就活生は、複数の企業に応募しているものです。そのため、面接時に採用担当者に他社の選考状況について質問されることもあります。その際、正直に答えてよいかどうか、悩む就活生もいることでしょう。そこで今回は他社の選考状況を聞かれる理由や答え方について、例文も交えて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
他社の選考状況はなぜ聞かれる
最終面接だけでなく、エントリーシート(ES)の提出時にも、他社の選考状況について質問する企業が少なくありません。それは、企業がその質問を通して確認しておきたいことがあるからです。ここでは、企業が他社の選考状況を聞く理由を3つ、説明します。
①選考の判断材料にするため
1つめは、応募した就活生の自社に対する志望順位を確認することで、選考の判断材料にするためです。優秀な人材であっても、内定通知後に断られることがわかっている就活生に、内定を出そうとは思わないからです。
採用を担当する人事部は、新入社員の採用人数の目標をたてて活動しています。自社への志望順位が高い就活生の方が内定を承諾する確率が高く、早々に目標達成ができます。計画的に新卒採用するために、他社の選考状況を質問するのです。
②一貫性を知るため
2つめは、就活生の活動状況の一貫性を知るためです。就活の軸が明確な就活生は、業界や職種を絞り込んで活動しているものです。その就活の軸が、自社とマッチしているかどうかを、企業側が判断する材料になるのです。
そのため、業界や職種がバラバラな就活生は、行き当たりばったりに就活していると思われ、内定が遠のく可能性が少なくありません。企業にエントリーする段階で、就活の姿勢が問われることになります。
③他社に後れを取らないようにするため
3つめは、他社に後れを取らないようにするためです。就職の軸が決まっている就活生の多くは、同業他社に応募していることを、企業の採用担当者は知っています。また、面接時期も重なることが多いです。そうした状況の中で、自社の新卒採用をいち早く成功させるためには、他社の動向を知る必要があります。
他社の選考状況を聞くことで、これから面接なのか、すでに採否の連絡待ちなのかを知ることができます。回答によっては、内定通知を急ぐケースもあるようです。
他社の選考状況への答え方
他社の選考状況は最終面接だけでなく、ES提出時に質問されることがあると前述しました。内定に近づきたいなら、企業の真意を汲んだうえで適切な回答をする必要があります。ここでは、他社の選考状況について質問された時の答え方について説明します。
回答時に気を付けたい5つのポイント
他社の選考状況を聞かれた時、素直に話せばよいと考える就活生も多いことでしょう。しかし、回答の仕方によっては、相手からの評価を下げることに繋がる可能性があります。ここでは他社の選考状況を回答する際に、気をつけたい5つのポイントを紹介します。
①就活の軸を示す
1つめは、就活の軸を示すことです。就活の軸とは、自分が応募する業界や職種、企業を選ぶ際に重視している基準をさします。他社の選考状況に聞かれた際には、応募企業と同じ業界あるいは職種を選んだ理由と共に、同業他社を答えるとよいでしょう。
そのためはまず、自分の就活の軸を決めることが大切です。これは、簡単に見つけられるものではないので、自己分析をしっかり行い、企業へのエントリーを始める前に方向性を決めておくことをおすすめします。
②受けてる企業をすべて言わない
2つめは、受けてる企業をすべて言わないことです。就活生の中には、就活の軸を決めきれない、あるいは職種より職場の雰囲気を重視して応募している人もいるはずです。その場合、応募企業に一貫性がない可能性が高まります。
そんな時には、他社の選考状況を質問した企業と同じ業界あるいは職種のところだけを伝えるのも方法の一つです。正直に答えたことで、選考漏れすることもあるので、十分に注意しましょう。
③落ちた企業は言わない
3つめは、落ちた企業は言わないことです。特に選考の途中で落ちていることは、口にしない方が無難です。同業他社が落としている就活生を、積極的に採用しようと考える企業はないからです。
面接まで進んだものの、結果が出ていない企業については「結果待ちです」と伝えるという方法もあります。面接に複数残っていることを印象づけたいなら、この伝え方を活用するのもよさそうです。
④企業の一貫性を持つ
