就活ではエントリーシートや履歴書、面接の中でくり返し自己PRしなければなりません。粘り強いことを自分のアピールポイントにする場合、伝え方によっては短所ととらえられることがあるので注意が必要です。そこで今回は、粘り強いとは何か、それをアピールする方法などについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
「粘り強い」とは
就活で粘り強さをアピールするにあたり、それが自分に本当に適しているのかを見極める必要があります。ここではまず、「粘り強い」という言葉の意味や使い方、類語、英語表現などについて説明します。
意味・使い方
「粘り強い」は「ねばりづよい」と読みます。小学館のオンライン大辞泉によると、「粘り強い」の意味は以下の通りです。
1 粘着力が強い。非常に粘りがある。「―・い餅」
2 根気強く最後までやりとおそうとするさま。「―・い性格」「―・く交渉する」
一般的には、2の意味で使われることが多いです。そして、以下のように使います。
- 彼は粘り強い守備と的確で効果的な攻撃により、チームを優勝に導きました
- 無線を通じてテロ組織と粘り強い交渉を続けた結果、人質の解放を実現しました
類語
前述した「根気強く最後までやり通そうとする」という意味における類語は、以下の通りです。
- 辛抱強い/よく辛抱する様
- 我慢強い/忍耐力がある
- 忍耐強い/苦難をじっと耐え忍ぶことができる
粘り強いよりも、類語の方が日常生活で使われる頻度が高いかもしれません。
英語表現
「粘り強い」は英語で「persevering」や「patient」と表現されます。例文は以下の通りです。
- Her persevering correspondence claims respect.
(彼女の粘り強い対応は、尊敬に値します) - He is an exact and patient scientist.
(彼は正確で粘り強い科学者です)
上記の他にも、「tenacious」といった英語表現を用いることもあります。
「粘り強い」性格の特徴
「粘り強い」と言われる人には、共通点があります。就活において粘り強さをアピールしたいなら、その共通点に自分が当てはまっているかを確かめておく必要があるでしょう。ここでは「粘り強い」性格の特徴を5つ、紹介します。
特徴①|コツコツと努力できる
1つめは、何事においてもコツコツと努力できることです。やるべきことを終わらせるために、どんな地味な作業でも手抜することなく、地道に努力ができます。努力した結果が実るかどうかわからなくても、継続してがんばる習慣が身についているので、努力し続けることが苦になりません。
特徴②|最後までやり遂げることができる
2つめは、何事も最後までやり遂げることができることです。目標をたてたり役割を与えられた時に、到達点に達するまで努力を続けられます。それと同時に、期限に間に合うようにスケジューリングを行うケースが多いです。体調や個人の事情に左右されることなく、妥協せずに完遂を目指します。
特徴③|失敗をステップにできる
3つめは、時に失敗することがあってもそれをステップにできることです。気をつけていても、ミスやトラブルが起こることはあります。その時に言い訳をしたり、誰かのせいにするのではなく、冷静に自分の行動をふり返り、反省して改善点を見つけるので、同じ間違いをする確率が下がります。失敗をバネに、成長できるタイプです。
特徴④|メンタルが強い
4つめは、メンタルが強いことです。目標を設定し完遂する際には、大変なことも苦しいこともあります。また、ミスをすればそれを咎められることもあるでしょう。そんな時でも投げ出すことなく、やるべきことに対してコツコツと努力を続けられるのは、周囲の意見に左右されない芯の強さがあるからです。
特徴⑤|責任感がある
5つめは、責任感があることです。何事も最後までやり遂げる人は、状況がどうであれ、決めたことはやるという強い信念を持っているものです。そのため、自分の発言や行動にも真剣に向き合い、逃げずに対処しようとします。有言実行するのは、責任感があることの表れです。
「粘り強い」性格は面接官に高評価
就活の自己アピールにおいて、粘り強いことは採用担当者に高評価を得られることが多いです。そのため、エントリーシートや履歴書の自己PR欄できちんとアピールし、書類通過して面接に進めるよう、上手に活用したいところです。
そもそも新卒採用にあたり、企業は経験者並みに即戦力として活躍できるとは考えていません。しかし、粘り強さは企業が求める新入社員像の一つを担う資質です。粘り強い性格が高評価を得る理由については、次章で詳述します。
「粘り強い」性格が高評価を得る理由
粘り強い人は、何事にもコツコツと努力を続け、簡単に諦めない性格が多いことは前述しました。企業はそうした資質を持つ新入社員には、期待できることがあると考えるものです。ここでは「粘り強い」性格が高評価を得る理由を5つ、説明します。
理由①|簡単に離職しないから
1つめは、簡単に離職しないからです。近年は入社初日に、メールで退職の連絡をする新入社員が珍しくありません。厚生労働省が発表している「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」を見ると、平成28年新規学卒就職者の3年離職率は32.0%に上ります。時間と費用をかけて新卒採用しても、この結果というのは企業にはマイナスです。
