東京五輪などの影響もあり、建設業界はここ数年好調です。一方で、生産性の向上や人手不足といった課題や、東京五輪後の需要は縮小など不安材料もあります。そんな状況下で国内大手ゼネコンはどのように先を見据え、経営をしているのでしょうか。本記事では、大手ゼネコンの1つである、清水建設の社長、井上和幸氏の経歴、実績や年収についてご紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
清水建設の社長は井上和幸
井上和幸(いのうえ かずゆき)氏は清水建設株式会社の代表取締役です。国内大手ゼネコン会社である清水建設の13代目社長にあたります。社長が交代したことで、前任である宮本洋一は会長に就任しました。
ここでは、清水建設の基本情報と井上和幸氏のプロフィールをご紹介します。
清水建設の基本情報
本見出しでは、清水建設の公式ホームページを参照して、清水建設の基本情報をご紹介します。
清水建設はスーパーゼネコン5社(清水建設、大林組、鹿島建設、大成建設、竹中工務店)の一角です。創業が1804年と、200年以上の歴史を持ちます。
清水建設の社長 井上和幸のプロフィール
2016年4月1日に井上和幸氏は、取締役兼専務執行役員名古屋支店長から取締役社長に就任しました。井上和幸社長のプロフィールは、以下の通りです。
家族構成は、妻、息子2人ですが、既に息子は2人とも独立しており、現在は妻との2人家族とのことです。
清水建設の歴代社長
清水建設は200年以上続く歴史ある会社であるため、現在の社長が13代目とかなりの歴史があります。また、築地ホテル館をはじめ、歴史的にも数多くの名建築を手掛けています。
また、初代の清水喜助と3代目の清水満之助は2代目4代目にそれぞれ名前を継がせていることも特徴的です。
清水建設の社長 井上和幸(いのうえ かずゆき)の経歴と実績
井上和幸氏は早稲田大学大学院理工学研究科建設工学を修了し、1981年に入社しました。ここでは、井上和幸氏の経歴と実績についてご紹介します。
清水建設の社長 井上和幸の経歴
本見出しでは、清水建設の社長である井上和幸氏の経歴をご紹介します。
「大きなものを作る仕事がしたい」と早稲田大学の建設工学へ
井上和幸氏は、当時まだ畑も残る環境下の東京都世田谷区で生まれます。税理士だった父の跡を兄が継ぐこととなっていたため、自分は父や兄とは違うとにかく大きなものを作る仕事がしたいと考え、進路は建築や土木を考えていたと言います。
その思いから、区立中学を卒業し、早稲田大学高等学院から早稲田大学の建築学科へと進みました。進路を考えていた高校生の頃に、見てもらった占い師が、将来の仕事は「青写真を扱う」「ハンコをよく押す」「鉄との相性が良い」と発言しており、今思えば不思議と当たっていたと語っています。
大学で学ぶ中で、建築経済という分野に興味をいだき、大学院進学後もその分野へと磨きをかけていきます。
現場でものづくりに対するプライドと品質に対するこだわりを学ぶ
「技術力があり、堅実な経営をする会社という印象があったから」との理由から、1981年に清水建設へ入社します。入社後は約20年にわたり、横浜支店で施工管理に携わります。
入社後初の現場で、足場をすべて解体された後、外壁に波を打ったような凸凹が浮かび上がったことを当時の建築部長に「これはシミズの仕事じゃない、やり直せ」と激怒された経験から、品質第一という社の理念を身を持って覚えたと語っています。
ものづくりに対するプライド、品質に対するこだわりを肌身で感じ、生涯技術者としての道を進むと考えていたそうです。
突如、技術者の道から営業の道へ
そんな中、46歳の時に突如営業部長へと転身を言い渡されます。
現場から営業へと転身したことで、現場と営業では顧客に対する姿勢、仕事の仕方に違いがあるということを学びました。どちらの仕事にも困難があり、それぞれの辛さがあるという違いを双方が互いに理解し、尊重し合う環境が最も重要だと今は考えているそうです。
また、その考えから、多くの社員にさまざまな仕事を経験して視野を広げて欲しい、そうした人材が今後のシミズを強くするとも語っています。
清水建設の社長 井上和幸の実績
では、そんな井上和幸氏が社長に就任してからの実績についてご紹介していきます。
次世代型生産システム「シミズ・スマート・サイト」を開発
現在、建設業界では生産性の向上に向けた活動と将来の担い手の確保が課題になっています。清水建設では、そうした課題の解決策として最先端技術を搭載した自律型ロボットが連携するシステム「シミズ・スマート・サイト」を開発し、現場の省人化へと取り組んでいます。
シミズ・スマート・サイトを30階建て・基準床面積3,000m2クラスのビルに適用した場合、省人化の効果は、揚重・搬送作業で75%(2,700人)、天井・床施工で78%(2,100人)、柱溶接作業で79%(1,150人)、計6,000人近くになるという試算結果が出ています。(出典:自律型ロボットが連携「シミズ・スマート・サイト」が現場を変える!)
