テストセンターの対策は十分でしょうか?テストセンターで受けるSPIはしっかりと対策をしていないとなかなか点数を取ることができません。今回はテストセンターの問題の傾向や受験1週間前の直前でもできる対策について紹介します。テストセンターの成績が悪いと志望企業の面接さえ受けられないこともあるので、入念に対策しましょう。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
テストセンターとは指定の会場で受検するSPIのこと
テストセンターとは指定の会場で受検するSPI(適性検査)のことです。
まずは、テストセンターがどんなものなのか、どのように受験すればよいのか、など基本的なことを把握しておきましょう。
事前に性格検査を受検後、会場を予約する
テストセンターでの受験が必要であれば、企業からテストセンターの案内が送られてきます。まずは基本情報を登録し、会場に行く前に性格検査を受けておきます。
性格検査を終えると、基本的な学力をはかるためのテストを会場で受けるために日時と場所を予約することができるようになります。
服装は私服で全く問題ない
テストセンターには私服で出向いて問題ありません。もちろん、面接の間にテストセンターを訪ねるならスーツを着ていても大丈夫です。
面接や説明会と違って服装によって判断される機会はないので、自分がリラックスして受検できる服装をしてください。
過去の結果を使い回すこともできる
テストセンターで一度受検すれば、その結果を使い回すこともできます。企業から案内が来るたびに受けてもよいですが、よい点数を取れたと思ったら、その結果を次の企業でも使うことができます。
ただし、数回テストセンターで受検している場合、直近の結果しか使い回すことができません。「2回前の方が手応えがあった」と感じても結果をさかのぼることはできないので注意しましょう。
テストセンター(SPI)の出題範囲と難しさ
テストセンターのSPI試験は国語力が問われる「言語分野」と数学力が問われる「非言語分野」で構成されています。この2つに加え、企業によっては「英語」「構造把握能力検査」の受検も求められることがあります。
問題は義務教育の中で習った基本的なものが多いものの、中には難しかったり、解きにくい問題が出題されることもあります。
以下の2記事では、テストセンターの対策方法について解説しています。おすすめの参考書や問題を解く時のコツについて紹介しているので、対策に不安がある方はぜひ、あわせて読んでみてください。
テストセンター(SPI)の対策をする前に知っておくべきこと
テストセンターの対策をする前に知っておきたいことが3つあります。
この3つを知っておくと効率的にテストセンターの対策を進めることができ、忙しい就活の中でテストセンター対策に割く時間を短縮することができるでしょう。
①定番の解き方があるので絶対に参考書を買う
テストセンターの問題には「こう解答すればよい」という定番の解き方があります。定番の解き方を身に着けるには参考書を解くことが一番の近道なので、少なくとも1冊は参考書を購入しておきましょう。
- これが本当のテストセンターだ!(SPIノートの会)
- これが本当のSPI3だ!(SPIノートの会)
- ダントツSPIホントに出る問題集(ナツメ社)
- 史上最強SPI&テストセンター超実践問題集(ナツメ社)
- 文系学生のためのSPI3完全攻略問題集(高橋書店)
どんな参考書を選べばよいかわからないなら、上記の5つから選んでみてください。上記の5つの参考書はどれもテストセンター対策の定番で、毎年多くの就活生が活用しています。
②苦手な分野から着手する
テストセンターの受検対策は苦手な分野から着手するようにしましょう。国語が苦手なら言語分野から、数学が苦手なら非言語分野から手をつけるようにしてください。
苦手な分野を放っておくと、いつまでもやる気になりません。結局苦手分野が最後まで足を引っ張ることになります。
③模擬問題をネット上からダウンロードする
参考書での問題に慣れてきたら、テストセンターに行く前に模擬問題をネット上からダウンロードして解いておきましょう。
「大人のための算数・数学 大人塾」ではテストセンターの模擬試験を自分のパソコンから解くことができます。全11問、制限時間10分と短縮バージョンで取り組みやすいので、ぜひ試してみてください。
SPIのテストまで1週間!直前の対策
