調理師免許の取り方は?|取得方法や費用、試験内容を徹底解説!

調理師免許とは、どんな資格でしょうか。国家資格である調理師免許。有名な資格ですが、実務的に不要であることは少なくありません。調理師免許の取り方や費用、バイトの実務経験は有効なのかを知っておきましょう。本記事では、メリットや働きながら取得する方法についてもまとめました。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

調理師免許とは

調理師免許とは、調理に携わる資格がある証明として得られる国家資格です。各都道府県から委任を受けた公益社団法人調理技術技能センターが行う調理師試験に合格すると取得できます。

有名な免許である反面、実務的に必須でない場合があります。本記事では、調理師免許のメリット、試験等についてまとめます。

参考:公益社団法人 調理技術技能センター ホームページ

調理師免許を持つメリット

試験に合格しなければならない調理師免許。国家資格であるため、重宝されるイメージはわかりやすいものです。実際の職場において、調理師免許を持つメリットとは何でしょうか。

以下では、3つのメリットをご紹介します。多くのメリットは他社から認められる点にあります。それぞれのメリットをご確認ください。

目次

メリット①|社会的信用が得られやすい

調理師免許は国家資格です。一般人も多くの人が知っている資格です。免許の有無は、信用になります。調理師免許取得者による調理は、一般人から認められやすいのです。

また、独立などで資金が必要になる場合などがあります。銀行からお金を借りる際、調理師免許の有無が信用に関連付けされる場合があります。国家資格は、他者を納得させるのに有効な手段です。

医師や弁護士と同等の国家資格であるため、社会的信用が得られやすいメリットがあるのです。実務的にも、調理責任者になる人の多くが取得している免許と言えます。

メリット②|知識を磨ける

調理師免許の取得には、公衆衛生学や食品学など多くの知識を必要とします。免許取得のために新たな知識を手に入れられるのです。知識により、実際の調理に工夫を凝らせます。

特に、食品衛生学は重要です。調理現場で働く際には、食品衛生管理局との関係は切り離せません。調理師免許を取得していると、食品衛生責任者としての勤務も可能です。

食品や衛星などに詳しい人物は、味だけでなく環境に意識を向けることができます。飲食業の営業は、味が良いだけで務まるものではないのです。環境まで気を使える知識人として、重宝されます。

メリット③|給与等の優遇(職場による)

職場により異なりますが、給与等を優遇される場合があります。また、就職や転職の際にも調理師免許は一目置かれます。採用責任者なら、調理師免許の有無で印象が変わるのです。

飲食業の経営者は、実務経験がない場合があります。調理師免許を取得している場合、経営者目線では他者との差をつけなければならないと考えるのが自然です。

そのため、一般的には給与額が多めに設定されます。国家資格を有する人が、実務のみの人物と比較され、優遇されない可能性は低いのです。ただし、新任からすぐに責任者になる訳ではないので、ご注意ください。

調理師免許を取るために知っておきたいこと

調理師免許を取得するには、どうすれば良いでしょうか。国家資格でありメリットがあると理解できても、実際の行動に結びつかなければ意味がありません。取得するための方法を、以下でご確認ください。

取得方法だけでなく、取得に必要な費用についてもまとめました。ご自身の経済状況に合わせ、取得方法をお考え下さい。

調理師免許の取得方法

調理師免許の取得方法は、状況に合わせて2つの道が用意されています。実務経験を得るか、養成施設を卒業するかです。以下では、それぞれについて具体的にまとめました。

これから調理師免許の取得を考える人は、以下のどちらの方法がご自身に合っているかお考え下さい。どちらも2年程度の日数は必要です。

①2年以上の調理実務経験を経た上で試験に合格する

調理師免許の取得には、調理師試験に合格する必要があります。調理師試験に挑むための条件として、2年以上の調理実務経験が必要です。

調理実務経験とは、飲食店で2年以上勤務していた実績です。通常、週4日以上かつ1日6時間以上の勤務を2年以上行います。パートやアルバイトも同様の勤務形態であれば、実務経験に含めます。

2年以上の勤務は、連続している必要はありません。合算した期間が2年以上であれば大丈夫です。ただし、高校在学中のアルバイトは含まれませんので、ご注意ください。

②調理師養成施設を卒業する。

時間や資金に余裕がある場合、調理師養成施設を卒業すると調理師免許が取得できます。調理師養成施設とは、調理師法により厚生労働大臣が指定した施設のことです。以下のような施設があります。

  • 辻学園 調理・製菓専門学校
  • 京都調理師専門学校
  • 日本調理製菓専門学校

多くの施設では、1年から2年程度で卒業可能です。中には4年生大学でも取得可能な施設があり、実務経験と同等の実習などを行えます。調理師試験を受けることなく、卒業と同時に免許が貰える利点があります。

調理師免許取得に必要な費用

養成施設に通う場合は年間約100万円以上が必要です。専門学校の場合、入学費用だけで30万円程度が必要になります。おおよそ1年間に必要なのは、約150万円程度となるでしょう。

実務経験を経て、調理師試験を受験する場合の費用は6000円です。試験を受けるための書類には、受験料領収済証明書が必要です。受験料が6000円です。

他には、証明写真などが必要になります。実務経験を経て試験を受験する場合、細かなものを含めても7000円から8000円程度で済みます。経済面を考慮し、取得方法を選ぶようにしましょう。

調理師試験について

実務経験を2年以上行い、調理師試験に挑む場合には対策が必要です。何も勉強せずに試験を受けても、合格できるものではありません。実務経験と同時に、試験内容を学ぶ必要があるのです。

以下で試験内容と難易度をご説明します。受験前の準備にお役立てください。

試験内容

調理師試験の内容は、以下の6科目です。

  • 公衆衛生学
  • 食品学
  • 栄養学
  • 食品衛生学
  • 調理理論
  • 食文化概論

上記6科目を、全60問のマークシートによる四肢択一方式で出題されます。それぞれ約10問程度が出題される場合が多いですが、偏った出題内容になる場合もあります。

各都道府県から委任を受け、公益社団法人調理技術技能センターが実施します。書店等に行くと、調理師試験対策の問題集がありますので、練習することをおすすめします。

難易度

調理技術技能センターによると、合格基準は以下のように記載されています。

原則として全科目の合計得点が満点の6割以上であるものを合格とします。
ただし、1科目でも得点が当該科目の平均点を著しく下回る場合は不合格とします。

合格得点が6割以上ですが、偏った知識にならないよう努力する必要があります。試験の倍率という概念はなく、ご自身の得点が6割以上になることだけが合格基準です。

問題集等を利用し、全範囲を読み込んでおけば基準点はクリアできます。

働きながら調理師免許を取得するには

他業種で仕事をしながら調理師免許を取得することは可能でしょうか。夜間の調理師学校など、調理師免許を取得することは可能です。実務経験を2年以上お持ちの場合は、調理師試験に挑むのも良いでしょう。

過去に実務経験はあるが長年飲食業から離れている人は、調理師免許の名に恥じぬよう調理師学校で再度勉強されることをおすすめします。

社会人経験が長くなると、業務だけでもストレスを抱える人が少なくありません。免許取得は、きっかけに過ぎないと心得ておき、ご自身が考える将来を手に入れてくだされば幸いです。

まとめ

調理師免許とは、どんな免許なのか。取得方法やメリットなどをお伝えしてきました。国家資格である調理師免許に憧れ、取得を目指すのは良いことに思えます。

しかし、実際に重要なのは免許を手にした後に、どんな生活を目指しているかです。あなたが思う理想のため、本記事がお役に立てれば幸いです。

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