「自己研鑚を怠らないように」などと目上の人から言われた経験はありますでしょうか。自己研鑽は履歴書やレポート・面接などでも答える場面があります。今回は自身を磨くという意味の「自己研鑚」について解説します。自己研鑚の使い方や類語についてもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
自己研鑽(じこけんさん)とは
まずは自己研鑽の意味や由来について解説します。
自己研鑽の意味
自己研鑽とは「自分を高めるために自分をみがくこと」です。
自己研鑽(じこけんさん)
自分自身のスキルや能力などを鍛えて磨きをかけること。
研鑽(けんさん)
着実に研究すること
つまり、研鑽(対象を研究する行為)を自分に向けたものが自己研鑽です。
自己研鑽の漢字表記は2パターンある
自己研鑽は自己研鑚とも書きます。「さん」の貝の上が微妙に違うだけで、読み方・意味ともに同じです。
この2つの漢字の違いは旧字と新字などではありません。どちらの漢字も古くから使われています。また、どちらが一般的という認識や慣習もないようです。
研鑽の由来
「研鑽」の由来は以下の通りです。
- 研(けん):みがく・とぐ/深くきわめる
- 鑽(さん・たがね):「鏨」とも書く。鉄板・岩石などを切ったり、穴を開けたりするのに使う鋼鉄製の「のみ」
上記のそれぞれの意味から、研鑽とは「鉄板や岩石に穴を開けるほど鋭いのみで、深くきわめていく様子」と理解できます。
自己研鑽は英語で「devote oneself to ~ 」
「自己研鑚」を英語で表す場合は「devote oneself to ~ 」を使います。
- devote herself to our business.(彼女はこの(私たちの)仕事に自己研鑚を重ねている)
devoteとは「捧げる・専念する」という意味です。「oneself」と組み合わせることで「自分自身・その人自身の○○に専念(研鑽を重ねる)している」となります。
「自己研鑚」は他にも「self improvement」や「self study」でもを表せます。
自己研鑽の類語
「自己研鑚」と似た言葉に「自己啓発」「自己実現」があります。以下ではそれぞれの言葉の意味と、「自己研鑚」との違いについて解説します。
自己啓発との違い
「自己啓発」とは「自分自身を人間としてより高い段階へ上昇させる行為」です。
自分を人として上昇させるための行為には「自分をみがく」などの努力が含まれます。この自分をみがく行為が「自己研鑚」です。
違いは「目的と手段」です。「ワンランク上のビジネスマンになるための行為(自己啓発)のひとつとして、朝活(自己研鑚)をしている」などと考えるとわかりやすいかもしれません。
自己実現との違い
「自己実現」とは「自己の内面的欲求を社会生活において実現すること」です。普段の生活の中で、自分の能力や個性を実現していくことを指します。
自己実現には、実現したいと思える能力や個性を持つ必要があります。この能力や個性を持つための行為が「自己研鑚」です。
違いは「手段とその成果」です。「私はマネージメント能力を生かした仕事をする(自己実現)ために、コーチングを学んでいる(自己研鑚)」などがその例です。
自己研鑽の使い方や例文
次に「自己研鑚」の使い方を例文と一緒にご紹介します。
面接時や上司との会話といった状況に応じて使い方も変わってきますので、押さえていきましょう。
例文①|自己研鑽に励む
「自己研鑚に励む」とは「自己研鑚に精を出す」という意味です。
- 彼は新卒の頃から将来を見据えて自己研鑚に励んでいた
- 今の私にできるのは、自己研鑚に励むことだけです
「励む」とは「心を奮い起こして勤める、精を出す」という意味です。
「自己研鑚をがんばる」「自己研鑚を一生懸命にする」などを、ビジネス感を持って伝えたいときに使えます。
例文②|自己研鑽に努める所存
「自己研鑽に努める所存」とは「自己研鑚に力を尽くす考え」という意味です。
- 来期の予算達成に向けて、課員一同が自己研鑚に努める所存でございます
- 昇進を機に、みなさんのご期待に添うべく自己研鑽に努めて参る所存です
「勤める」とは「力を尽くす・努力する」という意味です。「所存」は「考え・意見」を指します。「所存」は目上の人に向けた謙譲語の中でも格式の高い言葉です。
「自己研鑚できるように努力しようと思います」という気持ちは「自己研鑚に努める所存です」と表せば、オフィシャルな場面でも問題ありません。
例文③|自己研鑽を怠らずに
「自己研鑚を怠らずに」とは「自己研鑚をさぼらずに」という意味です。
- 今回は課長のお力添えで何とか乗り越えましたが、今後は自己研鑚を怠らずに勉強して参ります
- 君には期待しているのだから、今後は自己研鑚を怠らずに努力してほしい
