同期で入社した新入社員であっても、やがて評価に差が生まれます。その要因に、対応力の有無があります。仕事に対する適応力や職場でのコミュニケーション力も、広義の対応力と言えるかもしれません。そこで今回は、対応力とは何か、なぜ仕事で求められるのか、身につける方法について解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
対応力は仕事で必要なスキル
対応力は、仕事で必要なスキルであると同時に、生きていくうえでも大事な素養です。どんなに綿密な計画を立てても、すべてがその通りに進むことはありえません。そして、仕事では成果を上げなければならないので、そのためにベストな方法を考え、行動することが求められます。そうした事態に、対応力が不可欠とされるのです。
そもそも対応力とは
仕事における対応力について考える前に、きちんと言葉を理解しておく必要があります。ここでは対応力とは何かについて、その意味や類語、英語表現を交えて説明します。
対応力の意味
小学館のオンライン大辞泉で調べたところ、「対応力」は載っていませんでした。そこでまず、「対応」の意味を紹介します。
1 同種の二つのものが向かい合い、対 (つい) になっていること。「四辺形の互いに対応する角」
2 ある物事が、他の範疇 (はんちゅう) に属する物事と、対立・相当する関係にあること。「ギリシャ文字のα (アルファ) は、ローマ字のaに対応する」
3 互いにつりあいがとれていること。「文章の書き出しと結びを対応させる」
4 周囲の状況などに合わせて事をすること。「現実に対応した処置」「対応策」
5 二つの集合A、Bがあって、Aのどの要素にも、Bの要素が少なくとも一つ定まる規則があること。ふつう、AからBへの対応という。
対応力は4番の意味が含まれた、周囲の状況に合わせて物事に対処する力と言ってよいでしょう。事態に応じて、臨機応変に素早く対応できる力と言い換えてもよいかもしれません。
対応力の類語
対応力という言葉の意味を考えた時、例に上がる類語には以下のものがあります。
- 機動力/状況に応じて、素早く活動できる力
- モビリティ/場所や階層、職業などの変動しやすさ。流動性
2つの類語は仕事上で使う機会は少ないと思いますが、状況に合わせて、自分を変化させて対処するという意味では同義と言えるはずです。
対応力の英語表現
対応力を英語で直訳すると、「Responsiveness」になります。しかしビジネスシーンなどで使う場合には、この英語表現にはなりません。以下のような英語表現が使われることが多いです。
- the ability to respond promptly(迅速な対応力)
- ability to respond promptly at the work site(現場での迅速な対応力)
また、ニュアンスの近い英語表現として、「適応性」を意味する「Adaptability」や「順応性」という意味の「Flexibility 」を用いることもあります。
対応力が仕事で求められる理由
社会人になると、対応力が求められる場面が増えます。それは、仕事をするうえで重要なスキルだからです。ここでは、対応力が仕事で求められる理由について、具体的に説明します。
理由①|協働するために必要な素養だから
1つめは、対応力は仕事で協働するために必要な素養だからです。会社員として働く場合、担当する業務は部署や職種によって違っても、勤務先の利益を生むという目的を達成するために協働している事実からは逃れられません。
協働するということは、自分の都合だけでなく、他者の事情によって仕事の進捗に影響が出る可能性を秘めているということです。ミスやトラブルで業務がストップした時に誰かのせいにしたり、文句を言ったところで仕事は進みません。自分がリカバーする方法を考えて実践することが求められるため、対応力が不可欠なのです。
理由②|臨機応変に対処できるから
2つめは、対応力があるといかなる時でも臨機応変に対処できるからです。誠意を持って仕事をしているつもりでも、タイミングや対応の悪さによって、取引先や他部署、上司、先輩などを怒らせたり、トラブルに発展するケースは珍しくありません。対応力があれば、冷静に原因を見極めたうえで、いち早く対処できます。
ミスやトラブルを起こしたことについて謝罪するのは大事なことですが、それ以上に自分で事態を収拾する努力をする必要があります。対応力があれば、想定外の事態にも臨機応変に対応し、収束した後で謝罪をすることで、相手が怒りを引きずらないように対処できるようになります。
対応力のある人とない人の特徴
仕事を始める以前に、就活においても対応力があることは自己PRにつながります。そのため、自分に対応力があるか否かを知っておくことも大事です。ここでは、対応力のある人とない人の特徴について説明します。
対応力のある人の特徴
対応力のある人には、共通する特徴がいくつかあります。ここでは、対応力のある人の特徴を4つ、紹介します。
特徴①|どんな仕事でもこなせる
1つめは、どんな仕事でもこなせることです。一度教わったことを的確に行うのはもちろん、多少イレギュラーな対応を求められても、臆することなくやり遂げることができます。飲み込みが早いうえ、自分で考えて創意工夫ができるので、上司や先輩に頼らなくても、仕事を自己完結できます。
特徴②|気持ちに余裕がある
2つめは、気持ちに余裕があることです。想定外の事態やトラブルが起こっても、気持ちに余裕があればパニックに陥ることはありません。自分がミスをしたとしても、その状況を受け入れ、冷静に対処ができるので、かえって周囲の信頼を増すこともあります。メンタルが強い人と言い換えてもよいかもしれません。
特徴③|リスクの想定ができる
3つめは、リスクの想定ができることです。仕事は協働作業であり、職種によっては社内だけでなく、社外の取引先と関わりながら進めることになります。自分は慎重に進めていたとしても、想定外のトラブルが起こるリスクはゼロになりません。しかし、あらかじめリスクをシミュレーションして準備をしておけるので、問題を最小限に抑えることができます。
