就活でも滑り止めは常識!企業選びからトラブル回避策まで徹底解説!

滑り止め企業ってどうやって選べばいいんだろう?

滑り止め企業の内定を辞退するとき気まずそうだな・・・

滑り止め企業からすらも内定もらえないなんて・・・

来年度の4月から働く会社がない・・・という就最悪な状態を避けるべく、就活で「保険」の役割をするのが「滑り止め企業」です。

第一志望の企業から内定がもらえなくても、滑り止め企業から内定が出ていれば、企業で働くことは保証されます。

本命である第一志望の企業と並行して受ける滑り止め企業の選び方やその対策の立て方など、内定辞退の仕方は案外迷いやすいものです。

最悪なことに、保険のつもりで受けた滑り止め企業からも内定をもらえなかった場合はどうすべきか考えなければなりません。

そこで、本記事では、就活の常識「滑り止め企業」を受けるにあたり、選び方から内定した場合までの流れと、滑り止め企業を受けることの大切さをお伝えします

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

目次

就活用語「滑り止め企業」とは

「滑り止め企業」とは、本命企業の選考に落ちたときのための保険として受ける企業のことです。

高校入試にや大学入試おける滑り止めと同じ意味、と考えて問題ありません。

本命である企業から内定がもらえなかった場合、就活浪人ではなく来年度には就職したいと思っている人は、最終的に「就職をする」という目的はきちんと果たしたいものです。

そのために、本命の第一志望企業だけでなく「滑り止め企業」も受ける、という人がほとんどでしょう。

就活で滑り止めを受ける5つのメリット

person holding paper near pen and calculator

就活において滑り止めは、第一志望に落ちてしまった場合の保険というメリットあります。

しかし、滑り止めを受けるメリットはそれだけではありません。

実は滑り止め企業を受けることには、ほかのメリットもあります。

以下では、滑り止め企業を受けるメリットを5つご紹介します。

滑り止めをどこにしようか迷っている、そもそも滑り止めを受けるべきか迷っている、という人はぜひ参考にしてください。

  1. 無職というリスクを回避できる
  2. 第一志望企業の練習になる
  3. 内定を取れれば安心と自信を得られる
  4. 大学受験と違って受験の費用がかからない
  5. 滑り止め企業がマッチングしている可能性もある

メリット①:無職というリスクを回避できる

まずは何といっても「無職になるリスクの回避」です。

就活浪人をせず「就職すること」を最低限の目的に就活をする人の方が多いことでしょう。

卒業後の進路を、社会人として就職することを前提にしている人は少なくありません。

第一志望の企業へ就職できることが望ましいことですが、第一志望が狭き門であったり、企業が求める人物像ではなかったために内定をもらえないということも考えられます。

そのため、第一志望一点狙いだと落ちてしまったときにすべてのプランが崩れてしまうことになるのです。

しかし、滑り止め企業を受けて内定をもらっておけば「就職をする」という根本的な目的は果たすことができます。

就活をする中で、少しでも早く「行くところはある」という状態に持っていけるのは、滑り止め企業を受ける大きなメリットです。

メリット②:第一志望企業の練習になる

次に「第一志望企業を受けるときの練習になる」というのもメリットです。

就活対策として、友人や先輩を相手に面接の練習をするという人は多いでしょう。

しかし、知り合いとの練習ではリアルな緊張感までは再現できません

一方で、第一志望と同業界や同業種の企業を滑り止め企業にすることで、本命の第一志望の選考と近しい質問を受ける可能性があるため、実践的ないい練習になります。

第一志望を受ける練習と考えて挑めば、かなり実践的なリハーサルで自分を試すことができます。

メリット③:内定を取れれば安心と自信を得られる

滑り止め企業であっても「内定を取れば安心と自信が得られる」というのも大きなメリットです。

自分にとっては滑り止めであったとしても、その企業から内定をもらえれば「就職することはできる」という安心感が得られます。また、同時に「自分は企業から内定をもらえた」という自信にもつながるでしょう。