上記のような省人化が期待できる一方で、この規模の現場全体での省人化効果は約1.1%に過ぎないそうです。人とロボットが協働できる環境をつくるために、清水建設では、今後も生産性向上と担い手確保に向けて、新時代の生産システムに挑戦していくとのことです。
2018年度の連結当期純利益が過去最高益となる
「中期経営方針2014」に基づく事業強化および基盤強化に取り組み、2018年度の業績が連結経営利益1,339億円となり、「中期経営方針2014」の最終年度の目標(1,020億円)を達成しました。また、連結当期純利益は996億円で、過去最高益を記録しています。
今後の長期ビジョンとして「SHIMZ VISION 2030」を掲げ、建設事業の枠を超えた新たな価値の想像、イノベーションの創出にも挑戦していくと2019年版コーポレートレポートにて語っています。
清水建設の社長 井上和幸(いのうえ かずゆき)の年収と評判
本見出しでは、井上和幸氏の年収と評判についてご紹介していきます。
大手ゼネコンといえば、年収が高いことで有名ですが、清水建設の社長である井上和幸氏の年収はどのくらいあるのでしょうか。
清水建設の社長 井上和幸の資産・報酬
清水建設の「2019年3月期有価証券報告書」によると、井上和幸氏の年収は1億3300万円(内訳:月額8200万円、賞与5000万円、株100万円)となっています。
高収入な大手ゼネコンの社長ですが、配当含む収入多い経営者ランキングTOP500でもランクインしていないなど、そこまで高い収入ではないようです。
また、井上和幸氏の個人資産は明らかとなっていません。
清水建設の社長 井上和幸の評判
1981年に入社して以来、清水建設一筋の井上和幸氏ですが、その人となりはどのような評価をされているのでしょうか。ここでは、井上和幸氏の評判について言及していきます。
顧客の評判が高く、愛される人間性
前任の宮本元会長は後任である井上氏を社長に選んだ理由として下記のように語っています。
「バランス感覚が良い。現場で培った粘り強さを持ち、営業では顧客からの評判が高い。人間として多くの人に愛される人物だ。建設業はものをつくって売るのではなく、つくることを約束してものをつくる。それにはトップの魅力が大事であり、彼が適している」(参照:清水建設/社長に井上和幸氏昇格/4月1日就任、本業さらに強化)
こうした愛される人間性や顧客からの評判の高さは、彼が現場で長年心がけていたものづくりに対するプライドや品質に対するこだわりといった真摯な姿勢が影響しているのかもしれません。
本業以外に不動産開発に力を入れるなど、先を見据えた上で挑戦していく姿勢
建設業界が好調な中で、19~23年度の中期経営計画では不動産開発に力を入れる方針を掲げるなどから、挑戦的な姿勢が伺えます。
この理由としては、景気の波の影響を受けてしまう建設業に対し、建設の請負以外の事業を安定的に成長させて、持続可能な会社にしていくという考えがあるようです。
そうした先を見据えた上で勝負に出ることのできる挑戦的な姿勢は、今後の清水建設の成長に繋がっていくのではないでしょうか。
清水建設の社長 井上和幸(いのうえ かずゆき)についてもっと知りたい方へ
前任の宮本氏にトップとしての魅力を備えていると言わせた、井上和幸氏についてより詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。そのような方には、「エコノミストonline」のインタビュー記事を読むことをおすすめします。
こちらの記事では、2019年3月期が好調であった理由や、今後の中期経営計画について詳しく語っています。また、30代の頃の自分についてや好きな本なども紹介しているので、井上和幸氏の人柄をより知ることができるでしょう。
まとめ
社長に就任して3年目の2018年度では過去の最高の最終利益を記録するなど、既に井上和幸氏は十分な手腕を発揮していると言えます。
現場と営業、どちらの道も知る井上和幸氏が今後清水建設をどのように成長させていくのか、今後も目が離せません。大手ゼネコンや清水建設への就職に興味のある方は、これを機に企業研究を進めてみてはいかがでしょうか。