「高校の留年」はあまり聞いたことがないかもしれませんが、毎年3500人以上の人が高校を留年しています。この記事では高校の留年につながる基準・留年しやすい人の特徴・留年がわかる時期・留年した場合の対処法について紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
高校で留年は本当にある
「高校で留年」を経験した人に日常生活で出会うことは少なく、なかなかその実体験や、その後どう対応したかといった話を聞くことは難しいです。
しかし、実際に高校での留年を経験する人はいます。もしあなたが高校で留年しそう、もしくはしてしまった場合、その後の進学・就職についてもよく考えて対応しなければならなくなります。
高校の留年基準
高校を留年する可能性がある学生は、まず留年基準にどんなものがあるのかを確認すべきです。
留年するか否かは、多くの場合「出席日数」と「成績」で決定されます。それぞれの項目で留年になる基準は学校によって異なりますが、ここでは多くの学校で留年になると考えられる平均的な基準を紹介します。
出席日数
1つ目の基準は出席日数です。
多くの高校では、1年間の全ての授業日のうち3分の1以上(もしくは3分の1を超える日数)欠席すると、留年になります。また、学校によっては授業ごとに出席を管理しており、各科目で設定された出席日数をクリアする必要があります。
学校によって出席日数のクリアのラインは「3分の1」や「4分の1」など基準は異なりますので、あなたの学校で留年になってしまう欠席日数が何日間なのか確認をしておきましょう。
成績
2つ目の基準は成績です。
学校では中間テスト・期末テストなどの定期テストが行われ、科目ごとに設定されている「赤点」となる点数を超える成績を収める必要があります。多くの学校では、「赤点」となる点数は「29点以下」もしくは「39点以下」となっています。
さらに、留年とされる基準として、全科目のうち「赤点の科目が何科目あるか」も基準として設定されている場合があります。「3科目赤点で留年」「全科目中2割の科目が赤点の場合留年」など、学校ごとに明確に基準が設定されています。
また、学校によって、赤点をとってしまった学生には補修や追試を受けられることがあります。大事なチャンスですので、しっかりと準備して臨みましょう。
単位
上記2つから構成されるのが単位です。
大学の印象が強いですが、高校にも単位という考え方は存在します。この留年の基準は見落とされがちで、成績および出席のどちらかが極端によく、どちらかが極端に悪い場合、この単位取得条件を満たせず、留年の基準を下回ってしまうことがあります。
素行
こちらは成績や出席とは異なる角度の留年基準です。
素行が悪く、学校内外で問題を起こした場合は留年、最悪の場合退学などの措置が学校から下されます。素行が悪い人は成績や出席日数なども悪い傾向にはありますが、それらが悪くても挽回のチャンスもあります。
しかし窃盗、喫煙、交通事故など問題を起こした場合は弁明の余地なく即刻留年になる場合もあるので十分に注意が必要です。
不登校で留年する高校生は多い
文部科学省による、平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果についてという調査結果の102ページでは、国公立・私立合わせて、過去の不登校の生徒数が公開されています。
年度によって不登校になっている生徒数は上下するものの、全国で毎年およそ5万人の生徒が不登校になっています。
また、上記の資料では2018年度に原級留置(いわゆる留年)になった生徒数は3,651人であり、不登校の学生のうち6.9%が留年になっています。つまり、不登校の生徒のうち、およそ15人に1人が留年している計算になります。
高校生は留年がいつわかるか
高校生が留年するかどうか分かる時期は、留年の恐れがある理由や学校それぞれの規則で変わります。
留年になる理由には「出席日数」と「成績」があると紹介しましたが、例えば1学期に2ヶ月間ずっと欠席していたとなれば、その時点で留年が決定される可能性があります。
一方で、出席日数は問題なく成績が理由ということであれば、各学期末テスト終了後に職員が行う成績会議の後に留年が決定され、夏休み・冬休み・春休み中に学校から通知されることで、留年かどうか判明します。