就活は長期戦になることも予想されます。思うように事が運ばず、気持ちが折れてしまう人も少なくありません。

その中で得られる安心感や自信は、本命企業の選考に向けての、大きなモチベーションとなります。

安心感や自信は気持ちに余裕を生んでくれるため、本命企業からの内定獲得に向けて、前向きな気持ちと視点で作戦を練り直すきっかけにするのも良いでしょう。

メリット④:大学受験と違って受験の費用がかからない

さらにうれしいのは「滑り止め企業を受けても費用がかからない」ということです。

大学受験は複数受けられますが、受ける分だけ受験料がかかります。

しかし、就活は大学受験とは違い受験料がかかりません。

スケジュールさえ合えば、費用をかけず複数の選考に挑戦できます。

選考を受ける度に1社あたり費用がかかってしまうと、滑り止め企業を受けることに抵抗がある人もいるかもしれません。

しかし費用がかからないため、無職を回避するためにも第一志望の練習のためにも、安心のためにも、選考を受けることをおすすめします。

リクルートスーツや、遠方への交通費、宿泊費には費用がかかるため、選考を受ける際の費用がかからないので、滑り止め企業を複数ピックアップするという手段もあります。

メリット⑤:滑り止め企業がマッチングしている可能性もある

滑り止め企業が自分にマッチしている可能性がある」というメリットもあります。

滑り止めのつもりで説明会に参加した際や、選考を受けている過程で、その企業が「自分に合っているかもしれない」と気付ける可能性もあります。

就活を始める前と始めた後で、気持ちや考え方が変わるのは珍しいことではありません。

それまで気が付かなかった自分の特性や性質を発見したり、新たな将来イメージが生まれることもあります。

第一志望の選考に通過しなかった場合でも、滑り止め企業が自分にマッチしていて内定をもらえる可能性もあります。

就活で滑り止め企業を選ぶときの3つのコツ

people sitting down near table with assorted laptop computers

第一志望は決められても、滑り止め企業をどのように決めたら良いか迷う人は多いでしょう。

しかし、滑り止めと言ってもどこでも良いわけではありません。

滑り止め企業は、第一志望の企業に入れなかったときに、自分が勤めるかもしれない企業です。

そこで、以下の3つのコツを意識して、じっくりと考えてみましょう。

  1. 就活の軸からずれない企業にすべし!
  2. 第一志望よりも「やや」早い選考スケジュールの企業を優先すべし!
  3. スカウト型就活サイトに登録してみるべし!

①就活の軸からずれない企業にすべし!

1つ目のコツは「就活の軸からずれない企業を選ぶこと」です。

「自分の専門性を活かして絶対にこの業界に勤めたい」
「アルバイトで培ったサービス業での経験を活かせる会社がいい」
「地元を離れずに地域に貢献できる仕事を優先したい」

など、就活の軸は人それぞれ。

あなたの中にあるこれだけは譲れないという就活の軸と大きくずれた企業を受けてしまうと、

  • 企業が望む人物像と合わないと思われ内定をもらえない
  • 内定をもらうことに必死で面接で嘘をつかなくてはいけない
  • 入社することになった場合、ミスマッチの可能性が高くなってしまう

といった、望まない状況になる可能性もあります。

そのため、滑り止め企業であっても就活の軸からずれない企業を選択しましょう。

滑り止めだからと軽く考えずに「自分がこの企業で働くかもしれない」と、具体的にイメージをしながら決めるようにしましょう。

②第一志望よりも「やや」早い選考スケジュールの企業を優先すべし!

