企業が欲しい人材特徴に「実行力のある人」を見ることがあります。しかし「実行力」とはどんなものなのでしょうか。今回は「実行力」について解説します。実行力の辞書的な意味からどういう人が「実行力のある人」なのかという特徴についてもご紹介します。また「実行力の鍛え方」にも触れていますので参考にしてください。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
実行力とは
まず、以下では「実行力」の意味や英語表現などについて解説します。
実行力の辞書的な言葉の意味
辞書によれば「実行」とは「理論で考えられる事や、そうすべきだと思う事を実際に行う事」です。そのため「実行力」は「実行をする力」と理解できます。
「実行力」は高い・低いで程度を表します。実行力が高い(低い)などです。強い・弱い、深い・浅いなどでは表しません。
エグゼキューション力とも呼ばれる
「実行力」は英語を使って「エグゼキューション力(りょく)」とも言います。エグゼキューション(execution)は「計画・命令などの実行、約束の履行」を意味する単語です。
ただし、実際の英会話で日本語の「実行力」と同じ意味合いの「実行」を表す場合は、エグゼキューションよりもアクション(action)が使われることが多いようです。
そのため「エグゼキューション力」という言い方は日本特有のものと考えた方が良いでしょう。
実行力はリーダー以外にも必要
「実行力」と聞くと、何となくリーダーシップや統率力などリーダーに必要な素質と想像するかもしれません。
しかし、実際にはリーダーだけに実行力があっても事は動かず、リーダーを始めとしたメンバー全員に「実行力」が求められます。
実行力の言い換えに使える類語とその違い
次に「実行力」と似た言葉を3つご紹介します。それぞれの言葉と「実行力」に違いに注目してください。
行動力は評価基準にもなる
「行動力」とは「行動(何かをしようとして、実際に体を動かすこと)をする力」です。
- 行動力:考えや思いに至っていない状態でも動く力
- 実行力:理論で考えられる事や、そうすべきだと思う事を実際に行う力
行動力と実行力は、どちらも「体や思考を動かす」という共通点があります。
その一方、実行力は何かしらの目的に向かって動きますが、行動力には「とりあえずでも動く」というニュアンスがあります。しかし、そのフットワークの良さが評価基準となることもあります。
継続力は根気強さを示す
「継続力」とは「継続(前からの行為・状態を打ち切らずにさらに続ける)をする力」です。
行動力が「動く(これから動きはじめようとする)力」であるのに対し、継続力は「動き続ける(動くことをやめない)力」と言えます。
遂行力は諦めない姿勢を表す
「遂行力」とは「遂行(自分に与えられた義務を最後まで成し遂げる)をする力」です。
「行動力」には「動く」という動作はあっても、それがいつまでの動作であるかは含まれていません。一方「遂行力」には「最後までやる(動く)」と、期限が含まれています。
推進力は事を進めていく力をアピール
「推進力」とは「物事を推し進めていく力」です。
積極的に対策を立てるなどして、目的を達成しようとする力を「推進力」と言います。一方、「実行力」との違いは「推進力」の方が積極的に力を加えようとする点です。
「実行力」はあらかじめ立てたプランに忠実に実行をしますが、「推進力」はたとえプランがなかったとしても、何とか物事を進めようと努力する様子です。
実行力のある人の特徴を紹介
以下では「実行力のある人の特徴」を社会人と学生に分けて、それぞれ3つずつご紹介します。
【社会人】実行力がある人の特徴
まず、実行力のある「社会人」の特徴です。
①物事を論理的に考えられている
1つ目は「物事を論理的に考えられている」という特徴です。実行力がある人は、目的やゴールにたどり着くまでのことを論理的に考えています。
たとえば「売上を上げる」という目標を達成するために必要な知識や努力、人の使い方などを論理的に考えることで、確実な成功へのルートを割り出して行くのです。
思いつきや感情で動くよりも成功確率が高い行動をとるので、自信と安心を持って行動しやすくなります。
②自分がやるべきことを把握している
2つ目は「自分がやるべきことを把握している」という特徴です。実行力がある人は、常に「今自分がやるべきことは何か」を把握できています。