何か問題を起こした場合は事前にいつかわかることなく一発アウトになることもあります。
このように留年がいつわかるかはケースバイケースであり、日頃から留年しないよう品行方正に学校に通うことが重要です。
高校での留年は1学年1回まで
高校での留年は何度もできるものではありません。
多くの高校では1学年に1度までしか留年できず、2度目は退学となってしまいます。一度留年すると悪循環に陥り、2年目も出席日数や成績、単位などで失敗をする可能性があるので注意が必要です。
留年する高校生の特徴
次に、留年しやすい高校生の特徴を見てみましょう。
ここでは特に留年しやすい高校生の3つの特徴を紹介します。ここで紹介する特徴が全てではありませんが、この3つの特徴に当てはまる高校生は、生活習慣や学校での人間関係を改める必要があるかもしれません。
①夜型の生活習慣
1つ目の特徴は、夜型の生活習慣になっていることです。夜型の生活になっている人は夜遅くまで下記のことをしている傾向があります。
- テレビゲーム・スマホアプリ
- アルバイト
- 友達と遊んでいる
つまり、勉強や部活動などをせずに娯楽に多くの時間を費やしていたり、学校帰りのアルバイトを夜遅くまでしていて、自宅に戻るのが夜遅くなってしまっていることがよくあります。
その結果、朝起きることができず登校時間に遅れたり、体調不良を引き起こして欠席せざるを得なくなるのです。
②学校に友達がいない・少ない
2つ目の特徴は、学校に友達がいない、もしくは少ないことです。
友だちが少ない生徒の場合は教室内での居場所がなく、何となく学校に行く気がなくなることもあるでしょう。その思いが強くなると、不登校につながります。残念ながら、孤立が原因で不登校になってしまう高校生は少なくありません。
どうしてもクラスメイトと空気感が合わない場合は、先生に相談して別室で授業をしてもらったり、クラスを変えてもらうなどの措置を相談する方法もあります。納得いく対応をしてもらえない場合は、転校も1つの選択肢として考えておきましょう。
③やるべき事をいつも後回しにする
3つ目の特徴は、やるべき事をいつも後回しにしてしまうことです。
宿題・テスト対策の勉強など、高校生活ではやらなければいけない事が沢山ありますが、留年してしまう生徒は多くの場合、高校生としてやらなければいけないことをこなさず遊んでばかりです。
こうした傾向がある高校生は、自分の毎日の行動の傾向を理解した上で、毎日のスケジュールを立てるようにしましょう。何となく「めんどくさい」と思っていることも、意外と短時間で終わることがあるので、計画的に行動する癖をつけましょう。
留年が決まった高校生が取るべき選択肢
最後に留年が決定してしまった高校生が取るべき手段を4つ紹介します。
「留年」という事実は変わりませんので、決定してしまった以上は今後どうすべきかを考えるしかありません。ここで紹介する方法の中でどれを実行すべきかを選んで、今後の行動を考えましょう。
まずは親に正直に話す
まずは、親に正直に話すことです。
多くの高校生の学費は親が払っていると思います。なので、まずは親に相談し、謝罪とこれからどうしようと考えているかを伝えましょう。
その上で、親に頼まなければいけないことと自分でできることを明確に分け、再び留年する必要がないように、今後の生活の仕方を改善しましょう。
救済措置に頼る
2つ目の方法は、救済措置を利用して進級することです。
多くの高校では、留年が決定した生徒に対して何らかの救済措置を用意しており、それを利用することで、留年を回避できます。主な救済措置としては以下のようなものがあります。
- 出席日数が足りない科目について補習を受ける。
- 赤点をとった科目の補習授業・追試を受ける。
上記のような措置をクリアすることで留年を回避できます。また「仮進級」という制度で、次学年の授業・試験を受けながら前学年の授業を受け直す制度を設けている学校もあります。あなたの学校でどんな制度が設けられているのか、事務室に確認しましょう。
留年した高校に在籍する
3つ目に考えることは、留年した高校に在籍し続けることです。