4つめは、企業の一貫性を持つことです。これは就職の軸にも通ずることですが、就活生が自分がやりたい仕事を明確にしていると、自ずと応募企業に一貫性が表れます。企業の採用担当者は、他社の名前を聞くだけで、それを感じ取るのです。
同じ業界や職種にこだわれということではなく、そこでどんな仕事をしたいのかに一貫性があれば問題ありません。「グローバルな仕事がしたい」「社会貢献できる仕事がしたい」など、自分の基準で選定した応募企業の中でも、質問された企業に近いものを選ぶとよいでしょう。
⑤御社が第一志望というアピールをする
5つめは、御社が第一志望であるというアピールをきちんとすることです。同じスキルの就活生がいた場合、自社を第一志望にしている就活生を内定させたいと考えるのは、当然のことです。そして、自分の将来を考えると、複数の企業から選択できる状況で就職先を決めるにこしたことはありません。
正直であることは美徳ですが、就活においては駆け引きも重要です。嘘をつくのではなく、本当のことを言わないという気持ちで伝えましょう。
他社の選考状況は最終面接で聞かれやすい
特に最終面接まで進んだ際に、他社の選考状況について質問されることが多いです。その際には必ず、「御社が第一志望です」と即答しましょう。返答が早ければ早いほど、就活生の本気度が採用担当者に伝わります。
本当は本命企業が別にあったとしても、そこで最終面接まで残れるとは限りません。チャンスを最大限に生かす意味でも、「御社が第一志望です」とアピールする必要があります。それが内定に近づくポイントだと、覚えておきましょう。
他社の選考状況を面接で聞かれた時の回答例文
他社の選考状況について質問された時に配慮すべきポイントはわかっても、それを文章にするのは難しいものです。その場合、例文に即して、自分なりにアレンジを加えるのが早道でしょう。ここでは他社の選考状況を面接で聞かれた時の回答例文を2つ、紹介します。
回答例①就職の軸を伝える場合
「地域貢献につながる仕事ができるような企業様を軸として選考に参加している次第です。現在、御社以外に5社の選考を受けています。うち一社、●●社が3次面接まで進んでおり、▲▲社と■■社の2社が2次面接の結果待ち、★★社が1次面接のグループディスカッションを終えたところで、◎◎社はエントリーシートの結果を待っています。中でも御社は子育て世代に対する発信力が特に飛び抜けていると感じているので、ご採用いただいた暁には、御社に入社すると心に決めております」
この例文は「地域貢献につながる仕事ができる企業」という就職の軸に基づき、それを実践している他社の例をあげています。自分が就きたい仕事と、なぜ応募企業が第一志望なのかを明確に伝える回答となっています。
回答例②企業の一貫性を伝える場合
「私は現在、建築業界を中心として就職活動を進めています。環境に配慮したプロジェクトに携わりたいと考えているので、企業規模の大きさを軸としており、そのような企業様4社の選考を受けているという状況です。現在、▲▲社■■社が最終面接まで進んでいます。また、●●社が3次面接の結果待ちです。★★社は書類選考を通過し、一次面接であるグループディスカッションを控えています。しかし私は御社の◎◎という技術の提案活動に携わりたいと考え、第一志望としています」
この例文は、環境に配慮した建築に携わるため、事業規模の大きい企業を選んでいるケースの例文です。実際に応募している他社の規模が、就活生の意図と首尾一貫していれば、その意思の強さを明確にアピールできます。
ESで他社の選考状況を聞かれた時の対処法
エントリー募集の時期によっては、ESの段階で他社の状況をヒアリングする企業もあります。その場合、記入欄の枠が決まっているため、状況をすべて書くのは難しいものです。また、他社の状況の伝え方も選考に影響しますので、慎重に対処する必要があります。ここでは、ESで他社の選考状況を聞かれた時の対処法について説明します。
進んでいる企業だけを書く
1つめは、選考が進んでいる企業だけを書くことです。ESの提出のタイミングによっては、書類選考待ちのところもあると思いますが、基本的には面接まで進んだ企業を書きましょう。社数は3~5社が目安です。ES提出後に受ける予定の企業については、記載する必要はありません。
他に選考を受けていなくても「なし」はダメ
2つめは、他社の選考を受けていない時でも「なし」と記載しないことです。「なし」だけだと、書類選考を通過できない就活生だという印象を与える可能性があります。実際に面接まで進んだ企業がない場合には、「御社が第一志望なので、他社は受けていません」と書くようにしましょう。相手の心象が良くなるはずです。
