【企業研究】旭化成の平均年収は787万円以上|初任給やボーナスも解説

化学系のメーカーの中でも人気が高い企業に、旭化成があります。住宅事業や医療機器事業も展開しており、ここ数年は平均年収が上がっているようです。就活生にとっては、旭化成の初任給やボーナスがどうなっているのか気になることでしょう。そこで今回は、旭化成の平均年収について解説します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

旭化成の平均年収

旭化成の「第128期有価証券報告書(平成30年4月1日-平成31年3月31日)」によると、社員の平均年齢は42.3歳で、平均年収は787万1,666円となっています。

ここでは40~44歳の平均年収を787万円とし、各年齢の平均年収を国税庁が発表した「平成30年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」の賃金カーブを参考に、年代別の平均年収を算出してみました。結果は、以下の通りです。

日本人の平均給与が411万円であることを考えると、年収が高い部類に入るといえるでしょう。

目次

職種ごとの平均年収

旭化成の「採用情報」によると、新卒採用は「事務系職種」と「技術系職種」に大別されます。 旭化成は各種サイトからの情報に基づいた平均年収は、以下の通りです。

ちなみに、職種別の仕事内容は以下のようになっています。

  • 事務系職種/企画営業、事業企画、経理・財務、法務、人事、購買、物流など
  • 技術系職種/研究・開発、生産技術開発、知的財産、技術営業など

事務系職種の方が平均年収が高いのは、企画営業など売り上げに関わる職種が含まれているからだと考えられます。

学歴ごとの平均年収

旭化成の学歴別の平均年収については、各種サイトでも参考になる情報がありませんでした。その代わりに各種サイトからの情報に基づいて、役職者の平均年収をまとめておきます。

旭化成は、学歴によって昇進のスピードが違うといわれています。偏差値の高い大学あるいは大学院出身者は、早ければ40歳前後で課長に昇進するそうです。そう考えると、学歴によって平均年収に差があることが予想できます。

旭化成の初任給

就活生にとっては、初任給も企業選びの大事なポイントです。旭化成の「採用情報」に記載されている、 2019年4月実績の初任給は、以下の通りです。

  • 大学卒/22万2,890円
  • 大学院修士卒/24万7,550円
  • 大学院博士卒/28万9,910円

化学系メーカーなので、専門スキルのある大学院卒業者の初任給が高くなっています。

旭化成のボーナス

旭化成の「採用情報」には、賞与が年2回であることは明記されていても、それがどの程度の額なのかは書かれていません。しかし、各種サイトからの情報によると、旭化成の年間のボーナス支給額は基本給の6ヶ月といわれています。

平均年収が787万円であると仮定した場合、月給が約43万7,000円、1回のボーナスで131万1,000円が支給される計算となります。ここから所得税と社会保険料を引いた手取り額は、月給で34万9,600円、ボーナスで104万8,800円と予想できます。

旭化成の年収・給与に関する評判

旭化成の平均年収や初任給について説明しましたが、実際に働いている社員はどう考えているのか、気になる就活生も多いはずです。ここでは「カイシャの評判」に寄せられたコメントを紹介します。

同年代平均以上は貰えている。賞与は決算に連動するが、直近では夏冬で合計6~6.5ヶ月分程度だと思う。昇給は基本的に毎年が5000~10000円上がるものと、2~3年に1度月3~5万円上がる2種類存在している。基本的に年功序列で、年功序列から外れようと思うならば規定レベル以上の国家資格を取らなければいけない。又、入社10年以内くらいは成果があまり反映されず、基本的にエスカレーター式に給与は(少しずつではあるが)伸びていく傾向にある。 (20代男性・専門職)

他のコメントをみても、年収については満足している社員が多い印象でした。

旭化成の年収が安い理由

旭化成は化学系メーカー業界でみると、平均年収は安いです。同業他社の平均年収については後述しますが、同じ就職偏差値ランキングの企業と比較すると、年収で約34万円から210万円、低くなっています。

実は2016年度までは、旭化成の平均年収も900万円台前半で推移していました。しかし旭化成ケミカルズ、旭化成せんい、旭化成イーマテリアルズの吸収合併に伴い、純粋持株会社から事業持株会社制へ移行したことにより、平均年収が下がりました。これが、業界内では平均年収が安い理由です。