特徴④|人の気持ちがわかる
4つめは、人の気持ちがわかることです。仕事をしていると、クレームを受けたり、誤解されて人間関係が悪くなることもあります。そんな時に言い訳をするのではなく、相手の気持ちを理解しようとすることで、気持ちに寄り添う対応ができるようになります。それが、トラブルを短期間で収めることにつながるのでしょう。
対応力のない人の特徴
残念ながら、対応力がない人にも共通する特徴があります。ここでは、対応力のない人の特徴を4つ、紹介します。
特徴①|仕事が雑
1つめは、仕事が雑なことです。仕事は早いけれどミスが多い、職場やプライベートで問題があると仕事の能率が下がる、仕事に集中していないなどの理由で、業務の質が悪くなるのです。仕事の出来にムラがある人に、重要な業務を任せたいと思う上司などいません。周囲の評価が低い社員に多いタイプです。
特徴②|マニュアル通りの対応しかできない
2つめは、マニュアル通りの対応しかできないことです。職種によっては毎日同じ作業をくり返す人もいますが、業務量や納期、上司やクライアントの要望などにより、臨機応変な対応を求められることがあります。そうした時に言葉に詰まる、作業が止まる、自分で判断できないことで、仕事がストップするケースが少なくありません。対応力が低いことで、仕事ができないと判断されます。
特徴③|想定外の事態に弱い
3つめは、想定外の事態に弱いことです。仕事は複数の人や部署が関わって進めるものですから、他者が原因で業務が滞ったり、当初とは違う作業を振られたりすることがあります。そうした想定外の事態に上手に対応できず、パニックになったり、相手を責めて人間関係を悪くするなどして、仕事の質が落ちてしまうのです。それは、トラブルを自分で解決できないことにつながります。
特徴④|自分の考えに固執する
4つめは、自分の考えに固執することです。中でも視野の狭い人は、自分のやり方にこだわる傾向が強いです。しかし、業務効率を考えると、従来の方法を改善した方がよいケースはたくさんあります。また、自分が責任者であっても、メンバーの意見が正しいこともあるでしょう。そんな時に、自説にこだわり聞く耳を持たない人は、いつまでも成長できません。
対応力を身に付ける方法
対応力は、生まれ持った素質ではありません。環境の中で磨かれていくという側面も、十分に持ち合わせています。ここでは、社会に出てから対応力を身に付ける方法について、具体的に紹介します。
方法①|仕事の基礎を固める
1つめは、仕事の基礎を固めることです。臨機応変な対応ができるようになるためには、基礎となるやり方がしっかり身についている必要があります。自分が担当する業務について、上司や先輩の指導がなくても、求められるレベルまでできるようになるのが先決です。
またそれ以前に、敬語や立ち居振る舞いなど、ビジネスマナーの基礎を体得していることが前提です。学生時代から、社会人基礎力を養うことを意識して、生活することをおすすめします。
方法②|仕事の質を上げる
2つめは、仕事の質を上げることです。対応力があるということは、いかなる状況においても仕事の質が下げずに完遂できることを意味します。そのためには、平常時の仕事において、公私共に何があっても質の高さをキープできるスキルを身につけるのが早道です。
そして質の高い仕事をスピーディーにこなせるようになったら、上司や先輩に求められることを一つ加えるというステップに進みましょう。納期より早く終わらせる、あるいは指示された以上のことを調べて提案するなど、職種によって方法は様々です。「気がきく子」と思われる、仕事の進め方を意識しましょう。
方法③|自分の知識と経験を増やす
3つめは、自分の知識と経験を増やす努力をすることです。与えられた仕事を漫然と行うのではなく、新しい業務に積極的にチャレンジする、同じ内容でもクオリティや効率にこだわるなど、やりようはいくらでもあります。
特に新入社員のうちは、失敗することを許される限定された期間であることを利用して、できるだけ前向きな失敗をしておくことをおすすめします。一生懸命がんばった結果のミスであれば、反省してそれを経験にすることで、自分を成長させるステップに変換できます。そして、経験則から学ぶ知識とノウハウほど、将来の自分を支えてくれる糧はありません。
方法④|たくさんの人とコミュニケーションをはかる
4つめは、できるだけたくさんの人とコミュニケーションをはかることです。新入社員のうちは視野が狭いので、仕事や職場に対する見方が単一的になりがちです。しかし、物事を多角的あるいは俯瞰的に見ることで、一見ムダだと思われる業務の真の意味を知ったり、一緒に働く人の意外な一面を知ることができます。
そうした自分にはない面を学びながら、多様性を受け入れて働く姿勢が身につくと、やがてマネジメントする立場になった時に絶対に生かせます。好悪だけでなく、学ぶという視点を持って、人と積極的にコミュニケーションをはかりましょう。
対応力を仕事で発揮しよう
日々の仕事や人との交流の中で対応力を磨いたのなら、それを職場の中で積極的に活用することをおすすめします。いつもとは違う仕事を任されても、早く丁寧に行うことを心がけ、常に効率化を考えて働いていると、周囲の自分に対する目が変わってきます。
また、対応力がアップすることで周囲の状況に気が付きやすくなるので、困っている人がいたらサポートを申し出ましょう。そうした気遣いが、職場での良好な人間関係構築につながっていくはずです。
まとめ
今回は、対応力とは何か、なぜ仕事で求められるのか、身につける方法について解説しました。
対応力がアップすると、緊急時に臆することなく行動できる、職種にこだわらずマルチに活躍できる、他人の意見を柔軟に取り入れ円滑に仕事が進められるといった、メリットを得られるようになります。それは社会人として、大きなアドバンテージです。仕事への取り組み姿勢を見直して、今すぐに対応力を磨く努力を始めてみることをおすすめします。