就活の履歴書では、課外活動を書きますがインターンやボランティアなど、どのような課外活動を書くべきかで悩む人は大勢います。また、課外活動として部活や資格取得を選んでも、箇条書きで良いのか困るのです。本記事では、履歴書の課外活動を書く際のポイント、注意点とテーマ別の例文をご紹介します。
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この記事の監修者
キャリアカウンセラー|秋田 拓也
厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。
■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
履歴書の課外活動に何を書くか迷う就活生は多い
履歴書では、自己紹介や志望動機などを書くことが求められてますが、課外活動に何を書くか迷う就活生は多いと考えられます。
- 何の課外活動を履歴書に書くべきか
- 履歴書ではどのように課外活動を書くべきか
このように、履歴書の課外活動に関する悩みと言っても大きく2つに分けることができます。以下では、履歴書の課外活動に悩む学生の1例をご紹介します。
履歴書の課外活動の覧って何書けば良いんだ!!(;´༎ຶД༎ຶ`)ヘルプミー
— カンナミ@メダロットs (@0nStill) 2011年11月29日
上記は、履歴書の課外活動の欄で悩んでおり助けを求めるツイートです。初めての就活で、適切な課外活動の内容や書き方がわからないと、藁にも縋る思いで誰かに助けを求めてしまうことになります。
課外活動とは
履歴書の課外活動とは、どのような活動を示しているのかと疑問に感じた方もいらっしゃると思います。履歴書の課外活動は、以下と定義づけすることができます。
- 大学の学業・研究以外で、特に力を入れて行ってきた事柄
このように、履歴書の課外活動は対象がかなり広範囲だと言えるので、具体的な活動内容としては以下が挙げられます。
- 部活動・サークル
- アルバイト・インターン
- 資格の取得・Wスクール
- 留学・ボランティア
何を書くべきか思いつきにくくても、何かしら課外活動のネタはあると考えられます。
履歴書の課外活動で企業が見ているポイント
履歴書の課外活動とは、何かご理解を頂けたかと思いますが、そもそも企業側はどのような意図と目的で学生にこれを課しているのでしょうか?
本見出しでは、履歴書の課外活動で企業が見ているポイントを3つご紹介します。
ポイント①|問題意識
1つ目のポイントは、問題意識です。問題意識とは、物事へ取り組む際に何を解決すべきかやどのような目標を達成すべきかと考えることと定義できます。
- インターンを通して、企業に必要なノウハウと経営的な考え方を学ぶ
- ボランティアを通して、公共政策が実現できないケースを把握する
例えば、履歴書の課外活動で代表的なインターンとボランティアにおいて、これらのような問題意識があるか否かで、経験から得られる成果も大きく異なると考えられます。
ポイント②|取り組み方
2つ目のポイントは、取り組み方です。取り組み方とは、その行動への姿勢とアプローチという2つの意味に分類でき、学生の熱意や地頭力を図ることも可能です。
- 毎日の授業やゼミ活動で大変な中でも、週5日のアルバイトを辞めずに4年間続けた
- 学業とアルバイトを両立させるために、時間的な効率性を意識して過ごした
上述のように、学業とアルバイトを頑張った学生であっても、取り組み方という観点から熱意や地頭力が垣間見えるので、評価自体は大きく異なると考えられます。
ポイント③|行動力
3つ目のポイントは、行動力です。行動力とは、何らかの活動を行うにあたって困難にぶつかったときの対処方法と、それを乗り越えての成果が何かということです。
- 留学先で、語学レベルと文化に馴染めず途中で帰国した
- 留学先で、主体的にルームメイトと交流を行い語学力の向上と異文化理解ができた
例えば、同じ留学という課外活動であっても、困難の乗り越えられず途中で諦めてしまった前者と、それをきっかけに1歩成長した後者では行動力が違うと評価されます。
