就職で身元保証人を提出する場合|身元保証人の役割,疑問について徹底解説します!

就職の際には保証人や身元保証書を求められることがあります。保証人や身元保証書とはどんなものであり、何のために提出しなければならないのでしょうか。今回は内定承諾後に求めらる可能性のある身元保証書や身元保証人について詳しく解説します。就職前に、一度確認しておきましょう。

監修者

キャリアアドバイザー|秋田 拓也

厚生労働省のキャリア形成事業にキャリアコンサルタントとして参画。
大手警備会社にて人事採用担当として7年間従事の後、現職にて延べ200名以上の企業内労働者へキャリアコンサルティングを実施。

■所持資格
国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

就職で身元保証書の提出が必要な場合がある

就活で内定を獲得し、入社が決まった後に「身元保証書」の提出が必要なことがあります。

身元保証書は、雇用した就活生の身元を第三者が保証するものです。雇用にあたって過去に問題を起こしていないか保証し、また万が一会社に損害を与えるようなことがあった場合には本人とともに賠償責任を負うことになります。

多くの場合両親や親戚が身元保証人となり、身元保証書を作成します。

身元保証人とは

では、身元保証人とは一体どのような条件で選ぶのでしょうか。

また、「身元保証人」と「連帯保証人」はどう違うのでしょうか。以下で解説します。

目次

身元保証人の条件

身元保証人を立てる時には、以下の例がよく条件として挙げられます。

  • 本人とは別の世帯を持っている
  • 一定の安定した収入がある
  • 親・兄弟など二等身以内の家族ではない

身元保証人の条件は企業の判断に委ねられています。「二等身以内の家族以外」と条件を定める企業もあれば、「本人の両親」と指定をする企業もあります。条件にあてはまれば兄弟・姉妹を保証人に選ぶこともできます。

身元保証人を立てる場合には、企業が指定した条件を注意深く読むようにしてください。

身元保証人と連帯保証人の違い

身元保証人と連帯保証人は違います。それぞれの違いは以下の通りです。

【身元保証人】

  • 就職・転職の際に求められる
  • 原則3年、最長5年の期限がある
  • 保証責任が発生する可能性がある時には事前に通知を受けられる

【連帯保証人】

  • 賃貸・借金、弁償の可能性がある際に求められる
  • 決まった期限はない
  • 本人と同等の支払い責任を負う

本人の行いが悪く、将来損害が発生する可能性がある場合には身元保証人にその通知が届きます。その際に、身元保証人を解除することもできます。

身元保証人は原則期限付きで、身元保証人を保護する法律も存在しています。身元保証人は連帯保証人と違ってあらかじめ保証する金額がわからないため、責任が重くなりすぎないよう配慮されています。

一方、連帯保証人は本人と同じだけの支払い義務を課されます。法律による配慮もないので、本人が支払えない場合には連帯保証人が代わりに支払いを行わなければなりません。

身元保証人の役割

では、なぜ身元保証人を立てる必要があるのでしょうか。

以下では身元保証人の負う役割について説明します。身元保証人の役割を理解した上で、身元保証人を頼むようにしましょう。

社会的に信用に足ることを証明する

身元保証人によって、本人が社会的に信用に足ることを証明します。

本人の経歴や出自に問題がないことを第三者が保証します。本人に問題がある場合には保証人になってくれる人がいません。身元保証人を立てることができる=社会的に信用できる、という解釈となっています。

様々な責任を負う

身元保証人は本人が何かしらの損害を発生させた時に、責任を負うことになります。基本的には本人が支払わなければなりませんが、本人に支払い能力がない場合には身元保証人に請求が届きます。

あらかじめ損害賠償額が大きくなる可能性があるとわかっている場合には、1人あたりの負担を減らすために身元保証人を2人求められることもあります。

身元保証人が立てられない時の対処法

両親や親戚がいない、条件にあてはまる身元保証人を見つけられない…そんな場合にはどうすればよいのでしょうか。

まずは以下の2つの方法を試してみてください。

内定先の企業に相談する

身元保証人を立てられない場合には内定先の企業にまず相談しましょう。事情を詳しく話して理解を得ることができれば、特例として身元保証人を立てる義務を免除してくれる可能性も考えられます。

もしくは身元保証人代行サービスを活用するよう指示が下るかもしれません。どちらにせよ、まずは内定先企業の意向を確かめてみることをおすすめします。

身元保証人代行サービスを活用する

両親や親戚を亡くしてしまった人など、身元保証人を立てられない人もいます。そんな人たちに向けて、身元保証人代行サービスがあります。

  • 保証人代行サービス 株式会社プロスペリティー
  • 保証人代行のアリコ・トラスト
  • ファインワールド保証

身元保証人代行サービスを使うと「体裁がよくない」と思うかもしれませんが、確実な保証があるため企業としてはより安心だとも言えます。身元保証人代行サービスを使うことをためらう必要はありません。

就職の身元保証人の疑問

身元保証人を立てる際によくあがる疑問が以下の3つです。

  • 誰に頼めば良いのか
  • 身元保証人を提出しないとどうなるのか
  • 身元保証人はどこまでの責任を負うのか

それぞれの疑問について、以下で解説します。

誰に頼めば良いのか

身元保証人は誰に頼むべきなのかは、企業が定める条件によって異なります。

前述したように両親を指定する企業もあれば、二等身以内の家族は避けるように指示する企業もあります。企業の定める条件を確認し、あてはまる人に身元保証人になってもらうようお願いしましょう。

身元保証人を提出しないとどうなるのか

身元保証人を提出しなければ、「身元を保証できない=過去に問題がある」と捉えられかねません。正当な理由がなければ内定取り消しとなる可能性があります。

身元保証人を立てられないからといって何も言わずに提出義務を無視することは絶対にやめてください。身元保証人を立てられない理由を企業に相談し、企業からの指示に従うようにしましょう。

身元保証人はどこまでの責任を負うのか

身元保証人の責任の範囲は企業の定める条件によっても異なりますが、前述したように責任が重くなりすぎないように配慮されています。

本人に損害賠償が発生した場合も、身元保証人が全額保証しなければならないようなケースはほぼありません。素行が悪い社員には事前に企業から身元保証人に通知する義務もあり、身元保証人は法律で守られています。

まとめ

今回は身元保証人について解説しました。

内定後に身元保証人を立てるよう求められることがあると知っておきましょう。あらかじめ両親や親戚にお願いしたり、頼む人がいない場合には身元保証人代行サービスについて調べておくことも大切です。

身元保証人を立てられなければ内定取り消しになる可能性もあります。入社するのに必要不可欠なプロセスなので、決して提出義務を無視をしたり軽んじたりすることのないよう注意しましょう。

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