建設コンサルタントは激務?「辛い」「辞めたい」評判の真相や激務の理由を解説

東京オリンピックや大阪万博の開催に伴い、建築ラッシュが起こっています。その影響もあって建築コンサルタントが激務だといわれていますが、その理由は明確になっていません。そこで建築コンサルタントの仕事内容や激務と言われる理由、向いている人などについて紹介します。

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建設コンサルタントとは

建設コンサルタントとは、私たちの生活の基盤であるインフラの計画や調査、設計についてコンサルティングする仕事です。

道路や鉄道、橋、港湾、空港といった公共性の高い施設・設備が対象なので公共事業が中心で、発注元は国交省が多いです。ゼネコンの担当部署との違いは、発注者に立場にたってアドバイスすることです。

目次

事業の計画策定

建築コンサルタントの仕事は、発注先から建設事業の企画内容をヒアリングしたうえで、事業計画を策定するところから始まります。

公共施設の建設を例に考えてみます。まず、建設を考えている公共施設の需要を予測し、整備効果を検討します。さらに建設にあたって、地域住民の意向をヒアリングすることも、建築コンサルタントの大切な仕事です。

これらのプロセスを終えてから、事業計画を策定し、発注元にプレゼンテーションし承認を得ます。これらのプロセスは公共施設だけでなく、環境や景観、観光、産業、公共交通計画などで持てる行われます。

地質調査・環境評価

事業計画を策定したらまず、「地質調査」を行います。実際には遅しく調査に先立って、「資料調査」と「現地調査」が行われるのが普通です。

地質調査により地盤の状態を把握することで、その土地に最適な設計や建築方法を考えることができます。これは建設する建物を、長期にわたって安全に使えるものにするために欠かせないプロセスです。

さらに経済や施工、維持管理性について検討し、地域住民の意向を把握することも並行して行います。これらの総称を「環境影響評価」といいます。

設計

地質調査等が終わると、基本設計に入ります。基本設計とは、敷地や立地条件などの調査結果を踏まえて、建築基準法等の関係法令に即して、平面・立面の基本設計図を作成することです。

その際には実施費用も計算し、予算と納期に合う内容にしておかなければなりません。この基本設計が承認されて初めて、実施設計に入ります。

実施設計とは、工事に着工するために不可欠な図面を起こすことです。これには意匠設計図や構造設計図、構造計算書、設備設計図、各工事仕様書、工事費積算書、建築関係諸手続き書類などが含まれ、申請手続きも行います。

施工管理

工事が着工されると、建築コンサルタントの業務は施工管理がメインとなります。施工管理とは、施設が設計図に即して作られているかを確認したり、施工検査・強度試験・材料検査を行い、必要に応じた設計変更を行うことです。

工事期間中は施行計画の検討や助言、発注元と施工者間の調整、各種報告と手続き処理などを行います。そして建物が竣工した後は消防署や役所による検査及び建築引き渡し時の立合いのほか、最終的な工事の確認も担当します。

維持管理

近年は公共事業の透明化や手抜工事の防止を目的に、公共施設管理において包括的民間委託を行うケースが増えてきています。

そうした背景もあり、建設コンサルタントの受注方法によって、建物の引き渡し後の維持管理まで担当する案件も増えているようです。

その場合は、施設の老朽化を念頭に置いた維持管理費や更新費を試算し、その予算を確保することも大切な仕事となります。

建設コンサルタントが激務と言われる理由

建築コンサルタントは、激務なことで知られます。主なクライアントが官公庁であり、事業計画に関するコンサルティングを行うだけでなく、引き渡しまで滞りなく業務遂行するよう管理をし、利益もあげなければならないと考えると、頷けます。

ではなぜ建築コンサルタントが激務といわれるのが、具体的に説明していきましょう。

案件が同時並行で進む

公共事業の多くは、予算が決まっています。当初のオリエンテーションで説明されていた以外の要望が、入札後に出てくることも多く、そもそも利益率が高い仕事とはいえません。

