません。

「電通イージスグループ」として海外の広告会社のM&Aも進めており、女子社員の過労死事件があったもののその勢いは衰えを見せていません。

以下の記事では電通と電通の子会社について詳しく説明しています。企業研究を深めるためにも、ぜひ以下の2記事も一読しておいてください。

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基本データ

電通の公式HPおよび2018年12月期有価証券報告書を参考に作成した基本データが以下です。

引用:2018年12月期有価証券報告書

海外の広告会社の買収により、売上・従業員数とも他と一線を画するほどの規模です。従業員どうしのインターンシップの機会もあり、海外の広告会社で経験を積む機会も積極的に与えられています。

また2018年度は過去最高益を達成しました。今後さらに買収を進め、企業規模を拡大していくことが予想されています。

特徴

電通の特徴は以下の通りです。

  • マス広告(特にテレビ広告)が強い
  • 体育会系な社風
  • 営業力が強み
  • 電通イージスネットワークによって約1000社がグループ会社に
  • 「広告代理店」「広告業」を名乗らない
  • インターネット広告、AI開発や新規ビジネス創出にも注力

電通の特筆すべき点は「広告代理店」「広告業」を名乗らない、言及しないところでしょう。上記でも紹介しましたが、電通は以下のように事業内容を公式HPに記載しています。

「Integrated Communication Design」を事業領域としたコミュニケーション関連の統合的ソリューションの提供、経営・事業コンサルティングなど

マス広告に強い電通は、インターネット広告の台頭を受けて今までのビジネスモデルが通用しなくなることに危機感を感じています。

新しいビジネスモデルの創出し従来のマス広告依存を脱却するため、企業のブランディングやコンサル、AIの技術開発など広告代理店の枠を超えてビジネスの拡大をはかっています。

②博報堂

広告代理店の売上2位にランクインしているのが博報堂です。「粒揃いより粒違い」をスローガンとする博報堂はスマートな社風ながら、個性的な社員を抱えています。

クリエイティブ力にも定評があり、毎年多くの社員が国際的な広告賞に入賞しています。

以下の記事ではより詳しく博報堂の社風や働き方、激務と言われる真相について説明しています。博報堂の選考を受けるなら、以下の記事もぜひ参考にしてください。

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基本データ

博報堂の公式HPおよび2019年3月期有価証券報告書を参考に作成した基本データが以下です。

引用:2019年3月期有価証券報告書

博報堂は港区赤坂に位置する広告代理店で、国内第2位の規模を誇っています。

データにも強く、「博報堂生活総合研究所」では定点的にあらゆるデータを採取し、世の中の流れの変化への理解や未来への予測に役立てています。データや裏付けに基づいて発想する手堅さが博報堂の持ち味でもあります。

特徴

博報堂の特徴は以下の通りです。

  • メディア部門は大公・読売広告社と提携
    (博報堂DYメディアパートナーズ)
  • 落ち着いた社風
  • クリエイティブ力が強み
  • データやテクノロジーを好む傾向にある
  • 海外にも18ヵ国、約90のオフィス
  • データマーケティングを強化中

博報堂は「生活者発想」を社訓とし、「生活に基づいてクライアントの課題を解決する」というベースがあります。

前述した生活社総合研究所のデータやメディア分析とクライアントの顧客データを利用したマーケティングが得意です。

特にデータやテクノロジーに割くリソースが大きくなってきています。新卒採用では「超理系人材」を募集し、データマーケティングに強い就活生への採用意欲を見せています。

海外にもオフィスがあり、諸外国の広告会社とパートナーシップを結んでいるものの、その規模は電通に及ぶものではありません。国外での存在感はまだまだ薄いのが実情です。

③ADK

ADKは総合広告代理店では3位に、インターネット広告代理店も含めると4位にランクインしています。あたたくて人の良い社風が特徴です。営業職の占める割合が上位2社に比べ多く、全社員の6-7割が営業職として働いています。

ADKはコンテンツビジネスに優れています。ドラえもんやクレヨンしんちゃん、ワンピースなどの有名アニメの権利を保有し、関連グッズやイベント、海外への番組販売などを行っています。

また、2017年にADKはアメリカの投資ファンドベインキャピタルに買収され、上場廃止となったことでも大きな注目を集めました。

基本データ

ADKの公式HPおよび2016年12月期有価証券報告書を参考に作成した基本データが以下です。

引用:2016年12月期有価証券報告書

前述した通りADKは上場を廃止したので、最新のデータが2017年と少し古いものしかありません。

イギリスのロンドンに本拠地のあるWPPグループと提携していましたが、欧米と日本との食い違いをうまく調整することができず、よい相乗効果が生まれずにいました。

そこでWPPグループの提携を解消し、日本での広告やマーケティングへの知見があるベインキャピタルに買収されることをADKは選んだのです。

2014年に同じくベインキャピタルに買収されたマクロミルも一度上場を廃止し、2017年には再び上場しました。ADKも同様に、数年後再上場することが見込まれています。

特徴

ADKの特徴は以下の通りです。

  • メディア部門を「ADKマーケティング・ソリューションズ」として子会社化
  • 持ち株会社制に移行
  • ギスギスしていない、あたたかい社風
  • アニメコンテンツが強み
  • 2017年ベインキャピタルに買収される
  • コンサル、プロモーション、クリエイティブにも注力

ADKは「自由」「おだやか」な社風と言われることが多いものの、「ぬるま湯」という声もありました。しかし、近年のADKは買収の件のように抜本的な改革を進め、勢いを増しています。

もともとの強みであるアニメコンテンツはもちろんのこと、コンサルティングファームとしての機能強化や、プロモーション・クリエイティブ分野にも力を入れています。

オフィス内ではフリーアドレス制を取り入れるなど、自由で創造的な雰囲気を社全体で盛り上げようとする機運も高まっています。

まとめ

今回は電通・博報堂・ADKの広告代理店大手3社の特徴について解説しました。

インターネット広告の勢いが増す中で従来の「広告枠を売る」ビジネスモデルが成立しなくなりつつあります。そのため、3社三様ビジネスモデルの転換をはかるためにさまざまな取り組みを行っています。

3社の違いや特徴をしっかりと押さえ、それぞれのビジョンに合わせた志望動機を面接で話せるようにしておきましょう。

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