野村證券とは、証券取引業務を中心とした金融サービスを提供している野村ホールディングス傘下の子会社です。特に、リテール営業部門が激務であり、実績が堅い一方で独特の社風があると噂されていますが、今回はそんな野村證券の社風だけでなく、野村證券の今後の展望や志望者に求められる資質をお伝えしていきます。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
野村證券とは
野村證券は、東京都中央区日本橋に本拠を構えており、野村ホールディングス傘下の子会社である証券会社です。野村グループの証券業務における中核会社として、債券取引を強みに経営を拡大してきました。
独立系証券会社としては、日本で1位の存在感を誇っていますが、以下では野村證券の概要を見ていきたいと思います。
リテール営業部門
リテール営業部門は、個人や中小企業などを対象とした小口の業務のことで、個人投資家向けの株式や投信、債券などの販売営業をしています。
全国に約139の本支店や営業所、コールセンター等があり、それらを通じて国内の個人や法人を相手に様々な金融サービスを提供しています。
サービス内容として、株式、債券、投資信託や資産運用の提案に始まり、相続、事業承継に関するサービスまで幅広い内容が挙げられます。
また野村証券は顧客基盤も盤石であり、一人一人の営業マンが持つ能力も非常に高いことで知られています。
ホールセール部門
一方、ホールセール部門とは、 リテール営業部門とは反対に大企業等の顧客を対象とした大口の業務を扱う部門をさします。
野村證券のホールセール部門は、国内外の事業会社、政府機関、金融機関等の幅広い法人や機関を相手として、幅広い金融サービスを提供しています。
この部門は、金融商品の組成、販売、リサーチ、トレーディング業務等を行うグローバル・マーケッツと資金調達のアレンジを行うインベストメント・バンキングから構成されています。
コーポレート部門
コーポレート部門とは、一見「守り」の姿勢が重要と思われる、経営企画や人事等の総務、経理財務、そして法務などの業務を総称して行う部門です。
バックオフィスを領域とする業務であるため、その成果が目に見えにくくはありますが、一つ一つの業務が経営戦略の推進に直結しており、極めて重要な業務であります。
そのため、他部門へのサポートとして「守り」をするだけでなく、同時に「攻め」のサポートをする必要があり、社員一人一人には多様な知識と経験が求められます。
野村證券で激務なのはリテール営業
上述で紹介しました3つの部門の中で、特に激務とされるのがリテール営業部門ですが、一体なぜ野村證券においてリテール営業部門が激務だと言われているのでしょうか?
以下の見出しでは、その理由を5つに分けて詳しく見ていきますので、その他の部門とも比較し、リテール営業部門の特徴を正確に把握することを心がけましょう。
また、リテール営業部門以外の投資銀行部門やリサーチ部門が激務と言われる理由を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
野村證券のリテール営業が激務である理由
リテール営業が特に激務と言われる理由は、顧客の新規開拓が困難なこと、営業ノルマの未達成が許されないこと、世界経済の影響を受けやすく相場が不安定であることの3つです。
これらの理由は、野村證券のリテール営業部門で働く社員に求められる資質にも関係するので、それぞれ詳しく順番に見ていきたいと思います。
理由①|新規開拓で断られ続ける
営業の売上を拡大していくために、すべきこととして、新規開拓でどれだけ多くの案件を受注できるかという課題があります。しかし、業界1位の野村でさえ、開拓先への初回アポ取りで大変苦労しているのが現状です。
アポ取りに成功しても、多くの案件を受注してもらうためには、開拓先の担当者との良好な関係性を築き、持続させる必要がありますが、実際は持続できないことがほとんどです。
当然、新規開拓で多くの案件を受注できない場合、利益に結び付く結果が得られないため、成功するまでかなりの時間と労力をつぎ込むことになります。
理由②|ノルマ未達で詰められる
野村證券のリテール部門は、先ほどご紹介したとおり、株式や投資信託、相続、事業承継に関するサービス等を行っています。
そういった業務において、当然ついて回るのが「ノルマ」です。 なぜなら、営業担当者を評価する上司は、働き方を総合的に評価する一手法とせざるを得ないからです。
現在、コンプライアンスが騒がれる時代においても、ノルマを達成できなかった場合、上司から「なぜできなかった。進行管理は徹底していたのか。今後は必ず達成できるか。達成するためのビジョンを提示しろ。」と言われることもあります。
理由③|不要と知りながら押売りをする罪悪感
前述のように、野村證券には厳しいノルマがあり、それを達成しなければ相当なプレッシャーがかかります。そこで、リテール営業の社員は、顧客に強引に商品を勧めることになります。しかし実際は、顧客にとって不要な商品を強引に契約したり、顧客が損をすると分かっていても自分が数字をだすために売りつける場合が多いです。
