「問題と課題」の違いは一体何なのでしょうか。コンサルでは問題と課題の違いが聞かれたりするように、就活対策の一環としても知っておきたいものです。今回は問題と課題の違いについて説明します。辞書的な意味が違うだけでなく、問題と課題はアプローチの仕方も異なるので、社会人になる前に把握しておきましょう。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
問題と課題の違いとは
問題と課題について考えたことはありますか。どちらも積極的に取り組むべきものです。なんとなく頭では両者の違いがわかるような気がするものの、言葉にするとなると困ってしまうかもしれません。
コンサルなど高いレベルの就活生を求める業界では「問題と課題の違い」を面接で聞き、就活生の思考力の深さを測ろうとすることもあるようです。
以下の見出しで問題と課題の違いについて、まずはそれぞれの意味から詳しく見ていきます。就活対策としてだけでなく、今後社会人になった時に「問題」と「課題」の取り組み方の違いを考えるためにも、知っておきましょう。
問題とは
では、まず「問題」とはどのような意味なのでしょうか。
以下では「問題」の辞書的意味とビジネスでの意味を紹介します。
問題の辞書的意味
goo国語辞書によると、「問題」の意味は以下の通りです。
1 解答を求める問い。試験などの問い。「数学の問題を解く」「入試問題」
2 批判・論争・研究などの対象となる事柄。解決すべき事柄。課題。「そんな提案は問題にならない」「経済問題」「食糧問題」
3 困った事柄。厄介な事件。「新たな問題が起きる」
4 世間が関心をよせているもの。話題。「問題の議員」
2項目目で紹介されているように、「問題」は「課題」の意味を含んでいることがわかります。そのため、「問題」と「課題」は混同しやすい言葉だと言えます。
問題のビジネスでの意味
ビジネス上では、上記の2項目目で紹介した「困った事柄」「厄介な事件」を指すことが多い傾向にあります。
また、「問題」が「課題」の意味を含む場合、ただの「課題」ではなく「悪影響を及ぼす(可能性のある)解決すべき課題」というニュアンスで使われます。
具体的な例は後述しますが、問題は「放っておくとネガティブに作用する事柄」であると考えておくと理解しやすいでしょう。
課題とは
一方、「課題」はどのような意味なのでしょうか。
以下では「課題」の辞書的な意味とビジネスでの意味について説明します。
課題の辞書的意味
goo国語辞書によると、「課題」の意味は以下の通りです。
1 与える、または、与えられる題目や主題。「論文の課題」「課題図書」
2 解決しなければならない問題。果たすべき仕事。「公害対策は今日の大きな課題である」「緊急課題」
1項目目の意味は「宿題」を意味しています。今回の主題である2項目目の「課題」の説明にも「問題」という言葉が使われています。
課題のビジネスでの意味
課題も「解決すべき事柄」ではあるものの、「問題」と違って「解決することでよい影響を及ぼしうること」を意味します。
課題は、解決することで将来的にプラスに働きます。課題の中には差し迫ったものもありますが、どちらかと言うと「解決しなくてもよいものの、解決した方がさらによくなる」というニュアンスが強いと言えます。
問題も課題も、「どちらも放っておくとよいことはない」という点では共通しています。
問題と課題の例
では、問題と課題はどのような場面で発生するのでしょうか。
以下ではビジネスでよく起こる「問題」と「課題」を紹介します。それぞれのニュアンスの違いを、例を通して把握してみてください。
大事なデータが消えてしまった
仕事をしていると顧客のデータを預かることがあります。場合によっては重要機密である大事なデータが誤作動によって消えてしまうことも考えられます。
この場合の問題と課題は何なのでしょうか。
問題|消えてしまったデータの復旧
問題は「放っておくとネガティブに作用する事柄」です。つまり、差し迫って解決すべきことなので、「消えてしまったデータの復旧」が問題だと言えます。
データが復旧すれば問題は解決します。そのためにも、ITに強い人材を中心にできる限りの方法を試し続けなければなりません。
課題|今後同じことが起こらないための対策
一方、課題は「解決しておくと今後にポジティブに作用する事柄」です。問題である「データの復旧」が解決したら、次は「データの紛失を防止する」という課題に向き合う必要があります。
データの紛失を繰り返していると、復旧のたびに仕事を進める手が止まってしまいます。二度と起こらないように対策を打つのが、「課題」だと言えます。
顧客への請求書の金額を誤って多めに記載した
請求書は人が入力して作成することが多いので、どうしても金額の間違いが発生してしまいがちです。
この場合の問題と課題は何なのでしょうか。
問題|差額の処理