そのため建設コンサルタントの多くは、利益を確保するために、複数の案件を抱えるのが一般的です。公共事業は納期が明確で、年度をまたぐことができませんので、複数案件を同時進行するのは簡単なことではありません。

規模や工程の違う恐恐事業を複数抱えていると打ち合わせが多く、会社に戻ってからは報告書や各種書類、原価チェックなどの作業を行わなければならず、早出・深夜残業・休日出勤を余儀なくされるケースが多いです。

自主的な勉強には残業代が出ない

建築コンサルタントは事業計画を遂行するにあたり、品質や工程、安全、 情報、人的資源などを、幅広く総合監理しなければなりません。

現場には専門職が多く、建設技術がなければ工事内容をチェックすることもできません。また、提案力や業務管理能力、経営能力知識下求められるので、若いうちは特に勉強を欠かせないのです。

しかし、業務に関する勉強であっても、自主的に行っている場合は残業代が出ない風潮があります。会社の利益のためにスキルアップを考えていても、それは個人の負担と頑張りが前提というのが実情です。

若手の間はやらされ感が強い

建築コンサルタントとして一人前になるには5~10年かかるといわれており、それまでは上司の指示の下で仕事をします。そのため20代の建設コンサルタントは、やらされ感を感じる傾向が強いです。

仕事の流れや作業の意味が理解できていれば、仕事がきつくても、休みが取りにくくても不満は感じにくいものです。しかし、指示の意図や目的を説明してくれない上司の下で、作業だけが積み重なる状況で休みもなければ、不満が募るのは当然なことです。

さらに上司に作業報告をした際、簡単に突き返されれば、精神的な負担も大きくなります。

建設コンサルタントで特に激務なのは復旧工事

建設コンサルタントは新規の案件を行うだけでなく、自然災害などの復旧工事も任されることが多くあります。

特に日本は地震、台風など災害が多い国です。そのような場合に、一刻も早く屋内環境を復旧、整備すべく建設コンサルタントに納期の迫った厳しい案件が舞い込んできます。

災害被害のあった現場に直接赴くため、現場環境も荒れておりストレスフルなプロジェクトメンバーを間違いのない意思決定で率いていく必要があります。

また、単なる復旧だけでなく再発防止策も練りこんだ復旧計画にする必要があるため、意識を向ける先が多く深夜残業、休日出勤などが当たり前となることが多いようです。

建設コンサルタントが激務だという人の声

転職体験談などを見ても、建築コンサルタントが激務だという人の声は少なくありません。そこで、具体的な例を2つ紹介します。

ゼネコンから転職し、建設コンサルタントとして一人前と認められていないうちは、自分の裁量で仕事をすることは難しいものです。それゆえに勤務時間が長くなり、気持ちが追い込まれてしまうのでしょう。

公共事業は多岐にわたりますし、地域社会に貢献できる仕事ですから、やりがいを感じやすいです。しかしその実現のために、残業80時間が前提で工期を組まれるのは、喜べることではありません。

次に日本工営株式会社のOpenworkでの口コミを引用します。

残業時間が多いため。残業時間の削減には積極的に取り組んでいるが、業界の特性上、これ以上生産性を上げることが難しいと考えた。毎年受注の目標値は上がっており、増員はしているものの、若手の教育等もあり、繁忙度は毎年上がっているように感じた。

会社としては残業時間を減らそうとモニタリング等はしているが、有効な生産性向上策などの検討はなく、ただ残業時間を減らせ、としか言われない。結果、仕事を突き詰めてやりたい場合はサービス残業にならざるを得ない。

