日立製作所の子会社まとめ|親会社との関係や主要子会社の事業内容を紹介!

大手企業として有名な日立製作所とその子会社についてまとめました。また日立グループ再編・売却についてや子会社との関係を紹介します。日立グループ会社数は多く、日立製作所に就職は難しいと感じている方には、子会社へのエントリーもおすすめなので主要子会社の特徴と採用情報も紹介します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

日立製作所は総合電機メーカー

日立製作所といえば、誰もが知る日本屈指の電機メーカーです。その中でも日立グループとしては2019年6月時点で798社も子会社を抱える大グループです。

日立製作所を志望する学生にとって、日立製作所は非常に魅力的な大企業ですが、難関会社といっても過言ではありません。

そこで、日立グループの子会社を選択肢にいれることもおすすめです。子会社についても紹介しますが、まずは日立製作所の概要を紹介します。

目次

幅広い事業領域を持つ

日立製作所は、日立グループとして幅広く事業展開していますが、日立製作所としての立ち位置は、世界有数の総合電機メーカーです。ご家庭に日立製品がある方も少なくないでしょう。

グループ全体の売上収益は9.3兆円(2018年時点)で、世界中に展開しており、鉄道事業やヘルスケア事業、エネルギー事業などに取り組んでいます。

日立製作所一社としては難しいため、グループ化してたくさんの企業を傘下に置き幅広い事業活動を通じて顧客や社会の問題解決に図ることを理念としています。

前社長の中西宏明は経団連会長を務める

日立製作所の前社長は中西宏明(なかにしひろあき)氏です。

東京大学工学部電気工学科を卒業し、日立製作所に入社しました。その後、1979年にスタンフォード大学大学院修士課程を修了し、当初は子会社に籍を置いていました。

しかし、グループ史上最悪となる赤字を計上した2009年に、経営再建のために本社に呼び戻され2010年から社長を務め、日立グループの赤字回復の立役者となりました。その後2018年5月に経団連会長を務めました。

経団連とは、正式名称を一般社団法人日本経済団体連合会といい、日本の大企業で占めるグループです。そこの会長であったということで、それだけ日本産業界に影響を与える大きな企業が日立製作所といえます。

総合電機メーカーについては以下の記事で紹介しています。子会社だけでなく、業界全体を深く知るためにぜひご活用ください。

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子会社とは

子会社とは親会社と対になる言葉です。親子関係であるかどうかは、議決権を何割保有しているかや、実質的な支配をしているかどうかで判断します。

子会社の中でも3種類あり、

  • 完全子会社(議決権100%)
  • 連結子会社(議決権50%超など)
  • 非連結子会社(支配が一時的など)

に分けられます。従って、子会社とは関連会社や関係会社とはまた異なるということがいえます。

日立製作所と子会社の関係

先ほど日立製作所には多数の子会社が存在すると記述しましたが、親会社と財務情報が合算されるので、連結子会社として存在しているといえます。

社内カンパニー制を導入している

その中でも日立グループは社内カンパニー制という制度をとっています。社内カンパニー制とは、企業内で事業分野別に効率よく事業を行うため、日立製作所内の部門のように扱われていますが別会社として経営する制度をいいます。

日立は巨大グループ化していたため、社内カンパニー制を導入し、9つのカンパニーにグループ会社を振り分ける形で、事業分野を分かりやすく整理しました。

親会社の主力事業を子会社が担っていることがある

先述した通り、社内カンパニー制の導入により、親会社の主力事業を子会社が担うケースもあります。

例えば、日立の社会・産業システムに分類されるエレベータ事業は、日立ビルシステムという子会社が担います。このように親会社の日立製作所に入社しても、それぞれの分野の事業を担う子会社へ出向するケースも多くあります。

つまり、日立製作所は親会社が完全に子会社を支配しているというような力関係というよりも、子会社の集まりで主力事業の顔として親会社が成り立っているという認識で良いでしょう。

日立グループは再編を進めている

日立は子会社の数も多く、グループ再編には大変な労力がかかります。当然、1~2年で終わる話ではありません。以下では、日立製作所のグループ再編の歩みや現在、そして未来の再編について解説します。