この場合、差し迫って解決すべき「問題」は差額の処理です。顧客が既に支払いをしてしまったのか、また差額はいくらなのか、返金対応をするのか、などの事柄を1つずつ確認して対応していかなければなりません。
また、この問題のせいで顧客が怒ってしまった場合、さらに大きな「問題」が発生してしまった状況だと言えます。この場合、問題の解決として顧客の怒りを沈めることが必要です。
課題|失った顧客の信頼の回復
請求金額の誤記載があった場合、多かれ少なかれ顧客からの信頼を失ってしまうことになります。失った顧客の信頼を回復することが、将来的に解決すべき「課題」です。
信頼は時間をかけて積み上げなければなりませんが、失うのは一瞬です。ミスを訂正したからと言って、顧客の信頼を取り戻すことはできません。
今後顧客にどのように対応していくのか、同じミスをどう防止するのかが重要な課題となります。
新入社員が続々と辞めてしまった
労働力を補うために新入社員を採用したものの、新入社員が次から次へと辞めてしまう事態が発生したとします。
この場合の問題と課題は一体何なのでしょうか。
問題|突然の人手不足
新入社員が辞めてしまうことで発生する問題は、突然の人手不足です。今まで新入社員に頼んでいた仕事を残った社員たちがやることになるので、業務量が増えてしまいます。
結果、残業が続いたり現場が回らなくなってしまう可能性があります。即戦力となる中途の採用を強化するなどして、人手不足を補うことが「問題」への解決アプローチとして考えられます。
課題|労働環境・人材の定着率の改善
この場合の「課題」は「なぜ新入社員が辞めてしまったのか」という理由を突き止めることでしょう。労働環境や人材の定着率の改善をはからなければ、いくら新たに採用しても同じ「問題」が起こるからです。
教育制度を見直す、研修を充実させる、無意味な残業や早朝出社を辞めさせる、などが課題の解決方法として挙げられます。
問題と課題の解決方法
「問題」と「課題」のニュアンスの違いは理解できましたか。
両者の性質の違いにより、解決方法も異なります。以下では、「問題」と「課題」のそれぞれの解決方法を紹介します。
ある事柄が発生した場合、それが「問題」なのか「課題」なのかを明らかにした上で、それぞれの解決方法を試してみてください。
問題の解決方法
問題は、差し迫って解決すべき事柄です。とにかく早急に、かつ臨機応変に対応していかなければなりません。
解決方法はケースバイケースであるものの、問題解決の際には以下の2つを心がけてみてください。
方法①|原因を突き止める
まず、問題が発生した時にはその原因を正確に突き止めるようにしましょう。原因を知ることで、その後とるべき行動がわかります。
この時、誰かの行動が原因となった場合でも、責任の追及は後回しです。とにかく発生した問題を早急に解決しなければなりません。
方法②|早急に対策を練って実行していく
問題発生の原因を突き止めたなら、次は早急に対策を練って実行していくのみです。問題によって実行すべき対策は異なるので、臨機応変な対応が求められます。
問題発生時は冷静さを失ってしまいがちですが、対策を練ったら優先順位をつけて、1つずつ確実に実行していくようにしてください。
課題の解決方法
課題は、取り組むことで将来へのプラス効果が期待できる事柄です。急ぎではないものの、経営的観点から避け続けてはいられないものもあります。
課題の解決方法として有効なのは、まずは広く意見を募ってみることです。課題解決の方法として以下の2つを試してみてください。
方法①|ブレインストーミングや会議で意見を募る
課題の実態や解決方法を探るために、1人で考えるよりも複数の人から意見を募る方が望ましいと言えます。課題へのアプローチのやり方への「切り口」をまずはできる限り増やしてみることが大切です。
コンサルや広告代理店など、顧客の課題解決をはかる業種でも、まずはブレインストーミングや会議から取り組むことが一般的です。
方法②|専門家をチームに加える
広く意見を募ってみてもあまり機能しない場合には、専門家をチームに加えて課題の解決をはかってみましょう。専門家の意見をうまく取り入れると周りの同意を得やすく、チーム一丸になりやすいというメリットがあります。
専門家は課題の実態を的確に捉えてくれるため、道を外れにくくなります。内部の課題に対してはどうしても主観的になってしまいがちなので、冷静かつ客観的にものごとを見ることができる専門家の意見が役に立つことがあります。
まとめ
今回は問題と課題の違いについて説明しました。それぞれの意味を正しく把握することはできましたか。
問題は至急解決しなければならないことなので、誰もが取り組むものです。一方、課題は先延ばしにしても大丈夫な場合があり、取り組みが後手に回ってしまいがちだとも言えます。
個人・ビジネスのどちらにおいても課題の解決がその後の成長につながるので、問題だけでなく課題にもしっかりと取り組むようにしてください。