奨学金制度と聞くと大学生が利用するものというイメージが強いようですが、実際には高校進学時にも申し込めます。高校生が利用できる奨学金にも給付型と貸与型があり、進学先が国公立か私立かでも利用可能な金額が異なります。そこで今回は、高校進学時に利用できる奨学金制度について解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
奨学金は高校生でも受けることができる
奨学金は、高校生でも受けることができます。高校生でも利用できる公的な奨学金制度だけでも、以下のものがあります。
- 高等学校等就学支援金制度
- 高校生等奨学給付金
- 日本教育公務員弘済会
- 社会福祉協議会
- あしなが育英会
- 交通遺児育英会
ここでは中でも一般的な「高校生等奨学給付金」と、あしなが育英会による「あしなが奨学金」について説明します。
高校生等奨学給付金
高校生等奨学給付金とは、非課税世帯並びに低所得世帯の子供に対し、授業料以外の教育費を充当するために給付される奨学金です。対象は以下の項目となります。
- 教科書代
- 教材費
- 学用品代
- 通学用品代
- 教科外活動費
- 生徒会費
- PTA会費
- 入学学用品代
- 修学旅行費
高校生等奨学給付金は国公私立を問わず支給されますが、支給額は国公立と私立では異なります。しかし、所得が低くなるほど支給額が高くなることは共通しており、返済する必要はありません。文部科学省が公表している「高校生等奨学給付金リーフレット」に記載された、給付年額は以下の通りです。
※15歳以上23歳未満の兄弟姉妹がいる場合
あしなが奨学金
あしなが奨学金とはあしなが育英会が運営している、保護者を病気や災害、自死といった交通事故以外の理由で亡くした子供を対象にした奨学金制度です。
奨学金は給付と貸与が組み合わされており、貸与部分については卒業後20年をかけて返済します。あしなが貸与給付金は無利子で、他の奨学金とも併用可能です。
あしなが育英会の公式サイトにある「奨学金について」で紹介されている、 高等学校・高等専門学校奨学金の給付月額は以下の通りです。
奨学金を高校で受ける際の疑問
高校進学にあたって活用されることが多いのは、公的な奨学金制度です。代表的な就学支援金は、1ヶ月の世帯所得が50万7,000円未満の家庭に給付されます。
私立高校に進学する場合には、「高等学校等就学支援金制度」から奨学金を給付される可能性が高いです。ここでは、高校生が奨学金を受けるにあたって疑問に思うことについて説明します。
高校と大学の両方で受けることができるか
一部の奨学金を除いて、高校生と大学生では利用できる奨学金制度が違います。そのため、高校と大学の両方で奨学金を受けることは可能です。
あしなが奨学金だけは例外で、高校と大学両方で利用することができます。ただし高校進学時は成績不問ですが、大学奨学生は書類審査と面接を受ける必要があります。
あしなが育英会の大学奨学金の内容は、以下の通りです。
- 月額7万円(うち給付3万円・貸与4万円)
- 月額8万円(うち給付3万円・貸与5万円)
奨学金はいくらくらい支給されるか
2020年4月より、世帯年収が590万円未満の家庭の生徒が対象となる「私立高等学校の授業料実質無償化」がスタートします。
これまでは世帯年収が270万円以下、350万円以下、590万円以下、910万円以下の4つに分けて支給額を決定していました。2020年4月以降は590万円以下と910万円以下の2段階とし、支給額を引き上げます。
2020年度の支給額については、2019年度の都道府県民税並びに市町村民税の所得割額で異なります。支給額は以下の通りです。
- 都道府県民税と市町村民税の合計額が25万7,500円未満の場合は39万6,000円(満額)
- 都道府県民税と市町村民税の合計額が50万7,000円未満の場合は11万8,800円
奨学金の返済はいつからか
高校生が利用できる公的な奨学金制度の大半は、給付型です。その場合は、返済義務を負いません。
しかし、あしなが育英会の高等学校奨学金を利用した場合は、貸与分の返済義務を負います。返済は高等学校奨学金の交付が終了した6ヶ月後から始まり、20年かけて返します。返済方法は、年払い・半年払い・月払いから選択可能です。
ただし、あしなが育英会の高等学校奨学金を利用した高校生が大学に進学した場合は、進学先の在学証明書を提出することで返済が猶予されます。詳細については、あしなが育英会の「よくある質問」で説明されています。ぜひ参考にしてみてください。
日本学生支援機構の奨学金は高校の成績が問われる
奨学金といえば日本学生支援機構が有名ですが、これは大学・短大・専門学校進学者を対象としており、返還不要の給付型と返還義務を負う貸与型があります。さらに貸与型は、無利子の第一種と有利子の第二種に分かれます。そして採用にあたって、学業成績が問われます。
- 給付奨学金は全履修科目の評定平均が5段階で3.5以上
- 第一種奨学金は全履修科目の評定平均が5段階で3.5以上
- 第二種奨学金は全履修科目の評定平均が平均水準以上
日本学生支援機構でも審査は行われますので、申し込み水準を超える成績をとっておく必要があります。また、給付奨学金については、学力だけでなく家計の基準を満たす必要があります。詳細については、日本学生支援機構の公式サイトにある「高校生等対象の申込資格・選考基準」をご参照ください。
大学で奨学金を受けたい高校生が意識すべきこと
家庭の事情により奨学金を利用したいと考えているなら、高校入学時から準備を始めることをおすすめします。ここでは、日本学生支援機構奨学金を利用するために、高校生が意識してほしいことを紹介します。
成績は3.5以上を目指す
日本学生支援機構の奨学金を利用したいなら、常に評点平均が3.5以上になるように勉強しましょう。給付奨学金の場合、世帯の所得金額によって3つの区分に分かれますが、毎月以下の金額が振り込まれるようになります。
家計基準による世帯区分については、日本学生支援機構の公式サイトにある「高校生等対象の申込資格・選考基準」を参照してください。
※生活保護世帯、児童養護施設等から通学する人は月額が異なる
※通信教育課程の人は別に年額を定める
※進学後は毎年秋に区分を見直す
また、貸与型であっても第一種奨学生に採用されれば、無利子となります。返済額が少なく済みますので、活用できるように成績をキープしましょう。
予約採用の手続きを確認しておく
日本学生支援機構奨学金の申し込みは、「予約採用」と「在学採用」の2つがあります。
- 予約採用/高校3年生の春に在籍する高校からIDとパスワードを受け取り、期日までにインターネット(スカラネット)で申し込む
- 在学採用/大学・短大・専門学校進学後に在籍する学校に必要書類を提出したうえで、インターネット(スカラネット)で申し込む
日本学生支援機構奨学金を確実に受けたいと考えているなら、予約採用の手続きをしておくことをおすすめします。
3年生に進級すると、在籍する高校で日本学生支援機構奨学金の予約採用申し込みについて、ガイダンスが行われるのが一般的です。期日までにインターネット(スカラネット)で申し込み手続きを終わらなければなりません。期日や手続き内容を、きちんと確認しておきましょう。
まとめ
現代では学生の2.7人に1人が、日本学生支援機構奨学金を利用していると言われています。経済格差と教育格差がイコールであると考えた日本政府は、給付型奨学金の充実を目指しています。
高校生に対する公的な奨学金制度により家庭の負担は軽減傾向にありますが、すべてを賄いきれているわけではありません。成績優秀であれば給付奨学金を得て進学することも可能なので、高校生のうちからしっかり準備しておくことをおすすめします。