反対に、自分がやるべきことを把握していなければ、動き出すことはできません。「売上を上げる」という目標だけを持っていても、そのために何をすべきか把握できていなければ動き出せないでしょう。
そういう意味では、都度自分のやるべきことを考えることで実行力が身につくとも言えます。
③行動に移すまでが早い
3つ目は「行動に移すまでが早い」という特徴です。論理的に考え、自分のやるべきことを把握しているので、いつでもすぐに行動できます。
仕事をしていると、やることがわかっていてもつい後回しにしてしまうという人がいます。しかし、それは「実行力がある人」ではありません。
実行力がある人は進むべきルートと、やるべきことがわかったら即行動に移します。この3つ目ができて初めて「実行力のある人」と言えるでしょう。
【学生】実行力のある人の特徴
次に、実行力のある「学生」の特徴です。
①行動の意味を考えられる
1つ目の特徴は「自分の行動の意味を考えられる」という特徴です。勉強や部活、サークルや遊びなど、自分の行動すべてにおいて「何のためにこれをするのか」と考えています。
実行力は「そうすべきだと思う事」に対して発揮される力です。学生は社会人よりも、必要に迫られるという場面が少なくなりがちです。
そのため自分が「そうすべき」と思うことは、常に自分で判断して見つけていかなければならず、それができる人は「実行力がある人」と言えそうです。
②人任せにしない
2つ目の特徴は「物事を人任せにしない」という特徴です。学生は親や教師など、周りに手助けをしてくれる人がいます。
しかし、何かを人任せにすると自然と「待ち」の姿勢になります。相手がやってくれるまで待ち、その結果を受け取るだけです。
実行力は「理論で考えられる事や、そうすべきだと思う事を実際に行う力」ですので、自分が「動く」という要素は欠かせません。
③計画を立てて行動している
3つ目は「計画を立てて行動している」という特徴です。実行力は「理論で考えられる事をする」という力です。行き当たりばったりの行動では理論で考えられません。
日々、自分が進むべき方向、自分にとって意味のある行動をするには「計画」が必要です。起床時間や学校が終わってからの過ごし方など計画性を持って行動することが実行力につながっています。
実行力を鍛える方法
今は実行力が低くても、実行力を鍛えたいという人は多いでしょう。以下では実行力を鍛える方法を3つご紹介します。
①数字を含んだ明確な目標を持つ
まずは「数字を含んだ明確な目標を持つこと」です。最初はどんな小さな目標でも構いません。ポイントは「数字」です。
【OK】
- 朝6時に起きて出勤前に○○の本を3ページ読む
- ○月○日までに売上を1万円伸ばす、そのために毎日2件の企業に顔を出す
- ○月○日までに体重を500グラム減らす、そのためにお菓子は週に1回だけにする
【NG】
- 朝活をする
- 売上を少しでも伸ばす
- 夏までに痩せる
数字を含まないぼんやりとした目標では、その時になってから「さて、何からやろうか」と考えなくてはならず、その時点で実行に移す力が低下します。
明確な目標に向けて、すぐに行動に移せるよう工夫をしましょう。
②できたことに注目する
目標を立てたら「できたことに注目をすること」が大事です。あれができなかった、これもダメだったと考えていては実行力は鍛えられません。実行力には自分のモチベーションが欠かせないからです。
【OK】
今日は6時12分に起きたけど、本は3ページ読めた
今日は1件しか訪問できなかったけど、前回よりも担当者と実のある話ができた
今週はお菓子を2回食べたけど、ひとつは和菓子だったので1.5のカウントで良いだろう
【NG】
今日は本は3ページ読めたけど、寝坊して6時12分にしか起きられなかった
今日は1件しか訪問できなかった
今週は2回もお菓子を食べてしまった
面接の長所・短所と同じで、ネガティブなことの後には必ずポジティブなことを持ってくるのがポイントです。
ポジティブな振り返りを後に持ってくることで、自分自身ができたことに注目しやすくなります。そうすると必要に応じた軌道修正もでき、ますます実行できることが増えていきます。
③自分との約束を守る
実行力を鍛えるのに欠かせないのが「自分との約束を守る」ということです。なぜなら、実行力は基本的にすべて自分からの指令によってなされます。まずは自分が自分を信用できることが重要です。
- 今日は人の目を見て朝の挨拶をする
- 食事を味わって食べる
- 寝る30分前からスマホは見ない
