NTTグループが導入するカフェテリアプランの基礎・メリットを徹底解説!

企業の福利厚生は、就活生にとって企業選びのポイントの1つでもあります。特に、NTTグループのカフェテリアプランは国内トップクラスの充実度で、就活生にも人気があります。このページでは、NTTグループの取り組みを例に、カフェテリアプランの特徴や、メリットデメリットをご紹介しています。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

カフェテリアプランは選択型福利厚生制度のこと

カフェテリアプランの名前の由来は、好きな飲食物を複数の選択肢の中から注文できる“カフェテリア”から来ています。カフェテリアプランは、企業が従業員満足度を上げるために行う取り組みであり、様々な大手企業がこのカフェテリアプランを導入しています。

具体的にどのような制度なのか、次で詳しく見ていきましょう。

目次

毎年付与されるポイントの範囲内で希望する福利厚生を選択

カフェテリアプランとは、企業があらかじめ複数の福利厚生メニューを用意したており、従業員はその中から自分に必要な福利厚生サービスを選んで利用することができる制度です。

従業員は企業から、1人ずつそれぞれ“福利厚生ポイント”を付与され、そのポイントを使うことで福利厚生のサービスを利用する仕組みになっています。

自分のニーズに合った福利厚生メニューを利用できるため、福利厚生を利用する人と利用しない人がいるといった、偏りを解消し、地域や職種による不公平感を解消することができます。

付与されるポイントは勤続年数や資格によって決まる

ポイント付与の方法としては、年に一度付与されるのが一般的なようです。例えば、全従業員に年間30,000ポイント(30,000円相当)が付与され、従業員は、その中で自由にやりくりし、サービスを受けることができます。

また、付与されるポイントは、勤続年数や、会社が指定した資格を持っているかどうかなどの条件で1人1人変わってきます。しかし、残ポイントを次年度に繰り越したり、現金で精算したりすることはできないことが多いようです。

外部委託で選べるサービスは非常に豊富

カフェテリアプランは、丸ごと外注していることがほとんどで、メニューの用意からポイントの管理まで専門の業者が行うことが多く、用意されるサービスは多岐にわたります。例としては以下の通りです。

  • 住宅補助、託児所補助、介護費補助など、家庭環境を整えるための制度
  • 資格試験補助、セミナー補助など、キャリアアップを支援するための制度
  • 旅行補助、宿泊補助、リフレッシュのための制度
  • 人間ドック補助、スポーツジム利用補助など、健康意識を促進させるための制度
  • 積立、持株会補助など、財形貯蓄を支援するための制度

NTTグループはカフェテリアプランを採用している

NTTグループで採用されているカフェテリアプランは、社員の生活を多角的にサポートするために、充実したメニューの中から、ライフプランに応じて必要なものを選択できます。実際に従業員の利用率も高いとのことですので、カフェテリアプランの導入に成功した企業といえるでしょう。

「N-Biz Life Station」として多くのグループ会社で利用可能

NTTグループは、多くのグループ会社から成り立っていますが、NTTグループの従業員だけがログインできる”N-Biz Life Station”というシステムを導入することで、グループのほとんどの社員が同じようにカフェテリアプランのサービスを受けられるようになっています。

従業員が選択できるメニューも30種類以上と、全国各地に拠点のある企業だ方こそ、豊富なメニューの中から、住む地域やライフスタイルに合わせて自分に合ったものを選択できるようになっています。

カフェテリアプラン以外にも福利厚生はある

NTTグループのカフェテリアプランは、あくまで福利厚生の+αとして利用されていることも特徴の一つです。NTTグループにはカフェテリアプランとは別に基本的な福利厚生も充実しています。

具体的には、スポーツクラブ利用時の特典や、育児や介護対する補助金の支給、各地のレジャー施設利用時の割引サービスなどだけでなく、社内の部活動やサークル活動にも力を入れています。