東京オリンピックに向けた建設ラッシュで建設コンサル業界の受注量は右肩上がり。このような状況下で現場の労働時間を減らすことは至難の技でしょう。

建設コンサルタントは激務な一方、良いところもある

激務といわれる建築コンサルタントですが、その業界でがんばり続ける人が多いのも、また事実です。その理由の一つに、仕事にやりがいを感じられることがあげられます。

ここでは建築コンサルタントの仕事のやりがいについて、具体的に紹介します。

国交省とも関わる仕事のスケール感と社会貢献性

公共事業の約8割が、国交省の管轄です。国交省では国土の利用と開発及び保全、社会資本の整備、交通政策の推進などを担当しています。

そのため国土や都市の計画から道路、建築物、住宅、河川、港湾、官庁営繕、国土の測量、交通・観光政策、気象業務、災害対策、周辺海域の治安・安全確保まで、幅広く管轄します。

これらのインフラサービスは仕事のスケールが大きく、社会貢献性も高いため、激務であってもやりがいを感じる人が多いのです。

自分の案件が目に見える形で残る

公共事業は施設や都市計価格など大きな案件が多く、一度竣工すると長期間、仕事が目に見える形で残ります。

公共事業によっては利用者の姿もその目で見ることができ、エンドユーザーである地域住民の喜びを実感できることも少なくありません。そうした点がモチベーションアップにつながるようです。

多様な案件があって飽きることがない

建築コンサルタントは事業計画に関したコンサルティングを行い、納得してもらえる成果品を納品しなければなりません。

そのため、技術営業や提案書作成、入札後の業務・実行予算の計画と業務実施、予実を分析しながらの管理と業務が多岐にわたります。そのため、勉強は欠かせません。

しかし、案件によって成果物も求められるスキルも異なるため、常に新しい気持ちで案件に向き合うことができ、飽きないのも魅力です。

プロジェクトマネージャーになれれば裁量が大きい

5~10年の修業期間を終え、一人前の建築コンサルタントとして認められれば、マネージャーとして1人で業務を回せるようになります。大きな責任は伴いますが、自分の裁量で部下に作業を割り振り、全体を統括しながら仕事を進めるという醍醐味を味わえるようになります。

進捗や原価の管理など、一般社員では経験できない仕事も、自分の意志で回せるので、経営感覚を磨くことにもつながります。

模倣困難であり市場価値が高い

一人前の建築コンサルタントになるためには、長い修業期間が必要です。また、様々な公共事業に関わった経験があると、それを生かした仕事ができるようになるものです。

そのため、建築コンサルタントはマネジャーまで昇格すると、業界内の市場価値がグンとアップします。そうなると世の中にとっても貴重な人材と認められるので、転職にも有利です。

建設コンサルタントに向いている人

建築コンサルタントは関わる分野が幅広く、一人前になるためにかかる時間も長いです。そのため、適性がある人でなければ挫折する可能性が高まります。

ここでは、建築コンサルタントに向いている人について、具体的にお話しします。

勉強するのが苦にならない人

建築コンサルタントに向いている人の共通項は、勉強が苦にならない人です。業務遂行のうえで身につけるべき技術やスキルが幅広く、入札のためにはプレゼンテーション能力の必要です。

また、公共事業は案件によって状況が異なるため、その都度ベストな提案をしなければなりません。過去の経験を生かして、フラットな視点で提案ができるよう、最新の技術革新にアンテナを張るなど、インプットも欠かせません。

ゴールまでの道筋を考えられる人

公共事業は工事期間が長期にわたり、納期や予算が明確です。そのため、成果物の引き渡しから逆算して、工程管理をしなければなりません。つまり、ゴールまでの道筋が考えられる人が、建築コンサルタントに向いているということです。

修業期間は上司の指示に従って作業すればよいですが、プロジェクトリーダーになると、工期を守るために自ら決断したうえで指示を出す機会が増えます。決断力があることも、大事なポイントです。

まとめ

建築コンサルタントが激務なことは否定できません。しかし仕事の成果が目に見える形で残り、地域社会に貢献できる素晴らしい仕事であることも事実です。

しかし一人前と認められれば、仕事の規模も報酬も大きくなる仕事でもあります。将来も見据えて、建築コンサルタントを目指すかどうか考えてみてください。

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