ESの他社の選考状況の解答例
ESで他社の選考状況について記載する際には、以下のような書き方がおすすめです。
- ●●社(2次選考中)
- ▲▲社(1次選考中)
- ■■社(応募書類準備中)
ESで選考状況を伝える際には、「役員面接」「最終面接」という表記ではなく、数字にするのが基本です。というのも、ES上で応募企業を第一志望としていても、すでに最終面接で内定が出そうだと思われると、面接のチャンスをなくす可能性があるからです。また、応募企業が一社目の時は、以下のような記載となります。
- 貴社が第一志望ですので、初めての選考になります
このように、状況に合わせて書き換えましょう。
グループ会社の選考状況は言うべきか
大手企業の中には、複数のグループ会社を持っているところもあります。企業理念に惹かれて応募を決めた就活生の中には、そうしたグループ会社に片っ端からエントリーしている人もいるはずです。ここでは、グループ会社の選考状況は言うべきかについて説明します。
グループ会社の選考状況は言う必要はない
結論としては、グループ会社の選考状況は言う必要はありません。複数のグループ会社の最終面接に残ることができたら、その時点で一社を選択すればよいだけです。そして、グループ会社を複数受けることで、その企業で働きたいという意欲の表れだと受け止められることもないと、認識しておく必要があります。
採用状況をほかの会社に連絡することはない
大手企業の多くは、グループ会社の採用はそれぞれに任せています。そして、就活生が複数のグループ会社に応募していたとしても、内定を出したとしても、そうした採用状況をほかの会社に連絡することはありません。グループ会社間の情報共有は、個人情報保護の観点から考えてもありえないでしょう。
他社の選考状況以外に面接終盤で聞かれる質問3選
就活の終盤に行われる面接では、他社の選考状況以外にも、企業の採用担当者に聞かれることが多い質問がいくつかあります。その回答によって、採否が分かれるケースもあるので注意が必要です。ここでは他社の選考状況以外に、面接終盤で聞かれることが多い質問を3つ、紹介します。その目的と回答のポイントを説明しますので、参考にしてみてください。
「なぜ同業他社ではなく弊社なんですか」
1つめは、「なぜ同業他社ではなく弊社なんですか」という質問です。ここで入社の意欲をアピールするためには、同業他社の状況とそれよりも応募企業に魅力を感じている理由を説明する必要があります。
その際、企業の公式サイトや採用サイトに書かれていることだけでなく、製品やサービスに関するニュースやOB訪問の際に聞いた話などを用いて、他社より優れた点を伝えるのがおすすめです。下調べをしたうえで、自社を志望してくれる就活生に、採用担当者は好印象を持つことでしょう。
「入社したらどのような仕事したいですか」
2つめは、「入社したらどのような仕事したいですか」という質問です。この回答により、入社後の仕事をどこまで理解しているかを計ります。
企業は新卒採用にあたり、「総合職」「事務職」「義手積職」などと、コースを分けていることも多いです。それぞれの職種でどんな仕事を担うのか、中でも自分はどんな部署でどんな仕事に就きたいのか、より具体的に説明するのがポイントです。
「志望動機について改めて教えてください」
3つめは、「志望動機について改めて教えてください」という質問です。最終面接は役員が行うことが多く、その手元には過去の面接に関する資料が置かれています。そのため、一次選考の時と同じ志望動機を、熱意を持って伝えることが大事です。
応募企業が第一志望であれば、面接の過程で志望動機が変わることなどありえません。また、最終面接であれば、より応募企業の魅力や入社したいという意欲をストレートにアピールする必要があります。面接に進んだら、その時々に自分が質疑応答で何を話したか、メモに残す習慣をつけておくと役立つはずです。
まとめ
今回は他社の選考状況を聞かれる理由や答え方について、例文も交えて解説しました。
就活生は一般的に、30社弱にエントリーすると言われています。そのため、同時期に複数の企業の面接に進むことも珍しくありません。だからこそ、他社の選考状況を聞かれた時の答え方が大事なのです。嘘をついてはいけませんが、伝え方には工夫を凝らして、最終面接に進めるように配慮しましょう。