基本的な福利厚生は完備しつつ、人によって必要なサービスが異なるような部分をカフェテリアプランで補っているといえます。

NTTグループのカフェテリアプランのメリットとデメリット

カフェテリアプランを導入している会社というだけで、魅力的に思う人も多いはずです。実際、企業側も就活生への訴求として福利厚生の充実をうたっている部分もあります。その反面、デメリットもある為、入社後のギャップを防ぐためにもしっかり理解しておくことが大切です。

NTTグループのカフェテリアプランのメリット

カフェテリアプランを導入している会社は、福利厚生に力を入れている会社であることが多く、従業員に対してメリットになることも多いです。従業員の自由である部分が多い為、上手に利用すれば、お得に使うことができます。

特に、NTTグループは福利厚生が充実していることで有名で、従業員の満足度においてもトップクラスの満足度を誇っています。

①希望する福利厚生を手厚くできる

まず、自分で利用するサービスを選ぶことができるため、必要な部分を手厚くし、必要でないサービスを受けないといった調整を自由にすることができます。

まだ入社したばかりの若手で1人暮らしをしているのであれば、住宅の補助や将来のための財産形成にポイントを使うこともできます。

子供が生まれたばかりの従業員は育児の支援や、教育の融資を受けることができますし、健康が気になる中高年の場合、定期健康診断にオプションをつけてみたり、割高な人間ドックを受けてみたりするのもいいかもしれません。

②使い方によってはお得なサービスも多い

カフェテリアプランの仕組みは簡単に説明すると、生命保険の仕組みと似通った部分があります。使わない人がいるからこそ、一部の利用者が大きな得をするような仕組みになっているため、人間ドックなど割高なサービスをうまく活用すれば、得ができるようになっているのです。

お得なサービスを受けるためには、ある程度戦略的にカフェテリアプランを利用していく必要はありますが、しっかり考えて利用すればお得なサービスを受けることができるようになっています。

NTTグループのカフェテリアプランのデメリット

カフェテリアプランのデメリットとしては、その管理や運用を完全に外部委託していることから発生する部分が大きいでしょう。また、基本的には大手企業で導入される制度の為、年功序列の風潮が強く、若いうちはあまりそのメリットを感じられないかもしれません。

①結局は外部に委託しているだけ

カフェテリアプランを自社で管理・運用しようとすれば、誰がどれだけポイントを使い、どの福利厚生を受けたかを管理する必要があり、その分の仕事が増えてしまうため現実的ではありません。

その為、サービスを丸ごと外部に委託しているため、時代によって変わりゆく従業員の要望に対し、柔軟に対応してシステムを変えていくことは困難です。その為、どの企業も似たり寄ったりの制度となってしまい、本当に従業員の声を反映した制度として運用することは不可能に近いでしょう。

②割引率も大して魅力的ではない

カフェテリアプランと聞くと、とても魅力的に聞こえはしますが、割引率はたいして魅力的なものではありません。

カフェテリアプランで採用されているようなクーポンや割引チケットは、直接そのサービスを提供している事業に会員登録したほうがお得な場合が多く、わざわざポイントを消費して受けたいと思えるようなものは少ないのが現状です。

その為、ポイントの有効期限が切れてしまうくらいならと、消去法でサービスを受けるといった場合もあるでしょう。

③若手はなかなかポイントが貯まらない

カフェテリアプランはポイント制で、付与されるポイントは勤続年数が長い従業員ほど多く、若手社員は十分にサービスを受けることができません。

例えば、勤続年数が短い従業員は、家賃補助などのサービスを受けると、ポイントがほとんど残りません。30代、40代になって、落ち着いてきた頃にやっと、サービスらしい福利厚生を受けることができるようになるのです。

