近年日本企業においても「CxO」と表する、チーフオフィサーが増えています。日本ではなじみが薄く、役職によって意味が異なり、その階級について理解できない就活生も多いことでしょう。そこで今回は、チーフオフィサーとは何か、その種類と果たすべき役割などについて解説します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
チーフオフィサーとは
チーフオフィサーとは、社長から特定の分野における責任や一部の権限を委譲され、任された分野の全社的な指揮命令権限を有する役職者をさします。「CxO」とx部分に任されている分野が入るため、後述しますが様々な種類があります。
日本企業では大小取締役の下に様々な役員がいて、合議によって企業運営が行われてきました。しかし外国では責任を明確にするためにチーフオフィサー制が一般的で、近年はそれを導入する日本企業が増えています。
チーフオフィサーの種類
チーフオフィサーは経営的な視点を持って、リーダーシップを発揮して企業を引っ張る責任を負います。そのため、分野ごとに最高責任者が必要なため、細分化されています。
ここでは、よく見聞きする5つのチーフオフィサーについて、意味と役割を説明します。
①CEO(最高経営責任者)
就活生に一番耳なじみがあるチーフオフィサーといえば、CEO(最高経営責任者)でしょう。ここでは、CEO(最高経営責任者)の意味と役割を紹介します。
意味
CEO(最高経営責任者)は、Weblio辞書では以下のように説明しています。
企業や組織においてすべての職務を統括する人を意味する語。
米国などでは、主に「CEO」という略称を用いる。
つまり、会社のNo.1を意味する言葉です。日本でいう、代表取締役会長が当てはまります。
役割
日本企業における代表取締役会長は、名誉職であることが珍しくありません。しかしCEO(最高経営責任者)は、経営方針に対する決定権を持ちます。そのため、企業の業務全般を取り仕切りながら、経営責任も負うという役割を果たします。
②COO(最高執行責任者)
CEO(最高経営責任者)に次いでよく見聞きするのが、COO(最高執行責任者)です。ここでは、COO(最高執行責任者)の意味と役割を紹介します。
意味
COO(最高執行責任者)は、Weblio辞書では以下のように説明しています。
企業の経営方針に則って企業活動の執行・統制に責任を負う。
社長と兼務するケースが多い。
CEO(最高経営責任者)の下の役職で、会社のNo.2を意味する言葉です。COO(最高執行責任者)は日本でいう、代表取締役社長が当てはまります。
役割
COO(最高執行責任者)の役割は、CEO(最高経営責任者)の決定した戦略を実行するための指揮をとることです。そのため、目標達成のために社内のオペレーティング体制を把握し、様々なリソースを同時に動かす視野や力量が求められます。
③CFO(最高財務責任者)
CFO(最高財務責任者)は、就活生にはなじみのない役職ですが、企業にはなくてはならない存在の一つです。ここでは、CFO(最高財務責任者)の意味と役割を紹介します。
意味
CFO(最高財務責任者)は、Weblio辞書では以下のように説明しています。
最高財務責任者(アメリカ英語: chief financial officer、略語: CFO)とは、アメリカ合衆国内の法人において理事会(法人が会社の場合は取締役会)(board of directors) の指揮の下で法人の財務に関する業務執行を統括する役員、執行役員又は執行役(officer、又は executive officer)の名称、若しくは最高財務責任者として選任された人物のことである。
財務に関する責任を負う、会社のNo.3を意味する言葉です。
役割
CFO(最高財務責任者)の役割は、企業における財務戦略を立案し、それを執行することです。時価会計や連結会計、キャッシュフロー会計について、世界基準の透明化をはかると共に、財務管理の責任を負います。企業価値の向上に直結する重職です。
④CHRO(最高人事責任者)
CHRO(最高人事責任者)という役職を、この記事で初めて知る人も少なくないはずです。ここでは、CHRO(最高人事責任者)の意味と役割を紹介します。
意味
CHRO(最高人事責任者)は、Weblio辞書には掲載されていませんでした。会社でいう人事のことは、以下のように説明されています。
(会社や組織内での)個人の地位・職務・能力などに関する事柄。 「 -考課」
つまりCHRO(最高人事責任者)は、経営者と従業員の間に立ち、全社の人的資源管理に関するすべての責任を負う役職者をさします。
役割