上記は一例ですが、これくらい小さな約束で構いません。自分との小さな約束を守る習慣を身につければ、次第に少しずつ大きな約束もできるようになります。
自分との約束を守れるようになれば、自分のことが信用できるようになり、自分がしたいと思ったことをすぐ実行できるようになります。
実行力の短所・デメリットも知っておく
ここまで「実行力」について解説をしてきました。「実行力」がビジネスでとても重要な要素であることは伝わったかと思います。
しかし、短所やデメリットがない要素は存在しません。「実行力」にも短所やデメリットがあることを知っておきましょう。
実行力は他の要素と組み合わせて活かすことが重要
「実行力」の短所・デメリットは、「実行力だけ」では足りないということです。迅速に行動に移す「行動力」や、やりきるための「継続力」など、他の要素と組み合わせることではじめて、本当のメリットになります。
もちろん、「実行力」以外の推進力や遂行力も同じです。どんな素晴らしい要素もそれだけで何でもできるわけではありません。その時々で他の要素と上手く組み合わせることを目的に「実行力」を見に付けるよう意識してみてください。
実行力に関するおすすめの本
「実行力」についてもっと深く知りたい、という方のために3冊の本をご紹介します。
①自分を動かす習慣 ~80のヒント集~ 張替 一真
「自分を動かす習慣 ~80のヒント集~」普段あまり本を読まない、難しい本は苦手という人におすすめの本です。イラストで図解されているので、漫画を読む感覚で気軽に読めます。
しかし内容は深く、人間の心理的な癖や誰もがつまづいているポイントの乗り越え方など、実行力を求める人が知りたいことが書いてある本です。
②何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書 中島 輝
「何があっても「大丈夫。」と思えるようになる 自己肯定感の教科書」SNSでも話題の「自己肯定感について書かれた本です。
この本は、自己肯定感が高い状態でこそその人の実力が発揮される、という見方をしています。これまで何度も実行力の向上にチャレンジして失敗した人には響く本かもしれません。
③実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた 橋下徹
「実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた」最後は自分の実行力というよりも、部下やチーム全体の実行力を鍛えたいという人へおすすめの本です。
自分がリーダーである環境で、どうすればメンバーの実行力を上げられ、組織やチームの底上げができるのかという点について詳細に書かれています。
【就活生向け自己PR】実行力をアピールするESの例文
最後に、実行力をアピールするESの例文を2つご紹介します。
例文①|仕事を効率化させた実行力のエピソード
私には現状の問題点を改善した実行力があります。私はカフェでアルバイトをしていました。そのカフェは人気店で、曜日や時間を問わずいつも満席でした。そしてその忙しさから、店員が多い割に何かとお客様をお待たせすることが多かったのです。原因はその店のルールにありました。メニュー配布、オーダー取り、テーブルサーブという役割制です。そこで私はオーナーにテーブル担当制を提案しました。そうすれば何組担当していてもお食事の進み具合に合せて予想しながら動けます。結果としてお客様をお待たせすることはなくなりました。
例文②|目標を達成する計画実行力のエピソード
私は自分の実行力で目標を達成した経験があります。2年前までの私の英語力はTOEIC500点台でした。私は将来英語を使った仕事に就きたく、大学卒業時点で850点以上は取れるようになりたいと思いました。そこで850点を取るために自分に必要な知識や技術を洗い出し、それらを効率良く修得できるスケジュールを組んで実行しました。結果は先月のTOEICで840点でした。目標にはまだ10点足りていませんが、ここまで力を伸ばせたということは自分の考え方や実行に間違いはなかったということだと思っています。
まとめ
今回は「実行力」について解説しました。自分が「したい」と思っていることなのに、どうしてできないのだろうと悩む人は多いかもしれません。しかし実行力は鍛えられます。
まずは「実行力を鍛えるために必要な実行力」を意識して毎日を過ごしてみましょう。きっと少しずつ「実行」をすることに抵抗がなくなり、日常的に「実行」できるようになるはずです。