日立は上場子会社を数多く売却してきた

日立は2008年度決算(2009年3月期)で莫大な損失を計上して以降、肥大化したグループの再編を進めています。日立は連結子会社数でソニーについで2位となっていることからも、その規模の大きさが分かります。

具体的に、売却した上場子会社には、以下のようなものがあります。

  • 日立工機(2017年度売却)
  • 日立マクセル(同上)
  • 日立国際電気(2018年度売却)
  • クラリオン(2019年度売却)

いずれも、単独で収益を稼ぐことができていないことや、今後の日立の主要事業との親和性がないと判断されたことが売却の要因とされています。

親子上場する主要子会社4社の行方

加速する日立のグループ再編に伴い、現在も上場子会社として残っている企業は以下の4社です。

  • 日立金属
  • 日立建機
  • 日立ハイテクノロジーズ
  • 日立化成

以上の4社は日立の子会社の中でも数千億円の売上を誇る優良企業であり、かつての日立では中心的な役割を担っていたことから「4兄弟」や「御三家」と呼ばれています。しかし、この「4兄弟」にも再編の波が訪れています。

特に日立化成については、2019年12月、化学メーカーの昭和電工に売却されることが発表されました。さらには日立ハイテクについては、日立が完全子会社化することが検討されていると報じられています。以下は、有料版の記事から、日立ハイテクの子会社化の計画についての報道を引用したものです。

日立は日立ハイテクを完全子会社化後に低収益事業の売却を検討している。売却候補としては半導体装置事業が挙がっているという。市場では「不採算事業の売却は、稼げる事業にバラツキがある日立ハイテク自身の収益力向上につながる。

出典:日本経済新聞「<東証>日立ハイテクがストップ高買い気配 完全子会社化報道『収益力も向上』の声」

日立金属と日立建機についても、今後、売却、独立、吸収のいずれかの選択を迫られることになり、目下、その協議が進められている状況です。ただ、市場は日立の再編を好意的に受け止め、株価も上昇しているようなので、今後も目が離せません。

グループ再編の基準は「Lumada(ルマーダ)」との親和性

グループ再編を加速させる日立ですが、その基準は「IoTプラットフォーム『Lumada(ルマーダ)』との親和性があるかどうか」です。

「Lumada」とは、あらゆる機器につけたセンサーから収集した情報をビッグデータとして解析し、工場の効率性を高めたり、機械の不具合を事前に察知したりするものです。

「Lumada」を駆使して改善提案を行うことで、継続的に収益を生み出すのが目的であり、よりコンサルティングに近い事業と捉えることもできます。「Lumada」の売上は1兆円を超え、今後も成長させていく方針です。

デジタルイノベーション企業への転換点において、過去の重厚長大な製造業を支えた日立の子会社たちは、新たなビジネスに貢献しうる技術を持っているかどうかという観点で見極められていることになります。

日立製作所の主要子会社一覧

日立製作所の主要子会社を以下に6つ例として挙げました。

以下で特に有名で主力事業となっている4社をご紹介します。

日立金属

日立金属とは、日立グループの中で鉄鋼業や金属材料事業を担う会社です。1956年に日立製作所が全額出資して設立させ、日立グループでは日立製作所に次ぐ大企業となっています。

日立グループの中でも大規模な会社といえるのでしっかり押さえておきましょう。以下に事業内容と採用情報を紹介します。

日立金属の事業内容

自動車関連分野部品や産業インフラ関連分野部品、エレクトロニクス関連分野部品などを製作しています。

このような材料開発を基盤として多角的な事業構造により、様々な分野の製品を取り扱います。事業基盤は幅広く、日立金属の確かな技術力によって幅広いニーズに応えることができます。

これにより日立金属は日立グループの成長の原動力となっているといえます。 強力なライバル企業としては新日鐵住金や住友電気工業が挙げられます。

日立金属の採用情報

日立金属の採用情報HPを参考に以下にまとめました。

賞与も年2回あり、完全週休2日制で、年次休暇は126日で、海外に転勤になったとしても配偶者海外赴任帯同休暇 があるなど福利厚生は申し分ありません。さすが大企業といえます。