旭化成の基本情報

就活生にとっては、平均年収だけでなく、どのような企業なのかがとても重要です。ここでは、旭化成の基本情報を紹介します。

企業情報

旭化成の公式サイトにある「会社概要」から抜粋した企業情報は、以下の通りです。

福利厚生・休暇制度

旭化成の採用サイトの「採用情報」に記載されている、福利厚生・休暇制度は以下の通りです。

  • 福利厚生/独身寮並びに社宅完備、福祉共済会制度(共済生保・医療共済・がん保険他)、財形制度、社員持株制度、全国各地リゾート施設並びに各種フィットネス施設と法人契約あり
  • 教育制度/海外派遣・留学制度(会社指名制・公募制)、社内英語研修、通信教育補助、語学学校・ビジネススクール通学費用補助、公的資格取得費用補助、検定試験受験費用補助など
  • 休暇制度/完全週休2日(土日祝日)、年次有給休暇(初年度15日・最高20日)、年末年始休暇、慶弔休暇、介護休暇、リフレッシュ休暇、育児休暇(最長3年)あり

旭化成は福利厚生や休暇制度だけでなく、教育制度も充実していることがわかります。

社風・経営理念

旭化成のホームページに掲載されている、グループの企業理念は以下の通りです。

私たち旭化成グループは、世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。

これは、時代や社会が求めるものが代わっても、旭化成は変わらずに世界の人々を思い続けるという姿勢が込められたものです。そしてグループバリューとして、以下を掲げています。

「誠実」: 誰に対しても誠実であること。
「挑戦」: 果敢に挑戦し、自らも変化し続けること。
「創造」: 結束と融合を通じて、新たな価値を創造すること。

旭化成は、小さな約束を積み重ねることで信頼を構築するという、誠実さを重視した社風であることがうかがえます。

ビジネスモデル

旭化成は創業以来、一度も赤字になったことがありません。その背景には、化学系メーカー業界のトップグループに位置しながらも、自社の投資枠の約半分を新規事業に投じるなど、現状にとどまらない、新規事業の開拓に余念がないからと考えられます。

そうした企業姿勢が、「ケミカル・繊維」「住宅・建材」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」という事業それぞれで、結果を残すというビジネスモデルに表れています。

化学系メーカー業界におけるポジション

旭化成は化学系メーカー業界に分類されますが、就職偏差値は75とトップクラスです。以下では同業他社の平均年収を、平成30年の有価証券報告書に基づいて表にまとめました。

就職ランクが同じ花王と富士フィルムだけでなく、偏差値が格下の三菱ケミカルや住友化学と比較しても、平均年収は低いです。しかし、これが業界でのポジションの低さにつながっているわけではなく、会社の体制移行によるものなので、人気の高さは続くと予想されます。

将来性

就活生にとっては、旭化成の将来性も気になるポイントでしょう。旭化成は常に時代の先を読み、新規事業に積極的に投資をしてきた実績がある老舗企業です。立ち上げた事業で成果が上がっていることを考えても、将来性は十分あると予想されます。

しかし、自分が今携わりたい事業が永続的にある保証はありません。就職にあたって、自分のキャリアビジョンをどう描くかで判断がわかれることでしょう。

旭化成の採用情報

旭化成では毎年、140名を超える新卒採用をしています。採用活動はグループで行われているため、前述した事務系職種・技術系職種の他に、MRの募集を行っています。マイナビ2021の「旭化成(株)の採用データ」によると、過去の採用実績は以下の通りです。

新卒採用者の出身大学に関する情報は掲載されていませんでしたが、全国の国公立並びに私立大学から採用しているようです。

まとめ

今回は、旭化成の平均年収の詳細を中心に、業界内でのポジションや会社概要まで幅広く解説しました。

旭化成は同業他社と比較すると平均年収が高いとはいえませんが、創業以来一度も赤字になったことがない経営体制と、充実した福利厚生・教育制度が魅力の会社です。時代や市場の変化に応じて、新しい製品やサービスをつくりたい人にはピッタリといえます。ぜひ応募を検討してみてください。

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