パラレルワークと副業との違いとは?おすすめの仕事も一挙紹介!

働き方改革が進む今、「パラレルワーク」が注目を集めています。正社員として勤務しながらパラレルワークをする人も増えており、関連する本も人気が高いようです。そこで今回は、パラレルワークとは何か、近年増えている背景と現状、おすすめの仕事などについて解説します。

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この記事の監修者

キャリアカウンセラー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

パラレルワークとは

パラレルワークを、副業だと勘違いしている人も少なくないようですが、その意味は異なります。ここでは、パラレルワークとは何かについて説明します。

目次

パラレルワークの意味

パラレルワークとは、複数の本業を持つ働き方のことです。そのため「複業」といわれることもあります。いくつかの仕事を並行に行うことで、一つの仕事に依存することなく、様々なキャリアを持つことができます。

また、複業は収入があることが前提ではありません。NPO法人やボランティア活動を通して社会貢献することも、立派なパラレルワークです。収入が伴うこともありますが、複数のキャリアを並行して身につけるという意味でも注目を集めている働き方です。

パラレルワークと副業の違い

パラレルワークと副業の一番の違いは、本業が明確であるかどうかです。副業の場合はメインとなる本業があり、サブで別な仕事をしていることを意味します。つまり、副業はサイドビジネスにあたります。

そして副業の目的は、本業以外の収入を得ることです。そのため、本業の休日にアルバイトをする、在宅でできる仕事をする、内職をするなど、様々な形態があります。近年は副業を解禁する企業が増えていますが、パラレルワークを認めているところは少ないです。

パラレルワークが増えた背景

近年パラレルワークが増えた背景には、日本型雇用システムと呼ばれる、終身雇用や年功序列の制度が崩れたことがあげられます。かつての日本では、会社に入社したら定年まで勤めるのが普通だったため、労働者が自分のキャリアについて考える必要がありませんでした。

しかし現代では、どんな大手企業であっても雇用が保証されているわけではなく、働くことへの価値観も変化しています。そのため、自分のライフスタイルに合わせたキャリア形成をする人が増えています。

さらに雇用が不安定なことから、いざという時のためにキャリアを複数確保しておきたいと考える人が増えていることも、パラレルワークが増えた要因といえます。

パラレルワークの現状

インターネット接続サービスの「So-net(ソネット)」 は2019年6月に「パラレルワークに関する実態調査」の結果を発表しました。その結果、働き方改革法案の施行後に、パラレルワーカーが増えていることがわかったのです。

ここでは、パラレルワークの現状について説明します。

5人に1人がパラレルワークを行っている

全国の20~50代の有職者2,500人を対象に行われた調査結果によると、約5人に1人がパラレルワークを行っています。調査対象者が勤務する企業で複業が認められているのは38.4%でしたので、隠れて行っている人もいることになります。

中でもパラレルワーカーが多かったのが20代の女性で、70%にものぼっていました。さらに現在は専業ワーカーである人も、約60%が「複業に興味がある」と答えています。

パラレルワーカーは専業ワーカーより平均労働時間が短い

「パラレルワーカーになると、労働時間が長くなるのでは?」と心配になる人もいることでしょう。しかしこの調査結果によると、パラレルワーカーは専業ワーカーより、1週間当たりの平均労働時間が約6時間短いことがわかりました。

その理由として、パラレルワーカーが複業の一つにインターネットを利用できる仕事を選ぶ傾向が高いことがあげられます。インターネットを活用し、効率的に働く方法を実践している人が多いと予想されます。

パラレルワークとしておすすめの仕事

パラレルワーカーになるために、何か複業を考えているなら、キャリアにつながる仕事を選ぶのがおすすめです。ここでは、インターネットを活用してできる、パラレルワークとしておすすめの仕事を3つ、紹介します。