その点、粘り強い新入社員を採用すれば、自他共に一人前になるためにコツコツと努力を続けます。自分にも厳しい傾向が強いので、簡単に仕事を投げ出して離職したりしません。長期雇用したい企業にとっては、魅力的な人材といえます。
理由②|目標達成を諦めないから
2つめは、目標達成を諦めないからです。仕事の場合、経験とそこから得たスキルやノウハウによって、成果には差が出るものです。そのため、新入社員や経験が浅い若手社員は、周囲に期待されるほどの結果を残せないこともあります。それでも、粘り強い人は目標達成を諦めず、コツコツと努力を続けます。
そうした姿勢や周囲に伝わることで協力者が表れたり、評価されるようになり、最終的に結果にコミットすることが多いのです。時に失敗しても、そこから学習して努力することで、決めた目標を達成することで、人としての信用度も増します。
理由③|コツコツと努力ができるから
3つめは、コツコツと努力ができるからです。企業においては、どの部署のどんな職種であっても、他者と協働して会社の利益確保に貢献しています。所属部署によっては、地味な作業を淡々とくり返すことを求められることもあるでしょう。しかし、誰かがそれを丁寧に的確に行わなければ、会社は回っていきません。
粘り強い人は、与えられた仕事や目標に対し、コツコツと努力を積み上げることができます。そして、公私の事情によって仕事にクオリティが下がることも、ほとんどありません。集中力を持って、一つのことに真摯に向き合う姿勢が、周囲に認められるようになります。
理由③|ストレス耐性があるから
3つめは、ストレス耐性があるからです。仕事をする中で、どんなに得意なことでも苦労したり、物事が簡単に進まないことがあります。また、成長の過程で壁にぶつかったり、目標達成できずにもがくこともあるでしょう。そんな時にメンタルが弱いと、心身に不調をきたしがちです。
粘り強い人にはストレス耐性があるので、目標を達成するために、自分のやり方を変えながら諦めずに進むことができます。自暴自棄になることなく、自分を信じてチャレンジを続けられるメンタルの強さは、社会人には大切な資質です。
理由④|我慢強いから
4つめは、我慢強いからです。仕事は協働作業であるがゆえに、自分の責任外で停滞したり、理不尽に叱責されることもあります。しかし、それにいちいち反論したり、誰かのせいだと不貞腐れても、状況は何も変わりません。そうした事態を受け入れる我慢強さは、組織においては美徳となります。
また個人で考えてみても、仕事で一人前になる、成果を上げるためにコツコツ努力を続けても、すぐに報われるとは限りません。そんな時でもくさらず、諦めずに向き合うためには、我慢強さが不可欠です。
理由⑤|ポジティブ思考だから
5つめは、ポジティブ思考だからです。努力が報われなかったり、結果が伴わない仕事は、自尊心を傷つけます。それが、人によってはネガティブ思考につながるものです。しかし粘り強い人は、そうした状況においてもポジティブ思考で乗り切ることが多いです。
失敗した事実を変えることはできなくても、そこで改善点を見つけて、次につなげることができます。そして、すぐにできることを考えて行動に移せるのです。反省はしても後悔はしない、そんなポジティブ思考は、仕事をするうえで大きな財産です。
「粘り強い」性格のアピールには注意が必要
企業の採用担当者に対し、粘り強さがアピールポイントになることは十分に理解していただけたことでしょう。しかし、アピールの仕方を間違うと、マイナスに作用するリスクもあります。具体的には、以下の通りです。
- 諦めが悪いと思われる
- 切り替えができないと思われる
- 自己中心的だと思われる
- こだわりが強いと思われる
上記のような受け止め方をされないように、配慮してアピールする必要があります。粘り強い性格をアピールするポイントについては、次章で詳述します。
「粘り強い」性格のアピールをするときのポイント
粘り強い性格は上手にアピールできれば高く評価されますが、伝え方を間違うとマイナスの印象を与えることになりかねません。しかし、ポイントを抑えることで、上手にアピールできるようになります。ここでは「粘り強い」性格のアピールをするときのポイントを3つ、説明します。
ポイント①|粘り強いという言葉を言い換える
1つめは、粘り強いという言葉を言い換えることです。自己アピールの鉄則は結論から述べることですが、文頭で「粘り強い」という言葉を使ってしまうと、それから何度もくり返すこととなり、採用担当者の心象を悪くする可能性があります。言い換える言葉には、以下のものがあります。
- ストレス耐性が強い
- 簡単に諦めない
- 折れない心を持っている
最初にこのような言葉でアピールしておき、後半に「粘り強い」を使うことで、強いアピールにつなげましょう。
ポイント②|粘り強いことを証明する根拠を伝える
2つめは、自分が粘り強いことを証明する根拠を伝えることです。これは、粘り強さを伝える過去のエピソードを伝えることで補えます。その際に注意してほしいのが、粘り強いからこそ得られた成果を伝えることです。具体例として、以下のものがあげられます。