「利用しない人」がいる分「利用する人」が得する制度ですが、結局「利用する人」というのは、勤続年数の長い人たちといえるでしょう。

NTTグループ以外にカフェテリアプランを採用している企業

NTTグループ以外にカフェテリアプランを採用している主な企業は以下の通りです。

  • JRグループ
  • JT
  • みずほ銀行
  • JTB
  • トヨタ自動車
  • 富士フイルム
  • 資生堂
  • 全日空
  • 電通
  • 三井住友銀行
  • 三菱東京UFJ銀行
  • 日立製作所
  • パナソニック
  • 東京海上日動
  • ソフトバンク 

元国営企業

ここで紹介した、カフェテリアプランを採用している企業を見て分かることの一つとして、”元国営企業が多い”ということが挙げられます。JRグループ、JT、みずほ銀行、JTBなどがこれに当たりますが、これらの企業は民営化したもので、国営企業の歴史や風土を受け継いでいます。

国営企業は給料を高くできない代わりに福利厚生で従業員の満足度を補ってきた歴史があり、今でもその風潮が根強く残っていると考えられます。そのため、福利厚生の充実には力を入れており、カフェテリアプランの導入にも積極的な傾向があるといえます。

巨大グループを形成する企業

次に、NTTグループと同じく、全国各地にグループ会社をもち、莫大な従業員を抱える企業も、カフェテリアプランの導入には積極的であると考えられます。

大手メーカーや通信会社はこの傾向が強く、なぜなら、福利厚生にかかわる業務をまとめて外注することで、コストと手間を大幅にカットすることができる為です。

従業員が多いと、それぞれ好きなメニューを選択したとしても、使われず無駄になるメニューが出ることもほとんどない為、コスパがいいということになります。

NTTグループのカフェテリアプラン以外に重視すべき福利厚生

カフェテリアプランだけで企業の福利厚生を評価してしまうのは危険です。特に若手社員のうちは、住宅周りの補助や休暇の取りやすさなどの方が重要視すべき点かもしれません。

NTTグループではそれらの福利厚生もしっかり完備されています。次で詳しく見ていきましょう。

①住宅関連手当(独身寮・住宅補助)

NTTグループの住宅手当は、月額37,000円となっています。手当が支払われる期間も、45歳までと、他の企業に比べて長期間であることも魅力的です。また、既婚者は月額74,000円と独身に比べるとかなり手厚い補助を受けられるようになります。

寮の場合は1か月ガス光熱食費等込9,500円、借り上げ住宅の場合6,800円で借りることができ、若手社員にとっては非常に有難い福利厚生であるといえます。

②休暇制度(リフレッシュ休暇)

有給については、毎年10月に、年間20日分もらえます。貯めることができるのは前年度分までで、最大40日分まで保持することが可能です。また、半休、1日休のほかに2時間単位で取得することもできます。時間単位で有給を使える企業はまだまだ少ない為、子育て世代には特に魅力的かもしれません。

さらに、年次有給休暇は積み立てることもできます。1年あたり3日分積み立て可能で、最大40日まで貯めることが可能です。

夏季休暇は、夏期特別休暇3日間と特別連続休暇2日間があり、7月~9月の好きな時に取得することができます。

③資産形成制度(財形貯蓄・企業年金)

一般財形、住宅財形、年金財形の3種類を使用目的などに応じて使い分けることができます。それぞれ一般的なの金融機関よりも高い金利で預けることができるためお得に資産形成することができます。

それだけでなく、この制度を利用すると、会社側も補助を出してくれます。例として、住宅財形では、積み立て金額の3%を会社が上乗せしてくれるため、毎月1万円を積み立てる場合、会社の補助分300円がプラスされ、月々10,300円が金融機関に積み立てられるということになります。

まとめ

カフェテリアプランを採用しているかどうかは、就職活動中の学生にとって、企業を選ぶ際の決め手の一つにもなりうるかもしれません。しかし、カフェテリアプランだけで判断するのではなく、その周りの福利厚生の種類や使いやすさなどもしっかり確認するようにしましょう。

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