奨学金とは、専門学校や大学で教育を受ける際に必要な学費を借りることです。しかし、一般的に奨学金を利用できるのは現役の学生であり浪人生は奨学金を借りることができないと考えられています。そこで今回は、浪人生が借りることのできる奨学金や、奨学金を借りる際の注意点などをお伝えしていきます。

浪人しても奨学金を借りることはできる

通常、大学受験に失敗した高校生を浪人とよびます。そして、浪人生であっても奨学金を借りることは可能です。なぜなら、奨学金の制度はその利用者の身分によって分かれているからです。

例えば、大学受験に失敗した学生や、社会人になってから再び勉強をしようと考えている人用の奨学金といった例が挙げられます。

親元離れて浪人して大学入って、奨学金で大学院までいって、苦労して大手企業に無事就職して、今日「私が開発した商品だよ」って荷物が届いた。高校生の頃からずっと研究職が夢だったよね。お姉ちゃんすごいよ！！えらいよ〜！！！！(盛大な自慢)これみんな買って！って言いたいけど我慢するよー！！！

— ちーかま (@ck211bump) 2019年10月4日

上記のツイートは、地方から状況をして大学院まで勉強をするために奨学金を使った実姉に関するツイートです。卒業後、大企業で開発した商品が実家に届いた際の誇らしさを妹が喜んでおり、幸せが伝わってきます。

浪人すると奨学金の予約採用はキャンセルになる

浪人をしてしまった場合、奨学金の予約採用はキャンセルとなってしまいます。もともと決まっていた奨学金が現役の学生向けであるため、対象身分でなくなったからです。

浪人生を対象とした奨学金を探し直す必要が生じるため、予約採用の取り消しと新規申込を忘れずに行いましょう。

浪人生が奨学金を申請する方法

浪人生が奨学金を借りる場合、申請方法に注意する必要があります。なぜなら、現役の学生とは異なり浪人生は身分が曖昧となります。そのため、奨学金を貸す側も申請制度を細かく規定しています。

以下では、浪人生の奨学金申請方法を2つ紹介します。それぞれの注意点を把握して、正しく申請をできるようにしましょう。

①春に出身高校から申請する

浪人生が奨学金を申請する1つ目の方法は、春に出身高校から申請するです。大学受験に失敗した場合、その春に奨学金を申請しなければなりません。なぜなら、卒業すると所属が高校ではなくなってしまうことになるからです。

したがって、出身高校が明確な状態で速やかに奨学金を申請することが必要です。このようにすれば、どの高校に在籍している学生が浪人生となるのかを相手側も把握できます。

②条件は卒業後2年以内（2浪まで）

浪人生は卒業後2年以内なら奨学金を申請できます。一般的に、浪人とは高校の卒業を1年間延長する1浪です。理系の難関国立大学の場合2浪をする必要性もあります。例として、東大の理3を目指す場合などです。

このような場合、奨学金の申請ができる条件として卒業後2年以内（2浪）に奨学金を借りることとなります。高校を卒業をしてから、何年も経ってしまうと奨学金は申請できないことに気を付けましょう。

浪人生が奨学金を申請する際の注意点

浪人生が奨学金を申請する際、注意点がいくつかあります。奨学金に限らず、申請においては書類準備や手順等を気を付けなければなりません。

奨学金を申請するときに、提出が必要となる書類が不足しているなどといったことが無いように気を付けましょう。以下では、注意点を4つご紹介していきます。

①スカラネット準備用紙

浪人生が奨学金の申請で注意すべき1点目は、スカラネット準備用紙です。スカラネット準備用紙とは、端的に言えば奨学金の申請用紙です。

この中で、在学情報を記載する必要がありますが必ず卒業高校を書くようにしましょう。もれなく情報を記入してください。

②マイナンバーカードは予備校の学生証で代替できない

浪人生が奨学金の申請で注意すべき2点目は、マイナンバーカードは予備校の学生証では代替できないことです。奨学金の申請をするにあたり、マイナンバーカードのコピーを提出することが求められる場合もあります。

その場合、手元にマイナンバーカードがないからといって予備校の学生証を代わりに使おうとしても使えません。

③第1種は春しか申請できないことが多い

浪人生が奨学金の申請で注意すべき3点目は、第1種は春しか申請ができないことが多々あります。浪人生を対象とした奨学金は、第1種や第2種といったようにわかれています。第1種は無利息、第2種は有利息となっています。

もし、第1種に申請をしたいと考えている場合は春にしか申請ができないことに注意しましょう。時期が春ではなく秋になると、第1種の奨学金に申請ができないこともあるため、その他の奨学金となってしまいます。

④一度他の大学に入学している場合は申請できない

浪人生が奨学金の申請で注意すべき4点目は、一度他の大学に入学している場合は申請ができないことです。高校卒業後、大学に一度でも入学をしてしまうと浪人生として奨学金を申請することは不可能になります。

これは、奨学金の応募身分を浪人生と大学生で明確に区分することで二重の申し込みをさせないためです。

春に奨学金を申請し忘れた浪人生の対処法

上述の通り、浪人生であれば春に奨学金を申請する必要があります。しかし、中にはスケジュールを把握していなかったために奨学金の申請を春に行っていなかったという方もいます。

この場合、浪人生が春以外でも奨学金を申請できる方法があります。以下では、その2つを紹介しますので、万が一の時には参照してください。

①秋の追加募集に応募する

浪人生が春以外に奨学金を申請する1つ目の方法は、秋の追加募集に応募するです。浪人生を対象とした奨学金は、その多くが春に募集をしており多数の浪人生がその段階で、奨学金を申請します。

浪人生を対象とした奨学金の追加募集は秋にも行われています。春に奨学金の申し込みをし忘れてしまった場合でも応募することは可能です。ただし、追加募集の人数は春よりも少ないのでできるだけ早く準備しましょう。

②大学入学後に在学採用で申し込む

浪人生が春以外に奨学金の申請をする2つ目の方法は、大学入学後に在学採用で申し込むことです。この方法は、奨学金を借りる身分を浪人生ではなく大学生として申請する方法となります。

奨学金を申請する身分は、浪人生と大学生で異なっており、この方法は後者となります。そのため、もしも春に奨学金の申請を忘れてしまった場合には大学に入学後、在学採用にて応募をするようにしましょう。

在学採用の場合は入学金を目処をつける必要がある

浪人生が奨学金を仮り場合、在学採用であれば入学金の目途を立てる必要があります。奨学金は、応募者の身分やその使用目的によって支払われる奨学金が異なります。

仮に、在学採用の場合には入学金を奨学金以外の方法で用意しなければなりません。なぜなら、申請する奨学金には入学金が含まれていないからです。

高等学校卒業程度認定試験合格者は直接JASSOへ申し込む

浪人生の中でも、高等学校卒業程度認定試験合格者はJASSOに直接申し込みましょう。JASSOとは、独立行政法人日本学生支援機構の略称で、学生に対して貸与奨学金事業や留学支援を行っています。

もしも、既に高等学校卒業程度認定試験に合格していれば、JASSOへ奨学金の申請を行うことができます。

まとめ

奨学金は、浪人生であっても現役の学生と同様に申請することができます。奨学金の申請に当たり、申請方法や時期に注意する必要はありますが、借りることは可能です。進学において、奨学金によって学費を支払うことは選択肢の一つです。人生を後悔しないためにも、奨学金制度を理解して利用しましょう。