Webライター

Webライターとは、様々なWebメディアに記事を書く仕事です。募集しているジャンルが幅広く、単価は低いものの、未経験者でも始められる仕事でもあります。

空き時間を活用して仕事を行えるうえ、在宅勤務が一般的です。打ち合わせもメールやビジネスチャットなどを利用して行うので、時間に拘束されないところがおすすめのポイントです。

しかしプロとして長く働き、高収入を得るには、単に文章を書くだけでなく、SEOの知識は不可欠です。また、自分の専門分野を持つことで、報酬アップが見込めます。

投資家

元手がある人なら、投資家になるのもよいでしょう。投資家とは、株や債券、不動産、FXといった投資商品を売買すること利益を得ています。

自分が投資できる金額に合わせて、投資商品を選ぶことができ、資産形成にも役立つのでおすすめです。特に目先の利益ではなく、長期スパンで資産形成をしたいなら、個人投資家を目指すとよいでしょう。

ただし、投資に関する勉強や相場観を見極めるセンスが必要な仕事でもあります。投資にはリスクもあるので、その点は念頭に置きましょう。

Web制作

Web制作には、「Webデザイナー」「Webエンジニア」「Webライター」が含まれます。ウェブサイトを新たにつくるだけでなく、コンテンツのリニューアルや追加といった仕事もあります。

中でもパラレルワークにおすすめなのは、Webエンジニアです。Webエンジニアは、WordPressなどのオープンソースの導入やカスタマイズを行うほか、ウェブサイトの構築を担当することもあります。専門スキルは必要ですが、単価の高い仕事を受注しやすい仕事です。複業にするためにはまず、WordPressとフロントエンド言語のスキルを身につける必要があります。

WebデザイナーやWebライターも、実績を積むことで単価が上がっていきますのが、Webエンジニアの方が高収入を得やすいです。

パラレルワークのメリット・デメリット

日本企業において、パラレルワークを認めているところはまだまだ少数派です。そして、注目を集めてはいるものの、社会的に認知された働き方と断言するのは時期尚早の感があります。

ここでは、パラレルワークのメリット・デメリットについて説明します。

パラレルワークのメリット

パラレルワークのメリットには、以下のものがあげられます。

  • 複数の仕事があるのでリスクを分散できる
  • 収入アップを目指せる
  • 視野や知見を広げることにつながる
  • 人間関係が広がる
  • 効率的にスキルアップできる
  • それぞれの仕事で得たスキルを別な仕事に生かせる
  • 生きがいややりがいを持ちやすい

パラレルワークをすることで、複数のキャリアを持てれば、どれか一つの仕事が先行かなくなっても、何とかなるという安心感を得やすいです。

パラレルワークのデメリット

一方で、パラレルワークにはデメリットもあります。

  • 人によっては労働時間が増える
  • 複数の仕事を管理しなければならない
  • 仕事の受け方によってはオーバーワークになる
  • 情報漏えいのリスクを抱えることもある
  • 勤務先によっては就業規則違反になる

自己管理が苦手な人にとっては、パラレルワークによるデメリットの方が大きいかもしれません。

パラレルワークに関する本

近年は、パラレルワークに関する書籍が増えています。中でも人気が高いのが、「パラレルキャリアー新しい働き方を考えるヒント100」です。「6次元」という、最近話題のブックcafeのオーナーが手掛けた著作としても知られています。

この本の中では、これからパラレルワークが増えることを前提に、それを実践するための心得がわかりやすく紹介されています。パラレルワークを始める前に一読すると、自分のキャリアについて考えやすくなるはずです。

まとめ

今回は、パラレルワークの意味と取り巻く現状、おすすめの仕事などについて解説しました。

日本の労働人口減少を考えると、パラレルワークは近い将来当たり前になる可能性が高いです。また、自分のキャリア形成のためにも、パラレルワークは役立ちます。自分が新たに積めるキャリアは何かを考えながら、適職探しをしてみることをおすすめします。

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