まずは、「SPIのテストまで時間がない!」という人のための対策を紹介します。もちろん、テストセンターの試験は十分に準備しておくに越したことがありません。ですが、直前に問題演習をしておくだけでもその差は大きく現れます。
時間があるなら、後述の見出しに沿って対策してください。テストの直前なら、以下で紹介する勉強方法を試してみてはいかがでしょうか。
対策①|直前向け問題集を解く
上記でSPIの定番問題集を紹介しましたが、他にも時間がない時の対策用に問題集が出版されています。
- 7日でできる!SPI問題集(高橋の就職シリーズ)
- これだけ押さえる!SPIでるとこだけ問題集(高橋の就職シリーズ)
- SPI直前テキスト&問題集「5分でわかる頻出単元」(高橋の就職シリーズ)
これらの問題集は時間がない時でも効率的に学習できよう、「必ず出るところ」「押さえておきたいところ」をだけ予習できるように作られています。
SPIテストの1週間前であっても、この対策本のどれかに取り組めば必ず得点がアップします。直前だからと諦めないでください。
対策②|アプリで問題を予習する
「本屋に行く余裕もない」そんな時にはスマートフォン用のアプリで予習しましょう。出題形式を把握したりするだけでも対策になります。
- SPI言語・非言語2020・2021(iPhone)
- SPI言語Lite(Android)
この2つのアプリは、無料でSPIの演習ができます。アプリなら隙間時間で対策できるので、直前でも利用してみてください。
テストセンター(SPI)の分野別の対策
続いてはテストセンター(SPI)の分野別の対策について説明します。
どの分野も、ある程度時間をかけてじっくりと対策していかなければなりません。しかし、直前であっても対策しないよりはした方がよいので、できることから手をつけてみるようにしてください。
テストセンター(SPI)の非言語分野の対策
非言語分野、数学の出題への対策ポイントは以下の4つです。
- ①「推論」の単元以外には時間をかけすぎない
- ②メモを活用して図を書く
- ③勉強する際は単元ごとに集中してやる
- ④正答率が大事なので焦って適当に答えない
適当に解答せずに、1つずつ正確かつ素早く解けるようになっておかなければなりません。
①「推論」の単元以外には時間をかけすぎない
非言語では「推論」が出題されます。限られた情報の中から解答を導かなくてはならず、論理的思考力を必要とします。「推論」に正確に解答できるようになるには慣れが欠かせないので、じっくりと時間をかけましょう。
ただし、「推論」の単元以外の対策には時間をかけすぎないようにしてください。就活中の時間は限られているので、全てに時間をかけていては間に合わなくなります。
②メモを活用して図を書く
テストセンターではメモとえんぴつが配られます。非言語問題を解く時には、このメモを有効活用してください。
特に推論の問題を解く時には、出題内容を整理するために図を書くことをおすすめします。SPI対策の参考書の多くが図の書き方も解説してくれています。図で問題を整理できるようになると、素早く正確に解答できるようになります。
③勉強する際は単元ごとに集中してやる
非言語分野を勉強する際には、単元ごとに集中してやることをおすすめします。推論なら推論を、計算問題なら計算問題を、と単元を1つずつコンプリートしていきましょう。
全単元から出題される模擬試験ばかり解いていても、点数があまり伸びていきません。苦手な単元を確実に潰していくことが大切です。
④正答率が大事なので焦って適当に答えない
テストセンターでは制限時間があります。制限時間内に答えることができなければ次の問題に移ってしまうため、焦ってしまうのも無理はありません。
しかし、テストセンターの試験で最も重要なものは正答率です。時間を気にして適当に答え、正答率が下がってしまうと本末転倒です。制限時間の感覚に慣れるためにも、志望企業の試験までに何度か受検をしておきましょう。
テストセンター(SPI)の言語分野の対策
言語分野、国語の出題への対策ポイントは以下の2つです。
- ①語彙問題は問題集でひたすら数をこなす
- ②文章問題は普段の音読で読むスピードを速める
言語分野は非言語分野に比べると対策がしやすいと言えます。非言語分野に時間をかけるためにも、言語分野はメリハリをつけ、効率よく対策を進めるようにしてください。
①語彙問題は問題集でひたすら数をこなす