履歴書の課外活動の文章構成
前述の見出しでは、履歴書の課外活動に対して企業の担当者が見ているポイントをお伝えしましたが、どのような書き方にすべきか不安を感じる方もいらっしゃると思います。
以下では、履歴書の課外活動の文章構成において重要な3つのポイントをご紹介しますので、文章を書く際の骨格として活用ください。
活動の内容
1つ目のポイントは、活動の内容です。履歴書を読む人は、皆さんの経歴や人柄といった情報を知らないので、活動の内容を的確に伝える際には以下を網羅することが推奨されます。
- 活動を行うに至った背景・動機付けを簡潔に説明する
- 活動の中で、あまり知られていない言葉はわかりやすい類語に置き換える
- 活動の内容において、5W1Hを意識して概略が伝わりやすくする
書き手側として、読みやすく文章を書いているつもりでも、読み手側としては意味が捉えにくく誤解を抱いてしまうことは多々あり、文章構成における基礎として重要なのです。
活動の課題
2つ目のポイントは、活動の課題です。課題とは、ある目標を達成する際に障害となった事柄と定義することができ、これに対する対処方法も評価項目に含まれます。
- 陸上部の部活では、ハードな練習に耐えられず怪我をすることが多かった
- 音楽サークルにおいて、活動費の確保が危ぶまれて存続の危機に瀕した
このように、履歴書の課外活動において、ストーリー性を読み手に伝えられるか否かは、活動の課題が明示されているかと考えられます。
活動から学んだこと
3つ目のポイントは、活動から学んだことです。活動から学んだこととは、自身がその経験を通してどのように成長したかや何を得られたかという話のオチです。
- TOEIC900点を突破する過程において、1つのことをやり抜く力を身に付けた
- Wスクールでの勉強を通して、複数のことを効率的に進める方法を学んだ
例えば、資格の取得やWスクールでは、資格や学業的な結果よりもその過程において何を学び、どのような経験を得ることができたのかをアピールする必要性があります。
履歴書の課外活動を書く際のポイント
前述の見出しでは、履歴書の課外活動を書く際の構成を解説しましたが、執筆におけるポイントとしては何があるのでしょうか。
以下では、履歴書の課外活動を書く際のポイントを4つご紹介しますので、準備をする際にはこれらを網羅できるように心がけましょう。
ポイント①|活動への貢献度を示す
1つ目のポイントは、活動への貢献度を示すことです。企業では、従業員に対して給与が支払われますが、その代わりにどれだけの成果を残したのかが業務査定として評価されます。
履歴書の課外活動では、単に頑張ったことや大変だったことに意識が行きがちですが、採用担当者はその学生がどのように貢献したかを注目していると覚えておきましょう。
ポイント②|協調性をアピールする
2つ目のポイントは、協調性をアピールすることです。企業では、社員1人で最初から最後まで全てが行われるといったケースは稀であり、チームプレーが鉄則ともいえます。
仮に個人的な活動と、集団的な活動のどちらを課外活動として書くべきか悩んでいるのならば、協調性をアピールできる後者を選ぶことが推奨されます。
ポイント③|課題や目標を示す
3つ目のポイントは、課題や目標を示すことです。課外活動の文章を書く際に、読み手側が要点を理解できるよう冒頭で課題や目標を明示することが良いと考えられます。
- 早朝のカフェバイトでは、開店前の準備を1時間以内に終えることが求められました
- インターンでは、毎月10件の新規顧客案件を獲得するという目標がありました
このように、課外活動において何をしなければならなかったのかを書くことで、読み手は前提となる情報が印象に残るので、以降のストーリーも理解しやすくなるのです。
ポイント④|定量的な成果を明確にする
4つ目のポイントは、定量的な成果を明確にすることです。課外活動でNGな例として、成果が何か曖昧であり、感情や感想といった定性的な描写で終えてしまうことです。
- 居酒屋のバイトでは、気のある仲間がたくさんできて嬉しかった
- 居酒屋のバイトで、1月の売上を15%向上させる結果に貢献できた