「怠る(おこたる)」とは「さぼる・なまける」という意味です。「自己研鑚を怠らずに」は、自分の至らなかった点を反省する場面や、相手を叱咤激励する場面で使います。
「怠る」というネガティブな言葉を使うことで、強い反省や期待を表しているのです。
自己研鑽についてのレポートの書き方とネタ
入社直後や研修期間中など、会社から自己研鑽についてのレポートを求められることがありますので、書き方やネタについて触れたいと思います。
自己研鑽のネタとなるもの
自己研鑚についてのレポートを書く際には以下のようなネタが考えられます。
- ①その会社や業界に関連するニュースやトレンド
- ②自身の業務に関連する資格の勉強や専門書の読書
- ③自身の将来のキャリア発展につながるスキルの習得
無料で手に入るものでも自己研鑽は可能です。どれだけ負荷をかけて自己研鑽するかも自身の意識次第です。
自己研鑽レポートの書き方
次に、自己研鑚についてのレポートを書く際のポイントを押さえます。
- ①始めに「どんな自己研鑚をしたのか」を書く
- ②自己研鑚に取り組もうとしたきっかけと、取り組んだ内容・方法について書く
- ③自己研鑚の前と後での自分の変化について書く
特に③をしっかりと書くことで、自己研鑽をしている振りではなく確かな効果があったことを言語化できます。レポートを書きながら思い出すようにしてここは明確に記載するようにしましょう。
自己研鑽の具体例
ここまで「自己研鑚」について解説してきましたが、具体的にどんな自己研鑚があるのかと疑問に感じる人もいるかもしれません。
「『エン転職』ユーザーアンケート集計結果」によれば、自己研鑚をしている人は全体の56%でした。その56%の人がしている自己研鑽のトップ3は以下の通りです。
- 1位:資格取得の勉強
- 2位:ネット・アプリ・SNSでの情報収集
- 3位:新聞・書籍の読書
自己研鑚は「自分自信の能力やスキルをみがくこと」です。そのために必要なことであれば、特にしばりはありません。
1位の資格取得の勉強は、資格を取った後のことが想像しやすく、自己研鑚として始めやすいのかもしれません。
自己研鑽におすすめのコツ
「自己研鑚に努めたい」と思っても、何から始めたら良いかわからないという人は多いかもしれません。その場合は、まず以下のコツがおすすめですので、意識してみると良いでしょう。
自己研鑽をはじめるコツ
まずは自己研鑽をはじめるためのコツから紹介していきます。
小さなことから始める
まずは「小さなことから始める」というコツです。自己研鑚は、特に大がかりなことでないといけないわけではありません。むしろ、すべては小さな努力の積み重ねによって達成されます。
物事の大小ではなく「今の自分にないもの」もしくは、「今の自分には足りていないもの」を満たしていくところから始めてみましょう。
「スマホニュースは時事ニュースも意識する」「趣味の読書を勉強に昇華させる」なども、立派な自己研鑚です。
具体的・定量的に目標を設定する
自己研鑚を思い立ったら、まずは目標を設定してみましょう。目標を設定することで、自己研鑚に励む意味や、その先で得られるものを見直すことができます。
目標は具体的・定量的なものが必要です。「○○の資格勉強をする」ではなく「○年○月○日の○○の試験で合格するために、毎日○時から○○を○ページ勉強する」などがその例です。
できるだけ具体的に、数字で量や頻度を示した目標を立てるとモチベーションも保ちやすくなります。
自己研鑽を続けるコツ
つぎに「自己研鑚を続けるコツ」について解説します。せっかく始めた自己研鑚を頓挫させないよう、コツを押さえて取り組みましょう。
大きな変化を期待し過ぎない
まずは「大きな変化を期待し過ぎないこと」です。自己研鑚はひとつすれば自分が大きく変わるというものではありません。多くの自己研鑚を重ねることで、最終的に人として成長します。
「これをやってどう変わるのだろう」と、大きな変化を期待するのではなく、「これも自分の肥やしになる」と、今の自分にさまざまな要素をプラスするイメージで考えると良いかもしれません。
アウトプットする機会を設ける
自己研鑚の「アウトぷっとの機会を設けること」も重要です。何かを自分に取り入れたら、それを試す場面を用意しましょう。これは誰かに見てもらわなければならないわけではありません。
たとえば「自己研鑚として新聞を購読している」のであれば、1週間ごとにその週の「総括」を自分で書いてみるなども良いでしょう。自分で「前より良くなっている」と感じることが大切です。
まとめ
今回は「自己研鑚」について解説しました。就活生やビジネスマンは、自己研鑚の必要性を感じる場面が多いのではないでしょうか。しかし、意図的に自分の成長を促すという行為は簡単ではありません。
まずは自己研鑚をすると決めること、次に小さなことからコツコツと取り組むことです。続けていれば、ふと気がついたときに以前の自分よりも大きく成長していることに気がつくかもしれません。