テストセンターの言語分野では、語彙に関する問題が数多く出題されます。語彙問題は参考書を活用して、ひたすら量を解くようにしてみてください。語彙問題は、知らなければどうすることもできません。
また、出題範囲が膨大なので、1つ1つ解答を丁寧に覚えていくといくら時間があっても足りません。「見たことあるな」「たしかこれだったな」程度で、効率よく解答できるようになっておきましょう。
②文章問題は普段の音読で読むスピードを速める
言語分野では長文問題も出題されます。時には制限時間ないに読み切れるか不安になるほど長い文章問題が出ることもあります。
文章問題の対策として、普段から素早く読む訓練を積んでおきましょう。参考書を音読することで、読むスピードを速めることができます。
テストセンター(SPI)の英語分野の対策
それほど多くはないものの、企業の中には英語分野の受検を求めるところもあります。英語分野の対策のポイントは以下の2つです。
- ①音読で読解スピードを上げる
- ②先に問題を読んで答えの在処に目星をつける
TOEICなどの受験経験があればそれほど難しく感じないでしょう。日頃から英語に取り組んでおくことをおすすめします。
①音読で読解スピードを上げる
テストセンターの英語分野は難易度こそ高くないものの、制限時間内に長文を読めるようになっておく必要があります。
普段から英語の長文を音読することで、読解スピードを上げることができます。ただ読むだけでなく、声で読み上げると同時に内容を理解できるようになっておくことが理想です。
②先に問題を読んで答えの在処に目星をつける
選択問題が出た時には、先に出題文の選択肢に目を通して答えをある程度予測しておきましょう。多くの人が長文を読み、出題文を見て、再度長文に戻って答えを探します。しかし、それでは時間が足りなくなってしまいます。
まず出題文を読んで、選択肢に目星をつけてから長文を読むと、必要な情報を的確にすくい取ることができます。時間短縮と解答の正確性の向上に役立ちます。
対策して良い成績が出たテストセンター(SPI)は使い回す
前述したように、テストセンターの結果は使い回すことができます。良い点数が出たらその結果を使い続けることができるので、次回からテストセンターでの受検をしなくてもよくなります。
高得点を取れたら、その結果を利用するようにしてみてください。
①高得点と言われる基準の目安
テストセンターの試験は7〜8割を取ることができれば、ほとんどの企業に合格できると言われています。テストセンターは回答内容によって出題問題が変わります。
正解が続くと問題がどんどん難しくなり、不正解が続くと問題がどんどん簡単になっていきます。問題が難しいと不安になりますが、正解が続いている証拠なので安心してください。高得点の目安は以下の通りです。
【言語分野】
- 長文問題がいくつも出題される
【非言語分野】
- 推論に関する問題が出題される
- 1つの問題文につき、2〜3問出題される
上記の出題パターンは、高得点の人にしか出てきません。これらの出題があれば、高得点が取れている目安となります。
②ESを提出せずに受験可能な企業を探してお試し受験する
エントリー後ESを提出する必要がなく、テストセンターの受検のみを求める企業もあります。そのような企業を探して、何度かお試し受検をしてみるのも対策の1つです。
手応えを感じたら、そのテスト結果を志望企業に使い回しましょう。テストセンターの受検をしても、その後の選考に進むかどうかは自由です。
③テストセンターの結果はダウンロードできる?
テストセンター受検後、「結果を知りたい」「答え合わせをして、次に生かしたい」と思うかもしれません。しかし、残念ながらテストセンターの結果をダウンロードしたり、自分の正答率を確認したりすることはできません。
結果を使い回す時も、あくまで自分の手応えでしか判断できないのが実際のところです。その手応えを確かなものにするためにも、お試し受検を経て何度か経験しておくことをおすすめします。
まとめ
今回はテストセンターの対策について説明しました。
テストセンターでの試験は対策なしで乗り切ることができるほど簡単ではありません。しかし、直前であっても参考書やネットの模擬試験を活用してしっかりと対策をすることが大切です。
テストセンターでの受検は基本的には回数を経ることに得点が上がる傾向にあります。と言っても、一度よい得点を取ることができればその結果を使い回すこともできるので、効率的に就活を進めましょう。