しかしながら、罪悪感を感じたり、数字のプレッシャーから解放されたいという思いと板挟みになったりします。顧客に商品を売って売らなくても、精神的に追い詰められる環境から多くの人が脱落してしまうので、激務と言われます。
理由④|相場が下がるのは不可抗力
日本経済のみならず、世界経済の状況にも大きく影響を受けるため相場が低迷することは不可抗力と言えます。こういった業界自体が為替や株価、証券の影響を受けるので、利益に大幅な差が生じてしまいます。
相場が下がった時こそ顧客は不安になるので、迅速な連絡体制を整えることが必要です。証券会社の社員でも、そこが一番心苦しいと話す人は多いです。
その迅速な体制作りこそが信頼となるため、かなりの人員と労力を割いて対応に当たると言います。それも激務と言われる要因の一つなのかもしれません。
理由⑤|際限のない努力の競争が起きる
どの金融機関も同じ商品を扱うため、差別化する要素は「人」となります。断り続ける顧客の趣味を勉強して話の糸口を掴んだり、他の証券会社の営業マンよりに遅れまいと常に情報を探したりする必要があります。
このように、「人」で勝負する証券業界は努力をし続けることが求められ、激務と言われる一因になっています。
野村證券では働き方改革の成果が出ている
野村證券では今、社員が心身ともに健康で自身の持てる力を十分に発揮できる働き方を実現させ、生産性向上や新しい価値の創造につなげることを目標にしています。
前述の激務な背景から、従来の体質からの脱却を目指し、働き方改革アクションプランも制定しています。
具体的な施策としては、長時間労働の是正、年休の取得促進、柔軟な働き方の促進など証券会社以外でも推奨されている働き方の改革を積極的に行っています。
野村證券の社風は体育会系
一般的に、野村證券の社風は体育会系と言われており、社員間の上下関係に厳しく、礼を重んじるため、取引先の顧客からも高い信頼を得られていると言われています。
そこで、野村証券の社風をより明確に表す内容を2つ挙げますので、入社して働きたいと思えるかどうかを検討してみると良いでしょう。
高いブランド力は健在
競合の証券会社と比較しても、野村証券にはブランド力がありますが体育会系とはいえ、そこには業界1位の存在感があり、幾分か契約を取りやすいと言われています。
一方で、体育会系ならではの強い上下関係なども色濃く残っているため、そういった社風に多少なりとも抵抗を感じる社員も一定数はいます。
しかしながら、高いブランド力の裏にある、そうした風土と働き方改革による新たな風が織りなす相乗効果には今後期待していくことができます。
女性社員には美人が多い
野村証券で働いている女性社員は、基本的に美人な社員が多いとされていますが、実態はどうなのでしょうか。
確かに美人社員を採用することで、企業イメージや業績にも良い影響を与えることができます。例えば、リテール営業の場合、自分の担当が美人であれば、少しは助けてやろうという心理が働くこともありえるでしょう。
以下の記事では、野村證券に美人社員が多いという噂を徹底的に検証しています。実際に美人社員を採用するメリットや噂を紹介したのち、部門別に実態を解説しています。女性社員の働き方についても言及しているので、少しでも気になる方は、ぜひ一度ご覧ください。
野村證券のリテール営業で誤解されがちなこと
野村證券では激務という印象が先行し、以下の2つの点が見逃されがちです。
- 勤務時間はそれほど長くない
- 他業界では不可能な高収入を期待できる
勤務時間はそれほど長くない
リテール営業は上司からの詰めや顧客への罪悪感といったストレス耐性が非常に重要な一方、勤務時間は標準的です。若干、朝が早いものの、近年は働き方改革の影響もあり、若手は残業せずに早く帰らせることも多いようです。
営業の外回りでも車や自転車で支店周辺の地域を回るだけのため、肉体的な負担が少ない点も、誤解されやすいポイントと言えます。
他業界では不可能な高収入を期待できる
證券業界では、ノルマを達成することで高い収入が期待できます。特にノルマの文化が根強く残る野村證券では、ノルマを達成し続けることで、20代でも1000万を超える年収を手にすることができます。
さらに年次や実績が上がれば、年収は数千万に達することもあります。実際、野村證券の有価証券報告書では、平均年収が1384万円と報告されており、多くの社員が一般的な日系大手メーカーのおよそ2倍の収入を得ています。
同業他社の社風との違い
続いて、大和証券やメガバンクとった同業他社の社風との違いを把握するために、傾向や取り組みについて比較しながら、詳しく見ていきたいと思います。
野村証券を志望する学生にとって、大和証券やメガバンクは併願の候補となるため、このようにベンチマーキングを行うことは重要な企業分析の手法とも言えます。
大和証券|温和かつ働き方改革でも先行
大和証券グループは人材の重視を企業理念としています。大和証券の働き方改革において、重点を置かれている取り組みは以下の4つです。
- 一人一人が活躍し続けられる環境の整備