総合職をはじめとし、技術系と事務系に分けて募集をしているようで、事務系の場合卒業学部は不問です。

日立建機

日立建機は、建設機械開発事業を担う会社です。日立を代表するグループ会社の一つであり、建設機械業界では、世界でキャタピラー社、コマツ社に次ぐ第3位の規模です。

元々日立製作所が行っていた建設機械の製造部門が分社化し発足した会社で、グループの中でも日立製作所との距離は非常に近い企業です。

以下、日立建機の事業内容と採用情報をまとめました。

日立建機の事業内容

建設機械開発事業を主としており、掘削・運搬・解体からスクリーンなど、あらゆる機能を網羅する機械製品を消費者へ提供しています。

また意外と知られていないが中古車の販売です。全世界へのネットワークを活かして良質な中古車を提供しています。

同業他社としては日本だとコマツが最大のライバル企業といえます。

日立建機の採用情報

日立建機採用HPを参考に以下にまとめました。

賞与は年2回あり、完全週休2日制です。またリフレッシュ休暇の他に配偶者出産休暇などもあります。財形貯蓄制度もあり、働きやすく貯金もしやすい会社と言えそうです。

日立ハイテクノロジーズ

日立ハイテクノロジーズは、電気機器関連の開発・流通を担う会社です。 旧日製産業株式会社が日立製作所の電子部品等の事業を統合して発足しました。Iotに力を入れている日立グループの中では特に中核を担う会社です。

日立ハイテクノロジーズの事業内容と採用情報をまとめました。

日立ハイテクノロジーズの事業内容

大きく分けて、ナノテクノロジー・ソリューション分野、アナリティカル・ソリューション分野、インダストリアル・ソリューション分野に特化しています。

主要分野では、IoTを活かしたソリューションツールを企業向けに提供してます。例えば、人工知能を活用した課題解決を支援するアプリなどです。

同業他社には、東京精密や東京エレクトロンが挙げられます。

日立ハイテクノロジーズの採用情報

日立ハイテクノロジーズの採用HPの情報をまとめました。

賞与は年2回です。完全週休2日制で年間休日は127日です。また年次有給休暇が24日あり、他社と比べると多いでしょう。

勤務時間はフレックスタイム制を導入していて平均的に7時間45分労働時間になるということです。保養所や社宅の利用ができることから、福利厚生も大企業らしくしっかりしています。

日立ビルシステム

日立ビルシステムは、 エレベーターやエスカレータの設計開発・製造・メンテナンスを行っています。建物の総合管理も行っています。

1956年に、日立製作所からエレベーター業務を委任されることで誕生した企業です。

災害などの緊急時にも対応ができるよう取り組んでいて、日本の頼れるエレベーター会社の一つです。以下事業内容や採用情報をまとめました。

日立ビルシステムの事業内容

主な事業内容はエレベーターやエスカレーターの保守点検ですが、建築物自体の保守点検や警備業なども行っています。

他にも非常時の対応や、ビルマンションのオーナーや管理者に対しての教育体制もできあがっています。建物のことに関しては丸ごとお願いできるのが強みですね。

同業他社としては、三菱ビルメンテナンスやフジテックなどが挙げられます。

日立ビルシステムの採用情報

日立ビルシステムの採用HPを参考に以下にまとめました。

賞与は年2回で、完全週休2日制です。2019年度の年間休日数は129日とかなり多く、ワークライフバランスがとりやすそうな職場と言えます。

総合職と技術専門職にわけて募集を行っています。またフレックスタイム制を導入しているとのことです。

サッカークラブを運営する子会社もある

また、日立グループが大きなスポンサーとなっている柏レイソルというサッカーチームについてご紹介します。

元々は日立製作所本社サッカー部が前身であり、1995年にJリーグに加盟しました。ユニフォームスポンサーには日立製作所と日立ビルシステムが名を連ね、クラブスポンサーとして、日立金属をはじめとした子会社が名を連ねています。

サッカーとも関わりがある企業というのは案外知られていないことなので、知識として知っておくことは大切です。

まとめ

今回は日立製作所とそのグループ会社についてまとめました。特徴として、日立グループは業務を効率的に行うために子会社化していった点があげられます。

日立製作所に入社するのは困難でも、グループ会社の中には比較的入社しやすい会社もあるので、ぜひ検討してみてください!

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