2つ目のコツは「第一志望よりもやや早く内定が出る企業を優先すること」です。

これには大きな理由があります。

ポイントは「やや早い」という点です。

通常、就活生は内定をもらったら、相手企業に対して「内定承諾」をしなくてはいけません。

これは「あなたの会社の内定を受けます(入社の意志があります)」という意思表示です。

また、この内定承諾には期限が設けられています。

滑り止め企業の内定承諾期限内に、第一志望の選考結果がわかることが望ましいので、やや早いことがポイントです。

この内定承諾は、承諾をした後でも就活生の都合で内定辞退することはできます。
しかし、辞退の準備や連絡など時間を要しますし、何より精神的な負担が大きくなるため、できれば内定辞退は避けたいものです。

そう考えると、理想的なのは以下の流れです。

  1. 滑り止めの内定をもらう
  2. 第一志望の内定をもらう
  3. 滑り止めの内定承諾をしない
  4. 第一志望の内定承諾をする

1と2の間が空き過ぎると、滑り止めの内定承諾が2よりも先に来てしまうことになります。

滑り止め企業を決めるときには「上記の流れで無理なくスケジューリングできる」という点も考慮しておいた方が良いでしょう。

③スカウト型就活サイトに登録してみるべし!

3つ目のコツは少し視点を変えて「スカウト型就活サイトに登録してみる」です。

スカウト型就活サイトとは、就活支援サービスのひとつで、サイトに登録すれば企業からオファーが届きます。

ほとんどスカウト型就活サイトが無料で利用できますし、アプリで手軽に使えるものも多いので、就活で外に出ていることが多い学生にもおすすめです。

スカウト型就活サイトは日々増え続けていますが、自己分析だけでなく、他己分析が利用できる「キャリアチケットスカウト」や、適性検査の結果を元にAIがマッチング候補をあげてくれる「toiroworks(トイロワークス)」などが人気です。

就活で滑り止め企業すらも内定をもらえない人の特徴

就活で第一志望の内定がもらえないばかりか、滑り止め企業からすらも内定がもらえない、という人もいます。

内定がもらえない理由の中には、就活生側ではどうにもできない理由などもあるでしょう。

しかし、就活生である自分に原因がある場合が大半と言われています。

以下では、滑り止め企業から内定がもらえない人の特徴をあげました。

自分が該当していないか?もし該当している場合は、どのように改善すれば良いのか?など参考にしてください。

特徴①:滑り止めだからと言って対策が甘すぎる

まず考えられるのは「滑り止めだからと甘い対策しかできていない」というものです。

「滑り止め」という言葉から、何となく楽観的になりすぎてしまっていたり、第一志望ほどの対策を行わないという人がいますが、それでは内定は難しいでしょう。

就活生にとっては滑り止めであっても、企業からすれば今後自社で一緒に働く人材を厳しい目で見極めることに違いはありません。

第一志望とまったく同じ熱量で臨む、というのは難しいかもしれませんが、滑り止めであっても相手企業に対する敬意を忘れず、しっかりと対策しましょう

以下の記事では、就活で失敗してしまいがちな人の特徴について、詳しく解説しています。改善策についてもたくさん紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