- 女性の活躍とワーク・ライフ・バランスの推進
- 若手やベテラン層への活躍支援
- 健康経営の推進
こうした働き方の改善に繋がる施策は、まさに働き方改革における先駆けであり、激務と言われる証券会社で働いている社員にとっては、会社からの大きな励みにもなっています。
メガバンク系|グループ連携を加速
メガバンク系は、グループ間で連携し多様な提案を行うことで顧客獲得に繋げようとしています。社風は統廃合もありそこまで色濃くありません。
しかし、上位2社の方がブランド力では他社に勝るので、より強気の営業ができる人材が求められています。
また、メガバンク系においても働き方改革は積極的に進められており、男性行員の育児休暇取得を支援したり、減点主義の見直し、若手行員の登用機会増加といった、今後の成果に大きな期待ができる施策がいくつも行われています。
野村證券に向いている人
ここまでを読んでみて、野村證券に向いている人とはどのような人だろうと思った方もいるのではないでしょうか。
就職活動では、企業が求めている人物像を正しく把握しておくことが大切な企業研究の1つとなります。
以下では、野村証券に向いている人をイメージしてもらうため、3つのタイプに分けそれぞれ説明していきます。
資質①|根性がある人
先ほどもお伝えしとおり、野村はかなり体育会系色が強い企業です。そのため、昔からスポーツをやっていた方や部活動などに励み根性を鍛えた経験のある方に向いています。
新規開拓ができなかったり、思うように仕事が進まない時に弱音を吐いたり、投げ出してしまうことはできないので、職務として最後まで全うする根性が不可欠です。
ただしそうは言っても、根性がなければ資質がないわけではなく、人には負けない強みや自分にしかない特技などを根性の代わりに用いることも可能です。
資質②|人から好かれやすい人
野村証券の仕事は、顧客と契約を結ぶ仕事であるため、人から好かれやすい人は特に向いていると言えます。人に好かれやすいというのは、相手が自分に心を開いてくれる機会が他の人よりも相対的に増えるため、成果に繋がりやすいのです。
また、野村証券で働く以上一つでも多くの契約を結び、受注を受けられるかどうかがノルマの評価基準にもなっています。そのため人から好かれにくい人でも、自分を客観的に見つめ直してみることも大切になります。
資質③|自分の成長がモチベーションになる人
金融知識の修得や日々変動する業界動向を知って、自分で考えられるようになるのが面白いという人は、野村證券に向いています。
淡々と業務をこなす能力よりも、世界の変動に目を向け、いつも自分自身が成長していることを感じられる人には最適な職場環境なのです。
もちろん、金融に関する商品を取り扱うため、深い知識、確かな経験や最新の情報を提供することも求められます。
世界経済の先行きが不安な時代だからこそ、顧客のニーズに合った商品やサービスを提供したいという熱意が不可欠な仕事です。
野村證券の選考情報
野村證券が激務であると承知の上で、給与や仕事内容に魅力を感じて志望する学生は大勢います。そのような学生のために、本見出しでは、野村證券の選考情報について解説します。
野村證券の選考フロー
野村證券の選考フローは、以下の3つに大別されます。
- インターンからの早期選考
- リクルーター面談からの早期選考
- 6/1から始まる通常選考
インターンに参加している学生の場合、激務な野村證券の仕事への理解が深いため、入社後のギャップが少ないと考えられます。そのため、積極的にインターン参加者から採用を行なっています。
一方、3月以降にエントリーをした場合でもリクルーター面談に呼ばれ、高評価を受けることができれば、6/1以前に内定を獲得するチャンスがあります。「軽くお話をしましょう」と言われても気を抜かず、志望動機や学生時代に頑張ったことへの深掘りに対応できるよう準備しましょう。
リクルーター面談で漏れてしまった学生も、6/1から面接に臨むことができます。辞退者を含めて一定の枠は残っています。諦めずに準備をしましょう。
野村證券の採用大学
野村證券は東証一部上場企業なので、学歴フィルターがかかっているのではないか、と懸念する学生もいるかと思います。しかし野村證券は投資銀行部門を除けば、非常に幅広い大学から採用しているため、リテール営業への熱意や親和性を示すことができれば、十分内定のチャンスはあります。
採用実績のある大学の中でも、代表的な学校は以下の通りです。
- 東京大学
- 慶應義塾大学
- 早稲田大学
- 立教大学
- 関西学院大学
- 近畿大学
- フェリス女学院大学
- 大妻女子大学
- 京都女子大学
- 龍谷大学
- 拓殖大学
- 帝京大学
- 福岡大学
- 大東文化大学
- 産業能率大学
出典:就職四季報(2019年版)
まとめ
野村証券は、激務であり体育系な社風を持つ証券会社であることだけでなく、社員一人一人が高い満足感とより良い成果を出せるよう、働き方改革を行っています。
また、野村證券に向いている人や併願先になりうる企業の特徴もわかったため、就職活動を行うにあたり再度、これらの情報を検討してみてはいかがでしょうか。