ここからは留年した高校に在籍し続けるか、高校を中退するかという2つの選択肢についてそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。親や先生としっかり相談の上、決めることが大切です。
メリット|
まず、留年した高校に在籍し続けるメリットには下記のようなものがあります。
- 「仮進級」ならゼロから勉強し直す必要がない。
- 転校の手続きが不要。
- 友人関係が継続しやすい。
- 事情を知る先生と相談しながら学校生活を送れる。
- 高卒資格は手に入る。
留年した高校に在籍し続けた場合、「仮進級」制度が使える高校であれば、既に進級の基準をクリアしている科目は勉強し直す必要がない場合もあります。どうしても勉強に割く時間を作れないという生徒の場合は有効な方法です。
その他、転校する場合に必要な各種手続きが不要であったり、学年が分かれるとはいえ、仲の良かった友人との関係は継続しやすくなります。また、留年してしまった事情についてよく知る先生もいるので、サポートを受けながら学校生活を送ることができます。
デメリット|
留年した高校に在籍し続ける場合のデメリットには、以下のようなものが考えられます。
- 周りから「留年した人」という目で見られる。
- 年下の生徒と一緒に過ごさなければいけない。
- 無理して今の学校に適応し続けなければならない可能性がある。
高校に在籍し続ける場合の1番のデメリットは周りの目です。もし耐えられる自信がなければ転校も考えましょう。ここでストレスを感じてしまえば、また留年してしまう可能性があるからです。
また、そもそも自分にあっていない校風や学校の仕組みに合わせ続けなければいけないストレスを感じるかもしれません。
留年した高校を中退する
最後の方法は、留年してしまった高校を中退して、他の教育機関に通い直したり就職することです。
中退には多くのデメリットが伴いますが、場合によってはメリットもあります。それぞれ、どんなメリット・デメリットがあるのか確認しておきましょう。
メリット|
まず、高校を中退するメリットには以下のようなものが考えられます。
- 若いうちから社会経験が積める。
- 本当にやりたいことに集中できる。
- 悪い人間関係を断ち切ることが出来る。
高校を中退した場合、それまで学校生活に費やしていた時間が全て自分の時間になります。そのため、どうしてもやりたいことがあれば、全ての時間をその活動にあてることが可能です。
また、もし学校の友人関係や先生との関係が理由で中退した場合には、そうした悪い人間関係を全て断ち切ることができるので、余計なストレスを感じずに生きることもできます。
デメリット|
一方で、高校を中退した場合のデメリットには以下のようなものがあります。
- 「高校中退」というネガティブなイメージを持たれる可能性がある。
- 学歴では圧倒的に不利になる。
- 親を不安にさせる。
もし就職を考えているのであれば、学歴で大きなハンデを背負うことになります。「高校中退(中卒)」の場合は働ける職場も限られ、将来的に金銭面で苦労する可能性が非常に高いです。
こうした将来的な苦労は親も理解しているので、これからあなたが生きていけるのか不安にさせてしまうことも、デメリットの1つとなります。
留年で高校を中退した場合
高校を留年で中退した場合の進路としては
- 通信制高校・定時制高校に通う
- 高校卒業認定試験を受ける
- 就職する
- 全日制の高校に転校する
これらが挙げられます。特に最後の転校については、すでに経歴として中退がのってしまっている以上、かなり厳しい選択肢となります。
気持ちを改め、再び学業に取り組むか仕事をはじめて社会にでるかは人それぞれです。両親とも相談しながら決めるようにしましょう。
まとめ
この記事では、高校で留年してしまう場合の基準やその後の対処方法などについて紹介しました。
一般的には留年や高校中退はネガティブなイメージがあり、その後の生活でも「留年者」「高校中退」というレッテルが貼られ、仕事しづらくなるといった状況も容易に想像できます。
留年してしまった以上はこれからどうすべきかを考えるしかありませんが、この記事で紹介した選択肢も踏まえ、学校の先生や両親ともこれからどうするかを考えてから、今後の動き方を決めましょう。