自動車部品メーカーのデンソーは、高年収・好待遇という恵まれた環境が特徴です。しかし、「激務」「辞めたい」「鬱病」といったネガティブな評判も少なくありません。特に、営業・生産技術の理系職の激務度が高いといえます。今回は、口コミや社風、社内制度などを検証し、その真相を探っていきましょう。
弊社bizualでは、就活で業界選び、面接対策、ES対策などにお悩みの方向けに無料サポートを実施しております。
無料登録後、下記就活サポートが完全無料で受けられるようになっているため、就活生の方はぜひご活用ください。
bizualのサポートに無料登録しておくと・・・
- 就活生専門のコミュニティに無料参加できる!
- 面談後参加できるコミュニティで近年の就活業界の傾向などの情報を受け取れる!
- ES免除・1次面接無しの選考ルートも選べる!
- 選考対策(ES添削・模擬面接)を無料サポート!
- 面接官からの合否フィードバックを共有!
この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
デンソーは自動車部品メーカー
株式会社デンソーは、愛知県にある自動車部品メーカーです。愛知県に拠点を構えていることから分かる通り、トヨタ自動車と非常に密接な関係があります。もともとトヨタ自動車の開発部門に属しており、今もトヨタグループ系列です。
売上高は5兆1,082億円(2018年3月期)で、従業員数は16万8,813人(連結)。自動車部品では、世界ナンバーワンのシェア率を誇ります。
デンソーで激務なのは理系職
デンソーの平均年収は730万~830万円で、ボーナスの平均額も206万円(2018年)と、一般的な企業に比べて好待遇です。しかし、なかには「激務」という評判も耳にします。特に、理系職は激務と評判です。
過去にはデンソーで理系職として働いて方の裁判も行われました。裁判では、鬱病を発症した原告と被告(デンソー側)が争われました。結局、「信義則上、安全配慮義務があったにもかかわらず、その責任を果たさなかった」として原告側を救済する勝利判決を出しています。
上記は一例ではあるものの、デンソーの裏の顔を暗示しているといえるでしょう。また、激務の理由を探るべく、以下でより詳しく検証を行っていきます。
デンソーの理系職が激務である理由
先ほどデンソーで起きた裁判の様子を簡単にお伝えしましたが、激務という評判は本当なのでしょうか。ここでは、様々な口コミや事実情報をもとに真相を検証していきましょう。
理由①|突発的なトラブル対処
突発的なトラブルが起きると納期に間に合わせるために、想定外の稼働をする必要が出てきます。しかも、デンソーの理系職は、月間残業時間80時間、管理職だと120時間と、突発的トラブルの多さを物語っているようです。
従業員の働き方として、朝6時に起きてすぐに出勤し、帰宅は深夜0時すぎということも珍しくありません。過去には鬱病、過労死といった問題も表面化し、何度か裁判でも争われています。
理由②|短納期
工場の生産能力等を考えずに営業が仕事を取ってくると、工場をフル稼働させたり、それに伴う監督業務等が発生して長時間拘束されます。顧客の要望に沿って短納期で行う仕事も多いことも特徴です。
また、任される業務負荷が重すぎるという意見もありました。ワークライフバランスの見直しや、生産性改善といった課題が浮かび上がってきます。
理由③|トヨタの「カイゼン」が重荷
親会社のトヨタはトヨタシステム、カイゼン、なぜを5回繰り返す等、徹底的な合理化で有名ですが、当然、しわ寄せがくるのは工場や部品メーカーです。
求められた品質の製品を納めるには高い技術力が必要ですが、それが短納期や残業となって理系職の負担になっていることは確かでしょう。なかには、「トヨタ式にこだわるあまり、自力で新しいやり方を導入できない」といった厳しい意見も。
一方、改善活動やQCの成果発表が行われるため、社員の頑張りによっては正当な評価をしてもらえるともいえます。業務の過密さと評価システムのバランスが悪くなれば、理系職が激務と感じる方も多くなってくることでしょう。
デンソーの働き方改革は道半ば
デンソーには「激務」という評判が多く、従業員の過労問題も度々報道されています。しかし、朝型勤務や在宅勤務など、業界ではいち早くワークライフバランスの見直しに着手していることも事実です。
一方で、「実際には夜遅くまで働く人もおり、サービス残業を助長しているだけ」という、社内からの厳しい声もあがっています。
デンソーの従業員は16万人を超えますが、働き方改革の導入は順次実施というスローペースです。また、イメージダウンが売上に直結するBtoCビジネスとは違い、BtoBということで、改革のインセンティブは働きにくいでしょう。
こうした理由により、社内全体でワークライフバランスの見直しを実感できる人が少ないと思われます。
デンソーの社風
デンソーではチームワークを重視する社風があります。デンソーの元社長、現会長の加藤宣明氏も「チームワークを大切にすること」というメッセージを掲げています。
社内では「全社運動会」を開催するなど、職場の一体感を醸成する工夫も少なくありません。
一方、口コミの中では「正社員には優しく、派遣(非正規労働者)には冷たい」という声も特徴的です。社員同士にしか挨拶をしない、派遣社員の名前すら覚えないといった口コミもあり、やや偏った優遇風景が垣間見えてきます。
デンソー志望者に求められる資質
デンソーの働き方や社風を見ていると、同社の志望者に求められる資質として次の2点が表れます。
- 資質①|協調性
- 資質②|海外への関心
どちらもデンソーの内定を獲得するには重要な要因となるでしょう。就活生の方は、ぜひ以下をご参考ください。
資質①|協調性
チームワークを大切にするデンソーだからこそ、周りとの協調性やコミュニケーション能力が求められます。また、顧客の求める情報を得るには、社内の様々な部門・人を横断して折衝する能力も必要です。
関連会社が多く、裾野が広い自動車産業のため、多くの関係者と協力することも大切でしょう。社内だけではなく、幅広い人脈を通じて仕事を成功させていくため、価値観や立場が異なっても受け入れる度量も忘れてはいけません。
資質②|海外への関心
デンソーは日本国内だけではなく、広く世界中にグローバルネットワークを張り巡らせています。
北米と欧州を合わせると拠点数は51社、従業員数は4万人を超えます。また、アジア全体の拠点数は、日本の71社よりも多い74社です。デンソーがいかに海外に力を入れているかが分かるでしょう。
もちろんデンソーを志望する人にも、海外への強い関心や興味があることが求められています。外国語は当然として、他国文化や政治・制度、ビジネスなど多様な知識が必要不可欠です。
まとめ
デンソーは、世界シェアナンバーワンの自動車部品メーカーです。給与やボーナスの水準も非常に高いことから恵まれた環境だと思われがちですが、実際には「激務」という評判も耳にします。
今回は、様々な視点から評判に対する検証を行ってきました。徐々にではあるものの、時短勤務やリモートワークの効果も表れてくることが予想されます。就職を考えている方は、中長期的な観点でデンソーを眺めてみるとよいでしょう。