例えば、同じ居酒屋のバイトという課外活動でも、前者は稚拙で成果が何か不明確であるのに対して、後者は定量的に貢献した成果を示せているとわかります。
履歴書の課外活動を書く際の注意点
ここまで、履歴書の課外活動を書く際のポイントをご紹介しましたが、どのような注意点を考慮しておくべきかと疑問に感じた方もいらっしゃると思います。
本見出しでは、履歴書の課外活動を書く際の注意点を2つお伝えしますので、書いている途中や書き終えた段階でこれらを守れているか何度も確認をしましょう。
注意点①|嘘はつかない
1つ目の注意点は、嘘はつかないことです。就活の履歴書では、どうにか選考突破率を挙げたいと思うあまり、人から聞いたエピソードや話を誇張して書いてしまう人がいます。
履歴書の課外活動は、面接において質問のネタに利用されるので、嘘をついてしまうと後からしどろもどろになり不採用となる恐れがあることも覚えておきましょう。
注意点②|専門的になりすぎない
2つ目の注意点は、専門的になりすぎないことです。専門的とは、特定の単語や話の内容が前提知識の無い人には理解が難しいことと定義でき、履歴書では避けるべき内容です。
- 難解な単語の意味は、その都度説明を加えたり言い換える
- 背景知識の無い人でもわかるよう、具体例を挙げつつ説明する
専門的になりすぎないためのポイントとしては、上述の2つが挙げられます。どちらがより良いということはありませんが、状況に応じて使い分けることが求められます。
テーマ別|履歴書の課外活動の例文
本見出しでは、7つのテーマ別に履歴書の課外活動の例文をご紹介しますので、作成にあたってはこれらを参考にして頂ければ幸いです。
サークル
1つ目の例文は、サークルに関する課外活動です。
私は、フルートのアンサンブルにてコンクール入賞を目標へ掲げて取り組みました。演奏経験が長かったため指導する立場を担いましたが、基礎技術の習得が課題だと考えました。
合計4名の演奏者がいましたが、それぞれの練習時間がバラバラであったため、週5日の朝昼晩で基礎練習をするだけでなく、土日に集中して練習をしたり演奏を聞きに行きました。
その成果もあり、大学4年次には東京都内で行われたコンクールにおいて、初めて2位入賞ができ、皆で共通目標を持って努力を続ける大切さを学ぶことができました。
アルバイト
2つ目の例文は、アルバイトに関する課外活動です。
社会人での企業に向けて、資本金を500万円貯めたいと考えて、大学1年次から週5日間合計3つのアルバイトを続けてきました。
アルバイトを行うにあたり、学業との時間的調整を図ることのみならず、できるだけ短時間で単価の高いアルバイトを行い効率的に稼ぐという課題がありました。
1年次には、体調不良に苦しんだ時期もありましたが、決めたことは最後までやり抜くという意志力により、3年次には目標よりも100万円多く貯金をすることができました。
部活動
3つ目の例文は、部活動に関する課外活動です。
私は、バスケットボール部に所属しインカレ1部への昇進を目指しました。1年次はレギュラーになれませんでしたが、チームを支えるだけでなく先輩との関係構築に力を注ぎました。
しかし、2年次からはセンターとしてレギュラーに定着し、安定的な攻守に貢献をしたことでチームも連勝を続けることができ、見事1部への復帰を実現することができました。
この経験から、チームとして1つの目標を実現するために、できることを率先するだけでなく、関係の向上に向けて自ら動き続けることが重要だと学びました。
ボランティア
4つ目の例文は、ボランティアに関する課外活動です。
出身地は高齢化が進み、行政のサービスが行き届いていないという問題があったため、大学では高齢者施設で介護のボランティアを行いました。
働いた施設では、職員さんの数が不足していたためできる限り多くボランティアを行うだけでなく、活動を路上で広めたりゼミ活動での課題として取り上げることもしました。
このボランティア活動によって、社会問題へ取り組むには主観的に経験を積むだけでなく、客観的にその状況を広めることも不可欠であると学びました。
インターン
5つ目の例文は、インターンに関する課外活動です。