CHRO(最高人事責任者)の役割は、会社の資源である人材の価値を高めるために、あらゆる取り組みを行うことです。採用に始まり、社員教育や研修の実施、組織改編や人事異動、人事評価の項目策定、時にはリストラなど、多岐にわたる業務を担います。会社の人的資源は企業の業績に密接に関わるので、責任重大です。
⑤CIO(最高情報責任者)
CIO(最高情報責任者)も、近年注目を集めるようになった役職の一つです。ここでは、CIO(最高情報責任者)の意味と役割を紹介します。
意味
CIO(最高情報責任者)は、Weblio辞書では以下のように説明しています。
最高情報責任者(アメリカ英語: chief information officer)とは、アメリカ合衆国内の法人などにおいて、情報や情報技術に関する上位の役員のことである。情報担当役員や英語の略称であるCIOなどとも呼ばれる。この他近年、CIOは“Chief Insights Officer”の略称として表されることもある。
つまりCIO(最高情報責任者)は、情報に関する責任を負う役職で、欧米企業ではすでに当たり前の存在です。日本でも近年は、CIO(最高情報責任者)をおく企業が増えているそうです。
役割
CIO(最高情報責任者)の役割は、IT(情報技術)を用いて、社内における情報の流れを最適化することです。社会で求められる迅速な情報共有や、情報漏洩の防止などにも対応しながら、最小限の労力で最大限の効果を生むサポート体制の構築を担います。
その他の種類
上記以外のチーフオフィサーには、以下のものがあります。
- CTO/最高技術責任者
- CMO/最高マーケティング責任者
- CBO/最高ブランディング責任者
- CSO/最高戦略責任者
- CLO/最高法務責任者
- CCO/最高コミュニケーション責任者
- CAO/最高分析責任者
- CSO/最高販売責任者
- CPO/最高プライバシー管理責任者
- CISO/最高情報セキュリティ責任者
日本には会社法があり、取締役の責任に関する規定があります。しかし、チーフオフィサーは日本の会社法に定義されていない役職です。そのため、地位や権限は企業によって異なります。
チーフオフィサー制度のメリット・デメリット
チーフオフィサー制度を取り入れる日本企業が増えつつあるものの、会社法に即していないなら意味がないのでは?と疑問に思う就活生もいることでしょう。ここでは、チーフオフィサー制度のメリット・デメリットについて説明します。
チーフオフィサー制度のメリット
チーフオフィサー制度を導入するメリットとして、以下のことがあげられます。
- 会社がどんな課題の力を入れているのかを、社外に伝えやすい
- 経営にプロフェッショナルの視点を取り入れられる
- 部門に権限を与えることで起きていた、他部門との衝突が起きにくい
- 社員のキャリアパスが描きやすくなる
かつての日本企業はゼネラリストの養成に力を入れてきましたが、グローバル社会で生き残っていくためには、スペシャリストが不可欠です。
スペシャリストであるチーフオフィサーが特定分野の責任と権限を持つことで、指揮系統が明確になることもメリットといえるでしょう。
チーフオフィサー制度のデメリット
終身雇用制度に基づく年功序列に慣れた日本企業においては、チーフオフィサー制度にデメリットを感じるケースも少なくないようです。デメリットとしては、以下のことがあげられます。
- 肩書を変えただけで、仕事の実態が伴っていない企業も多い
- 現場により過ぎて、経営方針に添わないケースも多い
- 専門分野の特化し過ぎて、協調・協働しないケースもみられる
日本企業には、個人が責任を取るという文化が根付いていません。そのため、チーフオフィサーを置いたにも関わらず、その方針に専門外の人が口を出したり、自分の担当部門と関わる部署に対する間接的な責任を負うという思考で取り組まないケースも多くあるようです。企業風土によっては、根付きにくいと考えられます。
チーフオフィサー制度を取り入れている企業
近年は、日本企業にもチーフオフィサー制度を導入する企業が増えていると前述しました。以下の企業は、すでにチーフオフィサー制度を導入しています。
- アクサ生命
- 三菱重工業
- 三越伊勢丹ホールディングス
- 日産自動車
- カルビー
- イオン
ベンチャー企業などでも、チーフオフィサー制度を導入しているところが多いので、今後はもっと増えていくことが予想されます。
まとめ
今回は、チーフオフィサーとは何か、その種類と果たすべき役割などについて解説しました。
チーフオフィサーは会社法に縛られることなく、企業ごとに自由に役職を設けることができるので、今後も種類が多様化していくことでしょう。
しかしグローバル社会の中で台頭していくためには、その名にふさわしい専門性を持つ必要があります。自分のキャリアを描くうえで、目指すチーフオフィサーを定めておくのもよいかもしれません。