- 高校時代に強豪として知られるバスケットボール部に未経験者として入部しましたが、他の部員の2倍以上練習すると決め、粘り強く努力を続けた結果、3年でレギュラーになれました
このように、努力が成果に結びついた事例が、採用担当者にもわかりやすいエピソードを探しましょう。
ポイント③|仕事にどう生かしたいかを述べる
3つめは、粘り強さを仕事にどう生かしたいかを述べることです。応募企業の面接に進んだからには、その会社でどのように働きたいか、希望の職種でどんな仕事がしたいかという、イメージを持っているはずです。そこに、粘り強さを加えてアピールするのです。具体例は、以下の通りです。
- 私の希望は営業職ですが、上司や先輩の指示を仰ぎながら、電話でのアポ取りや飛び込み営業も辞さず、目標数字を達成するまで粘り強い取り組んでいきたいと考えています
その際、希望する業務にどう生かせるかを考えると、具体的な行動が思い浮かぶはずです。
「粘り強い」性格の自己PR例
これまで、粘り強い性格をアピールするためのポイントについて説明してきました。しかし、実際にそれを言葉にするとなると、難易度が高いと思う就活生もいるはずです。ここでは「粘り強い」性格の自己PR例を、「部活動」「アルバイト」「資格勉強」という3つの事例を用いて紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
例文①|部活動編
私の長所は、粘り強さです。私は中学・高校と吹奏楽部に所属していました。
中学時代はサックスの担当でしたが、吹奏楽部の強豪校に進学したためサックスの希望者がたくさんおり、ホルンに転向するよう求められました。
しかしサックスとは勝手が違い、当初は上手に演奏することができませんでした。
また、強豪校ゆえに高いレベルの演奏を求められました。
そこで技術不足を補うために、部活が休みの日でも個別練習を欠かさず行い、地道に力をつけて、全国大会で演奏できるようになろうと決めたのです。
そして厳しい練習に耐えた結果、部員と共に全国大会に進む一助を担うことができました。
この経験から学んだ粘り強く諦めない気持ちを生かして、入社後も大変な仕事でも乗り越え、成長していきたいと考えています。
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この例文では、粘り強さを発揮して目標達成したことをアピールしています。自分に何が足りないかを見極め、克服するための努力をした過程もしっかり伝わります。
例文②|アルバイト編
私の長所は粘り強さです。
かつての私は人見知りで、初対面の人と話すのが苦手でした。
しかし、社会人になる前にその弱点を克服したいと考え、飲食店でアルバイトを始めました。
始めの頃は「いらっしゃいませ」という声が小さくて、店長に叱られることも多かったです。
しかし、注意されたことはくり返さないと決め、常連のお客さまの好みのメニューや誕生日を覚えて積極的に声をかけるよう工夫しました。
その結果、初めてのお客さまにも笑顔で接客できるようになり、今では新人アルバイトの教育係を任されています。
私は入社した後も、この粘り強さを生かして、苦手なことにも積極的に挑戦し克服することで、成長していきたいと考えています。
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この例文では、苦手なことを克服するために自分を厳しい環境に置く芯の強さと、それが店長の信頼を勝ち取ることにつながっていることがアピールできています。
例文③|資格勉強編
私の長所は粘り強いことです。
私は将来は海外で活躍できるようになりたいと考えていたため、英語学習に力を入れており、TOEIC®で900点以上を獲得するという目標を立てていました。
しかし、英語には自信があったものの、初めての時は600点しか取れませんでした。
そのため効率的に点数を伸ばすためには日々の勉強が重要だと思い至り、毎日2時間は勉強すると決めました。
アルバイトや学業、サークル活動、睡眠などの時間を鑑みると、それを実現するのは簡単ではありませんでした。
しかし、電車の中では単語帳を活用した暗記とやスマホでの動画視聴、自宅や講義の空き時間に机に迎える時に使う参考書など、学習するためのツールを使い分けることで、時間を有効活用しながら勉強を行い、結果的に1日に2時間の勉強時間を確保でき、目標だったTOEIC®スコア900点以上を達成しました。
入社した後も、粘り強さだけでなく、実現するための計画性と継続力を生かしていきたいと考えています。
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この例文では粘り強さと共に、目標達成のための計画を立て、方法を考え、確実に継続したことも伝わります。また、成果も数字に表れているので、一度に複数のことがアピールできています。
まとめ
今回は、粘り強いとは何か、粘り強い人の性格の特徴や評価されるポイント、それをアピールする方法などについて解説しました。
粘り強さは、社会人になると大きな武器になります。しかし、自分が粘り強いと評価されるかどうかは、過去の経験とそれを裏打ちするエピソードに説得力があるか否かにかかっています。また、伝え方を間違うとマイナスに作用する可能性も否定できません。ポイントを押さえて、しっかりアピールできるよう準備することをおすすめします。