特徴②:滑り止めであることを気づかれてしまう

もうひとつは「相手企業に滑り止めであることを気づかれてしまう」というものです。

これも、先に解説した「対策が甘すぎる」という点につながります。

何となく気が抜けていることを見抜かれてしまったり、細かな質問に答えられなかったり、いずれにしても対策が甘すぎることで「滑り止め」とバレてしまうのです。

滑り止めだとバレてしまったら、相手企業内はもちろん採用を見送ります

せっかく採用と決めたところで、入社しない可能性が高いのであれば、すべてが無駄になってしまうからです。

きちんとした対策を立てて、他の企業と同じように選考を受ければ、それだけで滑り止めだとバレることは少ないでしょう。

就活で滑り止め企業に内定した場合の対処法

man operating laptop on top of table

最後に滑り止め企業に内定した場合の対処法について解説します。

内定をもらってもそれが滑り止め企業である場合は、他企業の結果次第で辞退をしなければなりません。

また、内定以前の「オワハラ」についても触れていますので参考にしてください。

就活で滑り止め企業から内定をもらうと辞退が面倒

まずは、滑り止め企業から内定をもらったときの「辞退」についてです。

この「辞退」は、就活を始める段階で想像するよりも、非常に面倒であるということを覚えておいてください。

日々の就活で疲れ切っているところに、第一志望から内定が出れば、ほっとする気持ちが大きく気持ちがゆるみます。

そのような中で滑り止め企業へ辞退の連絡をするのは、本当に面倒なものです。

あなたのことをいい人材だと判断して内定を出してくれた企業に対し、ほかの企業へ入社を決めたため辞退すると伝えるのは心苦しく、連絡をするのが面倒になってしまうという話はよく聞きます。

内定辞退の連絡をするのが面倒だからと言って、辞退の連絡をしないまま放置してはいけません。
必ず辞退の連絡はしなければなりません。

内定を辞退する場合は礼儀正しく丁寧に後回しにしないこと

志望する企業から内定がもらえて、滑り止め企業へ内定辞退を申し出る際には2つ注意点があります。

  • 礼儀正しく振舞うこと
  • 後回しにせず、辞退が決まったらすぐに連絡をすること

先にも伝えましたが、自分にとっては滑り止めであっても相手企業にとっては大事な内定者の一人です。

当然のことですが礼儀正しく、社会人として恥ずかしくない対応を心がけましょう。

また、志望先から内定をもらえると気持ちがゆるむだけでなく、実際にやることも多くなります。

そのため、辞退の連絡は後回しにせず早急に行う、ということも大切です。

相手企業は採用者の一人が欠けることで、人員の補充など仕事が増えます。

後回しにしてしまいたいという気持ちはわかりますが、相手の身になって、丁寧で迅速な辞退連絡を心がけましょう。

以下の記事では、内定辞退の対処法について詳しく解説しています。
電話の場合と文書の場合がありますので、必要に応じて参考にしてください。

滑り止め企業のキープは最小限に抑える

第一志望先からの内定に自信がない場合、つい滑り止め企業をいくつも用意したくなるものです。

しかし、滑り止め企業のキープは最小限に抑えておきましょう。

先にお伝えしたように、内定辞退は面倒と感じることが多く、時間的にも精神的にも消耗しがちです。

また、滑り止めをいくつも用意してキープする内に、自分が何をしたいのかわからなくなる、というパターンも多くあります。

不安だからと滑り止めを多くするのではなく、あくまでも自分が志望する企業から内定がもらえるよう準備や対策に時間を使いましょう。

滑り止め企業でよくある「オワハラ」はその場しのぎでOK

滑り止め企業の中には「オワハラ*」を行うところもあります。

※「就活終われハラスメント」の略で企業が内定を出した就職活動生に対し他社の選考辞退を促し、自社への入社を強要するといった圧力をかけることを指します。

  • 他社を受けるなら内定は出さない
  • その場で他社の内定辞退の連絡をさせようとする
  • 内定辞退を申し出たら受け入れられないと拒否される

これらは極端な一例ですが、これに類似するオワハラはたくさん存在します。

しかし、いずれの場合もあまり真剣に受け止めず、その場しのぎの返答をして問題ありません

オワハラに迫られて、本意ではない選択をすることのないようにしましょう。

まとめ:就活成功のために滑り止め企業を受けておこう

two people shaking hands

今回は就活の「滑り止め企業」について解説しました。

学生は生まれて初めて就活をする、という人がほとんどのため「滑り止め企業」という概念に戸惑うことも多いでしょう。

しかし滑り止め企業の選び方や、なかなか内定がもらえない場合の対処法などを参考にすれば、自分にとって意味のある滑り止めを用意できるはずです。

就活は辛いことや面倒なこともたくさんありますが、自分の軸や将来のイメージを具体化するチャンスでもあります。

ぜひ前向きに考えて、対策を立ててみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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