大学では、ソフトウェア販売企業にて営業補佐のインターンを行いました。指導して下さった方は営業成績が優れており、効率よく業務に取り組める環境づくりが課題と考えました。
そこで私は、業務内容を網羅的に考えてそれらを順位付けし、ニーズに応じて取り組む順番を変えることでよりスムーズに営業の仕事ができるようサポートを心がけました。
退職時には、サポートのおかげで営業成績が前年比で+10%だったと感謝のお言葉を頂き、大きな達成感を得られただけでなく考えて仕事に取り組む重要性も学びました。
資格取得
6つ目の例文は、資格取得に関する課外活動です。
3年次に交換留学へ行くという目標を掲げて、TOEIC900点の取得に励みました。毎日の授業やアルバイトの間に、どれだけ質の高い勉強時間を確保できるかが課題でした。
そのため、毎日のスケジュールを1時間単位で可視化するだけでなく、勉強時間とTOEICスコアのとり方も戦略的に考えて勉強内容を変えることを心がけました。
この結果、3年次の夏に950点を突破することができましたが、就職して社会人として働き始めてからも道筋を考えてから業務取り組むことを心がけていきます。
習い事
7つ目の例文は、習い事に関する課外活動です。
大学では、プログラミングの習得に取り組みました。卒業後は、大手ソフトウェアメーカーへの就職を希望しており、在学中は高難度のプログラミングを学ぶ目標を掲げました。
授業では、あらかじめ予習しておいたプログラミングの知識が定着しているかを確認し、授業後にはより難易度の高いプログラミング技術を調べることにも力を注ぎました。
この課外活動を通して、目標を掲げて達成までの道筋を逆算し現状の自分となりたい自分とのギャップを効率的に埋めていく大切さを学びました。
履歴書の課外活動がない方へ
前述の見出しでは、テーマ別に履歴書で記載する課外活動の7例をご紹介しましたが、相応しい課外活動が見つからないと悩む方も多いと考えられます。
以下では、履歴書の課外活動がない方へ3つの方法をご紹介します。
方法①|大学時代の経験を洗い出す
1つ目の方法は、大学時代の経験を洗い出すことです。大学時代では、入学から卒業まで様々な経験を積んでいるのでそれらをグルーピングして把握することが推奨されます。
- 大学の年次ごとに行ったことを振り返る
- 個人活動と集団活動にて行ったことを振り返る
- 自己成長か社会貢献に分けて行ったことを振り返る
経験を洗い出す際には、以上のようになんらかの軸を決めて考察をすると、もれなくダブりなく活動内容を振り返ることができます。
方法②|自分のSNSを振り返る
2つ目の方法は、自分のSNSを振り返ることです。SNSとはフェイスブック、ツイッターやインスタグラムなど日々の活動をアップロードしているツール全てと言えます。
これらでは、普段から何気なく行ってきた習慣や特に頑張って取り組んだ思い出が記録されており、履歴書の課外活動でネタとなる内容が豊富にあると見込まれます。
方法③|今から始める
3つ目の方法は、今から始めることです。就職活動が始まっていても、現在進行形で何らかの活動に取り組むことで履歴書の課外活動に記載することはできます。
例えば、アルバイトやインターンなど数日から1週間程度で何らかの経験と静観が積めるものであれば、今から始める意義はあると考えられます。
履歴書の課外活動は平凡で良い
就活では、履歴書の課外活動に適した内容なのかどうかと悩んでしまう学生は多くいらっしゃいますが、大切なことは自分の活動に自信と誇りを持つことです。
- 課外活動を通して、何らかの成長に繋がった
- 課外活動において、困難や課題から逃げずに取り組んだ
- 課外活動によって、これまでとは違う自分を発見した
堅苦しく書くと上述のようになりますが、履歴書の課外活動は平凡で良いということを覚えておくと気持ちが楽になります。
まとめ
履歴書の課外活動は、多くの学生が何を書くべきかで悩みますが、学業以外であれば問題はありませんので、これまでを振り返って活動内容を選ぶと良いでしょう。
また、履歴書の課外活動を書く際のポイント、注意点や具体例もご紹介しましたので、これらを参考にご準備を進めてみてはいかがでしょうか。